【書評】『お金に困らない人、困る人』(松尾昭仁)

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 お薦めの本の紹介です。
 松尾昭仁さんの『1万2000人を見てわかった! お金に困らない人、困る人』です。

 松尾昭仁(まつお・あきひと)さんは、起業コンサルタント・出版プロデューサーです。

「お金に困らない人」が共通して持っているものとは?


「10年後も、お金に困ることなく、食べていく自信があるか」

 そう問われて、「はい」と即答できる人は、少ないのではないでしょうか。

 社内で必要とされ、まわりがうらやむような年収を稼ぎ出す。

 そんな人たちが共通して得ているもの。
 それが、まわりからの「評価」です。

 当たり前ですが、ビジネスパーソンの収入は「評価」で決まります。会社員であれば、実績を含めた上司や会社の評価で決まるのが一般的です。私のようなコンサルタントに100万円という金額を払ってコンサルティングを依頼するのも、「その価値がある」とクライアントが評価してくれているからです。


 まわりに正当な「評価」をされているかぎり、お金に困るような事態には陥りにくい。それは、まわりが「あなたから商品・サービスを買いたい」「あなたと一緒に仕事がしたい」と放っておかないからです。
 ところが、実力や能力があるにもかかわらず、お金に困る残念な人が多くいます。彼らはまわりから適正な評価を得られていない。つまり、“過小評価”され、小物として扱われているから収入も少ないのです。
 一方で同じような実力であるにもかかわらず、高収入を稼ぎ続けている人がいるのも事実。まわりから、いわば“過大評価”され、大物感を醸し出しているタイプです。
 10年後も食べていけるのは、こうした人たちです。冒頭の質問にも「10年後もなんとか食べていけるはず」と前向きに答えるでしょう。

 あなたは、過小評価されたまま人生を過ごしたいですか?
 過大評価されて、お金に困らない人生を手に入れたいですか?
 もちろん、後者でしょう。少なくとも正当な評価をされることを願っているはずです。
 安心してください。誰でも正当な評価(あるいは過大評価)を得られる方法があります。
 私は、これまでセミナーや講演会などを通じて1万2000人を超える起業家や弁護士、税理士、行政書士などの士業、さらには起業家予備軍、ビジネスパーソンと交流してきました。彼ら、彼女らを見てきてわかったのは、実力をちゃんと評価され、「お金に困らない人」には共通点があるということです。

『お金に困らない人、困る人』 はじめに より 松尾昭仁:著 集英社:刊

 本書は、「お金に困らない人」の考え方や行動原則を、「お金に困っている人」と比較しながら、わかりやすくまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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食える人は、「ある」ものにフォーカスする!


 やりたいことがあるのに、諦めてしまう。

 そんな人たちの共通点は、「〇〇がないから」を理由にすることです。

「とりあえずビール!」と同じように、とりあえず英語を勉強し始める人も少なくありません。実際に英語を使うビジネスで起業するなら別ですが、TOEICのスコアを上げたからといって、それで食べていけるわけではないのです。それよりも、日本語力を磨いたほうがコミュニケーションがとれ、よほど効果的です。
「自分は学歴がないから」というコンプレックスを抱え続け、自信をもてない人もいますが、20代ならともかく、30代、40代になれば、もはやどこの学校を出たかなどは直接仕事には関係ないでしょう。学歴コンプレックスを埋めるために大学や大学院に入り直したり、資格を取ったりするよりは、「どうやってお金を稼ぐか」を考えたほうがビジスネパーソンとしていいのではないでしょうか。
 少し厳しい言い方になりますが、明確な目標もなく、「ない」ものにフォーカスして勉強を始める人は、自信のなさを勉強で埋めようとしているだけです。
 このように、お金に困る人は、「ない」ものにフォーカスする一方で、お金に困らない人は「ある」ものにフォーカスします。
 起業するときも、これまで会社勤めで培ってきた知識やノウハウ、人脈をフル動員してスタートを切ります。今持っている武器で戦えばいいのです。成功する人は、走りながら必要なものが出てくれば、その都度対応していきます。
 たとえば、ある仕事を成功させるために英語力が必要になったとき、「自分で英語を勉強しよう」という発想にはなりません。「優秀な通訳を雇おう」と考えます。最近では自動翻訳の精度が上がっているので、それで事足りることもあるでしょう。
 本の出版でも、「本を書くために今から経験を積みます」と張り切る人がいますが、これまでの実績を本にすることを考えたほうが早く出版することができるのです。
 たとえば、社会保険労務士として開業した人であれば、業界の重鎮のような専門的で高度な内容は書けませんが、これから社労士になりたい人に向けて資格試験の勉強法などについて教えられるかもしれません。今、自分がもっているもので勝負できる人が、早く結果を出し、お金に困らない人になれるのです。

『お金に困らない人、困る人』 第1章 より 松尾昭仁:著 集英社:刊

「ない」ものに焦点を合わせると、それを埋めるための努力をしがちです。
 それが本当に、自分に必要なものなのかは、二の次になってしまうのですね。

「0」を「1」にするのは、途方もない労力を必要とします。
「1」を「2」に、さらに「10」にするのは、それほどではありません。

「好き」や「強み」を武器にする。
 成功者は、そのことの重要性をよく理解しているということです。

食える人は、さっさと帰宅し副業で稼ぐ!


