【書評】『一流たちの潜在意識2.0』(原田智也)

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 お薦めの本の紹介です。
 原田智也さんの『一流たちの潜在意識2.0』です。

一流たちの潜在意識2.0

原田智也 ヴォイス 2019年08月
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by ヨメレバ

 原田智也(はらだ・ともなり)さんは、会社経営者です。
 大手人材会社の子会社代表を数社歴任されています。
 2016年、潜在意識の活用法を広め、誰もが豊かで明るい社会にするために一般社団法人メンタルイノベーション協会を設立され、セミナーの開催や講師養成などに携われています。

「潜在意識」とは何か?

 脳科学や心理学の進歩。
 自己実現や自己啓発ブームの到来。

 そんな世の中の流れから注目が集まっているのが「潜在意識」です。
 書籍やテレビなどのメディアでも多く取り上げられ、もはや知らない人がいないくらい浸透してきた言葉です。

 しかし、原田さんは、潜在意識について、正しく認識し、活用できている人となると、ぐっと数は減ると指摘します。

 まず、人の意識は、顕在意識と潜在意識の2つに分かれることを、しっかりと覚えてください。
 顕在意識は自分で認識できる意識のことです。皆さんは今、この文章を読んでいることを自覚しています。
 顕在意識はこのように自覚できる意識のことで、分かりやすくいえば「自分の意思でコントロールできる意識」と言い換えられます。思考の表面に出ていることから「表面意識」や「有意識」ともいわれます。
 一方、潜在意識は、自分では認識できない意識。「無意識」ともいわれます。
 自分でコントロールすることができない上に、存在そのものが沈潜(ちんせん)しているので、潜在意識という言葉は知っていても、それがどういったものか理解できていない人がほとんどなのです。
 でも、これは無理もありません。潜在意識が研究されはじめてから時間がさほど経っておらず、わずか百数十年です。
 潜在意識は、まだまだ研究途上の領域であり、その力たるや、計り知れない可能性を持っているといわれています。そして、人には無限の可能性が潜んでいるといわれているのです。

 それでは、潜在意識と顕在意識は、それぞれ意識全体のどのくらいを占めているのでしょうか。意識全体を100%とすると、顕在意識と潜在意識の割合は何%になるでしょうか?

 潜在意識を研究している心理学者の学説など諸説ありますが、大体顕在意識が5〜10%、潜在意識が95〜90%という割合であるといっています。

 潜在意識の予備知識がない人は大変、驚かれたと思います。人は実生活で自分が意識できるところで考え、選択、判断し、生きていると考えています。
(中略)
 よく、氷山の一角といいますが、海上に見えている氷は実は全体のわずかであって、海中にはその何十倍もの氷が潜んでいます。
 海中の見えない部分の方が、はるかに割合が大きいのです。
 意識も同じで、私たちが自覚できている意識(顕在意識)は意識の5〜10%程度しかないということを認識してください。同時に、数十倍もの可能性を持つ潜在意識の存在もはっきりと認識してください。

『一流たちの潜在意識2.0』 第一章 より 原田智也:著 ヴォイス:刊

 私たちが普段知覚している意識の数十倍の意識が眠っている。
 つまり、私たち誰もが、現状の数十倍の能力と可能性を秘めているということ。

 本書は、「潜在意識」とは何かを解説し、その効果的な活用法をわかりやすくまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「完了形」の重要性

 夢や願望を手に入れたいならば、まず、顕在意識で「こうなりたい」と想うことが大切です。

 次に、その想いを潜在意識に正確に、効果的に伝える方法が重要になります。
 そのためのツールの一つが「言語・イメージ化」です。

 イメージというのは形がないので、慣れていないと潜在意識に透徹するほどのイメージの持ち方が分からないかもしれません。
 ですが、言葉の使い方を変えることなら、今すぐにでもはじめることができます。それには「完了形」を使うことです。
 これは効果が絶大です。
「私は自分のお店を持つ」というよりも「私は自分のお店を持った」という方が効果絶大なのです。
 夢は将来実現させたいと思っていることなので、完了形で夢を言葉で表すとイメージが湧いてきて、映像化されやすくなります。

