本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『眼圧リセット』(清水ろっかん)

お薦めの本の紹介です。
清水ろっかんさんの『眼圧リセット』です。

清水ろっかん(しみず・ろっかん)さんは、骨格矯正士です。

なぜ、顔と頭の骨格矯正で「視力」がよくなるのか?

清水さんは、顔と頭の骨格矯正のケアを行なった直後の患者さんから「さっより、目がよく見える」と言われることが多いそうです。

そこで、視力検査表で測定してみたところ、施術後は視力が平均0.2以上もアップしたことがわかりました。

なぜ、骨格矯正で目がよくなるのでしょうか。
その答えは、「眼圧(がんあつ)」にあります。

 端的にいえば、眼圧とは「眼球の中の圧力」のことです。
まぶたを閉じて、あなたの眼球に軽く触れてみてください。
風船のような弾力を感じませんか?
いったいなぜ、このような弾力があるのかという、もし弾力がなくてフニャフニャだしたら、物が歪んで見えてしまうからです。

眼球とは、さまざまな組織が詰まったボールのようなものです。
外界との境界にある「角膜(かくまく)」。
最も大きなスペースを占める「硝子体(しょうしたい)」。
レンズ的な役割を果たしている「水晶体(すいしょうたい)」。
このような名前を見聞きされたこともあるでしょう。これらが正しい位置を保っているからこそ、私たちはいつも同じように「物が正しく見えて」います。けれど、眼圧がなければ弾力がなくてフニャフニャになり、眼球に入ってきた光が正しく像を結ぶことができなくなってしまいます。

このように、眼圧がおかしくなると目にまつわるさまざまな不調が起こり始めます。たとえば、次のような症状に覚えはありませんか?

□以前より視界がぼんやりしている気がする
□目の奥にちょっとした痛み(頭痛)がある
□人や物にぶつかったり、つまずいたりする
□目が充血しやすくなった

じつはこれらはいずれも、緑内障をはじめ、目の大きなトラブルが疑われる前兆といえる症状です。皆さんは、かすれ目やちょっとした目の充血を放置してはいませんか?
一方で、眼圧が改善すると、目のあらゆる不調が整ってきます
詳しくは後ほどお話しますが、視力アップ緑内障予防にとどまらず、ドライアイ老眼近視など、さまざまな不調へ効果的なアプローチとなるのです。私はそれらのセルフケアを「眼圧リセット」と呼んで、これまで来院されてきた多数の方々にお伝えしてきました。

『眼圧リセット』 第1章 より 清水ろっかん:著 飛鳥新社:刊

図1 眼球と眼圧の構造 眼圧リセット 第1章

図1.眼球と眼圧の構造
(『眼圧リセット』 第1章 より抜粋)

本書は、視力アップや緑内障予防に驚きの効果がある「眼圧リセット」のノウハウをわかりやすくまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「眼圧」は、なぜ上がるのか?

清水さんは、眼圧が上がってしまうメカニズムを以下のように説明しています。

「疲れて目が充血している」
「目が血走っている」
日常生活でこのように言うとき、目の血液の“赤さ”が目立っている、という意味で使われています。
たしかに血液は赤いものと決まっていますが、じつは目の内部には「透明な血液」も存在していることをご存知でしょうか?

それが眼球内に満ちている「房水(ぼうすい)」という液体です。

「房水」はまず、眼球内の毛様体(もうようたい)という組織でつくられます。
そして、眼球内を循環しながら、そのほとんどがシュレム管を通り、目の外へ排出されていくのです。
なぜ、そんな動きをしているのでしょうか。
その理由は、角膜や水晶帯などが血管をもっていないからです。
血管というのは、血液によって酸素や栄養を体全体へ届ける働きがあります。けれど、眼球内の一部にはその血管がないため、「房水」が酸素や栄養を届ける役割を担っています。それゆえ、「透明な血液」と呼ばれているわけですね。ちなみに、「涙」と房水とは別物です。
目が健やかな状態であれれは、房水は眼球内をうまく循環し、眼圧は正常に保たれます。
しかし、目の中でつくられる房水の量が増えたり、目の外へ排出される量が減ったりすると、どうなるでしょうか。

