【書評】『半径3メートル以内を幸せにする』(本田晃一)

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 お薦めの本の紹介です。
 本田晃一さんの『半径3メートル以内を幸せにする』です。

 本田晃一(ほんだ・こういち)さんは、実業家・作家です。
 日本一の個人投資家・竹田和平氏から後継者としての打診を受けられ、その帝王学を学ばれています。

「半径3メートル以内」の人を大切にすること


「悪いことをしたら、罰しなければならない」
「人の悪い面を見て、それを批判し矯正しようとするのは当然だ」

 そんな考え方が主流の今の世の中。

 ギスギスした生きにくい社会を、幸せに過ごすためのコツは、あるのでしょうか。

 人は、自分の見方次第で、周囲の人に「黒魔術」も「白魔術」もかけられると、僕は思っています。
 いったん「あいつ、嫌なやつ」と思うと、その人のすべてが「嫌なやつ」的に見えてくるし、実際、自分に嫌なことばかりしてくるようになります。これが黒魔術。
 反対に、いったん「あいつ、いいやつ」と思うと、その人のすべてが「いいやつ」的に見えてくるし、実際に、自分にいいことばかりしてくれるようになります。これが白魔術です。
 なぜこうなるのかというと、人は「自分が見ている世界が増幅された現実」を生きるようにできているから。
 ある人の嫌な面を見ると、その嫌な面が増幅した現実になるし、ある人のいい面を見ると、そのいい面が増幅した現実になるということです。
 だとしたら、白魔術のほうが、ずっと幸せだと思いませんか?
 しかも、そのつもりで周囲を見渡してみると、実際、いかに自分がまわりからよくしてもらっているかに気づくことができます。そんな素敵な事実に気づくだけで、人生はずいぶんと幸せなものになっていくのです。
 本書では「半径3メートル以内」を幸せにすることで、幸福感いっぱいの人生をつくっていこうという話をしていきます。
 半径3メートル以内とは、心の距離。つまり、自分が心から大切にしたいと思う人たちのことです。
 幸せの基準はいろいろだけど、ひとつたしかにいえるのは、大切な人たちと自分が笑顔でいることでしょう。
 ただし、「幸せにする」ということには落とし穴もあります。
 その落とし穴にハマると、幸せにしているつもりでも、実際には笑顔がどんどん失われていってしまいます。
 どんな落とし穴か−−それは追い追い説明するとして、その落とし穴にハマらずに済むカギは、じつはいま、ここで話してきたことで少し明かしてしまっています。
 ポイントは、「すでに、どれほど幸せにしてもらっているか」ということ、「自分という存在が誰かを喜ばせる」ということ、そして「大切な人を幸せにすることが、自分の幸せになる」ということ−−。

『半径3メートル以内を幸せにする』 Prologue より 本田晃一:著 きずな出版:刊

 本書は、「半径3メートル以内」の大切な人を幸せにすることで、自分自身も周りも幸せにする方法をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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あなたの「半径3メートル以内」には、誰がいる?


 究極的な「幸せ」とは、どのようなものでしょうか。
 本田さんは、自分のまわりが笑顔で満たされていることだと述べています。

 幸せは、いくら分けても、減るものではありません。
 むしろ、分け合えば分け合うほど増えていくのが、幸せです。

 自分発信でまわりを笑顔にしていく。
 そのためには、まず何をすればいいのでしょうか。

 あなたにとって幸せにしたい大切な人−−あなたの「心の半径3メートル以内」には、誰がいますか?
 人の悩みの大半は、人間関係の悩みだといわれています。
 一方、人の喜びも、やはり人間関係から得られるものです。
 人間関係ほど、苦しみと喜びの両方のもとになりうるものはない。だとしたら、できれば喜びをより多くしたいですよね。
 そのために、心の半径3メートル以内には誰がいるか、考えてみてほしいのです。
 親、旦那さんや奥さん、子ども、友だち、仲間、さらには、すでに亡くなってしまった大切な人・・・・・。
 いろいろな顔が思い浮かぶと思いますが、ここで大事なのは「正直なところ、どうか」ということ。というのも、多くの人が「幸せにしたい」と「幸せにすべき(幸せにしたいと思うべき)」を混同しがちだからです。
 世間的、倫理的、常識的な「〜べき」はすべて取り払って、正直なところ、誰を幸せにしたいと思っているのか。
 すると、あなたの半径3メートル以内にいる人たちがはっきりと見えてきます。
 いまいちピンとこない・・・・・という人も多いかもしれません。
 そういう人は、たぶん一番大事なことを見過ごしています。もっといえば、大事な「人」を見過ごしている可能性があります。

