【書評】『「量子力学的」願望実現の教科書』(高橋宏和)
お薦めの本の紹介です。
高橋宏和さんの『「量子力学的」願望実現の教科書 潜在意識を書き換えて思考を現実化する11の法則』です。
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高橋宏和(たかはし・ひろかず)さんは、量子力学コーチです。
東洋哲学、成功哲学、心理学、脳科学やコーチングを「量子力学」で解明され、科学的コーチングメソッド「量子力学コーチング」を確立されました。
願望は「腑に落ちる」ことで、実現する!
願望を引き寄せて、成功を手にしたい。
そんな思いで、「引き寄せの法則」を学んでいる人は多いです。
ところが、同じ引き寄せのノウハウを学んでも、思うような成功を収めている人は、ほんのひと握りです。
成功できる人とできない人。
その差は、どこにあるのでしょうか。
高橋さんは、その決定的な違いは、「引き寄せという現象がなぜ起きるのか?」を腑に落とすことができ、素直に実践できているか否か
にあると指摘します。
自分の望みを次々に引き寄せた人たちは、引き寄せの法則の仕組みについて腑に落ちているから、「こうすればこうなる」という法則を100%信じ込むことができているのです。
では、どうして腑に落ちたのかというと、感覚でなんとなく体験しただけでなく、なぜ、願望が実現するのかを論理的に理解できているからです。例えば、「物体が地面に向かって下に落ちる」という現象。
この現象は、なんらかの形で誰もが体験しているはずですよね。
そして、「なぜ落ちるのか?」という理屈についても、「ニュートンの万有引力の法則」や「重力があるから」という知識持っているはずです。人というのは、右脳で感覚的に理解しているものを左脳で論理的に理解したとき、つまり、右脳(感覚的なもの)と左脳(論理的思考)の双方で理解することができている状態になると、始めて「腑に落ちる」のです。
では、こうした法則はどのように見つけることができるのでしょうか?
自然界では、螺旋(らせん)構造がたくさん見られます。
例えば、植物の葉は螺旋階段のように成長していきます。オウムガイも渦巻状に回転しています。台風も銀河系も螺旋状に回転しています。さらにDNAは螺旋構造であることが知られています。これらを含めてたくさんのものが螺旋状になっていることから、普遍的な自然の法則ともいえるでしょう。
また、太陽のまわりには惑星が回っていますが、ミクロの世界でも原子のまわりに電子が回っています。地球のまわりにも月が回っています。これもミクロの世界とマクロの世界の運動が似ていますね。このように、ミクロの世界にもマクロの世界にも似たような構造があることをフラクタル構造といいます。そして、あらゆるものに共通する部分を見つけることができれば自然の法則性を発見できるのです。
つまり、世の中の成功法則や願望を実現するための方法を、科学的な理論(ここでは量子力学的な視点)と結びつけて理解すると、点と点が線でつながります。そして、あなたがこれまで学んできた成功法則や、知ってはいたけれどもバラバラだった知識や経験が妬合され、ここで初めて「腑に落ちる」という感覚に到達することができるのです。『「量子力学的」願望実現の教科書』 第一章 より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊
本書は、高橋さんが過去20年間、脳科学、心理学、哲学、宗教学などを研究して得られた再現性の高い願望実現法
をわかりやすく解説した一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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「量子力学」とは?
