【書評】『これからの会社員の教科書』(田端信太郎)

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 お薦めの本の紹介です。
 田端信太郎さんの『これからの会社員の教科書』です。

 田端信太郎(たばた・しんたろう)さんは、株式会社ZOZOの執行役員で、コミュニケーションデザイン室長を務められています。

ビジネスの世界で活躍するために「たった一つだけ必要なこと」

 田端さんが、これからビジネスの世界に飛び込もうとしている人に言いたいこと。
 それは、「この世界は広く、自由で、なによりもおもしろい」ということです。

 海賊たちのように、ビジネスの世界という“大海原”を暴れまわる。

 田端さんは、そのために必要なことが、たった一つだけあると述べています。
 それは、会社に居続けて出世を目指すにせよ、転職をしてキャリアアップを目指すにせよ、独立・起業をするにせよ、ビジネスパーソン同士の「ルール」「マナー」「お作法」をおさえておかなければならないということです。

 それはいわば、パスポートとも言えるかもしれません。それさえ身につけていればビジネスの世界を通じて、いつ、どこで、どんな生き方でも選べます。逆に身につけていなければ、どこにも行けません。
 何十年も社会人生活をしてきた人でも、ルールを知らない人はたくさんいます。
 逆に、新入社員がビジネスの法則やマナーを早く知り、深く理解していれば、ものすごく世界が広がるということを、きみに知っておいてほしいのです。
 ビジネスのルール・その1は「お金を払うお客さんが偉い」こと。そして、お客さんを集め、満足をさせて、「たくさん利益をもたらした人が勝ち」ということです。
 そして肝心なポイントは、利益をもたらすための普遍的かつ客観的で唯一絶対の「正解」はないということです。ここがビジネスと学校の勉強との大きな違いです。
 カレーでも辛いのが好きな人もいれば、甘いのが好きな人もいます。ラーメンでも硬い麺が好きな人もいれば、柔らかい麺が好きな人もいる。お客さまのニーズに応えるうえで、「正解」は自分で探しに行くものなのです。
 たとえば、自分自身がどれほどのレベルのビジネスパーソンを目指すのかによって、「どんな働き方をすればいいのか」という正解は変わるでしょう。あるいはもっとシンプルに業種や職種によっても変わるはずです。
 そう考えると、まさにきみが働く同じ環境において、先に実績を残している上司や先輩から仕事の基準を教わるのは、きみ自身の正解をつくりあげるうえで、とても有意義なことだと思います。
 なによりぼく自身が今、それを実感しています。というのも、ぼくが本書に書いたことのほとんどが、キャリアのなかで上司や先輩から教えてもらったものだということに、あらためて気づかされているからです。
 しかし一方で、そのように会社の上司や先輩に仕事を教わるだけでは、まだまだ不安も残るかもしれません。
 つまり、「このまま言われたとおりやっていては、この会社だけでしか通用しない人間になってしまうのではないか?」ということです。
 ぼくはNTTデータに新卒で入り、リクルートからライブドアやLINEなどを経て、いまZOZOという会社で執行役員をやっています。日本的な大企業から外資系や創業オーナーの率いるベンチャー企業に至るまでいろんな環境の会社で働いてきました。その社会人生活20年の中で、サラリーマンとして、どんな文化の会社であっても必ず評価される共通項目を見つけてきたつもりです。
 それをもとにぼくは、きみの上司や先輩が「立場上言えないこと」「あえて言わないこと」「本当は言いたいこと」を、客観的にきみに伝えられると思っています。
 きっと上司や先輩も、きみと一緒に働いていきたいと思っている一方で、きみがどこの会社へ行っても通用するプロフェッショナルとしての仕事感覚を身につけてもらいたいとも、本音としては望んているはずです。
 この本は、これからの時代に会社員がどう生きていくべきかをまとめた「教科書」です。企業の言いなりのまま働くのではなく、主体的にビジネスをつくりだし、楽しみながら働く会社員になるために必要な知恵とスキルを、ぼくの20年間のキャリアで実際に役立ってきた考え方から抽出して、惜しみなくつぎ込みました。
『これからの会社員の教科書』 はじめに より 田端信太郎:著 SBクリエイティブ:刊

