【書評】『「やらされ感」から脱出して自由に働く54の方法』(潮凪洋介)

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 お薦めの本の紹介です。
 潮凪洋介さんの『「やらされ感」から脱出して自由に働く54の方法』です。

 潮凪洋介(しおなぎ・ようすけ)(@shionagi)さんは、エッセイストです。
「愛と夢のある自由人生」をテーマに、雑誌、新聞、ラジオなど、幅広いメディアでご活躍されています。

日本を蝕む「やらされ感」から脱出するために


「仕事がつまらない」
「やる気が出ない」
「人間関係も最悪」

 今の日本は、日々、そんな思いを抱いて働いている人であふれています。

 潮凪さんも、「やらされ感」の塊になっている人の割合が実に多い国。それが今の日本だと述べ、「やらされ感」に必死に耐えているだけでは、10年後、かつて「ああはなりたくない」と思っていたような、オヤジやオバサンになってしまうと警告を発しています。

 もちろん、「自由」を手に入れるためには、それと引き換えに「リスク」を背負わなければならないということは事実です。
 しかし、そのリスクと共存することができれば、圧倒的な自由、ワクワクする仕事の数々が待っていると強調します。

 潮凪さんは、「やらされ感」から脱出して自由に働く方法はたくさんあり、もちろん、会社に所属しながら「やらされ感」から抜け出し、自由になる方法もあると述べています。

 本書は、日本全体を蝕む「やらされ感」を一掃し、やる気に満ちた日々を送るためのアイデアや実践方法をつめこんだ一冊です。

 潮凪さんの実体験や直接見聞きしたこと基に、かなり具体的で実用的な内容となっています。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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どんなにがんばっても無理な仕事はある


 潮凪さんは、どんなにがんばっても無理な仕事というものがある述べています。
 それは、「自分に合っていない仕事」です。

 日本では、「仕事の向き不向き」を軽んじる傾向があります。
 しかし、潮凪さんは、この「向き不向き」が人生を完全に、しかも容赦なく左右すると指摘します。

 実際、私にも経験がある。会社員時代に所属したいくつかの会社では、この「できないヤツ」のレッテルを見事に貼られてしまった。
 仕事の出来が悪いだけなのに、まるで自分が人として根本的にダメな人間だと思い込んでしまうのが、人間の愚かな性である。
 しかし、仕事というものは「社会貢献」や「自己表現」のための方法の一つ、数ある作業のうちの一つにすぎない。それがうまくいかないからといって、その人の能力を否定するのは間違っている。
 当時はわからなかったが、いまならわかる。会社員時代の私は、仕事が自分に合っていなかったから「やる気」も「成果」も出なかっただけなのだ。
 その証拠に、独立して好きな仕事をはじめてからの私は、どんなにつらい状況になろうとも、やる気を失ったことはないし、仕事に対する愚痴を口にしたこともない。
 私以外にも、職を変えた瞬間、突然輝きはじめた人間を、これまで何人も見てきた。「やらされ感」を感じて悩んでいる人は、いったん冷静になって、いまの仕事は本当に自分に合っているのか? と疑ってみていただきたい。
 今の仕事が「自分に合っていない」と素直に認めることから「やらされ感」を抜け出す第一歩がはじまる。

