【書評】『ゆるく考えよう』(ちきりん)
お薦めの本の紹介です。
ちきりんさんの「ゆるく考えよう」です。
ちきりんさんは、関西出身の「おちゃらけ社会派」のブロガーです。
2005年から書かれているのブログ「Chikirinの日記」は、月間100万回以上のページビューを獲得している、超人気ブロガーです。
「ゆるく考える」ことの意義
ちきりんさんは、最初に、この本を世に出す目的について、以下のように述べています。
日本社会には「社会のため全体のために、個を抑制し我慢すること」を美徳とする考えが蔓延しています。この本では、それらの社会が押しつけるガチガチの固定観念に縛られず、自由に楽しく自分らしく生きるためには、生き方の様々な面でもう少し「ゆるく」、たとえばこんなふうに考えればいいのじゃないかな、とちきりんが感じたことをまとめています。
「ゆるく考えよう」 はじめに より ちきりん:著 イースト・プレス:刊
「みんなガマンして暮らしているのに、『自由に楽しく暮らす』とは何事か!」
そんな批判が聞こえてきそうです。
しかし、このようなご時世だからこそ、あえて必要な考えでしょう。
ガマンして無理して頑張って生きるよりも、自分にとって「好き」「楽しい」「ラク」を貫くほうが何ごともうまくいく、つまり、周りの決めた今までの決まりごとにとらわれず、「自分基準」で生きることが正しい道のはず
それが、ちきりんさんの基本的な考え方です。
つらくても、頑張れば頑張ったぶんだけ、報われる。
今は、そんな時代ではありません。
もちろん、成功するには、努力は必要です。
重要なのは、「何を」「どのように」、です。
この本は、世の中の常識にとらわれずに、より自由な発想をするためのヒントがたくさん詰め込まれた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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日本の将来について
ちきりんさんは、日本の将来はとても明るい
と述べています。
さて、これでいかに日本がすばらしい国か分かっていただけたと思いますが、加えて日本は未来もとても明るいのです。理由は3つあります。
(理由1) 日本には「ユニークバリュー」があります。ビジネスの世界において価値の源泉は「他と違う」ということです。これをマーケティング用語で「差別化要因」といいます。他と同じで「あんなのどこにでもあるよね」ではダメなのです。他者と決定的に違う何かを持っていれば、必ず世界にはそれを「好ましい価値だ」と感じる人がいます。
(中略)
日本に足りないのは「本源的な価値」ではなく、それを戦略的に事業化してマネタイズする人なのです。(理由2)若者が昔に比べて優秀です。
では、そういう人が今後もでてこないか、というば、そんなことはないでしょう。
(中略)
でも今の20代の人たちは、30年前の20代の人よりかなり優秀です。当時の大学は文字通り「レジャーランド」でした。一方、就職状況が厳しい今の学生は勉強もよくするし、留学して語学力を磨き、他大学や外国の学生とも交流します。
(中略)
行動力、英語力、視野の広さ、自分で考える力、どの点から見ても1980年頃の学生より優秀です。「最近の若者は・・・」などという人は、自分が若者のときのことをすっかり忘れてしまっているのでしょう。(理由3)世界の中心に近くなる!
これからの世界の中心は「西欧」から「アジア」に変わります。これは日本にとってはとても有利です。
「ゆるく考えよう」 第1章 より ちきりん:著 イースト・プレス:刊
30代、40代の団塊ジュニア世代も、モタモタしてると、下の世代に追い越されますね。
自分の性格について
ちきりんさんは、昔は、まじめで、すぐに思いつめてしまうネガティブな性格
でした。
そして長いあいだ、「できるだけネガティブに考えないようにする訓練」を続け、できるだけ呑気な人たちと一緒に過ごしていると、感受性レベルも次第に下がってきます。さらに何十年のあいだには気質自体も変化し、最近は自分の性格についても「比較的いい感じじゃない?」と思えるほどになりました。
この経験からちきりんは、「性格は変えられる」と確信しています。
(中略)
私にとっての成長とは「できるだけ鈍感になること」「あまり考えこまないようになること」であり、振り返ればそのための「性格改造」こそが成長の目的であり軌跡であったと思います。もしも「自分を変えたい」と思っている人がいらっしゃれば、強く信じてください。性格は必ず変えられます。
「ゆるく考えよう」 第4章 より ちきりん:著 イースト・プレス:刊
「どんな時も、前向きに生きること」
それが成長の目的でもあり、軌跡です。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
ちきりんさんは、最後に、以下のようにおっしゃっています。
というわけで、ちきりんの考え方の根底には、このふたつの原因があります。
1.自由に生きる、ということ 誰かと比べられるのでも社会に評価されるためでもなく、自分のために生きよう、ということです。そして、
2.モノは考えよう 世の中はいうほど暗くない 「楽観的に生きよう」ということです。自由に、そして、楽観的に、人生を楽しみましょう!
そんじゃーね。
「ゆるく考えよう」 おわりに より ちきりん:著 イースト・プレス:刊
自分の視点を持って、自分の価値観で生きる。
大いに楽しみましょう。
一度限りの、自分だけの人生。
悔いのない人生を送りたいですね。
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