 本書は、会社員が自分らしいやり方で幸福で充実したビジネス人生を実現するためのノウハウをわかりやすくまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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プロは「勝負どころ」で休まない

「風邪を引いたら、欠勤してもいいんですか?」

 田端さんは、そんな質問に対して、プロとしての高みを目指したいのであれば「風邪だろうが、雨が降ろうが槍が降ろうが、来ないといけない場面もあるぞ」と答えています。

 プロになるのであれば、欠勤の「理由」などどうでもいい話です。
 電車の遅延だろうが自然災害だろうが、きみは悪くない。悪くはないけど、本当にプロとして生きていきたいなら、そんな理由ごときで欠勤してはいけません。とにかく、血を吐いてでも、這ってでも仕事の現場に行くべきタイミングがあります。
 3・11の地震が起きたのは、金曜日の昼3時前でした。社会が大混乱するなか、東京証券取引所は土日を挟んで月曜日には再開しました。
 実はこれはすごいことなのです。余震があったり、原発の爆発事故などで混乱したりするなか、証券会社の人はみんな出勤して、粛々と仕事をしたのです。
 株式というのはつねに市場が開いていて、売りたいときに売れるからこそ、安心して買えます。その仕事は、投資家にとっても日本経済にとっても、大きな利益になったはずです。これがプロです。
 また、ちょっと古い例を出します。江夏豊という野球選手がいました。彼は、ふだんの練習にはよく遅刻し、マイペースの調整ぶりで知られていました。監督を公然と批判もする。でも、試合には絶対に穴を開けない。ここ一番で、ものすごく活躍してチームを優勝に導くような結果を出すのです。彼は高い評価を受けていました。
 逆に、チームの中核を務める選手が、日本シリーズ3勝3敗、今日で優勝が決まるという日に「風邪引きました」となったら、一流のプロ選手と言えるでしょうか?
 突き詰めると「ここ一番で勝負できるか」。そういう問題なのです。
 結局「きみが何を優先するか」が問われているのです。
 いまどき「風邪を引いてでも出勤しろ」とツイッターで言えば、それこそ炎上します。だから厳しい本音、不都合な真実は表では言いづらい風潮があります。
 しかし、組織で出世し、上に行けば行くほど「風邪引きました」などとは言えない場面が増えてきます。それが現実なのです。
 株主総会に代表取締役の社長が来ないのはありえません。風邪を引いたとしても、這ってでも出てくるのが社長という仕事です。責任が増えてくると、かならず行かなければいけない状況が増えてくる。それがビジネスです。
 ぼく自身は「遅刻や欠勤が一切なかった」とは言えません。しかし、大事な場面での「うっかり遅刻」や病欠はしたことがありません。よく講演の仕事を受けていますが、開始時刻にいなかったこともありませんし、穴をあけたこともありません。1000回以上やっていますがない。それは一番やってはいけないことです。ギックリ腰でも休まずに、1時間立って話したこともありました。
 会社では、上司からしたらいちばん頼りになるのは「会社に来る人」です。もう少しイヤな言い方をすると「逃げない人」です。
「無事これ名馬」という言葉もあるように、仕事のパフォーマンス以前に「穴をあけない」ことはマスト。大学入試でいうと試験会場に来ないみたいなもの。その時点で不戦敗なのです。
『これからの会社員の教科書』 Chapter1 より 田端信太郎:著 SBクリエイティブ:刊

 ビジネスの世界に限らず、一流と呼ばれる人たち。
 彼ら、彼女らは、長い期間にわたってコンスタントに活躍しています。
 しかも、ここぞという大舞台では、100%の実力を出し切ることができます。

「休まないこと」「逃げないこと」が、周りからの信頼につながる。
 ビジネスの世界の基本の「き」ですね。

「ファクト」と「オピニオン」を区別せよ

 職場の同僚や先輩、上司や部下などに情報を伝えるときに注意すること。

 それは、その情報は「曖昧な段階での状況報告なのか、決定した後の確報なのか」「自分の解釈が入った意見(オピニオン)なのか、客観的な事実(ファクト)なのか」をきっちりと区別しておくことです。