 『「やらされ感」から脱出して自由に働く54の方法』  第1章 より  潮凪洋介:著  かんき出版:刊

 仕事とは、あくまで限られた特定分野の能力を要求されるものがほとんどです。
 問題は、仕事ができないからといって、人生全般における自信を喪失してしまうことです。

 仕事の数は、それこそ星の数ほどあります。
 自分のやる気を発揮できる環境が、いまの会社ではない、別のどこかにある可能性は大きいです。

「この仕事がちゃんとできなければ、どの仕事でもできないのでは」

 そういう思い込みを捨てるところから始めたいですね。

ストレスの大きい相手には、「対人訓練」をしていると思い込む


「何て無駄なことに時間を費やしているんだろう・・・」

「やらされ感」のある会社で働いていると、つい、そう考えてしまいがちです。

 しかし、「ものは考えよう」です。
 このような状況でも、考え方しだいでは大きな財産になることもあります。

 潮凪さんは、ストレスの大きい環境のなかで状況をプラスに転じる方法として、貴重な「対人訓練」をしていると自分に思い込ませて、それを演じきることを勧めています。

 たとえば、いつもイヤミをいって揚げ足をとってくる上司がいる場合。
 いままでは心のなかで「クソ、あの野郎!」とムカついて怒り狂っていたところを、「ムカつく人に対して、怒らず、穏やかに対応できるようになるための貴重な訓練」だと思い込んでみよう。
 いつもイライラして不機嫌にまくしたてている人が周囲にいる場合は、相手と同じ土俵に立つのではなく「自分を冷静に保ちながら会話を展開していく訓練」だと思って対応してみる。
(中略)
 考え方がまったく違う相手に自分の想いを伝えることは本当に大変なことだし、正直いって面倒だ。もしかすると、どれだけ説得してもわかってもらえないこともあるかもしれない。
 しかし、そこから逃げずに対応することで、自分の経験値が増え、同じような人に会ったときに自分でも驚くほど「対応力」がアップしていることに気づくはずだ。
(中略)
 ただ、人間の考え方は簡単には変わらないので、最初のうちは苦労するかもしれない。ストレスを感じる相手と話しているとき、いくら頭のなかで「いま俺は貴重な対人訓練をしているんだ」と言い聞かせても、心が自然に拒否反応を起こすこともある。これはスポーツと同じ。厳しいトレーニングを繰り返すうちに少しずつ身につくのである。だからスパルタの実地訓練に参加していると思って、何とか乗りきってほしい。

 『「やらされ感」から脱出して自由に働く54の方法』  第2章 より  潮凪洋介:著  かんき出版:刊

 上司や同僚とどうしてもソリが合わないということは会社のような組織ではよくあることです。
 顔を見るのもイヤだし、話もしたくないと思いますね。
 しかし、仕事ですから、そうも言っていられないのが現実です。

 どうせ顔を合わせて、話をしなければならない状況は変わらない。
 それなら、いっそのこと、「対人訓練」をしていると思い込むのも、有効な手段ですね。

 ムカつく人、イライラする人は、どこにいってもいるものです。
 そのような人たちと上手くやることができれば、それはそれで大きなスキルとなります。

「ムカつくけど、あの人と比べれば全然マシ」

 そんな心の余裕も持つことができますね。

想定外の非現実的な遊びに身を投じること


「今日までの人生はうまくいっていない」

 もし、そう思うのなら、思考回路を変えてみることも一つの方法です。
 今日までの人生がダメだったのは誰のせいでもない。あなたの脳、つまり思考回路が決めてきたことだからです。

 潮凪さんは、「思考回路を壊す」ためには、いままで絶対やらなかったことをあえてやってみるということが必要だと述べています。

 あなたも、いまの自分とは真逆の、想定外のことに挑戦してみてはどうだろう。
 たとえば、家に籠ってゲームばかりしている人なら、繁華街にある、いままで近づいたこともなかったクラブに踊りに行ってみよう。最初は居心地悪いかもしれないが、朝まで踊ってヘトヘトになって家に帰ってきたとき、新しい感性が花開いているはずである。
(中略)
 自分にとって想定外の非現実な世界することで、もともと持っていた思考回路に「幅」と「冴え」と「奥行き」ができる。
 そうすることによって、きっと人生は楽しく、いい方向にまわり出すはずである
 うまくいかなかった「過去」と正反対の思考にしたがって行動したのだから当然である。自分の思考を矯正すると人生は躍動感に満ちたものとなる。
 もちろん、「そんなこといわれても、俺にはできないよ・・・・」と感じる人もいることだろう。そんな人に私はこういいたい。
「大丈夫。何をやっても死ぬわけではない!」  

