【書評】『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』(稲村徹也)

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 お薦めの本の紹介です。
 稲村徹也さんの『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』です。

 稲村徹也(いなむら・てつや)さんは、投資家・経営コンサルタントです。

成功に不可欠な「億万長者マインド」とは?


 稲村さんは、20代前半で自ら立ち上げた会社が倒産し、数億円規模の借金を背負ってしまいます。
 しかし、そんな絶望的な状況から、再浮上することに成功しました。
 稲村さんは、その理由を、真の意味での「成功」を明確に目指すようになったからだと述べています。

 本書を執筆した目的は「成功」のいわば「おすそわけ」をしたいからです。
 であれば具体的な「成功」への手順を具体的なハウツーとして世に出せばいいではないか、と考える人もいると思いますが、本書の構成は、必ずしもそうなってはいません。
 というのも、ヒントやエッセンスは提示できますが、万人に必ず当てはまる「必勝法」のような定められたルートとしての「成功法則」は、ないといっていいからです。

 私にできるのは、「成功者」たちが巨富を得るために取った行動や、その思考回路、意識を読み解いてもらうための手助けです。本書に示したさまざまな例を、読者自身が自分の境遇などに当てはめて、上手に加工して応用してもらいたいのです。
 ですから、個別の具体的なエピソードを詳述するというより、ヒントやエッセンスを感じ取りやすい行動や言動を中心に採録し、そこに私の見解などを合わせて書いています。

 『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』 序章 より 稲村徹也:著 日本実業出版社:刊

 一度失敗を味わったからこそ、身につけることができた「億万長者」マインド。

 本書は、数多くの「超一流成功者」の言動や行動から、「億万長者」マインドのエッセンスを搾り取ってまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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初めは小さく、徐々に大きくして達する「最終目標」


 成功を手にした先達のほとんどが共通してもっている「マネー哲学」の基本。
 そのひとつが、「目標を設定すること」です。

 とはいえ、現実味のない大きな目標を立てても、実感が湧きにくいですね。
 稲村さんは、無理がない現実的な範囲で小さく、最初のステップを踏み出し、達成したらより大きな目標を設定して・・・・・というように、段階的に「目標」に向かうという方法が効果的だと述べています。

 このような細分化された「目標」を、もっとわかりやすく説明してくれているのが、ビジネスコンサルタントのブライアン・トレーシーです。
 彼は細分化された「目標」設定を、日常によくあることでたとえています。
 現代社会では、健康を維持する方法としてダイエットがブームではなく定着しているように見えます。日々、新たなダイエット法が提唱され、手段が食に関するものだと、報じられてすぐに、該当する食材が全国各地で品切れするようなフィーバーぶりを見せることもあります。
 一方で、次々と新しいダイエット法が提唱されるということは、途中で断念してしまう人が多いか、リバウンドに悩む人が多いことも示しています。万人が達成できる普遍的な夢のダイエット法は、少なくとも現時点では存在しないということでしょう。
 そんな悩ましいダイエットも、ブライアンは数字を示して「自分にもできそう」だと思わせてくれます。
「1日20グラムのダイエットができれば1ヶ月で600グラム。そして年7キログラムに達します」
 1日20グラムなら、何とかなりそうだと思いませんか?
 ほかにもブライアンは、「1日300円の節約」「1日15分の読書で年15冊読破」など、誰にもできそうな「コツコツ」を示して、「目標」を細分化すれば大目標も達成しやすくなると説いているのです。
 ここに示した数値化は、目標設定をする上で魔法のような効果をもたらします。
 アメリカでトップのマーケティングコンサルタントで、私も会ったときにそのカリスマ性に驚かされたジェイ・エイブラハム。彼は、

「一つひとつの要素をきっちり数値化して把握することで、機会の損失や無駄が見えてくるわけです」

 と説いています。例えば、何かの商材をあなたが準備できているとします。
 売上総額は、

 顧客数×平均取引額×購入頻度

 というシンプルな数式で書くことができます。
 この3項目について、各10パーセントずつ上乗せできたとすると、売り上げの増加率はどうなるでしょう?
 実は増加率は33パーセントに達するのです。
 これを、「目標」の細分化に置き換えてみます。
 最終的な売り上げの増加率目標は33パーセント。いきなりは無理だからと、顧客数の10パーセント増を目指します。それが達成できたら、次は平均取引額のアップ。そして購入頻度のかさ上げを狙うのです。こうしてステップを踏んだ「目標」達成の繰り返しで、最終目標に到達することが可能になります。