 それは、自分自身です。
 自分の半径3メートルの中心には、まず自分自身がいるということです。
 その自分自身を、まずは満たすこと。
 すると、満たされた自分が心から大切にしたい人がはっきり見えてくるし、満たされた自分であってこそ、実際に大切な人を幸せにすることもできるのです。
 なぜなら、自分が満たされないうちは、「幸せにする=自己犠牲」となってしまうから。そして犠牲に対しては、もれなく見返りが欲しくなるものです。
「こんなにやってあげたんだから、これくらい返してもらって当然だ」
「あんなにやってあげたのに、何ひとつ返してくれないなんてひどい」
 −−こうなってしまうと、もう笑顔の連鎖もありませんよね。

 本書の冒頭で、「人を幸せにするということには、ひとつ大きな落とし穴もある」といいました。その答えが、これです。
 自己犠牲意識をもって行動することで見返りを求め、結果、誰も笑顔ではなくなってしまう・・・・・という落とし穴があるのです。
 そこに陥らないようにするために、まず自分を満たすことが大事。
 半径3メートル以内にいる、最初に幸せにしなくてはいけない人物は、じつは自分自身なのです。

『半径3メートル以内を幸せにする』 Chapter 0 より 本田晃一:著 きずな出版:刊

「誰かを幸せにするには、自分が犠牲にならなければならない」

 そんな間違った考え方は、さっさと捨て去ってしまった方がいいということですね。

 自分の半径3メートル以内の中心には、まず「自分自身」がいる。
「幸せの連鎖」の起点は、つねに「自分自身」である。

 頭に刻み込みたいですね。

自分のなかに「バトラー」を持とう!


「誰からも嫌われたくない」

 心のどこかでそう思っている人は多いでしょう。

 本田さんは、これは詰まるところ、自分を大事にしていないということだと指摘します。

 大切な人をちゃんと大切にして、より笑顔にしていけるようになるためにも、嫌いな人や苦手な人とは、もう付き合わない! そう決めちゃってください。
 僕も以前は、あまり行きたくない集まりに、顔を出したりしていました。でもいまでは、はっきり「ごめん、興味ないから行かないね」と伝えるようにしています。
 そういうとき、つい「急な用事が入った」とか「子どもが熱を出しちゃって」なんて取り繕いがちですが、行けない理由でウソをつかないのもの大事です。
 ウソをつくというのは、「断ること」に罪悪感をもっているということ。
 つまり、断る自分にオッケーが出ていないため、ウソをつくことで、じつは自分をいじめてしまっているのです。
 しかも、こうして罪悪感を抱きながら断っている限り、似たような気の進まないお誘いはなかなか止みません。「行きたいけど、行けない事情がある」という体を取り繕うことで、引き寄せてしまうからです。
 断るのに勇気がいるのは最初だけ。慣れてしまえば、なんてことありません。
 そうすることで、その人に嫌われるかもしれません。
 でも、苦手な人に嫌われたって、なんにも痛くないでしょう。本当に大切な人たちのために、自分の貴重な心と頭と体を使うことのほうが、ずっと大事です。

 そうはいっても、最初は勇気が出ないんだけど・・・・・という人も多いと思います。
 そこでおすすめしたいのが、自分の心のなかに「バトラー(執事)」をもつこと。
 ロックスターの矢沢永吉さんは、テレビ番組のプロデューサーなどから、気が進まない提案を受けたときに、
「俺はいいんだけど、YAZAWAはなんていうかな?」といって断っている、と聞いたことがあります。
 矢沢永吉という人間はひとりだけど、ご自身のなかには、いつも「素の自分」と「世界のYAZAWA」の2人がいるのでしょう。
 それと似た感じで、自分のなかに、「バトラーとしての私」と「旦那様としての私」をもっておく。
「バトラーの私はかまわないけど、旦那様の私は何というだろうか?」と、自問自答してみるのです。
 たとえば、「旦那様、〇〇様から、このような誘いがきております。きっと関心あるでしょうから、詳細を聞いておきますね」
「旦那様、△△様から、このようなお誘いが届いておりますが、おそらくお好きではないと思いますので、お断りしておきますね」
 という感じです。

