本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『たった一つの偶然から人生は劇的におもしろくなる!』(野呂田直樹)

 お薦めの本の紹介です。
 野呂田直樹さんの『たった一つの偶然から人生は劇的におもしろくなる!』です。

 野呂田直樹(のろた・なおき)さんは、コピーライター・講演家です。

「輝きに満ちた最高の人生」が今、始まる!

 誰にでも平等に訪れる、目に見えない「偶然」の力。
 野呂田さんは、その力を味方にできた人から、人生に奇跡が起こっていくと強調します。

 私自身、偶然によって人生が大きく変わっていきました。
 今でこそ、周りからは成功していると言われるようになりましたが、そこに至るまでの道は決して平坦なものではありませんでした。
 新卒で入社した会社を9か月で退社して勢いよく起業しようと思い、教育関係で起業したものの、事業としてはその後3年間はまったくと言っていいほど芽が出ず、アルバイト生活を余儀なくされていました。
 その生活は20代後半になっても続き、自分より年下の大学生のアルバイト先輩に叱られ、情けない惨めな思いもしたことも多々あります。

 そんなある日のこと――。

 ふとメールボックスを開いたところ、以前、初めてコピーライティングの教材を買った先生からスクール開講のお知らせが――。
 その瞬間、私はこれが自分のターニングポイントになる、そう感じました。
 というのも、そのころは親しい人との連絡や仕事上のやりとりはLINEやFacebookのメッセージ機能で行っていたので、それは文字通り、本当に偶然だったから。
 そして、その頃ちょうど、私はコピーライティングの勉強を独学ではなく本格的に学ばなければいけないと思っていたから。
 このタイミングは何かのメッセージだと感じました。
 スクールの金額は決して安い金額ではなく、借金をしてどうにかこうにか入学し、そこからはがむしゃらに勉強し、それが今の自分の大きな礎となってくれました。

 これは、単なる偶然だったのか――。
 私は決してそうは思っていません。
「このままでは終われない。自分の思い描いた理想の人生を必ず実現するんだ」
 そういった強い思いから舞い込んだ奇跡だと思っています。
 それが、無意識のうちに、どんな偶然でもキャッチしたいという四方に張り巡らされたアンテナとなりチャンスに繋がったのだと思います。

 こうして偶然を察知しスキルを磨いた私は、スクールで表彰されたのをきっかけに、Webマーケティング会社を設立しました。
 たくさんの方の協力を得られたこともありますが、設立1年目で年商16億円を達成、その後も会社を発展させることができました。
 また、私の半生がテーマになった映画が第16回モナコ国際映画祭で最優秀作品賞と特別賞をダブル受賞するなど、想像をつかないような奇跡に導かれるようになりました。
 現在はそれらの過程を経て培ってきた、願望達成やビジネス、パートナーシップ、ライティング、ライフワークなど様々なテーマで、自分の人生を自分自身でデザインし実現する力を養うスクールを展開しています。
 もしかしたら、多くの人は見逃してしまうかもしれない、ほんの少しの偶然の数々。
 それらを一つずつ手繰り寄せ、自分の人生に繋いでいったからこそ、今の自分がある――。
 私は今、強くそう感じています。

『たった一つの偶然から人生は劇的におもしろくなる!』 はじめに より 野呂田直樹:著 大和出版:刊

 本書は、日々の生活で偶然に気づき、チャンスを引き寄せ、自分の力にするためのノウハウをわかりやすくまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「感性」は、使うほどに研ぎ澄まされる!

 偶然を味方につける。
 そのために最も大切な一つが「心の声に耳を傾ける」ことです。

 野呂田さんは、直感的に大事だなと感じたり、心がワクワクしたりすることは、そのワクワクに従って動き始めることで、後々思わぬ出会いを生んだり、想像を超えたチャンスに繋がることもあると述べています。

