【書評】『僕はこうして運を磨いてきた』(千田琢哉)

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 お薦めの本の紹介です。
 千田琢哉さんの『僕はこうして運を磨いてきた』です。

 千田琢哉(せんだ・たくや)さんは、文筆家です。
「タブーへの挑戦で、次代を創る」を、自らのミッションとして、執筆活動を続けられています。

すでに授かっているものを磨くことが、運を磨くこと


「運をよくするには、どうしたらいいか」

 多くの人が関心を持ち、答え探し続けてきた問いの一つです。

 千田さんは、運を磨いて人生を切り拓きたければ、まず運はすでに授かっている事実を知ることだと述べています。

 たとえば背の高い人と低い人ではどちらが幸せになるかは
 誰にもわからない。
 背の高い人が有利になるスポーツもあれば、
 背の低い人が有利になるスポーツもある。

 あるいは太った人と痩(や)せた人とではどちらがモテるかは
 誰にもわからない。
 太った人が好きな人もいれば、
 痩せた人が好きな人もいる。

 はたまた左脳が強い人と右脳が強い人とではどちらが成功するかは
 誰にもわからない。
 左脳が強くなければ勝てない分野もあれば、
 右脳が強くなければ勝てない分野もある。

 私がこれまでに出逢(であ)ってきた
 3000人以上のエグゼクティブたちを観察していても、
 長期的な成功者は例外なく
 すでに授かったものに感謝してそれを磨き続けていた。


 ないものねだりで寿命を無駄遣いするのではなく、
 虚心坦懐(きょしんたんかい)に自分自身を直視した上で
 どのように自分を磨き、
 どの土俵(どひょう)で戦い、
 どのように楽勝するのかを考え抜いていた。

 そうした数多くの長期的な成功者たちを目(ま)の当たりにした私は、
 その真似をし続けて、
 すっかり習慣化したのは言うまでもない。
 自分がすでに授かっているものを淡々(たんたん)と磨くだけだから、
 ライバルはどこかの誰かではなくいつもこの私自身なのだ。

 だから私はサラリーマン時代も現在も他の誰かよりもいい結果を出そうだとか、
 多くの本を売ろうなどと考えたことは一度もない。


 他人と比較することほど無駄なことはないし、
 そもそも私は自分にしか関心がない。
 他人と競争をしてストレスを溜(た)め込みながら寿命を削(けず)っている人は、
 きっと自分自身の授かったものに気づいておらず、
 根本的に勝負の土俵を間違えているのだ。

『僕はこうして運を磨いてきた』 PROLOGUE より 千田琢哉:著 青春出版社:刊

 千田さんは、自分の授かったものを正確に把握した上で正しい土俵でそれを磨き続ければ、あなたの人生は放っておいても好転していくと述べています。

 本書は、自分の強みを磨き「幸運のスパイラル」を描き続ける、千田流“運の磨き方”のノウハウをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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運は、感染する


 千田さんは、自分の運のスケールを正確に把握することが幸せになるための必要条件だと述べています。

 あなたの運のスケールが小さければ
 運のスケールの大きな人のコバンザメに徹して生きればいいのだ。

「コバンザメ」と聞くと、どこかかっこ悪いと思うかもしれない。
 しかし人間社会はすべてコバンザメ集団で成り立っている。
 サラリーマンも公務員も政治家もトップの座に
 無数のスケールが一番大きな人間がいて、そこから運のスケール順に
 無数のコバンザメがぶら下がっているという縮図である。
 組織というのは運のスケールが大きな人間から小さな人間へと
 運気を分け与えながら、それぞれが有機的に絡(から)み合って成立しているのだ。
 これは組織の中枢(ちゅうすう)まで入り込んだことのある
 本物の経営コンサルタントたちであれば、例外なく大いに首肯(しゅこう)する事実である。
 組織に歪(ゆが)みが生じておかしくなるのは、
 人材の座る椅子を間違えているからである。
 座る椅子を間違えているのは、本来社長であるべき人物が社長の椅子に座らずに、運のスケールの小さな人間が座っているということに他ならない。
「魚は頭から臭くなる」という言葉もあるように、
 トップに立つ人間で組織は決まる。
 トップに立つ人間が最も幸運の持ち主でなければ、
 その組織は滅びる運命にあるのだ。
 すでにあなたはお気づきだと思うが、
 組織存続の秘訣(ひけつ)は各自が自分の与えられた役割をはたすことである。
 副社長の役割の人間が社長を目指すべきではないし、
 課長の器の人間が部長になるべきではない。
 副社長は副社長として、課長は課長として、
 役割を果たした結果として幸運が舞い込む。
 その場合に副社長は社長に就任(しゅうにん)し、
 課長は部長に昇進(しょうしん)することもあるかもしれない。
 だがあくまでもそれは結果論であり、
 運の良い人のコバンザメに徹したからである。
 換言すれば、
 運の悪い人と一緒にいるとその運の悪さはあなたに感染するということだ。
 運を良くしたければ、
 堂々と運の良い人のコバンザメとして役割を果すべきである。