その場合、眼圧は上がってしまいます。

眼圧が高い目は、「風船がふくらみすぎて、今にも破裂しそうな状態」だと理解してください。眼圧が高いと、房水が過剰になり、視神経が圧迫され、痛むなどのトラブルが起こりやすくなるのです。30ページの図を参照ください(下の図2を参照)。
また、視神経が痛むと、視力低下が起きることもあります。

さて、ここからが本題です。
問題は、加齢にともない「眼圧が上がる(眼圧が高い)」というパターンが増えていくことです。
眼圧が上がると眼球内の血流が悪くなり、眼球内の視神経を圧迫します。脅したいわけではないのですが、その結果、緑内障などにかかる危険性も高まるのです。

『眼圧リセット』 第1章 より 清水ろっかん:著 飛鳥新社:刊

図2 房水と眼圧上昇の関係 眼圧リセット 第1章

図2.房水と眼圧上昇の関係
(『眼圧リセット』 第1章 より抜粋)

「房水」と呼ばれる液体が眼球内を満たしており、流れが滞って眼球内の量が多くなると、眼圧が上がります。

眼の健康のためには、房水の循環を良くして、眼圧を正常に保つことが大切だということですね。

「目の入れもの」頭蓋骨は、一枚岩ではない!

眼圧を下げるために効果的なのが「頭部へのマッサージ」です。
清水さんは、その理由以下のように述べています。

 皆さんは、頭蓋骨がヘルメットのような「一枚岩」状のものだと想像していないでしょうか?

実際には、「頭蓋骨」は、一枚の骨ではありません

頭部の8個、顔面に14個、耳の中に6個。合計28個の骨が、大陸のプレートのように組み合わさってできた総称です(下の図3を参照)。
なぜそんなに数が多いのか、不思議ではありませんか?
わざわざ面倒なことをせず、「一枚岩」でもいい気がします。

じつは、このように骨がたくさん必要なのは「うまく動いて脳を守るため」です。
頭蓋骨の28個の骨は、ごくわずかな靭帯(じんたい)によって連結しています。
この骨の連結の仕方は、頭蓋骨にしか見られないもので「縫合(ほうごう)」と呼ばれています。
この縫合というのが非常に優れもの。
もし頭蓋骨に大きな衝撃を受けたとしても、骨と骨をつなぐ靭帯がクッションの役割を果たしてくれるので、私たちは脳を守ることができているのです。
「頭蓋骨が動くなんて信じられない!」という方は、赤ちゃんの頭を思い出してください。
赤ちゃんは、お母さんの狭い産道を通ってくるため、頭蓋骨の連結が大人よりもゆるめ。「後頭骨(こうとうこつ)」が伸び、頭が少しとがった状態で産まれます。
そして成長につれ、とんがった後頭骨は適度に落ち着き、丸い頭が完成。頭蓋骨の骨同士も、より緊密に連結していきます。
そんな大事な時期の赤ちゃんを、仰向け寝の姿勢で硬いところに寝かせると、後頭骨に圧力がかかり「絶壁頭」になってしまうというわけです。

人間の器官で最も大切な「脳」を入れる容器だから、頭蓋骨は他の骨とは異なり、そのように特別な仕様になっているわけです。
そして同時に、外部と接している器官のなかで最も大切な「目」の容器にもなっているのですね。
要するに、骨のなかで断トツに大切なのが頭蓋骨。
だから、頭部には筋肉や神経もたくさん集まっていて、そこをマッサージすると非常に気持ちよく感じられるわけです。
これが「眼圧リセット」マッサージの大きなメリット。体のどこをセルフケアするよりも、いちばんのリラックス効果を得られます。

皆さんは最近、「目の周りにクマがよくできるなあ」と感じたことはありませんか?
あるいは、老け顔になってきたと感じることはありませんか?