 『「やらされ感」から脱出して自由に働く54の方法』  第3章 より  潮凪洋介:著  かんき出版:刊

「やらされ感」を持って働いていると、思考回路がどうしてもワンパターンになります。
 すると普段の行動もワンパターンになり、自分自身を限られた世界に閉じ込めがちになります。

 うまくいかなかった「過去」と正反対の思考にしたがって行動してみる。
 とても大事なことですから、ちょっと勇気を出して、トライしてみる価値はありますね。

「自分から仕掛ける努力家のアウトサイダー」を目指す


 潮凪さんは、世の中には2種類の人がいると述べています。

 1つは「会社のなかで能力を発揮する人」
 そして、もう1つが「自営業的なことで能力を発揮する人」です。

 前者は、いまあるシステムのなかで、仕事をスポーツのようにこなし、得点をあげていくことが得意な、「スポーツマン」タイプです。
 後者は、自分で仕事をつくり出し、人を動かして結果を出す人です。

 このような人は、既存のシステムとは違う、独自のシステムをつくり上げることができます。

 これからの時代は、自分で仕事をつくり、自分が主演・脚本・監督となって仕事をし、売り上げや成果を上げていく「自営業的」な能力が必要になってくる。
 与えられたシステムのなかでがんばるスポーツマンタイプの人には、「いつ会社が潰れるかわからない」「いつかクビになるんじゃないだろうか」「給料はこの先も下がり続けるのだろうか」など、いつも不安がつきまとうことになるだろう。
 しかし、自分で新しい競技をつくり出し、ルールをつくり、それを運営していく能力があれば、自分の会社の浮き沈みなど関係ない。
 世の中を見ると、会社の仕事はバリバリやっていても、自分から新しい仕事や活動をつくり出そうとしたことが、まったくない人がたくさんいる。
 これからは、それでは危ない。もっと会社の仕事以外で、今までになかった仕事をつくり出し、それに対してひたむきに真面目に努力する姿勢が必要になってくる。
 「社外でやる活動だから適当でいいや」、そんなふうに思っていると大成しないし、かかわった人に迷惑をかける。むしろ会社の仕事よりも本気でやる気持ちが大切だ。
 ここで必要なことは「セルフコントロール能力」である。
 会社の場合は上司がいる。自制心がない人でも、恐怖支配によって自分を動かすことができる。
 しかし、自分で仕事をしていく場合は、自分で自分をコントロールしないといけない。そのためには、高い目標と自立心が必要だ。

 『「やらされ感」から脱出して自由に働く54の方法』  第5章 より  潮凪洋介:著  かんき出版:刊

 潮凪さんは、セルフコントロール能力に自信のない人は、厳しく自分を管理してくれる友人を持つことを勧めています。
 目指すは、「自分から仕掛ける努力家のアウトサイダー」です。

 会社に残る、残らないにかかわらず、会社以外でも色々な活動を全力でやる。

「自分はどこでもやっていける」

 その自信を持つことが、「やらされ感」から脱するポイントです。

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「やらされ感」をなくして生きていく。
 そのためには、自分から主体的に生きていく積極的な姿勢を保つ必要があります。
 潮凪さんは、人生をアートと考えよとおっしゃっています。

 遊びも恋愛も仕事も夢も、人を感動させる芸術作品をつくるように全力で取り組めということ。
「アート」に必要な創造力は、「やらされ感」を持っているうちは湧きません。

 どのような状況でも、「やらされ感」を持たずに、積極的に生きる。
 そのためにできることは、いくらでもあります。

 すべては、自分の意識の持ち方次第ということ。

「お金のため」「生活のため」ではなく、「ワクワクするため」「自分らしく輝くため」に。
 そういう視点から、自分がやれることは何なのか、改めて考え直してみる必要がありますね。


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