『僕はこうして運を磨いてきた』 CHAPTER 1 より 千田琢哉:著 青春出版社:刊

 類は友を呼ぶ、と言います。

 運がいい人はいい人同士、悪い人は悪い人同士集まる。
 だから、何も変わらないのですね。

 運は感染する。

 運のいい人にできるだけ近づき、その“おこぼれ”をもらうことを習慣にしたいですね。

チャンスを掴むことより、「掴み続ける」ことが大切


 長期的に考えれば、チャンスは、誰にでも、ほぼ同じ確率で巡ってきます。

 千田さんは、問題なのはそれを掴む瞬発力と、掴み続ける持久力だと指摘します。

 瞬発力を鍛えるためには単純に挙手のスピードを速くすればいい。
 上司から「これをやりたい人はいるか?」と聞かれたら、
 あなたは最後の「いるか?」に被(かぶ)って挙手すればチャンスを掴めるだろう。
 ただしこれは誰でもその気になればお気軽にできることだ。
 だから実力としては程度が低いし、
 周囲から真似をされればあなたは目立たなくなる。
 そして何よりもいくらチャンスを掴んだところで
 あなたに肝心の実力がなければ、
 もう二度と声がかからなくなるから逆効果になってしまう。
 そこで次に求められるのはチャンスを掴み続ける持久力だ。
 チャンスを掴み続けるためには、この次も声がかかるように
 相手を感動させるレベルで仕事を仕上げる必要がある。

 顧客満足という言葉が昔流行ったが、満足程度では依頼者はリピートしない。
 仮に満足を100点とすれば+1点の101点を目指し、
 依頼者の期待を1%でも超えて感動させることで
 リピーターになってもらえるのだ。
 私の場合はサラリーマン時代のラスト5年間はもう自ら営業をしなくなった。
 それは目の前の仕事で101点を目指して仕上げることが、
 最強のマーケティングだと気づかされたからである。
 現在までこのスタンスで仕事をしてきたが、
 それで困ったことは一度もない。
 それどころかリピーターと紹介が増え続けて、
 今では断るのも仕事になっているくらいだ。
 実は私だけが特別なのではなくて、
 長期的な成功者たちは全員こうした仕組みで淡々と生きているものなのだ。
 ここ最近はプレゼン能力を鍛えることの重要性が説かれている。
 だがプレゼン能力は所詮チャンスを掴む瞬発力に過ぎない。
 もし長期的な成功者になりたければ、
 猫騙(ねこだま)し的プレゼンではなく、
 いざ仕事がスタートしてからこそが大切なのは言うまでもない。

 以上は知識として知っているだけではなく、
 行動に移し、習慣化することが大切である。

『僕はこうして運を磨いてきた』 CHAPTER 2 より 千田琢哉:著 青春出版社:刊

 力のない人でも、まぐれで成功することはあります。
「ビギナーズ・ラック」という言葉もありますね。

 しかし、勝ち続ける、チャンスを掴み続けるには、実力が伴わないと無理です。
 それも、周囲を圧倒するくらいの実力ですね。

 チャンスを1回掴んだからといって慢心せず、実力を磨く努力を怠らないこと。
 それも、運命の女神に好かれるための秘訣ですね。

あなたから離れていった人は、追ってはならない


 千田さんは、長期的に見れば離れて行った相手を追いかけると、確実に運気が落ちると述べています。

 なぜならあなたから離れて行く相手というのは、
 あなたにとって害があるからである。
 あなたから離れて行くことであなたを困らせるということは、あなたにとって運が悪い証拠だろう。
 もしそんな運の悪い人間を呼び戻そうとすれば、
 確実に不幸になるのは目に見えている。
 残ってもらっては困るからこそ、
 相手は離れて行ってくれるのだ。
 これは会社経営でも同じで、
 一度辞表を出した人間を説得すべきではない。
 そんなことをすれば相手はつけ上がり、
 口に出すかどうかは別として
「自分は仕方なくこんなところに居てやっている」という態度を取るようになる。
 何十年も会社を経営してきた人たちに対して、
「もしこれまで辞めていった社員たちでもう一度会社を創ったら、
 今頃どうなってますか?」と聞いたことがある。
 異口同音に「ゾッとする」と苦笑いしていた。
 つまりあなたから離れて行った相手というのは、
 自然の摂理に則って正しいことをしてくれているのだ。
 相手の立場になって考えてみると、
 あなたから離れて行く相手にとってもあなたは運の悪い存在なのだ。