私は骨格矯正を専門にしている身として、目の下のクマや老け顔の原因が「眼窩(がんか)のくぼみ方」にあることに気付いています。
眼窩というのは、頭蓋骨にある「眼球を入れるポケット」だと思ってください(下の図4を参照)。
高齢になると、一重だったまぶたが二重になり、さらに目もくぼんでいく方がいらっしゃいます。
皆さん、お肌の張りや筋肉の老化のせいだとじつは頭蓋骨がかたくなってこわばることで、眼窩がくぼんでしまっているケースも多いのです。
そして眼窩がくぼむと、血流も圧迫されてしまい「目の下のクマ」がうっすらと現れてきます。
たとえば若いときに徹夜作業などをしたことがある人もいるでしょう。朝には全身の疲れとこわばりで、頭蓋骨まわりは当然カチカチになっています。すると、眼窩もくぼんでしまって血流が悪くなり「クマ」ができるという仕組みです。
厳密にいえば、次のような順序で「老け顔」はつくられます。

①頭蓋骨まわりの筋肉や靭帯がこわばる
②前頭骨が下がる
③鼻骨が押されて横に広がる(このとき、少し鼻が低くなっています)
④眼窩がくぼむ
⑤眼球もくぼみ、クマができて老け顔に見える

細かいことは覚える必要はありませんが、重要なのは目のポケットである眼窩がくぼむと、当然圧迫されて「眼圧も上がる」可能性が高まるというと。
そこから先の症状には個人差がありますが、眼圧が上がって良いことはひとつもありません。
老け顔やクマといった美容的な問題はもちろん、近視や目のかすみといった不調も出てきます。
目のポケットや筋肉が硬くなれば、眼精疲労や、それを起因とした頭痛も生まれてくるのです。

頭蓋骨のこわばりを、いかに避けるべきかはおわかりでしょう。
そもそも老け顔というのは、女性だけの敵ではありません。
顔の造形ひとつで、信頼感を与えたり、逆に不信感を持たれたりするものです。人に好印象をもたれるかどうかは、眼圧次第と言っても過言ではありません

『眼圧リセット』 第2章 より 清水ろっかん:著 飛鳥新社:刊

図3 頭蓋骨をつくる主な骨 眼圧リセット 第2章

図3.頭蓋骨をつくる主な骨
(『眼圧リセット』 第2章 より抜粋)

図4 眼窩は7枚の骨からできている 眼圧リセット 第2章

図4.眼窩は7枚の骨からできている
(『眼圧リセット』 第2章 より抜粋)

「眼圧リセット」は、次の2つから成り立っています。

①【準備マッサージ】として、頭全体のマッサージ
側頭骨ほぐし(下の図5を参照)、前頭骨ほぐし(下の図6を参照)、頭蓋骨ほぐし(下の図7を参照)

②【基本マッサージ】として、眼窩付近のマッサージ
頬骨ほぐし(下の図8を参照)、眼窩ほぐし(下の図9を参照)、鼻骨ほぐし(下の図10を参照)

図5 側頭ほぐし① 眼圧リセット 第1章

図5 側頭ほぐし② 眼圧リセット 第1章

図5.側頭ほぐし
(『眼圧リセット』 第1章 より抜粋)

図6 前頭骨ほぐし① 眼圧リセット 第1章

図6 前頭骨ほぐし② 眼圧リセット 第1章

図6.前頭骨ほぐし
(『眼圧リセット』 第1章 より抜粋)

図7 頭蓋骨ほぐし① 眼圧リセット 第1章

図7 頭蓋骨ほぐし② 眼圧リセット 第1章

図7.頭蓋骨ほぐし
(『眼圧リセット』 第1章 より抜粋)

図8 頬骨ほぐし① 眼圧リセット 第2章

図8 頬骨ほぐし② 眼圧リセット 第2章

図8.頬骨ほぐし
(『眼圧リセット』 第2章 より抜粋)

図9 眼窩ほぐし① 眼圧リセット 第2章

図9 眼窩ほぐし② 眼圧リセット 第2章

図9.眼窩ほぐし
(『眼圧リセット』 第2章 より抜粋)

図10 鼻骨ほぐし① 眼圧リセット 第2章

図10 鼻骨ほぐし② 眼圧リセット 第2章

図10.鼻骨ほぐし
(『眼圧リセット』 第2章 より抜粋)

それぞれ1分ずつ、合わせて6分程度が目安です。
毎日の習慣にしたいですね。

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もともとスマホやパソコンの利用が増えて、眼を酷使することが多い現代社会。
そこへ新型コロナウイルスの流行による在宅勤務が追い打ちをかけたという人も多いのではないでしょうか。

眼の不調は、「眼圧の上昇」から始まります。
眼圧を下げれば、眼病予防になり、視野も視界も良くなり、おまけに見た目も若返ります。

まさに一石三鳥の健康メソッドといえる「眼圧リセット」。
皆さんも、せひ試してみてください。

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