【書評】『お金を稼ぐ人が30代で「やったこと」「やめたこと」』(田口智隆)
お薦めの本の紹介です。
田口智隆さんの『お金を稼ぐ人が30代で「やったこと」「やめたこと」』です。
田口智隆(たぐち・ともたか)さんは、マネーカウンセラーです。
学習塾講師を経て、保険業界に転身し、保険代理店を地域ナンバー1に成長させた実績をお持ちです。
お金持ち1000人から学んだ「稼ぐ力」の極意とは?
田口さんは、28歳のときに500万円という多額の借金を抱えてしまいます。
しかし、徹底した節約と資産運用によりわずか3年で完済し、逆に資産を拡大していきました。
34歳のときには、働かなくてもお金に不自由しない状態
を実現し、自らの会社を設立します。
田口さんが仕事上で出会った、あらゆる業界のお金持ちは1000人以上になります。
それら成功者の人たちと話してきた中でわかったこと。
それは、お金持ちになれるか、なれないかは「30代をどうすごすか」で決まる
ということでした。
お金持ちも20代のころは、ごく普通のサラリーマンだった人が多いです。
田口さんは、30代から考え方と習慣を変え、「稼ぐ力」を身につければ、誰もがお金持ちになれる
と強調します。
本書は、30代で「稼ぐ力」を身につける方法を、「考え方」や「習慣」などの視点から具体的にまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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すべての行動を「投資」につなげる
田口さんは、多額の借金で苦しんでいるときに、「どうすれば、お金持ちになれるか」を真剣に考えました。
ビジネス書を何冊も読み漁り、「お金持ちはすべての行動を投資につなげる」ということを知り、それを自分で活用しました。
たとえば、自分が何か選択をしなければならないとき、「お金持ちだったら、この場合はどうするだろう?」と考えるようになったのだ。「新しいスーツが欲しい。カードで買ってしまおうか。いや、そうすると負債が増える。お金持ちなら負債を増やすようなことは絶対しないから、ここはお金が貯まるまで待とう」とか、「お腹が空いたが、ファストフード店に入るか?それともレストランに入るか?おそらくお金持ちは栄養バランスのとれているほうを選択するだろうから、ファストフードは食べないだろう。レストランだな」という具合だ。 お金持ちがスーツを買うのをあきらめたり、安いレストランに入ったりするわけはないのだが、こういう思考をするだろうなと考えるのだ。 お金持ちは、ムダを徹底的に省いて、将来の自分に投資をする。 お金持ちの思考をしなければ、お金持ちにはならない。こうした試みが、目標を達成する大きな手助けになったことは言うまでもない。 お金持ちの「思考」を持てば、ビジネスも好転し、「稼ぐ力」も身についてくる。
『お金を稼ぐ人が30代で「やったこと」「やめたこと」』 1章 より 田口智隆:著 三笠書房:刊
お金持ちになりたいのなら、まず、頭の中を「お金持ちの思考」に変える必要があります。
「お金持ちだったら、この場合はどうするだろう?」
何かするときに必ずこのように考え、長期的な視点から自ら選択する癖をつけること。
それが、「稼げる自分」になる第一歩です。
この「三つの言葉」を使ってはいけない
お金持ち、つまり「稼ぐ人」は、言葉を選んで発言します。
言葉とマインドが強く結びついていることを知っているからです。
とくに、「でも」「だって」「どうせ」の3つは、“三大ネガティブNGワード”です。
「でも」「だって」「どうせ」は言い訳をするための言葉だ。そのあとに続くのは「できない」という言葉——。稼いでいる人は、こうした言葉は絶対に使わない。 彼らは、そうした言葉を吐く代わりに、「なぜできないのか?」「どこが間違えているのか?」ということを検証し、改善策を見つけ出して再びチャレンジする。 うまくいかないときに、「でも」「だって」「どうせ」を使うと、自分の中にたまっているフラストレーションを解消できるので少し気持ちが楽になるが、楽になったところで事態が改善されるわけではない。 「でも」「だって」「どうせ」は、その言葉を聞いた相手にもネガティブな気持ちを植えつけてしまうので、チームで仕事をしているときなどは、最悪の結果を引き出してしまう。 自分だけならまだしも、他人まで不幸にするので、使うべきではない。
『お金を稼ぐ人が30代で「やったこと」「やめたこと」』 2章 より 田口智隆:著 三笠書房:刊
自分の発する言葉は、周りの人にも自分にも大きな影響を与えます。
ネガティブな言葉は、聞く人の潜在意識に作用します。
そして、やる気や自信を知らず知らずのうちに奪い取ってしまいます。
普段使っている言葉が、将来の自分自身を創り上げているといっても過言ではありません。