 近年、「働き方改革」により、残業を前提とした働き方が見直されつつあります。

 松尾さんは、これからは就業時間内に、生産性の高い仕事をする人が評価されていく時代になっていくだろうと述べています。

 残業をしなければ仕事が終わらないのは、能力がない証拠。そもそも夜遅くまで会社にいれば、残業代のほかに光熱費やいろいろな経費がかかるわけですから、会社にとっても迷惑な話です。
 これからの時代、残業代をあてにし、自分の時間を切り売りする人は、「使えない人」のレッテルを貼られ、職場で居場所がなくなるはずです。

 一方、お金に困らない人は、生産性の高い仕事をし、ムダな残業もしません。それこそ、定時にさくっと帰宅し、副業にも精を出します。
 近年、労働人口の減少を受けて、副業を容認する企業が増えています。まだ大半の会社は解禁していませんが、いずれ当たり前のように会社員が副業をもつ時代がやってきます。
 会社員でも取り組みやすい副業といえば、不動産投資です。
 当社のビジネス著者養成スクールに参加したFさんは、上場企業の会社員として働くかたわら、不動産投資にも取り組んでいます。いわゆる「サラリーマン大家(おおや)」で、すでに億単位の物件を運用しています。

「上場企業の会社員という肩書きは、銀行から融資を引き出す際に有利だ。だから、しばらくは会社員を辞めず、資産を増やしていくつもりです」

 会社員として給与をもらいながら、不動産収入という不労所得も入ってくるのですから、Fさんはお金に困らない人生に向けて歩いていると言えます。

 どんな副業を選ぶかも重要です。
 退社後や休日に、アルバイトやコンビニで働く人もいますが、体力的にもつらいですし、時間を切り売りするだけでは、稼ぐお金はたかが知れています。
 そういう意味では、特技や趣味を活かした副業から始めるのがおすすめです。専門知識を活かしてセミナー講師やコンサルタントとして活動する人も多くいます。
 将来的に起業を目指しているのであれば、副業からスタートし、何度もトライアル&エラーを繰り返す、という方法が有効です。
「起業したい」という思いだけで独立してしまう人がいますが、実際に頭で考えていることと、人様からお金をいただくことにはギャップがあるものです。「こんなはずではなかった・・・・・」と途方に暮れないためにも、副業からチャレンジするのも賢明な選択と言えるでしょう。

『お金に困らない人、困る人』 第2章 より 松尾昭仁:著 集英社:刊

 お金と同様に時間も、私たちの大事な「資産」である。

 仕事のできる人、成功している人ほど、その考え方が強く浸透しているのでしょう。

 生産性の高い仕事をして、さっさと仕事を終わらす。
 そして、浮いた時間を、給料以外の収入源を確保するために利用する。

 これからの時代の「勝利の方程式」ですね。

食える人は、礼儀正しくも図々しい


 日本人の多くは、「謙虚であることが美徳だ」と信じています。
 ただ、謙虚すぎると、意図せずに自分の評価を下げる結果となってしまいます。

 松尾さんは、「礼儀正しくも図々しい」というスタンスを貫くことが大切だと述べています。

 相手に悪く思われたくないばかりに、下手(したて)に出てしまう人がいます。しかし、相手のことを気遣って謙虚に振る舞っても、人はエスパーではないので、あなたの本当の意図が伝わるとはかぎりません。
 ベストセラーとなった『伝え方が9割』(佐々木圭一著、ダイヤモンド社)の中で、デートに誘いたい相手には、次のような言葉が有効だと書かれています。

「パスタがおいしいお店があるんだけど、いつなら空いている?」

 これは、食事に行くことを前提とした質問ですから、「私とデートしてくれませんか?」と誘うよりも、何倍も確率は高まるでしょう。
 物怖じせず頼みごとができる人は、結果的に得をします。真摯な態度でお願いすれば受け入れてもらえることも多いのです。
 私のビジネス著者養成スクールを通じて商業出版を果たす人にも、礼儀正しくも図々しい人が多くいます。
 出版企画書が編集者の目に留まったスクール生は、実際に編集者と企画会議通過を目指すステップへと進みます。しかし、なかなか出版が実現しない人は、ここで謙虚になりすぎてしまうのです。出版社の編集者は多くの著者を抱えて忙しい人が多いので、ただ連絡を待っているだけでは、なかなか前に進みません。下手をすると、編集者に忘れられ、そのまま企画が立ち消えになってしまうケースもあります。「相手は忙しいから」と連絡するのを躊躇していると、前に進まないこともあるのです。
 一方で、素早く出版が実現する人は、礼儀は守りながらも、図々しくお願いをしていきます。
「出版企画書を修正したのですが、打ち合わせのお時間をいただけませんでしょうか? たとえば、来週5日と6日の午後の予定はいかがでしょうか」というように、実際に会って企画を前に進めていきます。
 お金に困らない人は、礼儀正しさと図々しさのバランス感覚がすぐれています。お金に困る人は、たいてい押しが足りていないケースが多いので、まずは自分のコミュニケーションの仕方を点検してみてください。

