【書評】『1日1分で人生が変わるおなかもみ上げ』(永井峻)
お薦めの本の紹介です。 永井峻さんの『1日1分で人生が変わるおなかもみ上げ』です。
永井峻(ながい・たかし)さんは、整体師です。 神経解放(頭)、内臓調整(腹)、筋力回復(体)という3つのケアを柱とした整体サロン、トータルリチューニングを開院し、その院長を務められています。
すべては、「おなか」から生まれる
ひどい頭痛、めまい、便秘、むくみ、冷え・・・・。
そんな原因がはっきりしない不調で悩んでいる人は多いです。
永井さんは、色々な健康法で効果がなかった症状でも、おなかをケアすることで、改善する余地がまだまだある
と述べています。
要するに、健康(カラダの調子)も、能力(頭の調子)も、魅力(美容)も、おなかが不調だと、全然発揮されません。ちょっと想像しただけでも、「だるくて、無気力で、頭が重くて、腰痛を感じているあなた」と、「そういう不調がないあなた」では、比較をするのもバカらしいぐらい、仕事の効率が違うはずです。おなかの調子が良ければ、あなたの実力の「発揮率(%)」がハネ上がるのです。
心が落ち着き、やる気が安定、言葉に重みが生まれ、頭は軽快、目には力が宿り、イライラもクヨクヨもせず、発想が柔軟で、表情が明るく、フットワークは軽い・・・・・。持ち腐れていた宝物が、その輝きを取り戻すイメージです。その実力発揮率の差は、2倍以上と言っても、過言ではありません。
もしも、3LDKの家を持っているのに、そのうちの1部屋とリビングがゴミで埋まって使えないとしたら、絶対に放置しないですよね? そんなバカげた状態はありません。でも、おなかの不調を放置するもったいなさは、それと同じぐらい重大なのです。快適性の低下、機能不全、余裕が持てない、見た目の悪さ、悪臭・・・・・。数え上げたら、キリがありません。
だからこそ、この本を通して、おなかのケアを身に着けて欲しいと思います。ほとんどの深刻な病気はおなかに生じるものですから、病気の予防にももちろん有効です。大げさではなく、一生役に立つものだと信じて、この本を書きました。
『1日1分で人生が変わる おなかもみ上げ』 はじめに より 永井峻:著 自由国民社:刊
本書は、「おなか」のケアの大切さを解説し、誰にも簡単にできる健康法「おなかもみ上げ」をわかりやすくまとめた一冊です。 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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何をしても痩せない人の「メタボ4大法則」
食べる量を減らしても、運動しても、体重が減らない。
そんな悩みを抱える人は、多いのではないでしょうか。
実は、その原因も「おなか」にある場合がほとんどだそうです。
実は、何をしても痩せない人には、法則があるのです。その法則とは、運動不足やカロリー摂取量よりも、強い影響力を持っています。ダイエットにとっても、健康にとっても、とても大切な要素ですから、せひ知っておきましょう。
【メタボ4大法則】 1 消化系の調子が悪い(特に胃腸、肝臓、胆のう) 2 むくみや冷えがひどい 3 リンパ節が詰まっている(特に股関節にある、鼠径リンパ) 4 血行が悪い
そして、これらの4つの要素は、互いに関係し合っています。その悪魔のような仕組みが、どうなっているかというと・・・・・
▶リンパ節が詰まる→▶ゴミ(老廃物)がたまってむくむ→▶血行が悪くなる→▶体温を運べないために冷える→▶体の冷えを防ぐために、脂肪をつけようと脳が判断し始める&▶血行不良と冷えのために、内臓機能が落ちる→▶消化能力が落ちる→▶栄養吸収力も、脂肪を溶かす力も落ちる→▶食欲が異常になり、脂肪も付きやすくなる→▶当然太りやすくなる→▶太ると、さらにリンパ節が詰まりやすくなる→▶振り出しに戻って再スタート。
というように、負のループが相乗効果的に重なっているのです。とても怖いですね。
この連鎖を止めない限り、ダイエットの成功が非常に難しいのは、簡単にイメージできることでしょう。食事を多少コントロールするぐらいでは、痩せないのは当然なのです。 しかし、裏を返せば、この連鎖を断ち、メタボの法則を脱出することこそが、確実に痩せるための最短ルートなのです。ビュンビュン吹き付ける向かい風の中で、もがくのはやめましょう。温かい追い風に押し出されてこそ、目的地にスムーズに近づけるというものです。
