【書評】『眼力』(斎藤一人)

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 お薦めの本の紹介です。
 斎藤一人さんの『眼力』です。

 斎藤一人(さいとう・ひとり)さんは、「銀座まるかん」の創業者で、“納税額日本一の実業家”として有名な方です。
 93年から納税額12年連続ベスト10に入るという快挙を成し遂げられています。

“眼力”とは「次の展開を読む力」


 仕事を見抜く力。
 世間を見抜く力。
 人を見抜く力。

 一人さんは、これらの力を「眼力」と名づけています。

 眼力は、危機を事前に察知し、回避するために必要な能力です。

「まさか、こんなことになるとは!」

 そんな出来事が起こり、困っている人はたくさんいます。

 事前に知っていれば、避けて通れるものも山ほどありますね。
 まさに、「後悔先に立たず」です。

 本書は、次の展開を読み、ダマされず、楽しく生きるために必要な「眼力」を養うための考え方をわかりやすくまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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一人さん流「偽物の見分け方」


 一人さんは、いかなる理由があっても「人をおどかしたり、不安にするのは、偽物だ」と強調します。

 例えば「宗教」について、以下のように説明しています。

 いいですか。
 神が望むことは、お金ではありません。
 神が望んでいるのは、一人ひとりのしあわせです。
 見抜いてください。
 ほんとうに神的な人、まともに神ごとをやっている人は、若々しくて清潔感があります。おどして、お金を取ろうとしません。
 だから、もし、あなたが神ごとをやっている人と会うことがあったら、その人にたずねてみてください。
「おいくつですか?」って。
 年齢より若く見えなくて、そのうえに不潔な感じがしたら、「この人、おかしい」と思って、まず間違いありません。
 それから、こんなことをいう人もいるんです。
「私はたくさんの人を助けています。大勢の人の因果を背負ってあげているから、私、からだの具合がわるいんです」
 もし、それが本当だとすると、人間は人助けをすると病気になるんですね。
 それって、おかしくない?
 おかしい。おかしいことをいう人は、絶対おかしいのです。

 偽物は必ず、人をおどかすようなこと、不安がらせることをいいます。
 なかには、最初、会ったとき、「あなたは、前世、すごくいい家柄の人ですね」とか、「あなたは、前世、お姫様でした」とか、ほめてくれる人もいます。
 だけど、あなたを信じさせるために、最初はいいことをいうのです。
 あなたが信じたら、次は、「実は、あなたの先祖が・・・・・」とかって、おどすようなことをいいはじめます。
 いろいろ不安がらせることをいうけれど、そんなことは絶対にありえない!
 だから、そういうおかしなことをいう人が出てきたら、「これ、おかしい」って。
 ちゃんと見抜いて、だまされないようにしてください。

  『眼力』 「一人さん流 世間の見抜き方」 より  斎藤一人:著  サンマーク出版:刊

 人の弱みや不安につけこんで、金を取ろうとするのは、サギ師と一緒です。
 心が弱っているときなど、注意が必要ですね。

 日頃から「見抜く力」をつけておきたいところです。

眼力商売ができる人、できない人


「眼力」は、商売をする上でも欠かせないものです。
 やみくもに、モノを作って売り出しても商売にはなりません。

 一人さんは、お客さんが買いたいものがあるときにしか来てくれないような店を作るのではなく、「用がなくても、あの店に行くと、みんなが集まっていて楽しい」そんなお店をつくればいい、とアドバイスしています。

 例えば、お年寄りがターゲットの電器屋さんの場合について、以下のように具体的に述べています。

 お年寄りがいっぱい来る店を作るのだから、たとえば、お年寄りが好みそうな食べ物を売ったり、洋服を売ったり。赤いちゃんちゃんこが売れるんだとしたら、テレビや洗濯機の隣に、赤いちゃんちゃんこをかけておけばいいのです。
 それから、今、お年寄りでも入れる生命保険とかがありますよね。その代理店になることもできるでしょう。
 お年寄りのことを考えて店をやるのだから、お年寄りが喜びそうな商品も置いておく。これが、商人の眼力です。
 ところが「自分は電器屋だ」と思っている人は、電化製品しか扱わない。ずぅーっと、電器屋にこだわるのは、お年寄りを喜ばす眼力がないのです。
 でも「電器屋」の枠をとっぱらって、お年寄りが喜びそうな商品・サービスを提供するということになってくると、ヘンな話、「観音参りのツアーでも作ろう」とかいうアイデアも出てきますよね。
 それとね、「おばあちゃんの原宿」で有名な巣鴨の商店街へ行くと、お年寄りの肌着とか、そういうものと一緒に、孫に買ってあげたいようなものも売ってるの。
 こういうのが眼力。来てくれるお年寄りが喜んでくれる店になればいいの。わかりますか?