 先にもお話したように、私は以前、TERAKOYAという勉強会を開催していました。毎週1回オフィスを無料開放して、来てくださる方に合わせてビジネスや人間関係、人生について真剣に講義をさせていただきました。無料開催でしたので、もちろん利益は出ません。しかも、気合が入ってしまうと4時間も5時間も話し込んでしまうので、仕事もストップするわけです。だけど私は、この試みをやることに大きな大きな意義を感じたし、必ず何かに繋がるという確信の元、スタートをしました。これが「損得<心の声」で判断を決めるということです。
 その確信は見事に的中。はじめましての人同士がいきなり親友になったり、新しい視点を手に入れて起業を決意する人が現れたり、なんとなんと出版が決まった人が出てきたり、何だか凄いことが起きています。不思議な偶然や、大きな閃きが起こる、パワースポットのような場所となりました。
 総勢200人を超える人がTERAKOYAに遊びに来てくれましたが、ここで人生に転機が起きたり、新たな気づきがあった人は、どんどん仲間に声をかけてくれ、毎週新しい出会いがたくさんありました。
 たしかに、そんなに毎回たくさんの人が集まるのに、そこでお金を取らないというのは知性が高い人にとってはあまり理解ができないかもしれません。だけど、それでいいのです。実際、心の声に従って全部無料でやりきった結果、私のファンだと言ってくれる人もたくさん増えました。そういう状況になれば、きっと私がこうして本を出せば多くの人が読んでくれるでしょうし、スクールを開講すれば入りたいと手を挙げてくれる人も出てくるでしょう。
 目先の損得ではなく、長期的に自分に共感してくれて、ファンになってくれる人がたくさんいてくれれば、そこからたくさんのおもしろい企画をいつでも生み出すことができるようになるのです。
 それがまた思わぬ偶然やドラマを運んでくれるでしょう。
 日常生活にどっぷり浸かってしまうと、どうしても損得や論理的な思考で物事を判断しがちになってしまいますが、心の声を聞いてみるという癖をつけると、人生が大きく変わっていくかもしれません。
 心の声は、意識すればするほど、使えば使うほど研ぎ澄まされていきます。だから、最初の判断を間違ってしまったとしても、そこからどんどん精度が上がっていきますよ。

『たった一つの偶然から人生は劇的におもしろくなる!』 第1章 より 野呂田直樹:著 大和出版:刊

 頭で考えると、つい「損得」で判断してしまいます。
 また、論理的で現実的な思考を展開する人ほど「直感」を軽視しがちです。

 人生は、理屈では理解できないようなことが、たびたび起こるもの。
「偶然」は、その最たるものですね。

 損得より、ワクワクで判断する。
 普段から「心の声」に耳を傾ける習慣を身につけたいですね。

「偶然によってチャンスをつかむ」と決める

 偶然を味方につけるのに、何か特別な才能が必要だったり、特殊なスキルが必要なわけではありません。
 野呂田さんは、むしろ日常の中にそのヒントが隠されていると述べています。

 では、日々どんな意識を持っていればいいのか。
 野呂田さんが挙げるキーワードの一つが「決断」です。

 決めることはすべてのスタートです。
 実は、偶然やチャンスの種というのは、特定の人の周りだけに落ちているのではなく、誰にでも平等にあるのです。
 ではなぜそれらを活かせる人と活かせない人がいるかというと、単純に気づけるかどうかの問題だけです。同じように目の前に流れてくるチャンスに、気づいた人はそれを活かせるし、気づけない人はいつまで経っても活かせないのです。
 そして、それに気づくためには、受信機の感度を高めること。つまり、アンテナを立てる必要があります。

 先日、いつも仕事を手伝ってくれる後輩と一緒に買物に行ったときの話です。
 彼はいつも靴やカバンの色が黒か茶色だったのですが、私が店に展示してあった真っ白の靴を見ていると、「野呂田さんと一緒に来てなかったら、ここに白い靴が存在していることに気づけなかったと思います」と言ってきたのです。
 つまり、現実にはお店に白い靴が置いてあるのに、彼の頭の中には黒と茶色しかイメージがないので、目に入ってこない。ということは、私が白い靴を見ていなければ、彼にとっては存在していないのと同じなのです。
 偶然もそれと同じで、本当は存在しているのに、アンテナが立っていないとそれに気づくことができず、存在していないのと同じ状態になってしまいます。
 そして、アンテナを立てる方法は実にシンプル。「アンテナを立てると決める」ことです。
 決めた瞬間、人の意識はおもしろいくらいに変わるものです。
 それはまるで、世界が変わったかのように、今までとは違う感覚がアンテナに引っかかってきます。
 例えば、今までまったく車に興味がなかった人が、突然ベンツに関心を持ったとします。すると、急に外を走っているベンツによく目が止まるようになります。でもそれは、いきなりベンツの絶対数が増えたのではなく、アンテナを張り始めたことにより、気づくようになっただけのこと。今までも通っていたことには変わりないのです。
 これと同じように、「偶然に、より気づくぞ!」と決めると、その瞬間からアンテナが立つようになるので、今までは素通りしていたような偶然に反応ができるようになります。
 もしあなたに明確な夢や目標があるのなら、そこに行き着くために必要な偶然と出会うと決めるのです。そうすれば、その夢に近づくためのヒントとなる情報に気づきやすくなるでしょう。
 本気で決めると、現実は驚くほど変化が起きます。
 腹をくくり、覚悟を決め、行動が変わっていくと、まるで導かれるかのように、様々な出会いや発見があり、理想への道が開かれていきます。
 だからこそ、理想の世界がすでにある人は、本気でそこに行くと決めてみましょう。
 また、明確な夢や目標がまだない人は、「自分は絶対に理想の人生を生きる」ということを決めましょう。
 そうすると、理想に行くためのアンテナが立ち始めるので、決める前では一切気づくことのなかった、理想に気づくためのヒントたちが、おもしろいくらいに目の前に現れるようになります。

