本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『あきらめていた首痛・肩こり・頭痛がウソのように消えるたったひとつの方法』(後藤仁嘉)

 お薦めの本の紹介です。
 後藤仁嘉先生の『あきらめていた首痛・肩こり・頭痛がウソのように消えるたったひとつの方法』です。

 後藤仁嘉(ごとう・じんか)先生は、カイロプラクターです。

すべてのカラダの不調は、「首のズレ」からくる!

 頭痛に悩まされることが多い。
 ちゃんと寝たはずなのに、疲労が抜けていない。
 肩こりや腰痛が続いている。
 夏でも手足が冷える。

 そんな悩みの多くは、自律神経のバランスの崩れかくる、自然治癒力の低下が引き起こします。
 その大きな原因は、『「首」のズレ』にあります。

 後藤先生は、すべての病は「首」のズレから始まる、と言ってもいいくらいだと、その重要性を指摘します。

 私たちのカラダで、首ほど大事な部位はありません。首は両手でつかめるほど細いのに、ボウリングのボールくらいの重さがある頭を乗せているため、構造的には極めて不安定。そこを大切な神経が走っています。首に何か異常が起こると、自律神経が圧迫されて自然治癒力が落ち、全身に不調が広がるのです。
 近代医学も、整体やマッサージと言った民間療法も、これまで首にあまり目を向けてきませんでした。その一方、首の重要性にいち早く着目して、そのズレをアジャスト(ズレた骨などを正しい状態に矯正)して自律神経を整える方法を、100年前に確立しているメソッドがあります。それが「カイロプラクティック」です。

 『あきらめていた首痛・肩こり、頭痛がウソのように消えるたったひとつの方法』 Chapter1 より 後藤仁嘉:著 マガジンハウス:刊

 本書は、カイロプラクティックの首のアジャスト効果を、一人で簡単に得ることができる方法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「首十字ストレッチ」で不調は軽くなる!

 カイロプラクティックは、自律神経などへの圧迫を取り除くのに最適な方法です。
 後藤先生は、カイロプラクティックの施術を受けなくても、ズレやすい首のアジャストをするメソッドを開発しました。
 それが、「首十字ストレッチ」です。

(前略)やり方はシンプル。私が「クロスポイント」と名付けた胸の十字を意識したら、両腕を真横に上げ、4秒で鼻から吸い込み、8秒かけて口から息を吐き出す深呼吸を行います。たったこれだけです。両足の間と頭を結ぶ背骨のラインは床と垂直、両腕は床と平行にします(図1を参照)。クロスポイントは、首の下の凹みとみぞおちの中間点(図2下を参照)。そこから上下に背骨が伸び、左右に両腕が伸びるラインを保つのです。深呼吸がうまくできない人は、胸とお腹に手を当てて、深呼吸の練習をしてみてください。鼻から息を吸うときには、手で胸が膨らむことを確認。口から息を吐くときには、手でお腹が凹むのを確認しましょう(図2下を参照)。
 基本のポーズから、鼻から息を吸いながら、4秒で肩の付け根から腕全体を後ろに回します。手のひらが上を向いたら、そこで4秒間、呼吸をストップします。
 続いて息を吐き出しながら、8秒かけて、肩の付け根から腕全体を前に回します。手のひらが下を向いたら、腕を体側に下ろします。以上を3セット行います(図3を参照)。
 朝起きて顔を洗うとき、夜お風呂に入って着替えるときなど、鏡の前に立つタイミングで鏡を見ながら姿勢を確かめて、毎日取り組んでください。

 『あきらめていた首痛・肩こり、頭痛がウソのように消えるたったひとつの方法』 Chapter1 より 後藤仁嘉:著 マガジンハウス:刊

首十字ストレッチの基本ポーズ Chapter1P15
図1.首十字ストレッチの基本ポーズ

クロスポイントの位置 深呼吸のポイント Chapter1P16
図2.クロスポイントの位置と深呼吸のポイント

首十字ストレッチのやり方 Chapter1P17
図3.首十字ストレッチのやり方
(『あきらめていた首痛・肩こり、頭痛がウソのように消えるたったひとつの方法』 Chapter1 より抜粋)

