【書評】『一流秘書だけが知っている信頼される男、されない男』(能町光香)
お薦めの本の紹介です。
能町光香さんの『一流秘書だけが知っている信頼される男、されない男』です。
能町光香(のうまち・みつか)さんは、人材育成コンサルタントです。
外資系証券会社や老舗宝飾品ブランドなど数々の企業で、エグゼクティブアシスタント(重役秘書)を約10年間勤められました。
外国人エグゼクティブから学んだ「信頼」の築き方
能町さんが、長年、外国人エグゼクティブの右腕として仕事をしてきて気づいたこと。
それは、誰からも「信頼されるエグゼクティブ」は、部下や同僚のみならず、まわりの人を一瞬にして魅了し、「信頼」を得ることがとても上手
なことです。
信頼される人には、それなりの理由があります。
信頼は、仕事での人間関係以外でも、コミュニケーションの要になる大切なものです。
「信頼される男性」になるためには、小手先のテクニックに頼るのではなく、マインドそのものを変える必要があります。
本書は、一流秘書の目から見た、「誰からも信頼されるための方法」をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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信頼される男は、「信頼関係をもとに・・・・」と言わない
能町さんは、「信頼」は、時間をかけてお互いを知っていくなかで、自然と生まれ、熟成されていくもの
だと考えています。
「信頼」は、相手に強要すればするほど、失われていってしまうもの。
「言葉」を使って無理矢理「信頼関係」をつくろうとしても無理な話なのではないかと思います。
「信頼される男性」は、「◯◯さんを信頼しているから・・・・」とか「〇〇さんとの信頼関係に基づいて・・・・」というように、「信頼」とか「信頼関係」というような言葉を口にすることはないのです。
本当の意味で、お互いの間で「信頼関係」が築かれていれば、「信頼」を言葉で表す必要がないからです。
「信頼される男性」は、「信頼」という言葉を口にしないからこそ、「信頼」できるのです。『一流秘書だけが知っている 信頼される男 されない男』 第1章 より 能町光香:著 サンマーク出版:刊
本当の「信頼関係」は、口先だけで築けるものではありません。
実際に行動や態度で示してこそ、相手に信頼感を与えます。
信頼される男は、本当のプライドを知っている
信頼される男性は、何かの力を借りて自分を誇示する必要がありません。
つねに穏やかで謙虚です。
能町さんは、「自分自身」に誇りを持つことの重要性を、以下のように説明しています。
それでは、「自分自身」に誇りを持つとはどういうことでしょう。
謙虚が美徳とされてきた私たち日本人にとって、「自分自身」に誇りを持つというのは少し気恥ずかしい感じがするかもしれません。
外国人のスピーチのなかで、「I am proud of myself」という表現をよく耳にします。直訳すると、「私は自分自身を誇りに思う」という意味です。
私はこの表現がとても好きです。
なぜなら、私の上司であった外国人はみんな「I am proud of myself」と言っているときの表情がどれも素敵だったからです。
(中略)
「プライド」を辞書で引いてみると、「誇る心、また、自分を尊び、品位を保とうとする心をいう」と書かれています。
「自分を尊ぶ心」。
「信頼される男性」は、この「自分を尊ぶ心」を持っています。
「自分自身」をきちんと尊ぶ心を持っている人には、余裕があります。
その余裕があるからこそ、偉そうに見せる必要もなく、等身大の自分でいられるのではないでしょうか。『一流秘書だけが知っている 信頼される男 されない男』 第2章 より 能町光香:著 サンマーク出版:刊
自信がなさそうな態度を見せる人を信頼するのは、難しいです。
自分に自信がありそうな人は、それだけで頼りがいがあるように見えます。
「自分を尊ぶ心」を持つ人は、他人も同じように尊ぶことができます。
それも信頼される秘訣だということですね。
信頼される男は、人によって態度を変えない
能町さんは、相手によって態度を変えることは、一番「信頼」を失う振る舞い
だと述べています。
自分に自信がなく、まわりから「信頼」されていない人は、人にこびることで仕事を進めます。
人にこびる人のまわりには、同じような人ばかりが集まってきます。
それは、見返り欲しさの「偽物の関係」でしかありません。
「信頼される男性」は、人にこびることはありません。
なぜなら、自然とまわりに人が集まってくるため、人にこびる必要がないからです。人気者のまわりには、いつもたくさんの応援してくれる人がいます。
また、「信頼される男性」は、人によって態度を変えることをしません。どの人にも対等に接するのです。
出張先のタクシーの運転手、ちょっと寄ったカフェの店員、新幹線の販売員、取引先の社長・・・・・。
どの人に対しても、態度を変えません。もちろん、TPOにあわせて、話し方や接し方は適切に変えますが、突然態度が大きく変わることはありません。
つねに公正な態度で人に接する。
どんな人にもフェアに接する。
誰に対しても対等に、フェアであることが、「信頼」を得るために一番大切なのではないかと思います。『一流秘書だけが知っている 信頼される男 されない男』 第3章 より 能町光香:著 サンマーク出版:刊
「誰に対しても対等に、フェアであること」
とても重要ですね。
人の目というのは、どこにあるか分かりません。
日頃から、自然体で正々堂々と過ごしたいですね。
信頼される男は「信頼の法則」を知っている
信頼される男性は、「信頼の法則」を知っています。
信頼の法則とは、相手を信頼することなくして、人の信頼を得るのは難しい
というものです。
「信頼」されたいと思うのであれば、まずは、自分が相手を「信頼」すること。
まずは、自分の心のポケットから「信頼」を出してみる。
怖れずに、勇気を持って。
そこがスタート地点です。
相手にもちゃんとあなたの「信頼」を受け取ってくれる心のポケットがあります。
「信頼」は、目には見えませんが、お互いの心のポケットを行き来するものです。
自分がまず会いてを「信頼」することで、相手は自分を「信頼」してくれるようになります。
それが、「信頼関係」を築いていく秘訣なのではないでしょうか。『一流秘書だけが知っている 信頼される男 されない男』 第5章 より 能町光香:著 サンマーク出版:刊
信頼関係は、コミュニケーションの基本。
相手から信頼されることで、初めて成り立つものです。
相手の信頼を得たいのなら、自分から相手を信頼する必要があります。
いつでも、誰に対しても、自分から心を開く勇気を持っていたいですね。
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今の世の中は、インターネットやソーシャルネットワークサービス(SNS)の技術が発達し、以前よりも多くの人とつながることができる時代です。
一方、それが一つひとつのつながりが弱くし、人間関係を希薄化させる原因でもあります。
豊かな人生には、「信頼」に基づいた、強くて深い人間関係が不可欠です。
人とのつながりは、「量」より「質」。
本書の内容を実践し、大切な人と上手に信頼関係を築いていきたいですね。
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