【書評】『執事が教える “超一流”と呼ばれる人のアタマの中身』(新井直之)

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 お薦めの本の紹介です。
 新井直之さんの『執事が教える “超一流”と呼ばれる人のアタマの中身』です。

 新井直之(あらい・なおゆき)さんは、執事・ビジネスコンサルタントです。
 現在は、自ら立ち上げた会社の社長を務められ、自ら執事として大富豪のお客様を担当するかたわら、企業向けに富裕層ビジネス、アドバイザリー業務、講演、研修などを行われるなど活躍の場を広げられています。

「超一流」のすべて、教えます


 世の中には、一流の人をはるかに凌駕(りょうが)する、「超一流」と呼ばれる人々が存在します。
 社会的にも経済的にも並外れた成功を果たし、そしていまもなお、成功し続けている人々。

 新井さんが、執事という仕事を通じて、「超一流」の人々と行動を共にしてわかったこと。
 それは、「一流」である方々が、さらに洗練されていったところで「超一流」になれるわけではないということです。

「超一流」になるためには、「超一流」の人々ならではの考え方を身につけるしかありません。

 本書は、「超一流」と呼ばれる人々の考え方や行動と普通の人や一流の人との違いを、具体例を交えながらまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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立ち止まったときに“チャンス”が訪れる


 ビジネスマナーにおいて、正しい会釈の方法は、「上半身を約15度前方に傾斜する」です。

 超一流の方々の会釈は、さらに丁寧で、立ち止まってお辞儀をして、相手の方が過ぎ去るまで待つとのこと。
 立ち止まることによって、超一流の方々は大きなチャンスをもつくっていることがその理由です。

 挨拶のときに立ち止まり、相手の方を待つ一番の理由。
 それは相手の方に、「話しかけるタイミングをつくってあげる」ということなのです。
 静止した時間をつくると、「何か話しかけることがあれば承りますよ」という表現になります。
「そういえば新井さん、ちょっと相談があるんだけど・・・・」
 上司がそう問いかけるシーンは、容易に想像ができます。
 相手が目上の方であれば、話しかける内容は、任せられるかかもしれない新しい仕事の話かもしれません。
 相手がお客さまであれば、「そういえば、あの商品について興味があるのだけど」などという、商談につながりそうな問い合わせかもしれません。
 つまり“立ち止まる”だけで、チャンスに出合う可能性が何倍にも広がるのです。歩きながらお辞儀をしてすれ違ってしまったら、このタイミングは確実に生まれません。
 相手の方とすれ違う際に、たとえ歩きながらでもお辞儀をして、存在を認識していることを相手の方にお伝えすることができるのは、一流の方として合格です。
 そして、さらにもう一段階、ステップアップして、超一流の方は、忙しくても焦っていても、立ち止まりお辞儀をして、相手がすれ違うまで、待つ時間をつくり、結果としては、その挨拶を価値ある機会に変えていくことをしています。
 ほんの小さなことに、超一流へのステップアップのポイントが隠されているのです。

 『「超一流」と呼ばれる人のアタマの中身』 PART 1 より 新井直之:著 大和出版:刊

 立ち止まって会釈するだけで、相手からはかなりの好印象を得ることができます。
 さらに、相手が話しかける時間をつくって、ビジネスチャンスに変えてしまうのは、超一流の方々のしたたかさ。

 会釈は、「立ち止まってお辞儀をして、相手の方が過ぎ去るまで待つ」
 その心の余裕は、つねに持っていたいですね。

これが「超一流の交渉術」の正体


 執事は、ビジネスの場に同行し、交渉事などの議事録をとることがあります。

 新井さんは、議事録を書きながら、超一流の方々の話している言葉が少ないことに気づきます。
 全体の2割しか会話量はないのに、大抵、私たちのお客さまのほうが有利な形で商談がまとまるとのこと。

「こっちが話していないのに、なぜ上手くいくのだろう?」
 最初は不思議に思っていました。
 しかしわかったのは、「話したい」という気持ちを抑えて、聞き役に回っているからこそ超一流は場を支配できるということです。
(中略)
 緊迫した交渉の場では、見ていると、「話す」よりも「聞く」ことのほうが、ずっと難しいことに気づきます。
 通常では皆さま、発言をしたくなるのてす。自分の意見を言いたい。相手の反論をしたい。自分たちのプレゼンをして、相手に認めてもらいたいと思います。皆さまもそういうう場面は、何度も体験なさっているかもしれません。
 これを“じっと聞いている”というのは、かなり忍耐力を要求されることです。
 しかし、商談を最後に制するのはどんな人でしょう。
 すべての情報を相手から引き出し、「では、こういう形でどうでしょうか?」と、納得できる結論を相手に提示できる人です。
 一方的に話しているだけでは、それだけ相手を納得させる情報が集まりません。だとしたら本当は、自分の情報を次々と開示するよりも、相手から情報をどんどん引き出したほうがいい。超一流の方は、自分の情報をほとんど出さずして、有利な条件で最後に結論をまとめることができるのです。
 あらためて私たちがかかわる商談を見ていくと、やはり相手方だって一流です。話力は巧みだし、プレゼン力はある。非常に論理的に自分たちの言いたいことを主張しています。
 しかし言いたいことを言えば言うほど、失礼ですが多くの方は、超一流の方の術中にはまってしまいます。そして言い切ったあとは満足し、「素晴らしい話をお聞きしました」という超一流の方の褒め言葉に大変満足なさっている・・・・。
 そこで「では、こういう形にしましょう」という提案に対し、「いい商談でした」と満足し、交渉を終える。最後は超一流の方の思惑どおり。じつに見事としか言いようがありません。
 コミュニケーションにおいて、「人の話を聞きなさい」とはよく言われることです。
 でも私のような職業の人間が客観的に見ている限り、普通の方は8割方、自分のことを話していますし、一流の「できる」と言われる方でも5割くらいです。
 私たちはもっと謙虚に、人の話を聞くことに努めるべきかもしれません。

 『「超一流」と呼ばれる人のアタマの中身』 PART 2 より 新井直之:著 大和出版:刊

「話す」より「聞く」ことが大事。
 よく言われる言葉ですが、超一流の方々は、それを徹底しているということです。

 聞き役に徹することは、相当なメンタルのタフさが求められます。
 私たちも、見習いたいところですね。

「マナーの本質」とは?