 大事なことは、言葉はその単語自体に影響力があるので、文章としては前向きな内容になっていても、悪い要素を持った単語を使ってはいけないということです。
 たとえば、病気を患ったら「病気が治りました」というふうに病気という単語を使うのではなく、前向きかつ良い言葉を使った完了形で「私は健康になった」と表現します。
 あるいは前向きな言葉を書いた紙を家中に掲示する。手帳に挟んで、それを四六時中、読み上げるようにしましょう。
 来る日も来る日も四六時中、夢や願望が達成されたと完了形で表現しているうちに、潜在意識が本当の成功者になったと認識しはじめ、自覚が生まれ、言動、行動、態度、考え方、顔つきまでが成功者らしくなっていき、周りとの関係が変わりはじめ、本当の成功者へと導かれるのです。

 私も完了形を使った潜在意識の働かせ方を体得してからは、会社の朝礼後など社員が揃っているときに、「今日は最高の営業結果だった」と、まだ結果が出ていない未来を最高の形で完了したと表現するワークをよく実施していました。
 これは、成功イメージを潜在意識に認識させる手軽な方法であり、朝から組織全体が前向きな空気で満たされます。

 潜在意識に顕在意識の願望を伝えるとき、一般的には「〇〇になりたい」「〇〇したい」と未来形や願望形になることが多いです。
「成功したい」「一番になりたい」「幸せになりたい」「健康になりたい」というように。
 メンタルのトレーニングを積んでいるトップアスリートでさえ、テレビのインタビューを聞いていると「次は頑張りたいです」と答えているので、一般の人が多用するのは無理もないかもしれません。
 しかし、これでは潜在意識を活用するには力が弱いのです。
「〇〇したい」という言葉を使うとき、その前提に「現状は〇〇ではない。だから〇〇になりたい」という状態を認めていて、「〇〇になりたい」と言いながら、顕在意識には「現状は〇〇ではない」というイメージを残してしまっているのです。
 すると潜在意識には顕在意識に残っているトーンダウンしたイメージが伝達し、中途半端な願望を実現しようとしています。
 懸命に願望をイメージして潜在意識に浸透させているつもりが、今一歩及ばず、停滞し、願望が実現されません。

『一流たちの潜在意識2.0』 第一章 より 原田智也:著 ヴォイス:刊

 潜在意識に働きかける場合、「今、現実にどうであるか」は関係ありません。
 あくまで「理想のあるべき姿」を思い描き、声に出すことが重要です。

「〇〇したい」という言葉の裏には、「まだ〇〇ではない」という否定の意味が含まれています。
 そのぶん、願望実現の力が削がれてしまうのですね。

「勇気とは覚悟すること」の大切な意味

 2018年の平昌オリンピック。
 スピードスケート女子500mで金メダルを獲得したのは小平奈緒選手です。

 強いだけでなく、フェアで優しさにあふれる小平選手の言動は、多くの人々に感動を勇気を与えました。

 原田さんは、小平選手を潜在意識を上手に活用して目標を達成した一人として取り上げています。

 潜在意識との関係から、多くの名言の中でも特に印象的なのは「勇気とは覚悟すること」ではないかと思います。
 なぜなら、潜在意識に実現したいことを強く植え付ければ思いはかなうと言われていますが、思いを実現できなかった人も多くいるからです。そして、思いを実現できなかった理由に「勇気ある覚悟」の不足があるからです。

 ナポレオン・ヒルの有名な著書『思考は現実化する』には、簡単に言えば「思い込んだことは実現できる」ということが書かれています。
 しかし、単に思うだけではダメです。
 ナポレオン・ヒルは以下の6条件が必要と言っています。

  ①実現したいことを具体的にはっきりさせる
  ②実現のために何を犠牲にするか代償を決める
  ③実現させる最終期日を定める
  ④実現のための詳細な計画を立て、すぐに行動に移す
  ⑤これらを紙に書く(潜在意識に植え付ける)
  ⑥実現したと考え、実現できることを自分に信じ込ませる

 これを信じて同じようにしたけれど思いを実現させられなかった人は、結論から言うと「思いを込めれば実現できる」と信じても、「本当に実現できると思い込めず、また実現できるまでの行動を起こす覚悟ができていなかった」からではないでしょうか。

