【書評】『体がよみがえる首起こし深呼吸』(兼子ただし)

LINEで送る
Pocket


 お薦めの本の紹介です。
 兼子ただしさんの『体がよみがえる首起こし深呼吸』です。

 兼子ただし(かねこ・ただし)さんは、姿勢教育・姿勢研究家です。
 日本で初めて「ストレッチ専門店」を開き、カリスマ「ドSトレーナー」としてご活躍中です。

「首起こし深呼吸」で一気に体の不調を改善!


 肩こり、首こり、頭痛、腰痛、目の疲れ、不眠、体型の崩れ・・・・・。
 私たちは、多くの体の悩みやストレスを抱えながら生活を送っています。

 兼子さんが、そんな人たちに一貫して提案し続けてきたのが「姿勢の改善」です。

 兼子さんが考案し、「いつでも」「どこでも」「誰にでも」すぐにできる姿勢改善法の決定版。
 それが「首起こし深呼吸」のメソッドです。

 これは、両耳たぶの真下を結ぶ線を軸に「首を起こす」ことで頭の位置を整えて行う、独自の呼吸法

「首起こし深呼吸」の特徴は大きく2つあります。
 1つ目が「準備動作」。
 文字通り「首」を「起こす」動作を行うことで、首の支点と頭の位置を調整し、姿勢を正す効果を最大化できるのです。
「首の支点」や「頭の位置」と言われてピンとこなかった方も、ご安心を。本書でご提案するのは、特別な知識がなくても姿勢を正しく整えられる、非常にシンプルでわかりやすい動作です。
 2つ目の特徴が、息を吸うのと吐くのにかける時間の長さを均等にする=「均等呼吸」ということです。
 詳しくは追ってご紹介していきますが、じつは「姿勢」と「呼吸」は非常に密接な間柄にあり、姿勢は呼吸でコントロールできる、ということを頭の片隅にとどめてておいてください。
 このように「首起こし深呼吸」に必要なステップは、「準備動作」と「均等呼吸」の、たった2つ。これだけで、ふだん自然に行っている「呼吸」や、単なる「深呼吸」ではけっして得られない、劇的な効果を体感できるのです。

『体がよみがえる首起こし深呼吸』 プロローグ より 兼子ただし:著 サンマーク出版:刊

 本書は、現代人を悩ます体のさまざまな不調を劇的に改善する「首起こし深呼吸」の具体的方法をわかりやすく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

スポンサーリンク
[ad#kiji-naka-1]

吐く息が長いのは「吸うのに努力が必要」だから


 無意識下で、いつもどおりの調子で行う呼吸を「自然呼吸」と呼びます。
 自然呼吸では、多くの人が「吐く息優位」で行っている傾向があるそうです。

 兼子さんは、この「吐く息優位」の自然呼吸こそが、姿勢の悪化をもたらし、数々の不調を呼び寄せる諸悪の根源だと指摘します。

 なぜ、無意識に行う「自然呼吸」では、吐く息のほうが長くなりがちなのでしょうか。その最大の理由は、吐くより吸うほうが「努力」が必要だからです。
「20秒、息を吐き続けてください」
 こう言われて、実際に試してみたとしましょう。おそらく、20秒とまではいずとも、10秒くらいなら比較的簡単にできるはずです。
 では「20秒、息を吸い続けてください」と言われたらどうでしょうか。今度は、慣れていない人なら5秒でも難しく感じるはずです。
 この違いが「吐く」と「吸う」で必要な努力の差です。吸うほうが「がんばらないとできない」ぶん、おろそかになりやすい。すると、吸う力はどんどん弱まっていきます。吸う息が長くなりやすいのは、このためです。

「息を吐く」とき、体に起こる動作が2つあります。1つは、おなかや胸といった体の前面にある筋肉がゆるみ、自然と体を前方に丸めるような動き。もう1つは「息を吸う」ときにだけ使われる、おなかや胸の深層部にある「呼吸筋」と呼ばれる筋肉がゆるむ動きです。
 吐く息優位の自然呼吸を繰り返している限り「呼吸筋」が使われない状態が続くことになりやすく、それが姿勢を保つ力の衰えにつながるのです。
 もちろん、ヨガのように心を落ち着ける効果を狙いたいときには「息を吐く」ことも有効ではあるのですが、筋肉には状態を記憶する働きがあるので、慢性的に「息を長く吐く」ことをくり返していると、それに伴ってゆがんだ姿勢を「自分の通常の状態」として固定させてしまう恐れが高まるのです。