 『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』 第1章 より 稲村徹也:著 日本実業出版社:刊

 千里の道も一歩から。
 どんなに遠い道のりでも、進むのは、一歩ずつです。

 はるか彼方に見える最終目標ばかりに目を向けてもだめです。
 実現可能な、足元の小さな目標を確実にクリアしていく。
 成功はその先にあるということですね。

成功するために身につけたい「経営者マインド」


 成功するために必要な心構えのひとつに、「経営者マインド」があります。

「今この瞬間から、自分のことを、会社の社長だと考えてください。(中略)自分という個人企業の社長として、あなたは自分の行動とその結果とその結末のすべてに責任を負わなくてはけいません」

 これは、私が敬愛する、ビジネスコンサルタントの権威、ブライアン・トレーシーの著書にある言葉です。さらに、彼は続けます。

「社長であるあなたは、責任者としてマーケティング戦略を立てなくてはいけません。自分を売り込み、イメージを構築し、最も高い値で売れるように自分を磨く必要があります。
 財務戦略も立てなくてはなりません。(中略)あなたという個人企業の株が、市場で流通していると考えてください」


 明確な「目標」を設定し、その実現に向けて行動をスタートさせたその瞬間から、あなたは、実質的に社長として自らの人生を経営することになります。
 アクションを起こすことに躊躇は必要ありません。コーチングのプロであるアンソニー・ロビンズも断言しています。

「重要なのは信じることではなく、実際に行動に移すこと」

 だと。「目標」を掲げて、「夢は叶うものだ」と思っているだけではダメなのです。
 アクションを起こしたら・・・・・。アンソニーはいいます。「パワーを集中させろ!」と。

「持てる資質のすべてを”一つの分野”に集中させることで、どれだけ巨大な力を操れるかを知る人は少ない」

 パワーを集中させることによる絶大な効果・・・・・経験してみないと実感がわかないと思いますが、私も講演活動やプロデュース活動などを通じて、成功哲学の道で「成功」すると誓い、世界の名だたる超一流と交流を深めていく中で、この「成功哲学」という1点にパワーを集中させたからこそ、超一流の技術や思考に次々と触れることができたと思っています。

 『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』 第1章 より 稲村徹也:著 日本実業出版社:刊

 自分の長所・得意分野を把握し、それを磨き続ける。
 自分の市場価値を高めることに、意識を集中する必要があるということです。

「この分野については、誰にも負けない」
 そう言えるだけの、知識や技術に身につけたいですね。

日常的な習慣にしたい自分に問いかける「成功クエスチョン術」


「自分に対する質問の質が人生の質を決める。“適切な質問”によって、”有益な答え”を得られるかが重要」

 これは、アンソニー・ロビンズの言葉です。

「自問自答」は、自分の「目標」に対する姿勢の再確認に役立ちますし、客観的に自分を観察することで冷静さを取り戻したり、「目標」への進路取りが適切かどうか、微調整するキッカケにもなります。
 そんなアンソニーが語る「人生で一番重要な4つの質問」は次の通りです。

①私の人生は何のためにあるのか
②私は何をすべきか
③なぜ私はここにいるのか
④私は誰なのか


 ちょっと哲学的な雰囲気も漂っていますが、4つすべてが、「成功」を実現させるための設計図と重なることに気づくでしょう。
 ①は「目標」を選ぶことに通じますし、②はそれを実現するための手順、③は「成功」までの途中経過を分析し、現在までにどれくらい前進できたかを確認することにもつながります。④は、「目標」と定めた事柄がもたらす効果や、「成功」した後の自分の身の振りかたに絡んできます。
 常に「自分」を客観視し、真っ直ぐ進むためにも、この4つの質問は常に繰り返し自分に投げかけたいところですね。確固たる人生観があってこそ、より明確な「目標」も定められるし、ブレない人格が形成されて、より高い信用を得られるようにもなります。