量子力学とは、目に見えないミクロの世界で成り立つ自然の法則を探求する学問
です。
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(『「量子力学的」願望実現の教科書』 第一章 より抜粋)
(前略)例えば、リンゴを細かく切っていくとどうなるでしょうか? そう、リンゴジュースになりますよね。ジュースのほとんどは水分子でできています。水分子H2Oを細かく分解していくと、2つの水素原子Hと1つの酸素原子Oで構成されています。
原子は、その中心に原子核があり、そのまわりを電子がぐるぐると回っています。すべての物質は細かく砕いていくとどんどん分子化され、分子は原子で構成されて、電子、中性子、陽子などで成り立っています。そして、中性子や陽子の中には3つのクォークと呼ばれる素粒子が存在しています。素粒子はこれ以上細かくできない物質を構成する最小単位のことです(上の図1を参照)。
あなたが着ている洋服も、あなたが使っているパソコンも、あなたが住んでいる家も、あなたの身体も、実はすべてミクロの世界では同じ素粒子で構成されているのです。
すべての物質が同じ素粒子で構成されていると考えると不思議ですよね。
あなたの身体を構成している素粒子と、服や家具、家などものを構成している素粒子が同じものだなんて信じられないかもしれません。
素粒子の組み合わせによって植物になったり、動物になったり、人間になったり、あらゆるものになると考えると、この宇宙にあるあらゆる生命や動物、植物、人間同士も見えない素粒子の海でつながっているということです。このように原子や電子、素粒子など目に見えないミクロの世界の自然の振る舞いを探求する学問が量子力学なのです。つまり、見えない世界を解明していくのが量子力学だといえるでしょう。
量子力学における量子とは、粒と波の性質をあわせ持った、とても小さな物質やエネルギーの最小単位のことです。つまり、すべての根本はエネルギーでできているということです。
この世の構成をシンプルに考えるとどうなるでしょうか。
それは、見える世界と見えない世界に分けることができると思います。
例えば、見える世界とは、モノや物質などの質量があるものなので、理論物理学者アルベルト・アインシュタインのエネルギーと質量の関係式で説明するとができます。アインシュタインは特殊相対性理論から、以下の式を導き出しました。
E=mc2
Eはエネルギー、mは物質の質量、cは光の速度を表しています。この式はエネルギーがあるものは物質に変換できて、物質はエネルギーに変換できることを意味しています。つまり、質量があるものはこの式でエネルギー量が分かるのです。
光の速度は秒速約30万キロメートルで一定ですから、エネルギーは物質の質量に比例するということですね。
例をもう1つ挙げてみます。1グラムの1円玉のエネルギー量は、0.001キログラム×秒速約30万キロメートルの2乗ですから、約90兆ジュール【J】のエネルギー量があるということになります。広島に落とされたウラニウム(ウラン)型の原子爆弾のエネルギー量が60〜70兆ジュールといわれています。ですからその約1.5倍ということになりますね。そのように考えれば、体重を量ればあなたが持っているエネルギー量も分かります。同じように計算するとあなたは相当なエネルギー量を持っていることになります。
つまり、質量があるものはすべて、重さを量ればエネルギー量が分かるということです。では、目に見えない世界のエネルギー量はどのように分かるのでしょうか?
1905年にアインシュタインは、「光が粒々になって空間内に存在している」という光量子仮説を提唱しました。そして、1923年にアメリカの物理学者アーサー・コンプトンが、光が金属に当たるときに放出されるコンプトン効果によるエネルギーの式から光の粒子性を証明したのです。
粒粒の光の粒子が金属に当たり放出されるエネルギー量は、以下で表すことができます。E=hν
Eはエネルギー、hはプランク定数、ν(ニュー)は周波数です。hはプランク定数であり一定の数値ですから、エネルギーは周波数に比例するということです。周波数とは1秒間あたりの波が振動する回数のことで振動数ともいいます。この式から、振動数や周波数が高いほどエネルギーが高く、振動数や周波数が低いほどエネルギーが低いことが分かります。
例えば、長縄とびで1秒間あたりにたくさん回すと周波数が高くなり、エネルギーも高くなります。ゆっくり回すとエネルギーは低くなるということですね。
目に見えない世界はこのエネルギーと周波数の関係式で表現することができます。目に見えない世界は、X線や赤外線、紫外線などの電磁波は実体がないわけですから波のような性質を持っており、周波数で表現ができるのです。
もう少し、見える世界と見えない世界を分類していきましょう。
人間であれば、見える世界は肉体であり、見えない世界は心や感情ですね。肉体は目に見えるので質量の式で表現でき、心は目に見えないので周波数の式で表現することができます。
私たちの世界で目に見えるものは、お金、家、服などの物質的なものですよね。一方で目に見えないものとは、意識、感情、思考など精神的なものです。このことから、見える世界は物質世界、見えない世界は精神世界ともいえるでしょう。陰陽学では、見える世界は「形」、見えない世界は「氣(き)」で表現できますから、見える世界は陽、見えない世界は陰と表すことができます。
このように見える世界と見えない世界を物理的に解明していくと、『般若心経』の色即是空など、さらにはこの世もあの世も、すべてこれらの2つのエネルギーで表現できることが分かります。
見える世界・・・・・・・E=mc2
見えない世界・・・・・・E=hν見える世界と見えない世界を分類してまとめると、左のページの表のようになります(下の図2を参照)。
「5%」という数字を見て何の数字だと思いますか?