 相手が幸せになるためには、あなたが邪魔なのだ。
 あなたが幸せになるためにも、相手は邪魔なのと同じだ。
 相手には相手の人生があり、あなたにはあなたの人生がある。
 だからいずれにせよあなたから離れて行く相手を追いかけるのは、
 とても愚かな行為だと言える。
 この法則を知っておくだけで、生きるのがとても楽になるはずだ。
 離れて行く相手を追いかけないだけで、あなたの運気が急上昇するのだから。
 あなたの運気が急上昇すると、また別の出逢いが必ず訪れると囁(ささや)いておこう。

『僕はこうして運を磨いてきた』 CHAPTER 3 より 千田琢哉:著 青春出版社:刊

 運が悪い人から、運のいい人に変わる。
 それは、まったく違う種類の人種になるということ。

 考え方や価値観が合わなくなるのは、当然ですね。

 来る者を拒んでもいいけれど、去る者を追ってはいけない。
 肝に銘じたいですね。

苦労して成功した人は、偽物の成功者。


 千田さんは、苦労して成功した人は、偽物の成功者だと言い切っています。

 私のコンサルティング・スタイルのベースは「素質論」にあり、
 苦労するということは才能がないということであり、
 苦労を感じない場所で活躍すべきであると考えていた。

 才能がなければ他人の何倍も苦労しても人並みにすら届かないのに対して、
 才能があれば他人の数分の一の努力で人並み以上の結果を楽々出せる。
 前者は苦労人だが嫉妬深くて縦ジワの多い顔をしており、
 概して運が悪い。
 縦ジワが多いと人に嫌われるから、人もお金も離れて行く。
 人とお金が離れて行くと、
 ますます性格が悪くなるから縦ジワが増える。
 こうして負のスパイラル人生に突入するのだ。
 後者はいつも楽しそうで横ジワの多い顔をしており、
 概して運が良い。
 横ジワが多いと人に好かれるから、人もお金も集まってくる。
 人とお金が集まりってくると、
 ますます性格が良くなるから横ジワが増える。
 こうして正のスパイラル人生に突入するのだ。
 実際に後者の人々は他人の半分の努力で人並以上の結果を楽々出せる土俵で、さらに他人の何倍も楽しそうに努力していたものだ。
 つまり後者の人々は雪だるま式にどんどん成功して、
 さらに人生が好転し続けるのだ。
 両者の差は宇宙の拡張現象の如く、日々ものすごい勢いで拡がり続ける。
 私自身の人生でもこれをふんだんに活かし、
「ん? 今俺は苦労しているぞ」と少しでも感じたら
 軌道(きどう)修正をまめに行ってきた。

 その結果、今、ここにいる。

『僕はこうして運を磨いてきた』 CHAPTER 4 より 千田琢哉:著 青春出版社:刊

 人間、本当に好きなことは、どれだけ続けても「苦しい」とは感じないものです。

 好きだから、強くなる。
 強くなると嬉しいから、ますます張り切る。

 才能を活かして活躍している人たちは、この「上昇スパイラル」を利用しています。
 苦しみに耐えて頑張っている人たちは、到底太刀打ちできませんね。

 自分の得意な土俵で勝負する。
 そのためにも、「今、苦労しているか」を自問することは、とても大切です。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 千田さんは、運の良い人とは一度も地獄を経験しない人ではなく、何度地獄を経験してもそのたびに這い上がってくる人だとおっしゃっています。

 世の中で、「偉業」讃えられることを、人並の困難で成し遂げた人はいません。

 何度も壁にぶち当たり、それを乗り越えて達成された。
 だからこそ、「偉業」なのです。

 周りから見て、「運が悪い」と思えるような過酷な状況。
 そんな時ほど、その人「運のよさ」の真価が問われます。

 周囲の環境や状況は、いずれ変わります。
 どう変わるかは、それまでの自分の意識次第です。

 絶体絶命に思える状況でも、腐らずに、自分のなすべきことをする。
 そんな心がけを続けることが、「運のいい人」になる最短の道だということですね。

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