 では、なぜ「本当に実現できると思い込めず、また実現できるまでの行動を起こす覚悟ができない」のでしょうか。
 その理由として、小平選手の名言からその行動を起こすには「勇気(覚悟)」が足りないのでは、と気づかせられます。
 血のにじむような努力を伴う行動は、生半可な勇気(覚悟)ではできません。そのため揺るぎない勇気(覚悟)がない人は途中で逃避し、思いを実現できない結果で終わります。
 小平選手のように能力があったとしてもオリンピックで金メダルを取ることは簡単なことではありません。金メダルを取ると強く決意するには、相当な勇気(覚悟)が必要であったと考えられます。
 自分自身に対しての、勇気(覚悟)はできやすいのですが、コーチや支援者などの関係者に対して覚悟を述べるのは自分に忠実で正直な人にとっては、かなりの勇気(覚悟)が必要です。勇気を出すには自分に対する厳しい覚悟が必要であることを小平選手の「勇気とは覚悟すること」から分かります。
 また、揺るぎない勇気(覚悟)は、やり遂げられるという確信がないと生まれてきません。確信を求めて常に自らの限界を打破を求めて努力しようとしていることが、多くの名言から見えてきます。
 オリンピックで金メダルを取るには、能力に加えて大変な努力(行動)が必要です。私たちが実現させたいという思いも、小平選手のように常に自分を高めるための努力をしながら、思いを実現できる確信を持つまで努力(行動)し、最後に諦めない勇気(覚悟)を持てば実現できるでしょう。

『一流たちの潜在意識2.0』 第三章 より 原田智也:著 ヴォイス:刊

 強く願っても、実現できない。
 それは、心の中に「やっぱり、無理なのでは・・・・・」という考えが残っているからです。

 その弱気な部分が、逃げ道や言い訳をつくり、目標を遠ざけます。

 退路を絶って進む「勇気(覚悟)」を持つこと。
 それが不可能を可能にするための原動力になるということですね。

「大前研一流 自己変革法」と潜在意識

 ビジネスコンサルタントの大前研一さんが提唱する自己変革法。
 それはシンプルなもので、以下の3つに集約されます。

   ①時間配分を変えること
   ②住む場所を変えること
   ③付き合う人を変えること

 私も振り返るとこの3つを自然にやっていた気がします。
 まずは、時間配分を変える。
 たとえば12月は1年のスケジュールを振り返って、実のあるミーティングや会合、会食がどれだけあったか検証します。
 1日のうち、睡眠や食事など、生理的な現象に費やす時間を12時間として、残った12時間をいかに有意義に過ごすかということを検証すると、いかに今年も無駄な時間をすごしてきたかが分かります。
 確かに「必要な無駄」というのも存在すると思いますが、夢や目標があって、そのために自己変革が必要であれば、そんなに悠長なことは言っていられません。
 無駄に使った時間は、余っている時間として考え、本当にやらなければいけないことを積極的に有効配分していく、これが時間配分を変えることで自己変革につながるという図式です。

 2つ目は住む場所を変えること。
 これは、今と視点を変えるという意味です。引っ越しをするとなれば、コストもエネルギーも時間も使いますが、それを差し引いても自分の人生に重要だと思える場所に住むことは、視点が変わり、新たな発見があります。そうすると感度が高まり、感性が磨かれ、脳が活性化され、自己変革につながる、というロジックです。

 3つ目は、付き合う人を変えること。
 いつも付き合っている仲間や友人は基本的に気の合う安心できる人たちだと思います。しかし、気の合う仲間ほど役に立たない人たちはいない。と大前氏は言います。なぜなら気の合う仲間からだと新たな刺激を受けることや、反発することが少ないので、今までと視点が変わらず、視点も拡がらず、結果何も変わらない。だから、あえて気の合わない人や、意見が衝突する人と付き合うことで、新たな視点や自分にない発想に出会えるということです。

 実は②や③については芸能界を引退した島田紳助氏も、同じことを少し違う角度から言われていますのでご紹介します。

 「成功したかったら、今住んでいる場所から引っ越して、昔からの友人との関係を一旦断ち切ること」

 これは、環境を変えないで居心地のいい今に安住してしまい、行動を変えなくても楽しければいい、たとえ上手くいかなくても傷の舐(な)め合いで済ましてしまうなど、結局何も変わらないという理由からなんですね。
 そうやって考えてみると、私たちは今の生活スタイルや習慣が固定観念化して潜在意識に刷り込まれてしまうようです。それが自己変革を目的とした場合、大きな壁になっているようです。