これは、私の体脂肪率ではございません!(笑)
実はこの5%というのは、この宇宙で見える世界の割合なのです。
東京大学宇宙線研究所の研究データによると、この宇宙では目に見える物質は、たった5%しかないことが分かっています。
残りの27%の見えない物質のことをダークマターといい、68%の見えないエネルギーのことをダークエネルギーといいます。日本語ではダークマターは暗黒物質、ダークエネルギーは暗黒エネルギーともいわれています(下の図3を参照)。ちなみに現在の私の体脂肪率は27%ほどあり、ダークマターのように見えない脂肪がお腹まわりについています(笑)。ダークマターとか、ダークエネルギーという言葉を聞くと、映画やアニメで登場する悪役とか、闇の組織にも感じるかもしれません。その意識からか「ダーク」とか「暗黒」といわれると、この宇宙が闇の勢力や闇の組織で支配されていると想像される人もいるかもしれません。
でもご安心ください! ダークマターもダークエネルギーも人類に脅威をもたらすものではございません。
では、そもそも「目に見える」というのは、どういうことなのでしょうか?
人はモノを見るとき、色を識別することができます。リンゴやイチゴは赤色、晴れた日の空は青色、葉っぱは緑色、レモンは黄色などに色が見えると思います。
では、なぜそう見えるのでしょうか。
それは物体が太陽や蛍光灯などの光を受けると特定の光だけが反射し、その反射した光が目の網膜を通って電気信号に変わり、脳内でイメージとして映し出されるからです。
目には、青、緑、赤の光を判別するセンサーのような役割を持つ細胞(視細胞)があり、それぞれの色の光を感じ取る割合で色が決まります。たとえば、目に入ってくる光から青だけを視細胞が感知すると青と判別し、緑と赤の両方を感知すると黄色。青緑赤すべて感知すると白。青緑赤どれも感知しないと黒と判断します。青、緑、赤の光で色を判断するため、青、緑、赤が光の三原色とされています。リンゴが赤色に見えるのは、リンゴが赤色の光のみに反射しているからなのです(下の図4を参照)。
一方で、「目に見えない」とは光を当てても全く反射しないため、地球から観測できないので真っ暗となります。つまり、ダークマターやダークエネルギーとはその存在は確認できているのですが、今の観測技術では光学的に観察できないので正体不明なのです。
光に反射するものは目に見えますが、光に反射せず、真っ暗な物質やエネルギーであるため、ダークマターやダークエネルギーという名前がつけられているということですね。『「量子力学的」願望実現の教科書』 第一章 より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊
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スピリチュアルとは、目に見える科学で解明できていない世界
のことを指します。
そして、量子力学は、目に見えないミクロの世界を解き明かす科学です。
量子力学の発展は、道の存在であるダークマターやダークエネルギーの正体を解明するだけでなく、スピリチュアルの法則にも科学的な根拠を与えてくれます。
スピリチュアルと科学が融合して、新しい真理が導かれるでしょう。
今から楽しみですね。
素粒子は「波」と「粒」でできている!