『体がよみがえる首起こし深呼吸』 CHAPTER 1 より 兼子ただし:著 サンマーク出版:刊

図1 息を 吸う ときと 吐く ときの決定的な違い 首起こし深呼吸 CHP1
図1.息を「吸う」ときと「吐く」ときの決定的な違い
(『体がよみがえる首起こし深呼吸』 CHAPTER 1 より抜粋)


「吐く息優位」の呼吸は、呼吸筋を使わないため、姿勢が悪くなりやすいのですね。
 意識して「息を長く吸う」ことが、健康への第一歩です。

「首の前傾」が不調を引き起こす理由


 本来の首の位置は、「背骨の真上」にあります。
 しかし、吐く息優位によって呼吸筋がうまく使われないと、首がどんどん前傾していきます。

 首が支える頭の重さは、体重の約10%。成人でおよそ4〜6キロと、スイカ1個分に相当します。首が前に出れば出るほど、筋肉や神経にそれだけの重さがかかりやすくなるというわけです。しかも、ニューヨークの外科医ケネス・ハンスラージ氏の研究では、クビを30度前傾させただけでかかる負荷は18キロに増え、60度では27キロになるという分析結果も出ています。
 首まわりへの負担は筋肉の疲労となり、首こりや肩こりとして感じられます。コリが続くと頭痛やめまい、しびれを発症したり、背中や腰の痛みを引き起こしたりします。
 この姿勢が引き起こす悪影響は、骨格筋にとどまりません。血流が滞ることで脳への酸素や栄養素、さまざまな司令やホルモン生成・分泌が滞ります。つまりメンタル面までも不安定にさせるのです。

 首は、すべてを司(つかさど)る脳と体とをつなぐ唯一の道です。本来であれば、背骨からまっすぐ上に頭が位置しているため、道はほぼ直線。通る血液や脳神経・脊髄(せきずい)神経といった抹消(まっしょう)神経の流れもスムーズです。
 ところが首が傾き頭が前に出るだけで、いきなり曲がり角に近い急カーブが生まれます。スムーズだった流れは滞りやすくなり、”交通渋滞”を起こすようになるのです。
 さらに、血管も神経も物理的に圧迫を受けることになります。血管が圧迫されると、酸素や栄養素を乗せて運ぶ血流が低下。活動に必要な材料がなかなか届かないため、脳がうまく働かなくなっていきます。
 こうして脳内のホルモン生成・分泌力が下がり、新陳代謝も遅くなる。体のさまざまな回復機能が衰えるのは、このためです。
 末梢神経が圧迫されると、脳と各臓器との間で行われる情報の伝達力が弱くなっていきます。それによって起こる代表的な症状は、自律神経系の機能不全、体温や水分量を調整する機能の低下、心拍や血圧の調整不良や視力の低下・・・・・など。
 こうして見ていくと「首の前傾」が体に与える影響は、慢性的な不調を起こす要因になるようなものばかり。「せいぜい肩こりくらいのものでしょう?」などと侮るべからず、です。

『体がよみがえる首起こし深呼吸』 CHAPTER 1 より 兼子ただし:著 サンマーク出版:刊

 首は、脳と体をつなぐ唯一の道。
 血流や神経が滞ることが、健康にとってどれだけマイナスになるか、想像に難くありません。

 デスクワークでパソコンとにらめっこしっぱなし。
 暇さえあればスマホを見てしまう。

 そんな人たちは、とくに気をつける必要がありますね。

「首起こし」が首の傾きを自然とリセットしてくれる!


 首を本来の位置「背骨の真上」に戻す。
 そのために最も効果的な方法が「首起こし」の動作です。

 そこで行いたいのが、両方の耳たぶを結ぶラインを軸とした「首起こし」の動作です。あごを上げて真上を向き、頚椎をまっすぐに近い状態にします。そこから耳たぶの真下の位置を指差し、あごを引きながら前を向く。すると、動きの支点が耳たぶを結ぶラインにあるC2に自然と移ります。
 実際に動いてみると、前を向くとともに首の後ろ側がグーッと天に向かって伸びていくような実感を得られるはずです。つられて、背骨もスーッと伸びていきます。
 立位で行うと、首から背骨を伝って骨盤の前傾/後傾もニュートラルに整うことを感じられるはずです。座位では、骨盤まわりに乗っていた体の重みが上半身全体に分散し、重力から解放されたような感覚を味わえると思います。
 このように耳たぶを軸とした「首起こし」動作が、動きの支点を自然に押し上げることで「正しい姿勢」をとりやすくしてくれるのです。当然、呼吸もしやすくなり、呼吸筋の動きもよくなるというわけです。