 基本的に決定前の情報をむやみに共有するのはNGです。ただし、事前の情報共有が必要なときもあります。世間からのネガティブな反応が想定される場合、そのダメージを最小限におさえるために、決定前の段階で関係者に連絡する場合などです。
 ここをよくわかっていなくて、決まってない案件を余計なところにうっかり漏らす人がいます。こういうことをすると、決まる前から抵抗勢力に無駄に反対されて、通るものも通らなくなってしまいます。
 そもそも「何が決定事項で、何がそうでないのか」ファクトとオピニオンの区別すらわかっていない人もいます。たとえば「〇〇のシステムを受注しました。納品については年内を希望とのことです」と言われたとしましょう。このときに「受注」をしたとしても「納品」できるかどうかは、また別の問題です。「年内に納品することが条件での受注で、そうでなければキャンセルされてしまう」なのか、「あくまで、もしできれば早く納品してほしいというだけで、納品期限はどうあれ、とにかく発注はするのでよろしく!」ということなのか。
 とにかく、「何が動かぬ岩盤なのか」を把握することが、それを基盤にして、次の行動を考えるうえで決定的に重要なのです。
 そのためにも、ある発言、情報を聞いたときに、それが「ファクト」なのか「オピニオン」なのかを区別するクセをつけることです。
 厄介な言葉に「調整します」というセリフがあります。
 ぼくはそもそも、この言葉を信じません。この言葉には「今のところ私たちの意図は受け入れられていませんが、説得を試みてみます」くらいの意味しかありません。
「調整中です」は「ファクト」なのか「オピニオン」なのかわかりにくい言葉です。むしろ、意図的にぼかしている言葉なのです。
「誰が何を説得するのか?」「今、誰がどこまでOKしているのか?」「首を縦に振ったか、振ってないのか」、すべてがもやっとしています。
「会議の日程を調整中です」もよく聞きます。
 このときのファクトは何でしょうか? その言葉を信じるのであれば「会議をする」ということはファクトでしょう。ただ「日程が決まっていないから調整している」ということです。少なくとも会議をする意思はあるはずです。
 ところが、こういう状況において、先方から出すといった会議への日程候補がなかなか出てこないときがあります。そしてそれは実は「日程調整」ではなくて「そもそも会議をするつもりがない」ということだったりします。そのときは改めて「会議をすること自体はOKでしょうか?」というところから初めて、相手は会議を開いて会うことに合意したという「ファクト」を確認しなければいけません。
 ビジネスの場面では、さまざまな「グレーゾーン」があります。
 そんななか、何が確実なファクトなのか? 入社1年目ではそこを判断するのは難しいかもしれません。そういうときは先輩や上司に頼ってもいいでしょう。すると「ここは一回確認したほうがいい」とか「あの人が言ってることは信じないほうがいい」などのアドバイスをもらえるはずです。
『これからの会社員の教科書』 Chapter2 より 田端信太郎:著 SBクリエイティブ:刊