すでにお伝えした通り、量子とは、粒と波の性質をあわせ持った、とても小さな物質やエネルギーの最小単位のこと
です。
量子(素粒子)が、粒と波の性質をあわせ持っているとは、どういうことでしょうか。
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(『「量子力学的」願望実現の教科書』 第一章 より抜粋)
物理学で最も美しい実験といわれている実験をご存知でしょうか。
それは、1807年に行われたイギリスの物理学者トマス・ヤングによるヤングの二重スリット実験です。
ヤングがこの実験を行ったのは、光の正体は波なのか、粒なのかを証明するためでした。内容的には、光源とスクリーンの間に二重スリットを設置し、光がどのように進んでスクリーン上に映し出されるか確認するというものです(上の図5を参照)。
これによって光が重なり合い、スクリーン上に干渉縞が映し出されて「干渉」という現象が起こります。
波はお互いに強め合うと光が明るくなり、弱め合うと暗くなって白と黒の縞模様の干渉縞ができます。
このことから、光は波の性質を持っていることが分かりました。・山と山が重なると強め合う → スクリーン上が明るくなる
・山と谷が重なると打ち消し合う → スクリーン上が暗くなるこののちにイギリスの物理学者マクスウェルが、光は電磁波という波の性質を持っていることを示し、物理学者の間では波動説が主流になりましたが、1905年にアインシュタインが、「光はエネルギーの小さな塊である粒子である」という光量子仮説を提唱し、1923年にアメリカの物理学者アーサー・コンプトンによってこの仮説が実証され、奇妙なことに光は波でもあり、粒でもあるという結論に至ったのです。
つまり、光は波という性質と粒という2つの性質を持っている(これを二重性という)ことが分かったのです。
さらにフランスの物理学者ド・ブロイが「このような二重性の性質は、粒子だと思われている他の物質にも当てはまるのではないか」と考え、粒子であるはずの電子を波として扱うという理論と一致することが分かりました。結果、ミクロの粒子には波動性があるとして、物質波(ド・ブロイ波)を提唱しました。技術が進歩した現代では、このヤングの二重スリット実験と同じことを1つの電子ずつで行うことが可能となりました。この実験では、電子銃から1つの電子を放つと、電子が2つのスリット(穴)を通ってスクリーンに干渉縞が映し出されてしまいます。
さらにこの実験から、粒子だと考えられている1つの電子が2つのスリットを影分身のように同時に通り干渉縞をつくるという不思議な現象も確認されました(下の図6を参照)。ところが、全く同じ実験をしているのにもかかわらず、観測装置を置いたり、誰かが観測したりすると、干渉縞はスクリーンに映し出されずに電子が粒のように振る舞って2つのスリットをまっすぐ通った痕跡のみがスクリーン上に残ることが確認されました。
誰もいないところで波のように振る舞い、誰かが観測すると粒のように振る舞うということから、電子のような素粒子は二重性の性質を持っているといえるでしょう。このように観測しようとする行為が素粒子の振る舞いに影響を与えることを観測問題といいます(下の図7を参照)。イメージで例えると、「だるまさんが転んだ」に近いかもしれません。誰も見ていないところでは、素粒子はフラフラと踊っていますが、パッと見ると動きが止まってしまうようなイメージです。
上司が見ていないときはネットサーフィンばかりしてダラダラと仕事をしているけれど、上司が見ているときはまじめに仕事をしているような感じとも似ていますね(笑)。誰も見ていないときはダラっとした格好をしていても、誰かに見られるときはきちんとした格好になるのも、波と粒の例えにしたら共感できるかもしれません。
つまり、観測されない素粒子は波の性質を持っており、観測される素粒子は粒の性質を持っていることが分かります。このことから、量子力学的には見える世界は粒子性があり、見えない世界は波動性を示すということがいえるでしょう。
これまでお伝えしてきた通り、宇宙の構成は、目に見える物質、目に見えないダークマターとダークエネルギーで構成されています。
電磁波は、目に見える可視光線と目に見えない可視光線以外の電磁波(X線、ガンマ線、電波など)で構成されています。
意識は、人間にとって認識できる顕在意識、認識できない潜在意識と集合無意識で構成されています。この宇宙には見える世界と見えない世界がありますが、見える世界も見えない世界もすべてエネルギーで成り立っています。これを量子力学の観点から定義すると、
・見える世界=粒子性
・見えない世界=波動性
といえるでしょう。
そして、この二重性の性質を用いると願望実現の仕組みを説明することができるのです。ここからは、いよいよ願望実現の仕組みについて量子力学の観点でお伝えします。
素粒子というのは観測されるまで波の性質を持っており、観測されると粒になるという二重性があるとお伝えしました。
意識、イメージ、思考、感情というのは目に見えないので波の性質を持っていると考えられます。一方で物質や現実というのは観測できるので粒の性質を持っているといえるでしょう。
つまり、意識、イメージ、思考という目に見えないものが観測されたら、物質化し、現実化するということです。
ということは、願望実現とは、目には見えない意識、イメージ、思考を「認識・観測」すれば現実化するということになりますね(下の図8を参照)。