 そもそも「正しい姿勢」とは、立位で体を横から見たときに耳から足までが一直線に結ばれる状態を言います。結んでいくポイントは、全部で5点。上から順に①耳たぶの真下(耳垂)、②肩の先(肩峰)、③股関節(大転子)、④ひざの外側、⑤外くるぶし(立方骨)です。このなかでも特に①〜③の3点が、地面に対して垂直に並んでいること。これが正しい姿勢の第一条件です。
 もう1つ注意すべきは、重心位置です。ゆがんだ姿勢に多く見られるのが、後ろ(かかと)重心。足指がすべて浮いたり、あるいはつま先は接地しているのに関節が浮いた状態になったりします。立った状態で自分の足指を確認して、関節がペターッと接地できる重心位置を探りましょう。先の垂直のポイントを揃(そろ)えたうえで、足指を浮かさずに接地すると重心を中心に置きやすくなります。

『体がよみがえる首起こし深呼吸』 CHAPTER 2 より 兼子ただし:著 サンマーク出版:刊

図2 首起こし のやり方① 首起こし深呼吸 CHP2
図2 首起こし のやり方② 首起こし深呼吸 CHP2
図2 首起こし のやり方③ 首起こし深呼吸 CHP2
図2.「首起こし」のやり方
( 『体がよみがえる首起こし深呼吸』 CHAPTER 2 より抜粋)

「5秒×5秒」の深呼吸が、首起こし効果を最大化する!


「首起こし」の動作で首の傾きを整えても、これまで通りの日常生活を送っていると、もとの傾いた首に戻ろうとする強い力に負けてしまいます。

 そこで大いに役立つのが「深呼吸」です。

 やり方は、きちんと息を吸い込むために肺の中の空気をフーッと吐き出し、5秒吸って、5秒吐く。これを「首起こし」後に行うことです。

 大切なのは「吸って5秒、吐いて5秒」をくり返すことです。秒針のある壁掛け時計などを見ながら行うのがいいでしょう。腕時計だと時間を確認する際にうっかりうつむいてしまい、せっかく整えた首の位置がズレてしまいます。心の中でカウントし、感覚的に秒数を覚えられるといいですね。
 また、ヨガやピラティスなどの経験がある方は「胸式」で行うのか「腹式」で行うのかがわからない、という疑問が浮かぶかもしれません。ここで行う深呼吸は「胸腹式」の呼吸です。
 息を吸うときは胸(胸郭・あばら)を広げ、さらにおなか(下腹部)まで空気を入れていくイメージ。息を吐くときは反対におなかを絞り、さらに胸も締めていきます。胸もおなかも目一杯使って、呼吸筋を深く大きく働かせましょう。
 1分間で6呼吸(5秒×5秒を6セット)を、朝・昼・晩と1日3回を目安に行います。慣れてくれば、それ以外の時間の呼吸や姿勢でも「首起こし深呼吸」を意識したほうがいいですが、最初はそこまでしなくても大丈夫です。

『体がよみがえる首起こし深呼吸』 CHAPTER 3 より 兼子ただし:著 サンマーク出版:刊

図3 首起こし深呼吸 のやり方① 首起こし深呼吸 CHP3
図3 首起こし深呼吸 のやり方② 首起こし深呼吸 CHP3
図3.「首起こし深呼吸」のやり方
(『体がよみがえる首起こし深呼吸』 CHAPTER 3 より抜粋)


 深呼吸を取り入れることの目的は、呼吸筋をしっかり使い本来の働きをさせることです。
 朝・昼・晩の1日3回、たった1分でできる「首起こし深呼吸」。

 ぜひ、習慣にしたいですね。

スポンサーリンク
[ad#kiji-shita-1]
☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 私たちを苦しめるさまざまな体の不調。
 それらの原因が「首の角度」と「呼吸のしかた」にあった。

 意外な組み合わせで、驚かされますね。
 原因がわかれば、それを治すための対処法も、自ずと導かれます。

 兼子さんが考案した「首起こし深呼吸」は、誰でもどこでも、いつでも簡単にできるノウハウです。
 何かと忙しい、現代人にはピッタリな健康法ですね。

 ぜひ、皆さんも日々の生活に取り入れてみてください。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ(←気に入ってもらえたら、左のボタンを押して頂けると嬉しいです)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 15

フォローする

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA