本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『100%好かれる1%の習慣』(松澤萬紀)

 お薦めの本の紹介です。
 松澤萬紀さんの『100%好かれる1%の習慣』です。

 松澤萬紀(まつざわ・まき)さん(@matsuzawa_maki)は、ANA(全日空)のキャビンアテンダント(CA)として12年勤務されたご経験をお持ちです。
 現在は、コミュニケションマナー講師、CS(顧客満足度)向上コンサルタントとして、セミナーや研修等を多数開催されるなど、多方面でご活躍中です。

毎日の行動を「1%」変えれば、人生が変わる

 松澤さんは、長年CAとしてお客様と接する中で、「人の思いや気持ち(内面)は、日常の行動(外面)にあらわれる」ことを学びました。
「また会いたい」と思われる人は、例外なく「相手がどう思うか」「何をすれば相手が喜んでくれるか」を察する「相手を気づかう心」があり、それを言葉と行動に込める習慣を持っています。

 松澤さんは、ほんの少しだけ「相手に喜んでもらうこと」を意識するだけで、自分を取り巻く人間関係が劇的に変化しはじめると強調します。

 本書は、本物の気づかいのできる人たちが身につけている「1%の習慣」についてまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「相手に寄り添ったプラスアルファのひと言」で心がつながる

 相手の気持ちに寄り添った、プラスアルファのひと言。
 それが、相手の心に、「親しみの気持ち」を生みます。

 日本の武道や芸道には「残心(ざんしん)」という言葉があります。
 技を終えたあとも「心を切らさず、余韻を残す」ことを言うそうですが、人間関係においても「残心が大切」だと私は思います。
「相手の印象に残る人」は、「別れ際の1秒間(ラストインプレッション)」を意識して、最後に、相手の心を開かせるひと言(=残心)を付け加えているのです。

「当たり前のこと」や「だれもがしていること」だけでは、相手の印象には残りません。「だれでもできるのに、1%の人しかしていないこと(=ラストインプレッションを残すこと)」が、相手の心を動かすのだと思います。

「雨で足元が滑りやすいのでお気をつけて」
「今日は寒いので、お風邪を召しませんように」

 などの「相手の気持ちに寄り添ったプラスアルファのひと言」には、人の気持ちを開かせる力があります。
 気の利いたセリフも、奇をてらう必要もありません。小さなひと言でかまいませんから、「相手の気持ちに寄り添ったプラスアルファのひと言」を付け加えてみましょう。

 『100%好かれる1%の習慣』 第1章 より 松澤萬紀:著 ダイヤモンド社:刊

 ものごとは、「最後が肝心」です。

 油断して、ゴール目前で失敗し、それまでの努力がムダになる。
 そんな例は、枚挙にいとまがありません。

 最後の最後まで、「心を切らさず、余韻を残す」
 相手への気配りを忘れないようにしたいですね。

相手が話す割合を「8」に、自分が話す割合を「1」に

 人は誰でも、「自分としっかり向き合ってくれる人」が好きです。
 向き合ってくれる人には、心を開くものです。

 松澤さんは、「相手の話を聴くこと」の重要性を以下のように述べています。

 私は、「『聴く』とは、愛の行為」だと思っています。なぜならば、「聴く」という行為には「『忍耐』が必要で、自分に「余裕」がないとできないからです。
 話し手は、「自分の話をただ聴いてくれる人」に信頼を寄せます。たとえ問題は解決しなくても、聴いてもらえるだけで、人の心はとても軽くなるからです。

 会話をするときは、相手の話を止めたり、割り込んだり、話の腰を折らない心配りがとても大切です。
 ひとつの目安として、相手が話す(こちらが聴く)割合を「8」に、そして自分が話す割合を「2」にしてみると、気持ちを開くことができます。ですから「8:2」の割合を意識して、聞き役に徹するようにしましょう。
 その先に、きっと信頼に満ちた「人間関係」が待っているはずです。