ドイツの理論物理学者で不確定性原理を提唱したことで有名なヴェルナー・ハイゼンベルクは、
「波の状態(可能性領域)で意識があるモノや出来事を認識すると、可能性であったそのモノや出来事は可能性領域から物理世界に出現します。」
と、まさに物事が現実化する仕組みのことを説明しています。この量子力学的な願望実現の仕組みを使えば、物事が具現化するプロセスも以下のように説明できるでしょう。
ステップ①:意識を向ける
理想の状態に意識を向ける
例:住みたい理想の家に意識を向けるステップ②:イメージが湧く
意識を向けるとイメージが湧いてくる
例:白い一戸建ての庭付きの家をイメージするステップ③:思考が働く
イメージが湧いてくると思考が働く
例:白い一戸建ての庭付きの家を建てるにはどうしたらいいだろうか? どのくらい貯金すればいいのだろうか?ステップ④:具体的な行動が明確にある
思考が働くとそれに必要なやるべきことが明確になる
例:一軒家を建てるのにいくらかかるか見積金額を調べるステップ⑤:行動する
実際に行動することによって現実が理想に近づいていく
例:毎月10万円貯めることによって年間120万円貯まるこれが願望実現のプロセスです。
人はこのプロセスを繰り返すことによって理想を現実化しているのです。『「量子力学的」願望実現の教科書』 第一章 より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊
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(『「量子力学的」願望実現の教科書』 第一章 より抜粋)
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(『「量子力学的」願望実現の教科書』 第一章 より抜粋)
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(『「量子力学的」願望実現の教科書』 第一章 より抜粋)
観測されていないときは、あらゆる場所に存在する“可能性の波”。
観測された途端、位置の定まった“現実の粒”として姿を現す。
この素粒子の二重性は、観測者(意識)が無限の可能性から1つだけ選び取って現実化しているとも言い換えられます。
思考(意識のあり方)が現実を創る。
素粒子の性質から考えると、それも当然に思えてきますね。
「同じ波動のもの」が共鳴して現実が変わる!
昔から東洋医学では、「氣」の概念があります。
この「氣」の正体については最先端の科学でも解明されていません。
高橋さんは、「氣」とは量子力学の観点でいうと生命が発する電磁場のエネルギー
だと考えられると述べています。
氣がエネルギーだとすると、
E=hν
の公式で表現できます。Eはエネルギー、hはプランク定数で一定の数値になります。νは周波数です。つまり、エネルギーは周波数に比例するということですね。
周波数が高いというのは、波長が短いということです。周波数が低いというのは、波長が長いということです。このことから、氣とはエネルギーのことですから、気が合う、気が合わないというのは、波長が合う合わないと同じことだと分かるでしょう。すべての物質は原子で構成されていますが、原子はそれぞれ物質特有の周波数で振動しています。周波数というのは、1秒間あたりに振動する回転数のことで、振動数ともいいます。
例えば、身近なものだと、パソコンを購入するとき、CPUのクロック数の単位で「GHz(ギガヘルツ)」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。このヘルツが振動数の単位になります。ギガとは10億という意味なので、例えば、CPUのクロック数が3GHzのパソコンは1秒間に30億回振動するCPUということになります。人間も動物も植物などあらゆる物質(ここでいう物質とは、場所をとり一定の量を持つもののこと)も、光や風、雷や地震などあらゆる自然現象も、見えない世界ではこれらはすべてに固有の周波数があり振動しています。
この振動によって生じる波のことを“波動”といい、人間を含めたすべての物質は固有の波動を発しているといえるでしょう。波動という言葉はスピリチュアル的な意味合いでよく耳にする言葉かもしれませんが、量子力学でも波動方程式という言葉で使われます。波動方程式とは、目に見えないミクロの世界の素粒子の振る舞いを数式で表現しているものです。
この方程式を解くと、波動関数を使って電子などの素粒子が原子のどこに存在しているのか、存在確率を計算することができるのです。周波数というのは振動によって生じる波の動きを数値化したもので、波動というのは波の動きや変化の過程のことを指します。一般には、すべてのものは振動していて波動を発していると考えればいいでしょう。私たちの身体も含めすべてのものは振動しています。さらに波動には音波、脳は、電波、重力波、地震波、津波などさまざまなものがあります。
1918年にノーベル物理学賞を受賞したドイツの物理学者マックス・プランクは、
「すべては振動であり、その影響である。現実に何の物質も存在しない。
すべてのものは振動で構成されている。」
という言葉を残しています。
このように、実はすべてのものが振動していることは、100年以上前から分かっていたことなのです。では、「現実には何の物質も存在せずに、すべてのものは振動である」とはどういうことなのでしょうか? これは、量子力学の最先端の理論の1つである「超ひも理論」で説明することができます(下の図9を参照)。
