【書評】『「まじめ」をやめれば病気にならない』(安保徹)

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 お薦めの本の紹介です。
 安保徹先生の『「まじめ」をやめれば病気にならない 簡単! 免疫生活術』です。

 安保徹(あぼ・とおる)先生は、免疫学の分野における日本の第一人者です。

「まじめ」をやめれば病気にならない!


 経済的に豊かで平和、世界でも有数の長寿大国でもある日本。
 一方で、慢性的な病気を抱える人や寝たきりの人の数が驚くほど多い現実もあります。

 残業続きの長時間労働、冷房や冷たい飲み物による冷え、夜ふかし、精神的ストレス。

 現代人の病因はいろいろあります。
 それらをあえてまとめると、まじめやクヨクヨ性格による日常的負担の過剰が原因です。

 つまり、生マジメをやめて生き方の偏りをなくせば、病気は防げるということです。

 本書は、病気が発症するときや治るときの体の反応のメカニズムや原因を解説し、免疫力を高めるための具体的な方法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「働きすぎ」と「パソコンの使いすぎ」が免疫力を落とす


 安保先生は、免疫力をもっとも落とすのは、長く起きていることと、光の点滅を見つづけて目を疲れさせることだと指摘します。

 現代では、長時間仕事をして、夜遅くまで起きている生活の人が多くなっているので、どうしても交感神経優位な状態が長く続くことになるわけです。私たちのからだは昼間活動するようになっています。本来であれば、夜は昼間の交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態に切り替わるのですが、夜も仕事をしていると、そのまま交感神経優位な状態が続くので、当然からだに悪く、そのような状態が長く続けば健康を害することになるのです。
 ですから、人間は朝型生活が健康にいいのです。いまや、仕事上パソコンは必需品なので、たいていの人はパソコンには向かわざるをえないでしょう。そうであるなら、せめて日中のほうが目の負担も軽く、からだも疲れが少ないのです。といっても長時間休みなく画面に向かうのは、よくありません。最低でも1~2時間に一度は休憩をとって目を休めることが大切です。そして、できれば日が沈んでからは、パソコンでは仕事をしないと決めることです。
 会社から帰っても、パソコンやテレビゲームをして夜遅くまで目を酷使している若い人たちが多くなっています。言語道断といわざるをえません。

 『「まじめ」をやめれば病気にならない』 第1章 より 安保徹:著 PHP研究所:刊

 自律神経(自分で意識してコントロールできない自動的に動く神経のこと)には、交感神経と副交感神経の二つの系統があります。

 健康な人は、どちらか一方の状態に偏ることなく、一日のなかでバランスをとっています。
 できる限り、明るいときに活動し、暗いときには休息する生活スタイルを目指したいですね。

発がんのおもな原因は顆粒球のふえすぎ


 私たちの体の免疫の中心的な役割を担っているのが「白血球」です。
 白血球は、「マクロファージ(単球)」「顆粒球(かりゅうきゅう、おもに好中球)」「リンパ球」の三種類で構成されています。

 安保先生は、顆粒球について、以下のように説明しています。

 顆粒球は、マクロファージのもつ食べる力がさらに高まったものです。顆粒球もマクロファージ同様に全身の血液内を巡回していて、異物が入ってくると排除します。
 細菌など大きな微生物を貪食して、分解酵素と活性酸素によって異物を分解し処理します。そのときに、化膿性の炎症を起こし治癒に導きます。これは免疫の記憶がのちのちに残らない防御方法で「自然免疫」と呼ばれます。
 顆粒球は成熟後2~3日で死んでしまいます。そのときに、臓器や血管などの粘膜上で強力な酸化力で組織を攻撃する活性酸素を放出します。人間の体内には活性酸素を無毒化する仕組みが備わっていますが、顆粒球が過剰になると、そのはたらきが追いつかずに広範囲にわたって組織破壊が進みます。がん、胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、白内障、糖尿病などの病気を引き起こす原因はこれなのです。
 そのため顆粒球は「悪者」のようにとらえられがちですが、実際は、顆粒球は細菌などの侵入による感染症から私たちの身を守ってくれているものなのです。問題なのはふえすぎることで、トラブルが生じて病気が引き起こされることになります。