 『100%好かれる1%の習慣』 第2章 より 松澤萬紀:著 ダイヤモンド社:刊

「相手の話をただ聴くこと」

 簡単そうでなかなかできないことですね。

「自分の話すこと」ではなく、「相手の話すこと」に意識を集中する。
 相手の話をじっくり聴くことができる心の余裕は持っていたいものですね。

「笑顔」は、言葉を超えた最高のコミュニケーションツール

 松澤さんは、1年間オーストラリアに留学した経験があります。

 当初、ほとんど英語が話せなかったので、「せめて笑顔だけは最高にしよう」と思い、常に「笑顔でいること」を心がけました。
 すると、会話が成立していなくても、たくさんの友だちに恵まれるようになりました。

「笑顔」は、言葉の代わりになる。それどころか、笑顔は、「言葉を超えた最高のコミュニケーションツール」になるのです。
 オーストラリアの友だちも、はじめは「英語を話せない私」に戸惑ったかもしれません。でも、私が笑顔でいつづけていたことで、「この日本人は、私の味方だわ」とわかってもらえたのです。「笑顔は、最高で、最大の武器になる」のです。

 私が通った高校の校歌には、『史記(しき)』(中国の通史)から引用した一節が使われています。
「桃李もの言わざれども下(した)自(おのずか)ら蹊(みち)を成す」
「桃や李(すもも)は何も言わないが、美しい花に惹かれて人が集まり、その下には自然に道ができる」という意味です。「あなたも、そんな人を惹きつける人になりなさい」校歌には、そんな思いが込められていました。
 人の笑顔は、「美しい花」と同じです。その笑顔の下に、人は引き寄せられます。「もっとも早く信頼関係を築く方法」とは、「笑顔を見せること」なのですね。

 『100%好かれる1%の習慣』 第3章 より 松澤萬紀:著 ダイヤモンド社:刊

 心からの笑顔を見せる人に、悪い印象を抱く人はいないでしょう。

 楽しい時に笑顔になることは、誰でもできること。
 普段から、笑顔の花を咲かせられるよう意識したいですね。

【恐怖のDワード】でも ・だって ・どうせ ・できない

 普段、何気なく会話する中での「言葉の使い方」は重要です。
 ネガティブな言葉ばかりを使う人に、「また会いたい」と思う人はいませんね。

 人は、1日に6万回もの「内部対話(自分の内面での対話)」をしているそうです。

「できない」という言葉ばかりを使うと、本当に「できない人」になります。
 逆に、「できる」という言葉を使うことで、根拠がなくても、「できる人」としての自信が芽生えてきます。

 松澤さんは、「根拠のない自信」を持つことの重要性について、以下のように述べています。

 人間には、生物としての「防衛本能」が備わっています。生命を守ろうとして「でも、だって、どうせ、できない」と、前置きや言い訳や勝手な憶測をして、現状を維持しようとします。けれどそれでは、可能性の蓋(ふた)はいつまでも閉じたままでしょう。

 夢をかなえている人には「根拠のない自信」があり、現状から抜け出せない人には「根拠のない不安」があります。自信にも不安にも、実は「根拠」はありません。
 できると思う理由にも、できないと思う理由にも、本当のところは「根拠などない」のです。
 どちらにせよ根拠がないのなら、「恐怖のDワード」は使わない。「できない理由」ではなく、「できる理由」を考える。かなえたい夢がるのなら、「やれる! できる! 大丈夫!」と、無条件で自分を励ましてあげましょう。
 そうすれば、昨日と違う自分、新しい可能性に満ちた自分に出会えるはずなのです。

 『100%好かれる1%の習慣』 第5章 より 松澤萬紀:著 ダイヤモンド社:刊

「自信」も「不安」も、どちらも根拠のないものです。
 どうせ持つなら「自信」の方がいいですよね。

 普段の自分自身が発している言葉を意識すること。
 ネガティブな口ぐせを、ポジティブに変えていく。
 その努力を続けたいですね。

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 本書に書かれている内容は、誰でも簡単にできることばかり。
 それをいつでもどこでも実行できる人はなかなかいないというのが現実です。

 今の世の中は、自分自身のことで精一杯の「余裕のない人」が多い。
 その裏返しかもしれませんね。

 できることから、コツコツと。

「相手を気づかう心」を忘れず、「また会いたい」と思われる。
 そんな人に、一歩ずつでも近づいていきたいものです。

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