 超一流の人々は、あらゆるマナーに精通しています。
 それに加えて、TPOに合わせて、マナーのあり方を柔軟に変化させるそうです。

 そもそもマナーとは、一体何でしょうか?
 自分を美しく見せる、気品溢れるような日常のふるまい・・・・もちろん、そういった側面もありますが、それが本質ではないように思われます。
 形式を守るのが目的ではなく、本当は皆が快適に過ごすためにつくった共通のお約束が、マナーというものなのです。
 象徴的な話として、都内に住んでいる日本人の奥様の話があります。
 彼女は私どものお客さまであり、まさに大富豪家族の一員。ただその家の近所にいる方々が皆、富裕層というわけではありません。
 ご家族には小さなお子さまもいますから、いわゆる“ママ友”のおつきあいが出てきます。彼女は近所のお母さま方に呼ばれ、ごく普通のお茶の会にも参加します。
 これは当然、正式なマナーを知っていない方々とのつきあいになるわけです。ティーカップなど、持ち手の穴に指を通さずにつまむのが正式ですが、一人だけそれをやると非常に偉そうに見えてしまう・・・・。
 だからその場では、あえて皆に合わせて、崩したマナーで交流をしているわけです。これも人と仲良くするための“柔軟なふるまい”と言えるでしょう。
 マナーというのは、それで正解なのです。
 相手と自分の距離を近づけ、対等につきあえる配慮をする。超一流の方は“キレイな作法”のみでなく、“崩した作法”もできるから素晴らしいのです。

 『「超一流」と呼ばれる人のアタマの中身』 PART 3 より 新井直之:著 大和出版:刊

「超一流」の人々は、相手に不快感を与えないよう、想像以上の気配りをしているのですね。

 マナーは、形式を守るためではなく、その場にいる皆が快適に過ごせるためのもの。
 私たちも、つねに意識しておきたいです。

守れない約束は最初からしない


 超一流の人々が、とくに大事にしているのが、「時間」です。
 普段から、相手の時間を奪うような行動をしないように気を配っています。

 どんなにお金があっても、時間を買うことはできません。誰にとっても1日は24時間であり、人生のスパンを考えても私たちの持ち時間は限られています。
 その価値がわかっているからこそ、超一流になればなるほど、時間には厳しくされていることが多いのです。
 約束の時間に遅れるというのは、約束したお相手の時間を奪う行為になります。そうしたことのないよう、私たちは余裕を持って行動しなければなりません。
 けれども電車が遅れたり、想定外のトラブルが起こったりということは、どうしても私たちの日常にはございます。
 そんなとき、仕事をしている人なら誰でも、約束した相手に「申し訳ありません。5分ほど遅れそうです」といった連絡を、ひと言差し上げる必要があるでしょう。
 ただ、超一流の方になりますと、何が起こっても“遅れる”ということがほとんどありません。なぜなら、“想定外の事態”までを考慮し、時間に遅れる可能性が出るようなアポイントをとらないように心がけているからです。
 私どものお客さまの例をあげると、地方に行くときは新幹線の時間に合わせたスケジュールを押さえながら、実際には現地には飛行機で飛ぶという方がいらっしゃいました。時間に余裕ができるよう飛行機で行くことは決めていらっしゃったのですが、必ず遅れが出るから、到着時間で予定は立てないということです。
 もちろん、遅れが出なければ、現地には早く着きすぎてしまうことになるでしょう。そのときは余った時間を、自分の好きなように使えばいい、という発想なのです。
 他にも会議がある日は他のアポを入れないとか、朝が弱いので午前中は仕事のスケジュールを入れないという方もいらっしゃいます。もちろん時間が自分の思いどおりにできるからこそ可能なところもありますが、それでも“相手の方の時間”に配慮するこの考え方は、私たちもできるだけ見習いたいものです。

 『「超一流」と呼ばれる人のアタマの中身』 PART 4 より  新井直之:著  大和出版:刊

 超一流の人々は、時間の大切さを十分理解しています。
 だからこそ、そもそも遅れるかもしれない約束はしません。

 それにしても、“想定外の事態”まで考慮するというのは、徹底していますね。

「遅刻は、たとえ1分でも、相手の時間を奪うこと」
 そういった相手への気遣いができることが、「超一流」になるための条件なのでしょう。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 新井さんは、大きな成功を収めるには、些細な行動も深く考え抜いて、それを積み重ねていくしかないとおっしゃっています。
 一つひとつは取るに足りない行動でも、それを毎日行うことで、まったく違う人生が開けてきます。

「超一流」の人々は、「超一流」にふさわしい考え方や意識を持ち、それをもとに日々行動している。
 だからこそ、現在の地位や財産を得ることができたのでしょう。

 見習うべきは、『アタマの中身』から。
 私たちも「超一流」の考え方を自分のアタマにインストールし、「超一流」への階段を上りたいですね。


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