 たったこれだけで、首のアジャストができるとは、驚きですね。
 誰でもどこでも、気軽にできる「首十字ストレッチ」。
 ぜひマスターして、毎日の習慣にしたいですね。

首にも背骨にも歪みを作らない「正しい歩き方」

 ズレやすい首を守るために、日常生活で気をつけるべきなのが、「歩き方」です。

 正しく歩く土台作りになるのは、正しく立つこと。首十字ストレッチで姿勢を正しく変えたら、両腕を下ろし、そのまま颯爽(さっそう)と歩き出してください。
 歩くときにポイントになってくるのは、左右のつま先を平行に保ち、腰幅で左右交互に足を前へ出すこと。爪先が外側や内側に入ったり、ガニ股や内股になったりすると、足の付け根である股関節がズレやすくそれがドミノ倒しのように、頚椎(けいつい)などの背骨や骨盤のズレを誘発してしまうのです。モデルさんがランウェイで歩くように1本のライン上を歩こうとすると、股関節が外れやすくなります。また内股で歩くと、股関節が脱臼して、骨盤が大きく見えます。
 続いて頭を空から見えない糸で吊られているようなイメージで、背骨が丸まらないように正しいS字カーブを保ちます。腰が落ちたり、背中が丸まったりしないようにしてください。スマホ歩きはストレートネックになりやすいうえに、腰が落ちて背中が丸まりますから、厳禁。手元や足元ではなく、5〜6メートル先を見るように心がけると、自然に背筋がスッと伸びて正しい姿勢が取れるようになります。

 『あきらめていた首痛・肩こり、頭痛がウソのように消えるたったひとつの方法』 Chapter2 より 後藤仁嘉:著 マガジンハウス:刊

 スマホを見ながら歩くのは、安全上、大きな問題です。
 それだけではなく、健康にも、予想以上に大きな悪影響を及ぼします。

 頚椎のカーブがなくなると、背骨全体のバランスが悪くなります。
 そして、肩こりや腰痛を引き起こすのですね。
 普段から正しい姿勢で過ごすことが、どれだけ大切かということですね。

「ギックリ腰」の原因と対処法

 もともと腰痛持ちの人が、急に腰に負担をかけたとき発症しやすい「ギックリ腰」。
 その痛みや苦しさは、経験した人でないとわからないつらさです。

 ギックリ腰は、どのようなメカニズムで発生し、どう対処すればいいのでしょうか。

 重たい荷物を持とうとしたり、掃除機をかけるために前かがみになったり、くしゃみをしたり・・・・・。ふとした拍子に、「魔女の一撃」とも言われる急な痛みが走るのが、「ギックリ腰」。急性腰痛症の代表格です。
 ギックリ腰が起こる理由は人それぞれですが、そのバックグラウンドには、背骨のズレによる腰部の過度な緊張があります。そこへ急な圧力やひねりの動作が加わり、筋肉、筋肉を包む筋膜、靭帯が損傷したり、腰椎(ようつい)や仙腸関節が捻挫を起こしたりして、ギックリ腰が生じるのです。ギックリ腰を起こしたら、横向きになるなどして少しでもラクな姿勢を見つけて、おとなしく安静にします。そして患部を冷やすアイシングやシップなどで痛みを取ってあげます。痛みがあると、筋肉は緊張したままてじっと動かないので、いつまで経っても症状が軽くならないのです。
 痛みが取れて歩けるようになったら、整形外科のエックス線などの画像診断を受けてください。ギックリ腰を起こす人には、骨折や腰椎椎間板ヘルニアなどを起こしていることもあるからです。画像診断で何も病名がつかなかったら(ギックリ腰は、医学的な病名ではありません)、かかりつけの信頼できるカイロプラクティックでみてもらってください。首をはじめとする背骨のズレを修正しておけば、再発が防げます。
「喉元すぎれば熱さを忘れる」ということわざがあるように、元の生活に戻ろうとします。でも、急性の痛みはカラダからのSOSですから、そのサインをしかと受け止めて対処しましょう。こうした対処を忘れるとギックリ腰は何度も再発します。