  『眼力』 「仕事を見抜く眼力」 より  斎藤一人:著  サンマーク出版:刊

「ウチは電器屋だから」と電器機器だけを売っていればいい時代ではなくなっています。

 そのような時勢の流れを読むのも「眼力」。

 ますます変化の激しくなる世の中だからこそ、お客さんが何を求めているのかを「見抜く力」は必要とされますね。

素人にほめられたら終わり


 経営者の眼力。商人の眼力。
 そのなかに、「素人にほめられたら終わり」という言葉があります。

「融資」というけれど、それ、ただの借金です。それがわからないのは素人。
 銀行に信用がある人とは、借金のない人です。そして、一番信用があるのは、銀行にお金を積んでいる人です。
 銀行に顔がきくと「すごい」というけれど、それ、お金を借りたいと思っているから「すごい」というのであって。それ、プロの商人からしたら素人です。
 素人にほめられたら終わりですよ(笑)
 自社ビルを建てた、都心の一等地に店を出した、こういう土地を買いました、「わぁ〜すごいなぁ」って。
 それをいっている人、素人の人ですよね。いったい、借金の返済はあと何十年続くんですか?
 素人にほめられたら終わりですね。
 もう一個いうと、商人で転ぶ人というのは、有名人が大好きだったり、政治家が大好きで、やたらと写真を撮ったり、ああしたり、こうしたり。
 芸能人や政治家に知り合いがいるというと、「すごいですね」といわれるけれど、政治家が税金を使って橋をかけようが、電車を通そうが、私たち商人は税金を払っているんですよ。
「税金を使う人間より、払っている人間のほうがすごいんだ」って。
 そう思っていないから、ペコペコしたうえに、ムダ金を使うのです。

  『眼力』 「プロの眼力」 より  斎藤一人:著  サンマーク出版:刊

 目に見える分かりやすい「事実」だけをみて、安易に評価してはいけないということ。

 世の中の仕組みがどのようになっているかを把握し、理解した上で判断しなければいけません。

 世の中の仕組みやパターンを知るほど「眼力」がついてくるということです。

「藍だま」より、素晴らしい「あなた」


「青は藍(あい)より出でて藍より青し」といいます。

 藍染めが由来の言葉で、布を青く染める染料の元みたいなものを「藍だま」といって、この「藍だま」をツボのなかで溶いて、そこに白い布をひたして青く染めます。

「藍だま」そのものは、たいして青くありません。

 布を「藍だま」のツボにひたして、引きあげて、空気に触れさせる。
 それを何回も繰り返していくと、最終的には、あざやかな青に染め上がります。

 一人さんは、「会えないからダメだ」ではなく、その人の書いた本を「藍だま」とすればいいと述べています。
 本から学んだことを、自分の世の中に出て行って実験をし、また本を読んでまた実験をしたらいい、ということ。

 私は松下幸之助さんが好きです。リンカーンだったり、いろんな先輩方が好きだけど、私はその人たちに会ったことがありません。
 けれど、その人たちが残してくれた本があって、「自分は学べるんだ」って。
 だから、世の中、だれでもだれかに会えるわけではないんです。
 でも、だからって、「会えないからダメだ」といっていたら、「ダメだ」「ダメだ」で、人生、終わっちゃう。
 そういうこと、しちゃいけませんよ。
「ナニナニだからダメだ」じゃなく、「ナニナニだからよかった」
 そういって、学んでいくしかないのです。
 会えなくても、いい人生にしなきゃいけない。
 私が書いた本がある、私がしゃべったCDがある、お弟子さんたちの本がある。あなたの「藍だま」があるのです。
 一人さん関係以外にも、あなたの「藍だま」になるものがいっぱいあります。
 そうやって、いろんなものと出会い、それを「藍だま」とすればいい。
 そして、自分がその「藍だま」につかって、社会に出て実験をし、またつかって社会に出て行ったとき、その「藍だま」以上のあなたができあがります。

 だから、「青は藍より出でて、藍より青し」
 常にそうなのです。

  『眼力』 「神の愛に包まれていることがわかる眼力」 より  斎藤一人:著  サンマーク出版:刊

「眼力」をつけるには、人から教わることもとても大事です。

「この人はすごい」と思ったら、直接会うのが一番です。
 それができなくても本やCDなど、その人の考え方や生き方に触れることができるものはいくらでもありますね。

「藍だま」にたくさん浸って、あざやかな青に染めあがりたいものです。

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 ☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆  

 世の中、いろいろな知能犯罪が横行しています。
 次から次へと、新しい手口が現れては、警察が注意を呼びかけたり、取り締まったりするという“いたちごっこ”が延々と続いています。

 サギの手口に引っかかってしまう人は、本書でいう「眼力」の弱い人。

「周りがそうしているから、自分もそうする」
「人の言うとおりにやっていればいい」

 そのように考えている人ほど、「これは危ないな」という危機察知能力が衰えてしまいます。
 日頃から「眼力」を高めるため、世の中を動かしている仕組みをじっくり見極めるよう心掛けたいですね。


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