 上司への情報伝達は、社会人になったら、避けては通れないものです。

 どうすれば相手が情報を的確に把握し、正しい意思決定を行うことができるか。
 それをつねに考えながら、意思疎通をする必要があります。

「ファクト」と「オピニオン」を区別すること。
 まずは、そこから始めたいですね。

出世のいちばんの近道は「議事録」

 新入社員が頼まれる仕事の一つに「議事録作成」があります。

 田端さんは、若手が「権力の階段」を駆け上がろうとしたとき、いちばんの近道が実はこの「議事録」作成だと述べています。

 その理由は、議事録を通じて会社でどううまく振る舞えるかが鍵になるからです。

 上司は議事録を見ることで、新入社員が会議の内容をどれくらい理解しているかをチェックしています。新人からすれば、上司に対して自分が理解できていることをアピールする機会になります。
 議事録では、情報の整理力・編集力も試されます。
 すべてを記録するだけなら、ボイスメモでも十分です。議事録を作成するのは「情報の圧縮」をするためです。会議に出たら1時間だけど、議事録を読めば3分でわかる。それは20分の1に情報を圧縮できているからです。もしその3分で会議を再現できていれば、時間を生んでいることになります。会議に出なかった人が57分得したことになる。そのあいだ他の仕事をすることができます。議事録はそういう意味で、組織の生産性を上げるために大切であり、ときに神聖なものなのです。
 また、これはあまり大きな声では言えない「裏技」のようなものですが、議事録を記録するなかで、日頃から自分が「この会社はこうあるべきだ」と思っている方向へ、会社の方向性をさりげなく捻じ曲げていくことができます。「捻じ曲げて」というと語弊があるかもしれませんが、さりげなく誘導していくことが可能になるのです。
 議事録は、取材して本を書いているようなものです。記録に残すというのは、いろいろな影響力を読み手に与えることができるわけです。もちろん言ってもいないことを書いてはダメですが、そうではない範囲でいくらでも印象操作できるのです。
「この人がこう発言した」という事実はひとつです。しかし切り取り方次第で、失言にすることもできます。政治家の失言の多くはこれです。議事録にどこまで書いて、どのように取り上げるか。どういう人たちに配布するか。議事録を使えば、社内での印象をコントロールできてしまうのです。
 たとえば、さんざん議論が紛糾して、55対45でAという方針に決まったという場面。そのときに、もし書き手が「Aという結論で正しい」と思っていたら、議事録の1ページ目の目立つところに「決定事項:A」と書くでしょう。そして「出席者、日時、会議、議題、今後のアクション事項」を書く。議論の経緯は、2ページ目以降に適当に要約して書けばいいのです。ほとんどの人はだいたい1ページ目しか読まない。すると「結論Aになったんだな」と多くの人が思います。
 ところが書き手が「Bの意見のほうが正しい」と思っていた場合。1ページ目にはさんざん反対意見を書きます。そして議事録の最後の最後に「Aという方向で模索することになった」と記す。すると、会議に参加していなかった人に対して、表面的にはAという方向で決まったようだが「反対意見が多かった」「これは前途多難で問題山積みだ」「ひょっとすると方針変更の可能性もありうる」というイメージを醸し出せるのです。
 議事録が恐ろしいのは、こうしてかならず誰かの意図が入るということです。
 ニュートラルな議事録などないのです。議事録というものは「誠実で平等な文章」なのではなくて「誰かの目線で、何らかの意図を持って書かれている文章」くらいに思っておいたほうがいい。少なくともビジネスの現場での議事録はそういうものです。
 歴史を見ても、「議事録を書く」ことは権力者の特権です。
 旧ソ連など共産主義の国では、偉い人を「書記長」と呼びます。金正日(キムジョンイル)総書記もそうです。「書記」というと「下っ端」のようなイメージがありますがオープンに議論がなされない、開かれた議会が機能していないような国だと、書記長は最高権力者なのです。
 政治もビジネスも、大きな組織での意思決定においては、「実際にどうだったか」というよりも「何が文書に記されたか」のほうが事後的には大切になってきます。だから、書記や議事録とは神聖にして大切なものなのです。
 NTTデータ時代は、お客さんとの会議でも議事録を書いていました。これはとても重要な儀式でした。なぜかというと、できあがった議事録に対してお客さんにハンコを押してもらうのです。それによって「あのとき、こう言いましたよね」という証拠にするわけです。
 それくらい議事録は重要な存在であり、会社の行方を左右することもあります。あまり印象操作に躍起になってもらっては困りますが、まずはそれくらい重要なものなのだと理解しておくだけで、これからのきみのビジネスライフが大きく変わってきます。
『これからの会社員の教科書』 Chapter3 より 田端信太郎:著 SBクリエイティブ:刊