『一流たちの潜在意識2.0』 第五章 より 原田智也:著 ヴォイス:刊

 慣れ親しんだ環境は、心地いいので、そこから離れたくなくなるものです。
 しかし、自分を変えるには、その「心地よさ」は障害になるということです。

 周囲の環境から影響を受けていない人はいません。
 外(環境)から内(潜在意識)へのアプローチは、確実で、しかも大きな効果があるのは間違いありません。

ウッズ選手が復活できた理由

 最近、プロゴルファーのタイガー・ウッズ選手が、地獄のようなどん底から劇的な復活優勝を遂げたことが話題になりました。

 原田さんは、ウッズ選手が復活できた理由を、潜在意識の面から以下のように説明します。

 ウッズ選手ほどの才能があっても私生活の問題や体の不調でどん底状態のときは、周囲の親しい関係者には「もう2度とプレーしないと思う」と漏らしていたことがあると伝えられています。
 体も腰が悪くゴルフはもちろん、座ることも歩くこともままならなかったようです。このようなウッズ選手が5年もかけて2度目の再起を果たして優勝することは、一般的にいっても困難なうえに、特にゴルフはメンタルが重要なスポーツであることから心身の両方が崩れている場合はなおさら困難なことであったでしょう。
 ウッズ選手が、過去に経験したこともない5年にわたる長い期間の不調を乗り越えて、優勝できたことは、類まれなる運動能力もあったでしょうが、ウッズ選手の心に秘めた思い、潜在意識が貢献したのではないかと思われます。ウッズ選手の以下の名言から、それがうかがいしれます。

 「大きな夢を持って、その夢を持ち続けるんだ。その夢はきっと、君を他の人とは違う、特別な存在にしてくれる」

 「たとえ負けていても、自分は絶対勝てるんだって、いつも信じてなくちゃ」

 潜在意識に常に大きな夢を持ち、自分を信じきることを言い聞かせることが逆境のときには重要な役割を果たします。

 ウッズ選手は優勝がかかるような場面で、優勝を争う相手選手がパットするとき、「入れ!」と念じているというエピソードがあります。一流選手であっても相手のミスを願うのが一般的です。
 潜在意識をうまく活用するには3つの特性を知ることが重要です。

  ①潜在意識は自他の区別がない
  ②潜在意識は否定語を理解しない
  ③潜在意識は冗談を理解しない

 ウッズ選手のエピソードは、1番目の「自他の区別がない」そのものです。潜在意識では、他人のことであっても区別できないので自分に作用してしまいます。
 常に他人に対してもネガティブな感情を持たないことが結果的に自分に良い作用をもたらします。

『一流たちの潜在意識2.0』 第七章 より 原田智也:著 ヴォイス:刊

 潜在意識は、良くも悪くも、忠実で正直者です。

 イメージするもの、考えていること、望んでいること。
 それらをすべて“そのまま”実現しようと働きます。

 私たちも、潜在意識の3つの特性をしっかり把握して、ウッズ選手のように夢を実現させたいですね。

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 最近、願望を叶えるためのカギとしてクローズアップされることが多くなった「潜在意識」。

 言葉は、知っているけれど、どんな働きなのかわからない。
 概念は理解しているけど、どう現実に適用すればいいのかわからない。

 本書は、そんな悩める私たちに、誰でも知っている有名人、映画、書物などを取り上げて、やさしくレクチャーしてくれます。

 彼らの成功は、潜在意識をいかに使ってなし得たのか。
 あの映画のヒットは、何が潜在意識に訴えかけたからなのか。

 などなど、興味深いエピソードの連続なので、誰でも挫折することなく読み進めることができます。

 潜在意識を「理解する」から「使いこなす」へ。

 まさに、新たな時代を切り開く「潜在意識2.0」。
 ぜひ、皆さんもその一端に触れてみてください。

一流たちの潜在意識2.0

原田智也 ヴォイス 2019年08月
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