おなかのケアが必須かつ有効な理由は、ここにもあります。おなかのケアには、消化のケアはもちろん、むくみや冷えの対策、リンパ節のケア、血行の改善まで、メタボの法則を乗り越えるのに必要な要素が、すべて含まれています。
『1日1分で人生が変わる おなかもみ上げ』 第1章 より 永井峻:著 自由国民社:刊
根っこが弱っている木に、どんなに肥料や水をあげても、元気には育ちません。 木における「根」に相当する部分が、人の「おなか」になるわけです。
体調不良を根本的に解決するには、「おなか」のケアが必要不可欠。 おなかをケアして、負のループを断ち切りましょう。
深い呼吸には、「おなかの弾力」が必要
「呼吸が深い人は、ストレスに強い」といわれます。
そのため、さまざまな呼吸法が注目され、関連書籍もたくさん世に出ています。
ただ、それらを試しても、苦しくなったりして、途中であきらめてしまう人も多いです。 それはなぜでしょうか。
なぜこんなことになってしまうかというと、呼吸の準備(体勢)が整っていないからです。そして呼吸の準備とは何かというと、おなかに弾力があることなのです。
あなたにも、「おなかがいっぱい過ぎて苦しい・・・・・」という体験が、きっとあると思います。あれは、おなかが大きく腫れてしまって弾力がないために、空気の出し入れに支障を来している状態なのです。
同じように、むくんでいたり腫れていたりと、おなかの状態が悪いときには、肺の動きがさまたげられ、深い呼吸ができません。動かない壁を無理に押すようなものなので、苦しくなることさえあります。逆に、「トイレでガツンとおっきいのを出したら、スッキリした!」という体験も、あるのではないでしょうか。これは、弾力がある程度戻ることで、呼吸にも余裕(=弾力)が戻った状態です。それが、スッキリ感につながっているのです。余裕というのは、弾力のことなんでですね。
つまり、ストレスに強くなるためには呼吸を深くすることが有効で、呼吸を深くするためには、おなかの弾力が必要というわけです。だからこそ、おなかの弾力全般を整える「おなかもみ上げ」には、ストレス対策の効果が大きく秘められているのです。また、胃腸の横隔膜を直接ケアし、肺のツボも刺激するように作られています。
また、呼吸法を学ぶこことは違うメリットとして大きいのが、意識していないときの呼吸が「勝手に」深くなるという点です。学んだ呼吸法は、かなり長くやれば定着しますが、そこまでいける人は、ごく少数です。つまり意識して時間を取ったときだけ、深い呼吸ができるということです。
もちろん、それでもやるだけの価値は、十分にあります。ただ、おなかをケアすることで呼吸を深くする場合は、意識も時間も関係なく、すべての呼吸、24時間の呼吸の質が、「自動的に」良くなってくれるのです。
それは、「ストレスを感じたときは深呼吸しよう」という、事後対応的な使い方ではなく、自動的に深呼吸になっているから、そもそもイライラしにくいという、予防法的な身につき方を意味します。
武器を持ったときだけ強いのではなく、素手でも強い男の方が魅力的ですよね。それと同じです。もちろん、そういう人が武器を持ったら鬼に金棒です。 つまり、おなかをケアした上で呼吸法もやれば、その効果はさらに倍増することになります。この快適さを想像してみると、なかなか魅力的ですよね。
『1日1分で人生が変わる おなかもみ上げ』 第2章 より 永井峻:著 自由国民社:刊
深い呼吸を妨げているのは、「おなか」の弾力性のなさ。 意外な盲点ですね。
過去に呼吸法に挑戦して挫折した人は、「おなか」を柔らかくしてから再チャレンジしてみしょう。
おなかのストレスを消す「おなかもみ上げ」
永井さんが東洋医学、西洋医学、両者の良いところを取り入れ、おなか(内臓)が元気になるために必要なことをトータルで考えた
方法が、「おなかもみ上げ」です。
【おなかもみ上げ】 ※寝ていても座っていても、ほぼ同じように行えます。 ■所要時間:1〜2分 ■代表的なメリット(改善要素)
- イライラ、不安、やる気がない、集中力低下、覚悟、落ち着き、頭痛
- 首肩のこり、背中のこりやハリ、腰痛、足腰や全身のだるさ・重さ
- 内臓関係全般の疲労回復、病気予防、病気改善の速度向上(肺、心臓、肝臓、胆のう、胃、すい臓、小腸、大腸、腎臓、膀胱、子宮、卵巣、など)