 これを「ビジネス」「お金」のみ抽出して質問をつくり変えると、次のようになります。

 5年後の自分、5年後のお金について質問する

 すると、

①大まかな目標を定め、それから具体的に肉づけする
②自分のスキルをリスト化する→自分の弱点を探る


 こういった次になすべきことが見えてくるのです。

 『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』 第3章 より 稲村徹也:著 日本実業出版社:刊

 自分が本当にのめり込み熱望することでなければ、長くは続かないでしょう。
 また、超一流のレベルに達することもありません。

 自分の強みを生かし、成功への最短距離を進む。
 そのためにも、「人生で一番重要な4つの質問」を、事あるごとに思い返す必要があります。

ぜひとも学びたい実践型の交渉テクニック「ゲットモア術」


「交渉術の達人」として知られる、スチュアート・ダイアモンド。
 稲村さんは、スチュアートの提唱する交渉テクニックのエッセンスを、以下のようにまとめています。

■「ゲットモア」を実現するための交渉術「主要戦略12」
①目標
②相手の「頭の中の絵」を見る
 ※相手を自発的に動かす
③「感情のお見舞い」
 ※感情的な人は理不尽、聞く耳を持たない、言葉が無駄になる
④毎回異なる状況
 ※人や状況は違いすぎて汎用的な法則は役立たず=相手の意見を聞く
⑤段階的に進める
 ※一歩一歩を大きく取らない、一度に多くを求めるとリスキーに感じる
⑥不等価な価値の好感
 ※一方には大事だが他方には大事ではないものを交換
⑦相手の規範を調べる
 ※方針、例外規定(設けることになった前例)、過去の発言、意思決定方法
 ※特に非協力的な相手との交渉に有効
⑧相手を操作せず率直で建設的な態度で
 ※自分らしくないことはしない=信頼を得る
⑨コミュニケーションを絶やさず、目に映るままを言葉にし、ビジョンを描き出す
 ※コミュニケーションがなければ情報は得られない、相手を尊重
⑩本当の問題を突き止め、それをチャンスに変える
 ※相手の立場で考える、問題を利用して交渉の余地を広げる
⑪違いをありのままに受け止める
 ※違いは利益と創造の宝。交渉の達人は違いを歓迎
⑫準備
 ※リスト作成と練習

 あまりテクニカルな内容や複雑で難しそうな項目がないことに驚かされます。そんな簡潔なメソッドなので解説もシンプルに一文だけ添えてみました。
 アンソニー・ロビンズもいいます。

「現代では人生の質イコール、コミュニケーションの質」

 そのためのシンプルなツールを、スチュアートは用意してくれているのです。世界中の一線級CEOが飛びつくのも理解できますよね。
 また別の言葉でビジネスコンサルタントのブライアン・トレーシーも提言しています。

「コミュニケーションは学べる技術である。もしその技術を学びたいと思うなら、人生のあらゆる局面で向上できるはずだ」

 ブライアンは加えて「プロのアドバイザーについてもらう」ことも推奨しています。それが実現すれば、鬼に金棒、だと思いませんか?

 『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』 第4章 より 稲村徹也:著 日本実業出版社:刊

 人間関係は、すべての基本です。
 もちろん、ビジネスの世界でも例外ではないです。

 多くの人と強い信頼関係で結ばれるほど、得られるチャンスは増えます。
 チャンスが増えれば、成功する確率も上がりますね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 成功者には、ある共通点があります。
 それを身につけるためには、彼らの考え方や哲学を知り、それを真似するのが早道です。

 ナポレオン・ボナパルト、アダム・スミス、トーマス・エジソンなどの歴史上の偉人。
 松下幸之助や渋沢栄一、本田宗一郎などの日本を代表する実業家。

 本書には、上記のような人々も含め、94名が登場します。
 もちろん、その道において「超一流」と認められている人たちばかりです。

 彼らの残した言葉は、どれも含蓄を含んだ味わい深いもの。
 読めば必ず、人生を変えるような珠玉の名言が見つかるでしょう。


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