 『「まじめ」をやめれば病気にならない』 第2章 より 安保徹:著 PHP研究所:刊

 交感神経が優位にはたらいていると、顆粒球がふえてリンパ球が減ります。

 一方、副交感神経がはたらいていると、リンパ球がふえて顆粒球が減ります。
 がんをはじめとする病気の70〜80パーセントは、顆粒球の増えすぎが原因です。

 交感神経優位の生活が、いかに健康に悪影響を及ぼすかがわかります。

無気力な人は白血球の総数が少ない


 顆粒球とリンパ球のバランスも大事ですが、「白血球の総数」も重要です。

 安保先生は、免疫力と白血球の数の関係について、以下のように説明しています。

 人間はからだを動かすことで機能を維持するようにできています。運動しなければ、からだの機能を高めることはできないのです。からだを動かさないと免疫力も当然低下します。免疫力が低下すると気力も湧きません。
 さすがに20代のうちは病気になるほどではなくても、無気力状態であるということは、免疫力が下がっている証拠です。
 免疫力の状態は白血球を見ればわかります。すでにお話ししたように、私たちのからだはそれぞれの細胞が特殊化してできています。そのなかで唯一、特殊化していないのが白血球ですから、白血球の状態が個体全体の状態を反映しているのです。その状態が悪ければ、特殊化した細胞にもいろいろな障害が出てくる、すなわち病気にもなるというわけです。
 白血球の数は、その人の代謝力と正比例しています。ですから、活発な人は白血球の総数が多く、覇気がない無気力な人は、白血球の総数が少ないのです。それを決定づけるのが、白血球のなかでも割合の多い顆粒球であることは、もうおわかりでしょう。顆粒球が少なくなって白血球の総数が減ってくると、リンパ球は見かけ上は比率として高くなります。ですから、無気力状態ではリンパ球の比率が高くなるのです。

 『「まじめ」をやめれば病気にならない』 第4章 より 安保徹:著 PHP研究所:刊

 バランスのとれた健康な人の白血球数は、血液1マイクロリットル中に5000〜7000個です。
 白血球数は、健康状態を示すひとつのバロメーターとなります。

えらそうな人は病気になりやすい


 安保先生は、権威的な生き方は病気と結びつきやすいと指摘します。
「独特のプライドの高さと杓子定規な几帳面」な性格が問題になるからです。

 彼らはすっかり頭が固くなってしまって、環境が変わっても臨機応変な対応ができなくなっているのかもしれません。じつはボケやすいタイプは、そのように頭が固い人なのです。
 また、ビジネスマンでも大企業の部長クラス以上になると、前立腺肥大や前立腺がんなどの病気になる人が多いものです。なんでも部下にいいつけて、みずから動くことが少なくなり、腿(ふともも)から腹にかけて肉がついて血流が悪くなるからです。フットワークがよく、自分でお茶もいれコピーもとるといったように、からだを動かしていれば血行もいいので、病気にはかかりにくいのです。
 そして、すでに述べたように、権威をかさにかけて部下を怒鳴り散らす人は、病気になりやすいのです。怒ると交感神経が緊張して、そのたびに血圧が上がり、心臓に負担がかかります。もちろん、人望もないでしょう。組織にいるうちはいいでしょうが、一歩組織を離れたとたんに、だれからも相手にされなくなってしまいます。
 えらそうにふるまう人は病気にもなりやすいし、生きづらくもなります。自業自得なのです。

 『「まじめ」をやめれば病気にならない』 第4章 より 安保徹:著 PHP研究所:刊

 他人に対して偉そうにしない。
 自分のことは自分でやる。
 つねに心穏やかでいる。

 それが免疫力を高め、健康的に長生きをする秘訣ですね。

 歳をとってから後悔しないように、今から気をつけておきたいところです。

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 安保先生は、「人間は本来、自分のからだの声をきちんと聞くことさえできれば、間違うことはない」とおっしゃっています。
 それを支えているのが、「免疫」という仕組みです。

「はっきりとした原因はわからないけれど、ずっと調子が悪い」

 そういう人は、耐え切れなくなった体がSOSを発しています。
 体の声を聞く感覚が、過酷な生活環境の中で、麻痺しているのでしょう。

 自分の健康は自分で守るしかありません。
 自分の体の異変を感度の高さはつねに持っていたいもの。

 無理せず、ストレスを溜めず、自分の生活サイクルを守って日々過ごしていきたいですね。


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