 人間の記憶は、意外とあいまいで、いい加減なものです。

 いつの間にか、虚偽の情報が事実と入れ替わっていた。
 そんなことはよくあることですね。

 議事録の内容も、例外ではなく、会議の内容を詳細まで正確に覚えていられる人はいません。
 何年か経ったら、議事録に記されていることが「正」となります。

 議事録作成には、それくらい大きな権力があることは、理解しておいたほうがいいですね。

根回しは「順番」が命

 ビジネスの世界では、正しいからといって、簡単に実現できるわけではありません。

 田端さんは、正しいことを実現したいなら、それなりの「段取り」が必要で、適切な順序で適切に動く必要があると述べています。

 会議の前に、意思決定者に事前にヒアリングすることを「根回し」といいます。
 根回しとは、事前に懸念点を把握し、反論への対策をしておくための予習です。

 田端さんは、根回しは「順番」が重要だと指摘します。

 A、B、C、D、Eの5人に説明する場合、1日で5人全員に説明するのか、Aさんにまず伝えて、3日あけてBさん、1日あけてCさん、Dさん。その直後にEさんに伝える、などいろんなパターンが考えられます。この順序を決めるうえでの原則は、他人の意見を気にせずに、自分の頭だけで判断を下したり意見を言う人を先に、他人の意見を気にする人ほど後回しにすべきというのが基本になります。
 身近な例で説明しましょう。
 どうしても結婚したい彼女がいるとします。
 今度ご両親にあいさつに行きます。ただ、お父さんはとても厳しい人だと聞いています。さて、どうすべきでしょうか?
 ぼくならまず彼女に「お母さんは何が好きなの?」と聞きます。そこで、たい焼きが好きだとわかったら、たい焼きを買って会いに行きます。口実は何でもいいのです。ちょっと玄関で立ち話しでもしながら「いつもありがとうございます。これお好きかなと思って」などと言って、たい焼きを渡す。まずはそこでお母さんとの初対面をクリアしておきます。
 お母さんにいい印象を与えられると、お父さんにも「どうも悪い人じゃなさそうよ」と伝えてくれるかもしれません。お母さんが味方になってくれれば、あいさつに行ったときにすごく有利な立場に立つことができます。
 こういう「社内政治」的な対人コミュニケーションには唯一無二の正解というものはありません。とにかく相手へのイマジネーションを持つことが大切なのです。
 新入社員の場合はわからないかもしれませんが、いろんな場数、経験を積んでおくことがとても活きてきます。実際の人間社会の中で、揉めごとに巻き込まれて胃が痛くなるような経験がどれくらいあるかが、いざというときにものを言うのです。
 若い人にとって「根回し」あるいは「社内政治」という言葉は、ネガティブに響くかもしれません。たとえば、偉い人への「ごますり」に近い印象でしょうか。
 しかし、それはレベルが低い話です。
 もし、きみに本当に実現したい理想があるなら、きみは仲間を増やす必要があります。あるいは最低限、「敵にはならないでくださいね」と事前にお願いする必要がある。出たとこ勝負で大戦に臨む人はいません。
 大きな仕事を実現することに興味がないなら、根回しはしなくてもいいでしょう。もしくはミュージシャンなど、自分一人で完結するようなクリエイティブであることが最優先の職業であれば根回しが邪魔になることもあります。今は若者が曲を出そうと思ったら、レコード会社の人の顔色をうかがうよりもユーチューブにアップするほうが早いでしょう。
 でも、ビッグビジネスをやりたい。しかも、それには巨額のお金が必要だ。そういうときは根回しが必要になります。
「大物と仕事をしたい」と思って、いきなり連絡をとっても相手にしてくれないでしょう。そのときにも根回しです。
 まずその人がイベントをやるとしたら、そのときにあいさつをする。大物の知り合いに近づいて、様子をうかがう。とにかく「ワンクッション」いれるのです。いきなり家に行くなどの強硬手段は逆効果にもなります。
 僕はこう見えて、根回しや社内政治をかなり気にして仕事をしています。
『これからの会社員の教科書』 Chapter4 より 田端信太郎:著 SBクリエイティブ:刊

 人間は感情で動く生き物です。
 どんなに正しいと分かっていても、「嫌だ」と感じたら、首を縦に振ってはくれません。

 いかに相手にネガティブな印象を与えないか。
 いかに相手のメンツを保ち、味方に引き入れるか。

 会社の仕事は段取り八分。
 根回し次第ですべてが決まるといっても過言ではありません。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 田端さんは、答えるべき問題自体から、自分で作り、その回答も自由記述式のフリースタイルが、21世紀のビジネスパーソンとしての正解だとおっしゃっています。

 上司から指示されたタスクを、ただそのままやっていればいい。
 もはや、そんな時代ではありません。

 解決すべき課題を自ら作り、自ら解決しなければならない。
 プレッシャーも責任も増しますが、その分、やりがいと自由度は格段に増します。

 ビジネスの世界という“大海原”を、自らの力で切り開くような冒険の旅に出たい。
 そんな野心を持っている人なら、ぜひ一度お手にとって頂きたい一冊です。

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