すべての物質は素粒子から構成されていますが、素粒子と聞くと丸い粒のように「点」の形をしているイメージがあるかもしれません。しかし、この「超ひも理論」によると、電子やクォークなどの素粒子をさらに細かく見ていくと大きさを持たない「点」ではなく、小さな「ひも」の形をしていて、この「ひも」の振動の違いによってあらゆる素粒子や物質が生まれているとされています。つまり、物質を構成する最小単位の素粒子は「粒」ではなく、輪ゴムや糸くずのような「ひも」の形をしていて、この「ひも」がまるでバイオリンの弦のように振動しているイメージなのです。
バイオリンの弦は、その弦の振動数の違いによってさまざまな音色を奏でますよね。つまり、この音色の違いがさまざまな素粒子や物質を生み出しているということになります。
例えば、自然界にはアップクォーク、ダウンクォーク、電子、光子など17種類の素粒子が発見されていますが、この理論を用いて電子やクォークなどの素粒子をさらに細かく見ていくと、そこには輪ゴムのような「ひも」や糸くずのような「ひも」があり、その「ひも」の振動の違いによってさまざまな素粒子が生じているーーそうすると理解しやすくなります。
超ひも理論が正しいと仮定すると、この宇宙はさまざまな弦楽器が奏でるオーケーストラのシンフォニーのようなイメージとしてとらえることができるということです。この理論は仮説であり、今の測定技術ではまだ「ひも」は発見されていません。とはいえ、超ひも理論は、すべての物質は振動から成り立っていることを示唆しているといえるでしょう。
「すべては振動している」という理論を応用すると、この世のあらゆることを説明することができます。
人のコミュニケーションにおいて「波長が合う」「波長が合わない」とよくいわれますが、これは波長が合うと共鳴現象を起こし、一気に人との距離感が縮んで仲良くなると説明できます。自己紹介して好きな映画が同じだったり、趣味が同じだったり、出身地が同じだったりすると急に親近感が湧いてきますよね? これは人間関係における共鳴現象だといえるのではないでしょうか。共鳴現象とは、「物体はその固有振動数に等しい外部振動の刺激を受けると、振幅が増大する」という現象のことで、物理学の世界では共振ともいいます。
例えば、ワイングラスの固有振動数と同じ周波数で声を発声したら共振が起こり、ワイングラスは割れてしまいます。吊り橋と同じ固有振動数で風が吹くと吊り橋が落ちてしまうという現象も確認されています。このことから、ワイングラスや吊り橋などの物体も固有の振動を持っていることが分かります。実はこの世界は、同じ波長や波動のものが共鳴して物質化しているのです。
例えば、同じ波長を持っている心臓の細胞同士が引き寄せ合って心臓になり、肺の細胞同士が引き寄せ合って肺になっていくのです。一方で臓器移植する場合は、他人の臓器なので波長が合わずに副反応が起きるケースもあります。あなたが使っている机もパソコンも建物も同じ波長の原子や分子同士が引き寄せ合っています。あなたの身体も素粒子で構成されているのでミクロの世界では振動していて、同じ波長のもの同士が引き寄せ合ってつくられているといえるでしょう。しかし、あなたの身体の周波数と机や壁の周波数は波長が合わないため、机や壁と合体することはできないのです。
さらに、私たち人間の場合も、同じような価値観や考え方を持っている人同士が引き寄せ合い、類が友を呼ぶという現象が起きるのではないでしょうか。つまり、この世はあらゆるものの同じ波長や振動数のものが共鳴し、引き寄せ合って現実化していると考えることができます。
この同じ波動による共鳴現象がちまたでいわれている「引き寄せの法則」や「波動の法則」の原理なのです。引き寄せの法則は、プラスの波動はプラスの現象を引き寄せ、マイナスの波動はマイナスの現象を引き寄せるという法則です。つまり、あなたが発する周波数や波動と共鳴して現実が引き寄せられるということです。あなたが毎日楽しくいい気分でいれば、物事がスムーズに進むことは容易に想像できるのではないでしょうか。偶然にいいご縁を引き寄せたり、偶然に良い出来事が起きたりした経験はあると思います。
一方で何か嫌なことがあってイライラしていると、モノを忘れたり、財布をなくしたり、さらに嫌なことが続いてしまった経験はないでしょうか。イライラすればするほど、嫌なことが現実化するのは、まさに波動の法則だといえるでしょう。本当にそんなことが起きるのか疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、実は感情や意識は目に見えませんから、E=hνというエネルギーと周波数でしか表現することができません。私は感情や意識も素粒子のように振動するエネルギーであり、電磁波のエネルギーの一種だと考えています。
この世界には目に見えない電磁波のエネルギーが飛び交っています。
例えば、テレビの電波局からさまざまなチャンネルの電波が届いていて、テレビのリモコンで見たい番組にチャンネル(周波数)を変えると、ある特定のテレビ番組を見ることができますよね。ラジオ局の場合もさまざまなラジオの電波が届いていますが、ラジオの受信側が聞きたい番組のチャンネルに周波数を合わせることによって、ある特定のラジオ番組を聞くことができます。では、現実世界を変えるにはどうしたらいいのでしょうか?
