【書評】『仕事は楽しいかね?』(デイル・ドーテン)

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 お薦めの本の紹介です。
 デイル・ドーテンさんの『仕事は楽しいかね?』です。

デイル・ドーテンさんは、米国の実業家、コラムニストです。

人生を、より楽しく、有意義に生きるために


 本書が、日本で出版されたのは、もう10年以上前。

 しかし、いまだに色褪せていません。
 いや、この先の見えない不安定な時代でこそ、輝きを放つ名著といえます。

 ドーテンさんの代表作として知られ、内容も仕事で成功を収めるためのアイデアや意識の持ち方について書かれているものです。

 “仕事”というより、もっと幅広く、“人生”をより有意義に、楽しく、充実させるためのアドバイスと捉えた方が適切です。
 それくらい根本的で、示唆に富んだ内容となっています。
 
 本書は、物語風に書かれています。

 友人と共同で起こした事業が失敗した主人公。
 彼が、季節外れの大雪で空港で足止めされ、一人の老人に話しかけられるところから始まります。

 その老人とは、マックス・エルモアという、起業家として大成功を収めた人物です。

 ストーリーは、主人公とエルモアの対話集のような形で進んでいきます。

 成功に対して“模範的な考え”を持つ主人公。
 その考えを覆す“型破れな”考え方、アイデアを次々と提示するエルモア。

 本書では、主人公だけでなく、読者も思わず引き込まれる、非常識だけど、説得力のある言葉が次々と繰り出されます。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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毎日変わり続けること


 エルモアは、「成功したいなら、目標を設定するな」と述べています。

「目標を設定すると、自己管理ができている気がするものだ―」
 そこで言葉を切る。そして、いまだ私が手に握りしめている“成功のための戦略”の紙を指差し、それを見るように促した。
「ここをごらん。きみがこの紙のリストにあげた“自分の人生をきちんと管理すること”という項目を。ハハ! 人生はそんな扱いやすいものじゃない。僕は人生の中で何をすべきかなんて、問いかけなくなった―どうせ、人生なんて思いどおりにならないからね」
 
 「仕事は楽しいかね?」 第4章より  デイル・ドーテン:著 野津智子:訳  きこ書房:刊

 なるほど、その通りです。
 人生が、予定通りに進むことなど、ありません。

 毎日、毎日が予期せぬ出来事。
 それこそ“想定外の出来事”の繰り返しです。

 例えば、イチロー選手が、最初から「毎年200本以上ヒットを打つこと」を目標としていたら、ここまでの成績を収めることが出来たでしょうか。
 おそらく無理です。

 200本打った時点で、目標を達成したということで、満足してしまいます。
 それ以上進歩しようという気持ちを保つのが難しいでしょう。

明日は今日と違う自分になる


 そんなエルモアが、一つだけ立てた目標。
 それは、「明日は今日と違う自分になる」ことでした。

「<毎日>変わっていくんだよ? それは。ただひたすら、より良くなろうとすることだ。人は<違うもの>になって初めて<より良く>なれるんだから。それも、一日も欠かさず変わらないといけない。いいかい、これはものすごく大変なことだ。そう、僕が言っているマンネリ打開策は簡単なんかじゃない、とんでもなく疲れる方法だ。だけどわくわくするし、<活気に満ちた>方法でもあるんだ。
(中略)
 人生は進化だ。そして進化の素晴らしいところは、最終的にどこに行き着くか、まったくわからないところなんだ」

 「仕事は楽しいかね?」 第5章より デイル・ドーテン:著 野津智子:訳  きこ書房:刊

 毎日変わり続けること。
 成長していくためには、とても大事な意識の持ち方です。

 小さな日々の積み重ねが、数年後の大きな成果となって現れます。
 大変ですが、周りを驚かすような成長を遂げるには、それしか道はありません。

 イチロー選手でもそうです。
 結果を残しているにもかかわらず、毎年毎年フォームのマイナーチェンジを繰り返していますね。

 1打席1打席、試行錯誤をする努力なくして、メジャーでの大活躍はありません。

成功とは、「右に倣えをしない」こと


 必死に、成功者と同じ方法で、後を追う主人公。
 それに対し、エルモアは、以下のようなアドバイスをします。 

「きみは模範的な人の真似をしようとするけど、それはある一つの道をたどってほかのみんなと似たり寄ったりの考えに行き着こうとしているにすぎない。
 さらに悪いことには、模範的な人に話を聞くと、彼らは往々にして自分の歩んできた道のりを整然と語って、プロフェッショナルとはかくあるべき、みたいに思わせてしまうんだ―別な表現をすれば、それこそが成功への決まった方法であるかのように思わせてしまうってこと。あるいは、自分のサクセス・ストーリーは、ほかのみんなのサクセス・ストーリーと、とてもよく似ているのだと思わせてしまうと言ってもいい。
 どう思われようと、とかく人は他人の成功を見て、成功とはどうやって手に入れるものなのか理解しようとする。
(中略)
 小説を研究しても小説家になれないように、成功を研究しても成功は手に入らないという問題が。みんな、成功した人の右に倣えをしようとするけど、成功するというのはね、右に倣えをしないっていうことなんだ。」
 
  「仕事は楽しいかね?」 第7章より デイル・ドーテン:著 野津智子:訳 きこ書房:刊

 つい、他人の後を追って、真似しがちな日本人には、耳の痛い言葉です。

試し続けろ、満足するな!


「試し続けろ、満足するな、チャレンジし続けろ!」

 エルモアは、そう、半信半疑な主人公を勇気づけます。

「ある事柄が完璧だと決め込んでしまったら、その事柄はそれ以上よくならず、ライバルに追い抜かれるのをただ待つだけだ。その結果言えるのは―彼の言葉をそのまま繰り返すと―“完璧さとは、ダメになる過程の第一段階”ってことだ」
 
「仕事は楽しいかね?」 第7章より デイル・ドーテン:著 野津智子:訳 きこ書房:刊

「完璧さとは、ダメになる過程の第一段階」

 素晴らしい言葉ですね。
 そもそも完璧とは、それ以上、修正も、改善もないことです。

 そういう状態が本当にあるかは別として、そんなつまらないことはありませんね。
 これ以上、すべきことがないのですから。

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 ドーテンさんは、エルモアに次の言葉を述べさせ、この物語を終わらせています。

「アイデアをいっぱい持つこと。ありとあらゆることをやってみること。明日は今日とは違う自分になること。そして朝を待ち焦がれる、幸せなサムライの一人になってくれ」
 
「仕事は楽しいかね?」 第14章より デイル・ドーテン:著 野津智子:訳 きこ書房:刊

 私たち日本人も、一人一人が他人の後を追わないこと。
 そして、それぞれ自分の道を極める、「幸せなサムライ」になる。

 仕事も、人生も楽しまないとけないということですね。

 不景気に苦しんでいる日本の皆さんに、是非、お読み頂きたい一冊です。


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