『お金に困らない人、困る人』 第3章 より 松尾昭仁:著 集英社:刊

「言わなくても伝わるだろう」

 そう思うのは、ある意味、傲慢な考え方です。

 親しい人ならともかく、そうでない人に対しては、言葉で意思表示しないと伝わらないでしょう。

「礼儀正しくも図々しい」

 私たちも、そんな絶妙なコミュニケーションスキルを身につけたいですね。

食える人は、相手から忖度される


 結果的に「一流」と呼ばれ、長年第一線で活躍する大物。

 どの分野においても、そのような人物は存在します。

 彼らの多くは、周囲に媚びを売るようなことはありませんし、いわゆる「忖度」もしません。

 たとえば、国会議員の麻生太郎氏は、失言癖があり、野党やメディアから叩かれることもしばしばですが、決して過度に謝ったり、媚びたりしない。我が道を行くという姿勢を貫いています。それくらいの開き直りがないと、総理大臣まで昇りつめることはできなかったでしょう。
「カリスマ」と言われるような経営者も、常識を持ち合わせている一方で、強烈な個性の持ち主です。平凡なキャラクターでは、起業して大成功を収めることはできません。お金に困らない人は、マイノリティーな存在でもあるのです。
 私のまわりにいる成功者たちもまた、ひと癖もふた癖もある人が多くいます。しかし、そうした個性をもっているからこそ、独創的な発想を生むことができ、人を惹きつける魅力を放つことができるでしょう。
 一般のビジネスパーソンも相手に忖度することに一生懸命な人が増えているように感じます。まわりの人に嫌われないように、そして気に入られるように振る舞う・・・・・。しかし、人に忖度しているかぎり、受け身のポジションから抜け出すことはできません。結局は、相手の意向を受け入れなければならないからです。それに「いい人」であり続けるのも疲れます。

 まわりから忖度されるくらいの人にならなければ、お金に困らない人生を手に入れることはできません。実際、カリスマ経営者のまわりで働いている人たちは、忖度が強く、経営者の逆鱗に触れないようにピリピリしているものです。
 聞いた話ですが、ある有名経営者は、社員との交流を兼ねたバーベキューイベントで、自らステーキを焼いて社員をもてなすのが恒例となっているものの、もてなされる側の社員は、バーベキューセットのまわりで粗相がないように直立不動でいるそうです。
 ここまでいくと別世界の話に感じるかもしれませんが、普通の人でもまわりから忖度されることは可能です。
 たとえば、「すべてをお任せします」と相手を信頼し、すべてを受け入れるのも方法のひとつ。全幅の信頼を寄せられた人は、「この人のために頑張らなければ」と特別視するようになります。
 私も「松尾さんを信じて、すべてお任せします」という姿勢を見せてくれるクライアントには、やはり全力を尽くしたくなります。自分のことを信頼してくれる人には忖度したくなるのが人の心情です。
 ラーメン店でトッピングを何にしようかと悩んでいる人よりも、「全部乗せで」と言ってさっさと注文する人のほうが大物感があるのと同じように、「すべてお任せします」という言葉は、相手の忖度を引き出す効果があるのです。

『お金に困らない人、困る人』 第4章 より 松尾昭仁:著 集英社:刊

 好き嫌いは、人それぞれで、それをコントロールするのは至難の業です。
 いくら好感度を上げようと頑張っても、すべての人から好かれることはないでしょう。

 それならば、周囲に媚びず、自分らしく伸び伸びと振る舞ったほうが、気が楽ですね。

 自分らしく振る舞うことで、個性が発揮され、キャラクターが強烈に印象づけられる。
 それがコアなファンを惹きつけるという面もありますね。

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 いまの世の中は、「信用がお金に換えられる時代」だと言われています。

 つまり、「お金に困らない」というのは、数多くの信用を長年積み重ねてきた証といえます。

 信用は、ただ闇雲に努力しても、得られるものではありません。
 相手から認められて、初めて得られるものです。

 本書には、16年間コンサルタントとして、生き残ってこられた松尾さんのノウハウがぎっしり詰め込まれています。

 現代社会を生き抜くためのサバイバル・ツールともいえる一冊。
 ぜひ、皆さんもお手にとってみてください。

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