本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『1日に10冊の本を読み3日で1冊の本を書く ボクのインプット&アウトプット法』(千田琢哉)

 お薦めの本の紹介です。
 千田琢哉さんの『1日に10冊の本を読み3日で1冊の本を書く ボクのインプット&アウトプット法』です。

 千田琢哉(せんだ・たくや)さんは大学卒業後大手損保会社に入社し、その後大手経営コンサルティングを経て独立しています。
 現在は、コンサルティング会社時代に大型プロジェクトのリーダーとして陣頭指揮を執った体験をもとにイノベーション・クリエーターとして執筆活動や研修講師など多方面にてご活躍中です。

「インプット&アウトプット」は「呼吸」と同じ

 千田さんは、多筆家として有名で、これまで数多くの本を書いています。
 一週間で二冊のビジネス書の原稿を書き上げたこともあります。

 自著の売れ行きを分析すると、短時間で書き上げた本ほどよく売れているのだそうです。
 これは他の著者の本でも同じで、「これは一気に書き上げたな」と感じるものは、スピード感があって断然面白いとのこと。

 職業に関わらず、大量にインプット&アウトプットする人には「ある共通点」があります。
 それは、「インプット&アウトプットを呼吸と同じと考えていること」です。
 
 呼吸のポイントは、「吐くこと」にあります。
 息を完全に吐き切ると、自然に大量の息を吸うことができます。
 出し惜しみせずにアウトプットすることで、大量のインプットができるということ。
 千田さんの場合、一冊本を書き上げると次の数冊分の気づきを得られるそうです。

 始めに「アウトプット」ありき。
 いかに、自分の中の知識を外に吐き出すことが大事かということですね。
 本の執筆だけでなく、すべての仕事にこれは当てはまるでしょう。

 本書は、大量のインプット&アウトプットを可能にする意識の持ち方、アイデア・方法を、テーマごとにまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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速く読める本は、あなたに向いているから

 本を速く読むためにはどうしたらいいのでしょうか。
 千田さんは、本の難易度、「速く読める本」と「時間のかかる本」は、絶対的に決まっているわけではないと指摘します。

 速く読める本と、時間のかかる本がある。
 速く読めた本の山と時間のかかった本の山を比較してみれば一目瞭然だが、速く読めた本は自分が大好きな本ばかりなのだ。
 速く読めた本が簡単かといえば、そんなことはないはずだ。

 あなたにとっては簡単かもしれないが、興味のない人にとってはとても難しいかもしれない。
 本の難易度は絶対に決まっているのではなく、読む人のテンションや興味で決まるのだ。
 
 物理学の専門書をスラスラ読み進める人が、同様にライトノベルをスラスラ読み進められるとは限らない。
 逆も然(しか)り。
 どちらがどうというのではなく、向き不向きの問題なのだ。
 さらに厳密に言えば、速く読めるか否かは問題ではない。
 時間を忘れて没頭できるものが、本当にあなたに向いている本なのだ。
 大好きで没頭できる本は、いちいち周囲の目を気にして読まないはずだ。
 脇目もふらず読んでいる姿が、あなたにとって最高の速読なのだ。
 うっかり寝食を忘れて読破した本の山は、あなたの将来そのものなのだ。

 『1日に10冊の本を読み3日で1冊の本を書く ボクのインプット&アウトプット法』 CHAPTER 1 より 千田琢哉:著 アイバス出版:刊

 大量のインプットをするためには、興味のある本を片っぱしから読むのが一番です。
 逆に、他よりも速く読める本が、自分に向いている本だともいえます。

 苦手な本を無理に読もうとせず、読みやすいジャンルの本を没頭して読むこと。
 それが最も効率のいい本の読み方ということですね。

人脈には「本を読む人脈」と「本を読まない人脈」しかいない

 世の中には、「二種類の人脈」しかいません。
「本を読む人脈」「本を読まない人脈」です。

 人脈には二通りある。
 本を読む人脈と、本を読まない人脈だ。
 どちらが上かという問題でなく、同じ地球上に二種類の人脈が存在するという、ただそれだけの話だ。
 
 本を読む人脈に本を読まない人が紛れ込むと、お互いに強い違和感を抱く。
 海水に淡水魚が一匹紛れ込むようなものだ。
 逆も然り。

 あなたがどちらの人脈の人間なのかは、もう決まっている。
 もちろん本を読む人脈の人間だ。
 なぜなら本書を手にとってこうして読んでいるのだから。

 第三者として観察しているとこんな面白い事実にも気づかされる。
 本を読む人脈は、年齢とともに謙虚になって富んでいく。
 本を読んで勉強すればするほど、自分の無知に気づかされて努力するからだ。

 本を読まない人脈は、年齢とともに傲慢(ごうまん)になって貧しくなっていく。
 本を読んで勉強していないから、自分の経験だけが唯一の拠(よ)り所になっており、視野の狭い頑固者で人に嫌われるからだ。

 本を読む人脈に属している人がより元気になるために、私は本を書いている。

 『1日に10冊の本を読み3日で1冊の本を書く ボクのインプット&アウトプット法』 CHAPTER 2 より 千田琢哉:著 アイバス出版:刊

 ひとりの人間が知り得る知識の量は、たかが知れています。
 それに気づかせてくれるのが、読書です。

 本から得られる知識それ自体も、大きな財産となります。
 しかしそれ以上に、自分自身の無知に気づかせてくれるという大きなメリットがあります。

上司に嫉妬されたら「レギュラーメンバー」の仲間入り

 千田さんは、一人前になるということは、周囲から嫉妬され始めるということだと述べています。

 嫉妬されるということは、もうそれ自体が立派な自慢になってしまうから安易に口にしないことだ。
 嫉妬する側は気づいていないこともあるが、嫉妬される側というのは誰に教わるわけでもなく一瞬でわかる。
「ああ、また嫉妬か・・・・」という何とも表現できない、あのイヤな感じだ。
 少なくとも嫉妬する側よりは、嫉妬される側でいられることに感謝すべきだ。

 嫉妬の中でも一番辛(つら)いのが直属の上司からの嫉妬だ。
 直属の上司から嫉妬されるようになったら、あなたは初めてレギュラーメンバーの仲間入りを果たしたことになる。
 上司はあなたの存在に脅威を感じ始め、自分の地位を脅かされると洞察している証拠だ。

 こうなったら嫉妬を感じるたびに、「すべては課長のおかげです」「部長の真似をしただけです」と言って、嫉妬を上手くかわしていくことだ。

 組織はいずれ実力相応のポジションを、あなたに与えるだろう。

 『1日に10冊の本を読み3日で1冊の本を書く ボクのインプット&アウトプット法』 CHAPTER 3 より 千田琢哉:著 アイバス出版:刊

 誰でも嫉妬されるのは嫌なものです。
 でも、相手が自分の実力を認めてくれている証だと思えば、つらさも半減ですね。

 誰からも嫉妬されないのは、周囲から「その他大勢」とみなされているということ。
 一歩抜きん出た存在となるために、周りから嫉妬されるくらいの実力をつけたいですね。

応援者を増やしたければ、応援者を見つけてお礼を言うこと

 千田さんは、「応援者を増やす秘訣」について、以下のように述べています。

 応援者を増やす方法は簡単だ。
 応援者を見つけて、きちんとお礼を言うことだ。
 あなたが見つけてお礼を伝えた応援者の数が、あなたの応援者の数だ。

 応援者を“見つける”という表現をしたのには、理由がある。
 目に見えやすい応援者には、誰もがお礼を伝えることができる。
 ところが縁の下の力持ちや、陰で応援してくれている人に対してはどうだろうか。
 
 講演会場で音量やライトの調整をしてくれていた人。
 商談中にさっとお茶を出してくれた人。
 いつもあなたが出社する前にオフィスを掃除してくれていた人。

 周囲から応援されながら成功している人を観察していると、応援者を“見つける”達人なのだ。
 結果として“見つけられた”応援者は、ますます応援してくれるようになるのだ。

 『1日に10冊の本を読み3日で1冊の本を書く ボクのインプット&アウトプット法』 CHAPTER 5 より 千田琢哉:著 アイバス出版:刊

 どんなにすごい人でも、ひとりでできることは限られています。

 手助けしてくれた人、陰でサポートしてくれた人を忘れずに覚えておき、感謝を伝えること。
 それが「応援されながら成功する」ための秘訣です。

 成功は自分だけの力ではなく、周りの応援があってこそ。
 周囲への感謝の気持ちは、つねに持ち続けたいですね。

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 人生で最も価値のある資産のひとつは「時間」です。
 本書には、その時間を最大限に有効活用し、結果を出すための方法がずらりと並んでいます。
 まさに“目からうろこ”の千田流「インプット」と「アウトプット」の極意の数々。

 結果が出ないのは、やり方が悪いから。
 やり方が悪いのは、意識の持ち方が悪いから。

 パソコンのOSを更新するように、日々、頭の中の古い意識や心構えを入れ替えること。
 変化の激しい今の時代を生き残るためには大事なことですね。

 読んでいて耳の痛い部分も色々ありますが、「良薬は口に苦し」です。
 しっかり飲み込んで、自分のものにしたいところ。

 できることからコツコツと。
 習慣にして「結果を出せる人」を目指したいですね。

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