 『あきらめていた首痛・肩こり、頭痛がウソのように消えるたったひとつの方法』 Chapter3 より 後藤仁嘉:著 マガジンハウス:刊

 ギックリ腰は、一度やると癖になって再発しやすい。
 そう言われますが、ほとんどは、発症後のアフターケアをしなかったことが原因です。

「痛みが収まったから治った」
 そう早合点せずに、専門家の診断を受けて、根本的な治療を行うことが重要です。

さまざまなカラダの障害を引き起こす「首」のズレ

 背骨が首でズレると、脳、脊髄、自律神経の機能が障害を起こします。
 こうした障害を招く背骨のズレを、「サブラクセーション(subluxation)」と呼びます。
 後藤先生は、頚椎のサブラクセーションは神経の根元を圧迫するため、全身の慢性的な疾患につながると指摘します。

 7つある頚椎の、どこでサブラクセーションによる神経圧迫が生じるかで、症状に違いが出ます。

 1番から順番にチェックしてみることにしましょう。
第1頚椎、第2頚椎の異常
 B・J・パーマーによる上部頚椎スペシフィック・アジャストメントが重視している場所です。頭部、心臓、下肢に異常が起こり、頭痛、鼻炎、日中のてんかん、メニエール病、めまい、顎関節症、慢性気管支炎、動悸(どうき)などの症状がある場合には、この部分のサブラクセーションと神経圧迫を疑います。
第3頚椎、第4頚椎の異常
 第3,第4頚椎は、迷走神経の中枢で、内臓に関係している場所です。迷走神経は脳神経のひとつで、脳幹から腹部までの間を通っていて、鼻、肺、目、内臓全般に関わっています。
 第4頚椎は横隔膜と呼気中枢に関連しています。そのためここが緊張するとしゃっくりが出ます。またここから出ている横隔神経を刺激すると、横隔膜の位置異常が起こり、胃痛を発症することがあります。
第5頚椎の異常
 腕が上がらない、肘が曲がらないといった症状があり、鼻水、鼻血、側頭部の頭痛、日中のてんかんなどをもたらすことがあります。
第6頚椎の異常
 手首を上に反らしにくくなります。朝からの頭痛、偏頭痛、甲状腺機能の低下(疲労、無気力、体重増加、むくみ、便秘など)、夜間のてんかんなどをもたらすことがあります。ぜんそく、息切れの症状もその部分と関係しています。
第7頚椎の異常
 肘が伸ばしにくくなります。6番のケースと同じように、朝からの頭痛、偏頭痛、甲状腺機能の低下が見受けられるほか、心臓の血管が一時的に詰まって胸が苦しくなる狭心症などを伴うこともあります。
 また迷走神経周辺の動脈をコントロールすると同時に、すべての臓器の動脈を支配しています。血圧にも関連し、第7頚椎を刺激すると、鼻血を止める効果があります。鼻血が出た際、頭を後ろに反らし、首の付け根をポンポンと叩くのはこのためです。

 『あきらめていた首痛・肩こり、頭痛がウソのように消えるたったひとつの方法』 Chapter5 より 後藤仁嘉:著 マガジンハウス:刊

 下の図は、脳や脊髄から広がる自律神経が、体のどの部位につながっているのかを示したものです(図4を参照)。
 慢性的な不調は、まず、首のズレを疑ってみましょう。

自律神経と脳 脊髄の関係 Chapter1P25
図4.自律神経と脳、脊髄の関係
(『あきらめていた首痛・肩こり、頭痛がウソのように消えるたったひとつの方法』 Chapter1 より抜粋)

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「カイロプラクティック」という言葉は、ギリシャ語の「カイロ(手)」と「プラクティコス(技術)」が語源です。
 つまり、神経圧迫を起こしている骨格を、人の手によって矯正するのが本質の治療法です。

 人間には、自然治癒力があります。
 カラダが不調になるのは、何らかの理由で、その自然治癒力が妨げられているということ。
 カイロプラクティックでは、それが「首」のズレだと考えています。

 首のズレは、ほとんどにおいて自覚症状がありません。
 また、症状が首以外の部分に出ることが多いので、不調との因果関係に気づくのが難しいです。

 医者に診てもらったけれど、原因がわからない。
 そんな悩みを抱えている方は、ぜひ、本書の「首十字ストレッチ」を試してみてください。

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