『たった一つの偶然から人生は劇的におもしろくなる!』 第2章 より 野呂田直樹:著 大和出版:刊

 人間の脳には、「興味を持った情報を選び取って知覚する」という性質があります。

「チャンスなんて、そこらへんに転がっているわけがない」

 そう信じている人には、偶然のチャンスは訪れない(見つからない)ということ。

「どんなチャンスの芽も見逃さない」

 偶然をキャッチするアンテナを立てると「決める」ことから始めましょう。

「一目置かれる自分になる」ことでチャンスは倍増する

 人やお金、成功が舞い込むために大事なことの一つ。
 それは、いかに周りを巻き込むか、応援力を味方につけるかということです。

 あるとき、以前一度お会いしたことのあった作家さんと、バッタリ再会したことがありました。
 こういった偶然も明らかなるチャンスです。
 自分よりもステージの高い人からいろいろなことを学ばせていただくのは、自分のレベルを上げるうえで不可欠な要素ですので、この偶然を活かして仲良くさせていただけるようになれば、ステージを一気に上げることができるのです。
 ただ、ここで焦ってしまう人は、チャンスの感度が高いとは言えません。
 このチャンスに対して、「ダメ・普通・高め」と、感度の高さを3段階で説明しましょう。まずダメな人は、「わー! 何て偶然! 嬉しい!」と思うものの、そのまま何もしないで終わりなパターンです。「芸能人と会えてラッキー!」みたいな感覚ですね。
 素敵な思い出的な捉え方をするのであれば、それはそれでいいと思うのですが、チャンスの感度的には何もしないのはいただけないのです。
 次に普通の人は、ここぞとばかり教えを乞います。
「これも何かの縁だ! チャンス!」みたいな感じで、「今度お時間いただきたいです」とか「私これからどうすればいいですか」とか、図々しい場合は「〇〇さんを紹介していただけますか」とか、完全なるちょうだい系になってしまうのです。
 これだと、相手はいい気がしません。「いや、こっちも忙しいんだけど」となるわけです。だから、焦ってはダメです。はやる気持ちはわかりますが慌ててはいけません。
 そんな中、感度の高い人は、このチャンスの際に「この人にどんなことで貢献できるか」を考えます。自分に何ができるかを考えること、自分だったら何をされたら嬉しいかを考えること、ここに一生懸命になることです。
 例えば私の場合、その方が直近で大きなイベントを開催するとおっしゃっていたので、当日の会場の準備だったり、あるいは集客を手伝えないかなと考えました。
 そこで、「ぼくのメルマガでイベントの告知をさせていただきたいので、よかったら対談音声録らせていただけませんか?」とお伝えしたのです。
 おー、それは頼む! ということで、日程を決めてオフィスにお邪魔して、実際に音声を録らせていただきました。
 そうすると、微力ながら集客のお手伝いができるので、相手も嬉しいし、ミリオンセラー作家さんの音声を無料で聞けるというのは、私のメルマガ読者さんとっても嬉しいと思うし、そして何より、同じ時間を共有できる、私にとっても大変嬉しい時間となり、みんなにとってブラスになるのです。そして、そこで私も対談相手として話しているわけですから、その方に実力を示すチャンスでもあるのです。
 ここで良いパフォーマンスを発揮すれば、「お、こいつなかなかいいじゃん」って思ってもらえ、また何かに繋がるかもしれません。
 お会いできる機会もじわじわ増えていき、直接いろいろなことを吸収させていただく、こういったプラスのスパイラルが生まれるのです。
 このように、自分に何ができるのか、そういうことに知恵を絞っていくことで、チャンスの感度は上がっています。