- 睡眠の問題(寝付きが悪い、途中で起きる、早朝に起きる、など)
- 冷え、むくみ、血行、リンパ循環の改善
- 元気、表情の良さ、声の深さや強さ、体力、精力などの活力全般
- 美顔、美肌
- 引き締め、ぽっこりおなかの改善
■準備 ※椅子に座った状態、または仰向けになって両膝を立てた状態で行う (重要なのは、股関節が折りたたまれて、おなかがゆるんでいる状態にすること)。
■やり方 1 おなか全体を手でさすっていく。 ①肋骨(あばら骨)の際のすぐ下のライン(左右)を10往復ずつ ※ヘソから頭方向・ナナメ外側に手を滑らせるとぶつかる壁が肋骨で、さするのはその壁際です。 ②股関節(コマネチ)のライン(左右)を10往復ずつ ③おなか全体を、円を描くように10回転(おなかに向かって時計回りに) ※①、2は左右同時に行います。
2 おなかの8エリアをポン、ポンともみ上げていく(重ねた両手の指で、押し上げる)。
①ヘソから右に指4本、下に指4本分 ②ヘソから右に指4本分 ③2から上に指4本分(肋骨近く) ④ヘソから上に指4本分 ⑤4から左に指4本分の位置(肋骨近く) ⑥ヘソから左に指4本分 ⑦6から下に指4本分 ⑧ヘソから下に指4本分
※手は、両手の指を第1関節くらいまで重ねて当てます。
3 おなか全体を、円を描くように10回転手でさする(おなかに向かって時計回りに)。
『1日1分で人生が変わる おなかもみ上げ』 第3章 より 永井峻:著 自由国民社:刊
図1.「おなかもみ上げ」のやり方
(『1日1分で人生が変わる おなかもみ上げ』 第3章 より抜粋)
ぜひ、皆さんもお試し下さい。
巡りスイッチを入れる、「ふくらはぎエレベーター」
ふくらはぎは、「第二の心臓」と言われるほど、血液循環において重要です。
ふくらはぎをマッサージすることで、血行は目覚ましく改善されます。
【ふくらはぎエレベーター】 ※寝ていても座っていても、ほぼ同じように行えます。 ■所要時間:約1分 ■代表的なメリット(改善要素)
- 冷え・むくみ(特に脚)の改善
- 美脚効果
- 全身の血行改善
- 脚のだるさ・重さ
■準備 イスに座った状態、または仰向けで、ふくらはぎ(アキレス腱のあたり)を、反対側の膝の上に押し当てます。 ■やり方 膝でふくらはぎをこすり上げるように、上側の脚を30回スライドさせます。 (痛気持ちいい程度にやるのがコツ。筋肉や中の液体を上げていくイメージ)。 ■コツ
- ふくらはぎを反対側の膝に当てて「こすり上げる」ようなイメージで、スイー、スイーともみ上げています。
- 座っていても、仰向けでもできます。
- 上げるときも下ろすときも、ふくらはぎは膝についていてOKです。ただ、下げるとき(ふくらはぎが上にズラされるとき)に、より強めになるように意識しましょう。
- 気持ち良い場所を探しながら、ふくらはぎの中央だけでなく、その左右のラインも試しましょう。
- 痛気持ちいい程度に行います。
- 手が空いているときは、イラストのように両手で上側の脚の膝を支えながら行うと、動きが安定してやりやすくなります。
『1日1分で人生が変わる おなかもみ上げ』 第4章 より 永井峻:著 自由国民社:刊
図2.「ふくらはぎエレベーター」のやり方
(『1日1分で人生が変わる おなかもみ上げ』 第4章 より抜粋)
血行を改善させると同時に、リラックス効果もあります。
毎晩、布団に入ったとき。 それに、毎朝、目が覚めたとき。
布団の中で「ふくらはぎエレベーター」をやってから起きる。 それを習慣にすれば、毎日を軽快に過ごすことができそうですね。
永井さんは、おなかが変われば、「自分」が自然と変わっていくことで、「他人」も「今」も、ひいては「未来」も、良い方向に変わっていく
とおっしゃっています。
何が起きても動じず、泰然自若としている。 そんな様子を、「肚が据わっている」と表現します。
これは、単なる比喩表現ではなく、実際におなか(内臓)がしっかりしていることを示しているのでしょう。
おなか(内臓)は、身体的な健康だけでなく、精神的な健康の根源でもあります。 何よりも大切にして、ケアすることが重要ですね。
永井さんが提唱する「おなかもみ上げ」は、誰でもどこでも、簡単にできる究極の健康法です。 皆さんも、ぜひ、マスターして、人生を変えてみてはいかがですか。
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