 もちろん、実際には、決めるのも断るのも自分自身。
 それでも、「自分のなかでバトラーと会話する」というシミュレーションをすると、心理的にワンクッション置かれることになって、はっきり断る勇気も出てくるのです。

『半径3メートル以内を幸せにする』 Chapter 1 より 本田晃一:著 きずな出版:刊

 自分らしさを出したら、嫌われてしまう人。

 そんな人たちと無理してつき合うのは、「百害あって一利なし」です。
 逆に、離れっていってくれた方が、自分にとっても好都合です。

 何よりも大切なのは、「自分はどう感じているか」ということ。
 ぜひとも、試してみたい方法ですね。

「人間関係を整理した先の爽快な未来」を想像する


「半径3メートル以内には、誰がいる?」

 それを考えることは、裏を返せば、半径3メートル以内に「誰を含めないか」を考えるということでもあります。

「関係を断つ」ことに罪悪感を感じる人は多いかもしれません。

 この罪悪感の正体は、いったい何でしょうか。
 本田さんは、「人間関係を整理することへの罪悪感がなくなったら、何か困ったことが起こるんじゃないか・・・・・」という恐怖だと指摘します。

 付き合わなくなったら、大好きな共通の友だちとも切れてしまうかもしれない。
 急に付き合いが悪くなったら、良からぬことをいいふらされるかもしれない。
 そもそも苦手な人にすら好かれたい、嫌われたくない。
 心のどこかで、そう思っている場合もありそうです。いま、そんな恐怖があるのは、たぶん、やってみた先の未来が見えていないだけなんだと思います。
 想像してみてください。やってみたら、じつは困ったことなんて起こりません。
 距離を置いた相手が、自分をどう思っているかなんて、びっくりするくらい気になりません。気分はスッキリ爽快です。だって本当に大切な人たちだけを、笑顔にできる状態が整うのですから、当然ですよね。
 自分という人間はひとりだし、時間は有限です。
 大切な人を、ちゃんと大切にしようと思ったら、苦手な人や嫌いな人と関わっている暇なんて、本当はないはず。関わるとしても「9:1」で、大切な人のほうにより多くの時間を使ったほうが幸せです。
 人は、ついつい苦手な人に9の労力や時間を注ぎ、大好きな人に1のエネルギーや時間しか注げなかったりします。これを苦手な人に1だけ労力や時間を注ぎ、大好きな人に9のエネルギーや時間を注いだら、どれだけ人生が好転することでしょう。
 だから、「自分を幸せにしてくれない人とは、付き合わなくていいんだ」「心の半径3メートル以内に入れなくていいんだ」と、自分にオッケーを出してほしいのです。

 たとえば、自分に小さな子どもがいたとして、「クラスにジャイアンみたいな子がいるんだ・・・・・」と泣いていたら、なんていいますか?
 無理やり、そのジャイアンみたいな子の前に連れて行って、「これからも引き続きよろしくお願いします」なんていいませんよね。子どもの心と体を守るために、「もう、そんな子とは遊ばなくていい」と全力いってあげるはずです。
 要するに、これと同じことを自分自身にしてあげればいいのです。半径3メートル以内を、ピュアな笑顔の輪にしていくために。
 世間体も規範意識も義理人情も、何もかも無関係に「本当に大好きな人」としか深く関わらない。そう決めた爽快感は本当に格別です。
 その爽快感を味わってほしいから、すがすがしく、ごくナチュラルに「別に、それでよくない?」と自分にいってあげてください。

『半径3メートル以内を幸せにする』 Chapter 3 より 本田晃一:著 きずな出版:刊

 一度に深く関われる人の数は、限られています。
 好きでもない人に多くの時間や労力を消費するのは、無駄以外の何物でもないですね。

「心の半径3メートル以内」を占めている人は誰か。
 それを考えるのは、「誰に、どれだけの労力、時間を使うか」を考えることと同義です。

「愛情の深さ」=「理解の深さ」ではない


「大切な人を笑顔にしたい」と思ったときに陥りがちなこと。

 それは、意外にも「どうすれば相手が喜ぶのかわからない」ということです。

 とはいえ、そのことで自責の念に苛(さいな)まれる必要はありません。
 なぜなら、自分と相手は違う人間であり、いくら愛していても、わからないことあって当然だからです。