『たった一つの偶然から人生は劇的におもしろくなる!』 第3章 より 野呂田直樹:著 大和出版:刊

「相手から何をしてもらうか」ではなく、「相手に何ができるか」を考える。
 それが「一目置かれる自分になる」ためのポイントです。

 野呂田さんは、協力できること、貢献できることを考え、その姿勢を見せるだけでも、まったく印象は異なり、一目置かれやすくなると述べています。

長期的に成功し続ける人、一発屋で終わってしまう人

 偶然のチャンスをとらえ、ものにする。
 そのためには、自分なりの“武器”を磨いていく必要があります。

 野呂田さんは、そのために大事なのは、時間をかけること。経験を重ねることだと述べています。

 私が独立後、苦しんでいた3年間に、本当にいろいろな考え方を吸収していたのですが、中でも一番印象に残っている考え方がありました。
 それは、長期的に成功し続ける人と一発屋で終わってしまう人の違いです。

 長期的に成功し続ける人は、自然の摂理に反しないことを心がけます。自然の摂理とは「変化し続けること」です。
 細胞は放っておいても入れ替わりますし、地球は勝手に回っています。昨日と今日で同じ青空だったとしても、雲や風の動きなどは変化するので、厳密にはいつも違う青空です。
 木々も、春は桜が咲いたり、初夏は新緑で生い茂ったり、秋は紅葉で美しく彩られ、冬に葉を落とすなど、必ず変化するものです。
 自然の摂理というのはそういうことです。ですから、私たちが変化を拒み、現状維持にしがみつこうとするのは、自然の摂理に反した行為だと言えます。
 そのためにも、積極的に変化をすること。感覚的には、レベルが100になったら成功したと考えるのではなく、100を110にして、さらに150、200と常にレベルやステージを上げ続けられるよう、知識もビジョンも、そしてスキルも磨き続ける人が成功し続ける人。逆に言えば、レベルが100になったら歩みを止めてしまう人は一発屋で終わる可能性が高い人です。
 常に時代は変化しているので、新しい知識を入れ続けないといけませんし、想いももっと崇高なものにできないのか、自分だけが満足すればいいという考えになっていないかなど、自分の中で考え続ける必要があります。
 貧乏時代にこの考え方に心から共感した私は、いつか自分が成功したときはこれを絶対に忘れずにいようと決めていました。だから、ようやくプロモーションが一発当たり、大きな成果を上げたときも、気を緩めずにさらに実力に磨きをかけようという意識を持つことができました。

 もしあのとき、「もう人生は大丈夫。自分は成功者だ」と考え、生活レベルを極端に上げ、かと言って勉強をやめてしまい、その場であぐらをかいていたら、自分は変化をせず、時代は変化をするという状態になり、そう遠くないうちに衰退が始まっていたと思います。

『たった一つの偶然から人生は劇的におもしろくなる!』 第4章 より 野呂田直樹:著 大和出版:刊

 自然の摂理とは「変化し続けること」。
 いつも同じように見える自然の風景も、日々刻々と変化し、移り変わっています。

 努力することをやめたら、あとは落ちていくのみ。
 現状維持は、下り坂を意味します。

 現状に満足せず、つねに努力し続ける人。
 そんな人に、幸運の女神も微笑むということでしょう。

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 夢を現実にするための秘訣は、どのようなものでしょうか。

 野呂田さんは、感覚的に、夢というよりは、「予定レベル」で潜在的に捉えることができたら、夢の実現率はグンと上がるとおっしゃっています。

 予定は、よほどのアクシデントがない限り、実現するものです。
 夢や願望も、それと同じように「当たり前に近い感覚で実現する」感覚があると、断然叶いやすいということです。

 人生を変えるような偶然は、特定の人に起きているのではなく、すべての人に起きています。
 それをチャンスと捉えて掴まえることができるか、できないかの差があるだけです。

 この世は、「偶然」という可能性に満ちている。
 人生は、思いがけないことの連続。

 だからこそ、面白い。

 今からでも遅くはありません。
 私たちも、本書を片手に、偶然という“宝探し”を始めたいですね。

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