お金持ちになりたいのなら、それに相応しい言葉を発する。
普段から心掛けたいですね。
協力したくなる人は「背中を見せる人」
お金持ちになるためには、「何が何でもやってやる」という実行力が問われます。
田口さんは、最初から「協力者をつくろう」という気持ちでいてはいけない
と戒めています。
自分で目標を決めて、そこに向かって動き出すときに、人の援助を期待していてはいけない。どこまでも、独りで頑張り抜くという覚悟が必要なのだ。 その姿勢を見て、心を動かされ、初めて人が協力してくれるようになる。 だから、まず自分が動く。自分が何をやりたいかをきちんと発信して、まず一人で始める。そうすると、気がついたときには協力者ができているものだ。 たとえ協力者がいても、うまくいかないことはたくさんある。 よかれと思ってやってくれたことが、あなたにとってなんの助けにもなっていないとか、協力すると言いながら、あなたの足を引っぱる人もいるのだ。 そんなとき、やはり突破口を切り開いていくのはあなた自身だ。あなたが圧倒的な行動力で突き進んでいかなければ、こうした人たちとともに沈んでいってしまう。いつでも最後に頼れるのは自分自身。それ以外に頼れる者はいないと覚悟を決めよう。(中略) スタートは、自分一人で切ろう。人はあなたの背中を見てやってくる。あなたの背中が大きければ大きいほど、人は集まってくる。そのためには、あなたのは誰の目から見ても、圧倒的に頑張っている人でなければならない。
『お金を稼ぐ人が30代で「やったこと」「やめたこと」』 3章 より 田口智隆:著 三笠書房:刊
自分だけでもやり遂げてみせる、という強い決心をする。
そうすれば、誰からも手助けがない状況が長く続いたとしても、気持ちを切らすことはありません。
誰かが手助けしてくれたときに、大きな感謝の気持ちから、「続けていこう」という気持ちがさらに強まります。
とにかく、まず、周りを気にせずに自分自身が始めること。
すべてはそこからです。
「数年先の自分」をライバルにする
田口さんは、約10年前に、「40歳の誕生日までに、資産だけで生活できるようになる」と大きな目標を達成することを決意しました。
その目標を実現するためには、それに見合う大きなスケールの“ものさし”が必要となります。
最終的に田口さんが見つけた“ものさし”は、「数年後の自分」です。
これからは、小さな自分の会社の世界だけではなく、その外側にあるもっと広い世界を見て、そこで勝負する、と決意した。 他人を見て、ライバル心を燃やす時代は終わりを告げたのだ。 それからの私は、常に数年先の自分を追いかけるようになった。自分がこうありたいと思う幻の自分の姿だ。 追いかけても追いかけても、常に自分より先を歩いていて、追いつくことができない自分。「誰にも負けたくない」という考え方から、「自分に負けたくない」へと変化したのだ。 結局、人生というのは自分自身との闘いなのである——。 自分が「これでいい」と思えば、幻の自分は消えてしまう。「もっとできる。自分はまだ終わりじゃない」と思えば、幻の自分はまた自分のはるか前を走り出す。 若いころは自分がいる世界が狭いので、その世界にいる他者をライバルにして頑張るしかない。 だが、30代になったら、将来の目標をしっかり定めて行動してもらいたい。世界が広がれば、もう他人を気にしているわけにはいかない。未来を見つめ、理想の自分を追いかけていってほしい。 大海を知れば、ライバルは他人ではないことがわかる。 理想の自分を実現するためには、現状より一歩先を行く幻の自分を追いかけるのが一番だ。
『お金を稼ぐ人が30代で「やったこと」「やめたこと」』 4章 より 田口智隆:著 三笠書房:刊
どんなことでも、最初は目標とする人物、競い合うライバルがいて、その人に追いつこうと必死に頑張ります。
しかし、自分の中である程度やり方や考え方が固まってきたら、そこから先は自分自身で新しい道を切り開く必要があります。
他人の後を追うだけでは、いつまでたってもその人を追い越すことはできません。
目標を常に「数年後の自分」に置いておく。
そうすれば、自分の進むべき方向性も定めやすいし、自分で成長するペースを決めることができます。
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田口さんは、 「稼ぐ力」は誰でも身につけられるスキルだ
とおっしゃっています。
いったん身に付けてしまえば、仮にどこかで失敗して一文無しになっても、いくらでもリベンジできるようになります。
手元に魚がなくても、釣り竿と釣りのスキルがあれば、いくらでもまた魚を釣ることができます。
それと一緒だということですね。
本書の内容を実行に移し、お金持ちの考え方や発想を取り入れ、「稼ぐ力」を身につけたいですね。
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