 本田さんは、「理解の深さ」=「愛情の深さ」ではないと述べています。

 愛情の深さは、イコール理解の深さではない。
 つまり、愛情の深さは、たとえ互いに理解できないことがあっても揺るがない。
 こうした大前提のうえに、より深く理解し合える機会をつくっていくことで、半径3メートル以内を笑顔で満たしていくことができるんだと考えてください。

 ではどうしたら、相手をより深く理解できるようになるのでしょうか。
 それにはいくつかの方法がありますが、まず大切なのは、やはり「自分に対する扱い」なのです。
 自分は自分のことを、どれだけ理解できているか。それによって相手に対する理解度も上がり、より笑顔にできるようになるのです。
 たとえば何か、大切な人との間で「キーッ」となることがあったとします。
 その「キーッ」は何が原因なのか。怒りなのか、寂しさなのか、あるいは嫉妬心なのか何なのかと考えてみると、自分の感情メカニズムが見えてくるでしょう。
 仮に、「自分がキーッってなったのは、寂しかったからだ」と気づけたとします。
 そうしたら、まず、その自分の気持ちに寄り添ってあげてください。
 わかってくれない相手を責めて理解を求めるのではなく、自分で自分に「そうかそうか、寂しかったんだね」と共感してあげるということです。
 ほかにも、たとえば我慢していたなら「よく我慢したね」と自覚して労ってあげてほしいし、取り繕って無理していたのなら、「もう取り繕わなくていいからね」と自覚して安心させてあげてほしいと思います。
 すると逆に相手手が「キーッ」となっているときに、「あ、ひょっとして寂しかったのかな」などと想像できます。
 自分の感情の動きを理解することで、相手の感情の動きに対する理解度も深まるというわけです。
 そうでなかったら、「キーッ」となっている相手に対して、こちらも「何、ひとりでキーッてなってんの?」とイライラして、お互いの無理解のミゾは埋まらないままでしょう。
 愛情の深さは理解の深さではないけれど、こうした無理解による行き違いを放置すると、結果的に愛に亀裂が入ってしまいかねません。

 もちろん、愛していても違う人間だから、まったく違った感情メカニズムで「キーッ」となっている可能性もあります。
 ただ「あ、ひょっとして寂しかったのかな」って想像してみることは、少なくとも「この『キーッ』のうしろには、何か原因があるはずだ」と、相手を慮るとっかかりになります。
 自分の想像が当たろうと当たるまいと、それが、より深い理解と、相手にもっと優しくなれるきっかけになるというわけです。

 それに、自分で自分の感情を抑制していると、じつは同じ感情が相手のなかで増幅し、ぶつけられることもあります。
 たとえば、旦那さんが「寂しい」という気持ちを押し隠して忙しくしていると、奥さんのなかで寂しさが倍増されて、「寂しい」「寂しい」「かまって」「かまって」という感情の吹き矢が飛んできたりするのです。
 旦那さんだって寂しいだけだったのに、そんな吹き矢を浴びせられたことで、家に帰りたくなくなり、家庭内に不和が生じてしまう。
 これも、愛情の深さとは関係ない無理解が、結果的に幸せに影を落としてしまうパターンといっていいでしょう。

 そういう意味でも、自分の感情の棚卸しは、本当に重要なのです。

『半径3メートル以内を幸せにする』 Chapter 4 より 本田晃一:著 きずな出版:刊

 どんなに親しくて心許せる人同士でも、100%相手のことを理解することは不可能です。

 理解できないことに対して、どれだけ共感できるか。
 それが、人間関係を深めるための秘訣です。

「理解の深さ」=「愛情の深さ」ではない。
 ぜひ、頭に入れておきたい言葉ですね。

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 本田さんは、もっとも大きな幸せは、人とのかかわりで生まれるものではないか、とおっしゃっています。

 さまざまなサービスが発達し、便利な世の中ですから、一人でも、生きていこうとすれば、生きていけます。
 ただ、そんな人生は、ちょっと味気ないものになることは間違いないです。

 この世界には、たくさんの人がいる。
 その誰もが唯一無二で、同じ人は二人といません。

 違う考え、違う感性、違う価値観を持った人と交わる。
 そこからさまざまな刺激を受け、新しい世界を知ることができます。

 人間関係の基本となるのが、「半径3メートル以内」にいる人を大切にすること。

 あなたの身近にいる大切な人は誰ですか。
 何よりも、自分自身のことをどれだけ大切にしていますか。

 本書は、ついおろそかにしがちな、とても大事なことを改めて思い起こさせてくれます。

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