【書評】『一生使える服選びの法則』(大山旬)

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 お薦めの本の紹介です。
 大山旬さんの『できれば服にお金と時間を使いたくないひとのための 一生使える服選びの法則』です。

 大山旬(おおやま・しゅん)さんは、パーソナルスタイリストです。
「自信を高めるファッション」をモットーに、社会人向けのファッションコーディネートサービスを提供されるなど、多方面でご活躍されています。

服選びは、「センス」ではなく「技術」!


「服選び」というと、面倒に感じたり、敬遠してしまう人は多いです。
 着こなしを楽しむには、高いファッションセンスやそれなりの経験が必要。
 そう思い込んでいる人が多いからでしょう。

 しかし大山さんは、服選びはまったく難しいものではなく、最低限の知識を身につけて、最小限のアイテムをそろえればいいだけだと述べています。

「服選び」と言うと、なんだか面倒に感じたり、ファッションが好きな人が楽しむものと敬遠してしまう人もいるでしょう。でも、服選びは実はまったく難しくありません。最低限の知識を身につけて、最小限のアイテムをそろえればいいだけです。必要なのは、センスではなく技術、なのです。
 僕は、パーソナルスタイリストとして、今まで1000人以上の方の着こなしの改善に関わってきました。僕のお客様は、会社員の方や公務員の方、または主婦の方など、ごくごく普通の方々ばかりです。 スタイリストといっても、デザインが強調された高価なブランド物ばかりおすすめしているわけではありません。ファッション雑誌に載っているような「100点の着こなし」を目指すのであれば、そういったアイテムも必要かもしれません。しかし、そういったデザインされたアイテムを買ってしまうのは、決まったアイテム以外との組み合わせがむずかしく、あまりおすすめできません。
 僕がおすすめしているのは、シンプルなジャケットや無地のシャツ、ストレートジーンズなど、ごくごく普通のアイテムばかりです。じつは、そういう普通のアイテムを、最小限の数そろえるのが、もっとも便利なのです。シンプルなアイテムばかりであれば、どう組み合わせても間違いが起こりません。いつでも迷うことなく、常に80点以上の格好ができるようになります。そして、そういうベーシックなアイテムは、予算に応じて選ぶことができます。だからこれは、一度おぼえてしまえば一生使っていける服選びの法則なのです。

 『一生使える服選びの法則』 Part1 より 大山旬:著 ダイヤモンド社:刊

 本書は、服選びの基本からアイテムの選び方、お店の選び方など、服選びの技術を磨くためのノウハウをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「ベーシックな服装」の考え方


 大山さんは、服選びの基本を身につけるためには、まず「ベーシックな服装」の意味を理解しておくことが大切だと述べています。

できるだけシンプルな「無地」の服
 ベーシックな洋服とは、やはり「無地」になります。特にシャツやTシャツ、スカートなどを選ぶ際、文字が入っていたり、花柄が入っていたり、そういったわかりやすい特徴のあるものには安易に手を出してはいけません。柄物を選ぶのにはコツがいります。失敗するとチープな印象にもなりかねません。飛び級をせずに、まずはシンプルな「無地」を選ぶことが大切です。

単色の合わせやすい服
 ベーシックな衣服はたくさんの色を使っていません。一見無地に見えるシャツでも、襟が二重になっていたり、襟の裏に切り返しが使われているものも少なくありません。2色以上使われている服は、他の服との合わせ方がとてもむずかしいのです。多くの色が使われている服はごちゃごちゃした印象にもなりますし、バランスが取りにくく、安っぽく見えてしまうことがありますので注意が必要です。まずは必ず単色で構成されている服を選んでみてください。

無駄な装飾がついていない服
 刺繍がしてあったり、レースがついていたり、そういった「装飾」は柄物と同様に上級者向けなので、基本を押さえるまでは我慢しましょう。装飾のある服はお店の中でも目立つので、どうしても魅力的に感じてしまいます。しかし、そういったおしゃれさを主張しているアイテムは、実際街で着ているとむしろ安っぽく見えてしまうことが多いのです。できるかぎりシンプルなもの、装飾がないものから選ぶようにしてください。

 まずは以上の3つのポイントを意識しながら、洋服を買うようにしてみてください。もしかしたら「でもベーシックってなんか退屈そうじゃない?」なんて思う方もいるかもしれません。それは誤解です。むしろこのようなベーシックなアイテムだからこそ、ひとつひとつ個性がぶつからないため、さまざまな着こなしが可能になるのです。個性の強い服で主張するのではなく、組み合わせによって個性を出すことが大人のファッションの愉しみ方の1つです。

 『一生使える服選びの法則』 Part1 より 大山旬:著 ダイヤモンド社:刊

「シンプル・イズ・ベスト」は、ファッションの分野でこそ、真価を発揮する言葉です。

 アイテム単品で目立つのではなく、トータルのコーディネートで個性を出す。
 それが、知的な「大人の着こなし」の秘訣です。

「ジャケット」は、大人のファッションの“必需品”


「ジャケット」やアウターなどの上着は、他人から見て最も目につきやすいアイテムです。
 そのため、大山さんは、サイズや色だけでなく、細かいディテールまでしっかりと気を配りながら選ぶことが大切だと述べています。

 ジャケットと聞くと、スーツのようなものをイメージされる方が多いのですが、ここで紹介するジャケットとはスーツとは異なり、肩パッドもほとんど入っていない、軽やかで羽織りやすい上着のことを指しています。ジャケットというのは、大人のカジュアルスタイルに必要不可欠なアイテムです。なぜならジャケットは、カジュアルな装いの中に「キチンと感」を持たせることができるからです。ビジネスカジュアルや休日着を選ぶ場合、どうしてもカジュアルになりすぎてしまう人が多いのですが、ジャケットを1枚加えることで上品な雰囲気を簡単に表現できるようになります。たとえばジーンズにシャツというカジュアルなコーディネートの中にジャケットを1枚加えることで食事にも出かけられるような上品な着こなしもできます。ジャケットはカジュアルなアイテムを上品に格上げしてくれる、とても便利なアイテムなのです。
(中略)
 ではどんなジャケットが使いやすいのでしょうか。まず、色としては男性の場合も女性の場合も組み合わせやすいネイビー(紺色)を選びましょう。2着目には濃いめのグレーを選ぶといいでしょう。
 男性のジャケットの場合は、「襟」と「着丈の長さ(首元から裾までの長さ)」に注意をして選びましょう。街にたくさん並んでいる、襟が細く、着丈が短すぎるジャケットはベーシックなアイテムとは異なります。
 続いてジャケットのコーディネート方法についてご紹介します。ジャケットの最大の利点は「コーディネートのしやすさ」にあります。カジュアルなシャツの上に羽織るのはもちろんのこと、Tシャツの上にさらりと合わせるのもいいでしょう。ちなみに、ジャケットを羽織る場合は、シャツの裾はパンツの中に入れたほうがバランスがよいのでおすすめです。女性の場合はジャケットの襟を軽く立ちあげて、ラフに着るというアレンジも可能です。少し着崩すことでジャケットをカジュアルに使いこなすことができるようになります。シャツと合わせると仕事着のような印象を与えてしまいますので、Tシャツなどと合わせるといいでしょう。ボトムスはブルージーンズにホワイトジーンズ、コットンパンツなど、どんなものにも相性がよいのでぜひ試してみてください。

 『一生使える服選びの法則』 Part3 より 大山旬:著 ダイヤモンド社:刊

 ジャケットは、決して安い買い物ではありません。
 これまで手を出さなかった人も多いのではないでしょうか。

 ただ、持っていれば、さまざまな場面で活躍するのは間違いありません。
 しっかり吟味して、自分に合った1枚を選びたいですね。

「シャツ」はごまかしのきかない“主役アイテム”


 普段着に欠かせないのが、「襟のついたシャツ」
 ビジネスにも、カジュアルにも使うことができ、重宝するアイテムです。

 大山さんは、シャツを着ることで手軽に清潔感を出すことができますので、ベーシックなアイテムをそろえることが大切だと述べています。

 肝心のシャツの選び方ですが、シンプルが鉄則です。最近では凝ったデザインのシャツが非常に多く、シンプルなシャツを選ぶほうがかえって難しいかもしれません。ここでおすすめする具体的なシャツはというと、無地の白シャツ、デニム地のシャツ、ギンガムチェックかストライプの柄物シャツ、以上の3種類。もし予算に余裕があるなら、それに加えて無地の淡いピンクのシャツも使い勝手がよいのでおすすめです。
 ボタンの色は白やアイボリーが基本です。シャツの生地とまるで違う色のボタンがついているシャツはNGです。また、襟や袖の内側に花柄やボーダーなどの切り返しがついているシャツも避けましょう。このような目立つ装飾は必要ありません。特に装飾もなく、パッと見は地味に見えるくらいのシャツこそ、まず初めにそろえるべきベーシックなアイテムです。
 無地のシャツをそろえたら、続いて柄物のシャツを加えます。柄といってもベーシックといえるのは、ギンガムチェックとストライプ。ギンガムチェックは柄物の中でも比較的合わせやすく、シンプルな装いの中でほどよいアクセントになるアイテムです。ただし、できるだけチェックが小さいほうが、どんな人にも似合いやすく、失敗も少なくなります。ストライプは、シンプルな2色使いのものが使いやすいです。こちらもあまり間隔が広すぎないものを選ぶといいでしょう。
 チェックやストライプの色は男性ならネイビー×白がおすすめです。女性でしたらピンク×白などの華やかなものを取り入れてみるのもいいでしょう。
 そしてシャツ選びで大切なのが襟型です。シャツにはさまざまな襟の形がありますが、男性の場合、おすすめなのが「ボタンダウン」と「カッタウェイ(ホリゾンタルカラー)」のシャツになります。ボタンダウンのシャツはボタンでしっかりと襟を固定しているため、襟の収まりがよく、上にジャケットやニットを重ねても襟が折れたり曲がったりしません。一方カッタウェイ型のシャツは、襟の先が大きく外側に開いているのが特徴で、第1ボタンを開けたときの襟の広がり方がとても綺麗です。

 『一生使える服選びの法則』 Part3 より 大山旬:著 ダイヤモンド社:刊

 種類が豊富で、柄や色に様々なバリエーションがあるシャツ。
 選択肢が多すぎて、逆に迷ってしまいますね。

 そんなときこそ、服装選びの原点、「シンプル・イズ・ベスト」です。
 奇をてらわず、すっきりした色、デザインのものを選びましょう。

服を買う「最適なタイミング」は?


 服選びが苦手な人は、「服を買いに行くのが苦手」という人もいるでしょう。
 大山さんは、そのような人のために以下のようなアドバイスをしています。

 落ち着いて服を買うためにも、買い物に行くタイミングはとても大切です。店内が混雑していては、そこにいるだけでどっと疲れてしまい、正しい判断ができません。
 結論からお伝えしますと、曜日にかかわらず朝一の時間帯を狙って買い物に行くのがベストです。朝一の時間帯は1日で最もお店が空いているタイミングです。なので、ゆっくりと試着をして、ていねいに服を選ぶことができるのです。現場の店員さんにもお話を聞きましたが、やはりお店が空いているタイミングに来てもらったほうがゆっくりとアドバイスができるし、親身になって対応することができるとのことでした。
 休日のお昼すぎから買い物に出かけると、店内が混雑していて、そこにいるだけでどっと疲れてしまいます。そんな中では正しい判断ができません。
 たとえば土日でしたら、だいたいのお店の開店時間である11時から買い物をスタートしましょう。2時間くらいかけて3店舗ほど回るのが理想です。先ほどお伝えしたとおり、即決はせず、さまざまな服をゆっくりと試着しましょう。そして一息ついてから目星をつけた商品を一気に購入して帰る、というペース配分がいいかと思います。
 平日は休日に比べると空いていますが、夕方は会社帰りの来店客が多く、やはり混んでいるので、あまりおすすめできません。平日しか時間のない方も、夕方以外の時間帯を狙ってゆっくりと服を選ぶのがいいでしょう。買い物が苦手、服選びが苦手という方こそ、ぜひお店が空いている時間帯を狙って買い物をすることをおすすめします。
 そして、「できるだけ早い時間に買い物を」という法則は、1年のうちどの時期に服を買いに行ったらいいかを考えるときにもあてはまります。そもそも服には、季節ごとの販売時期というものがあります。春夏服、秋冬服、それぞれの新しいアイテムが出そろうのは、以下の時期となっています。

 春夏服・・・3〜5月
 秋冬服・・・9〜11月


 服を買うのに「旬な時期」は、基本的に、この新しいアイテムが出そろい始める時期です。この時期であれば、サイズ切れなどもなく、お店も空いていて、スムーズに買い物ができるはずです。「まだ買い物をするには早いかな」と思う時期にこそ、お店にはよい商品がそろっています。このような時期に買い物をするのがおすすめです。もっとも、この本の中で紹介しているアイテムはベーシックなものがほとんどです。「旬な時期」でなくとも置いてあるものが多いので、それ以外の時期に購入していただいてもかまいません。
 ただ、それぞれの季節の販売時期の終わり、1月や7月などのセール期間の買い物は避けたほうがいいでしょう。セールの時期には、ベーシックで着回しのきくアイテムであっても売り切れてしまっていたり、サイズ切れが起こっている場合が多いからです。
 また混雑した店内で冷静に服を選ぶというのはとても難しいものです。店員さんも慌ただしく、お客さま一人ひとりにゆっくりアドバイスをすることができません。
 そんな状況で服を買っても、後から考えると納得のいかないものの場合が多いと思います。ぜひ空いている時間帯、時期を狙って買い物に行き、コツコツとベーシックなアイテムを買いそろえるようにしてください。

 『一生使える服選びの法則』 Part4 より 大山旬:著 ダイヤモンド社:刊

 服は、他の買い物のついでに買う、という人も多いでしょう。
 しかし、それでは時間的にも、精神的にも余裕がなくなり、よい買い物はできません。

 空いている時間帯・時期を狙ってじっくり吟味し、お気に入りの一着をチョイスしましょう。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 服は、その人の第一印象を決める大切な要素の一つです。
 にもかかわらず、自分の気に入ったものを買って、適当に着まわしている人も多いでしょう。
 また、買ったはいいけれど、ほとんど使われることがないまま、洋服タンスの中に眠っている服も、意外と多いものです。

 大山さんがおっしゃるように、「服選びは技術」です。
 服選びに関する基本の知識を学ぶだけで、落ち着いた大人のファッションが誰でも身につけることができます。

 服選びは、「消費」ではなく「投資」。
 一つひとつのアイテムの単純な価格ではなく、トータルの費用対効果を考えた選択が重要です。
 本書は、これまでファッションに興味のなかった人にこそ、一読して頂きたい一冊です。

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