それは意識のチャンネルを変えることです。見えるもの、聞こえるもの、感じるものもテレビやラジオの原理と同じように、意識のチャンネルをどこへ向けるかによって現実を変えることができるのです。
これは、現実世界も意識のチャンネルや感情の周波数を目的に合わせると、その意識のエネルギーや感情のエネルギーと共鳴して、同じような現象を引き寄せるからでしょう。『「量子力学的」願望実現の教科書』 第二章 より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊
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(『「量子力学的」願望実現の教科書』 第二章 より抜粋)
「あの人とは、波長が合う」
この比喩的な言葉も、量子力学の観点から素粒子レベルでみると、そのまま真実を表しているということです。
その人の放つ氣、つまりエネルギー(振動数)が大きくなればなるほど、それと共鳴する人やモノ、出来事を引きつけます。
まさに「引き寄せの法則」そのものですね。
「パラレルワールド」を量子力学で解説すると?
量子力学は、具体的に私たちの世界にどう影響しているのでしょうか。
ここでは、人生を大きく変えるためのヒント
として「二重スリット実験」を例に取り上げて解説します。
二重スリット実験において、1つの電子や光子などの素粒子が2つのスリットを同時に通ってスクリーン上に干渉縞が生じることから、素粒子は波動性をもっているということがいえます。そして、素粒子がどちらのスリットを通過しているのか観測しようとすると、干渉縞が消え、粒子の性質を示すことが分かっています。このような観測の仕方によっ実験結果が変わることは「観測問題」として物理学者の間でも長年、議論され、この現象を説明するためにさまざまな解釈が生まれました。
その1つが、コペンハーゲン解釈です。
コペンハーゲン解釈では、電子は無数の可能性の重ね合わせの状態であり、波のように存在確率の分布を広げている電子が観測された瞬間に一点に収縮し、波の状態から粒の状態に収束するという考え方です(下の図10を参照)。例えば、子どもの頃、遠足でお弁当を持っていくことがあったかと思います。中身を知らされないまま持たされて、「今日のお弁当は何だろう?」とワクワクしたことがあるのではないでしょうか。その際、お弁当の蓋を開けるまでは中に何が入っているか分からないため、あらゆる可能性があります。ウィンナーが入っているかもしれないし、唐揚げかもしれないし、海苔弁かもしれない。もしかしたらお弁当の中身のおかずがグチャグチャに混ざり合っているかもしれない(笑)。
あらゆる可能性が重ね合わせの状態で、蓋を開けた瞬間にある特定の状態に収束し、唐揚げ弁当を観測するようなイメージですね。唐揚げ弁当だと分かった瞬間、波の状態から粒の状態に収束して物事が確定するのです。
もう1つ有名な解釈に、1957年にアメリカの物理学者ヒュー・エヴェレットが提唱した、多世界解釈(エヴェレット解釈)があります。これはミクロの世界だけでなく、世界のすべてが重ね合わせの状態であり、確率的に決まる出来事の数だけ、世界そのものが多数に分岐していくというものです。
つまり、あらゆる可能性の世界が並行に同時に存在していて、観測した瞬間に1つの世界に入り込むようなイメージです。この多世界解釈は、一般的にパラレルワールドという言葉で知られています。
パラレルワールドはよくSF小説や映画、アニメでも取り上げられますが、もしかしたらこの宇宙は私たちが住んでいる以外の世界が多数存在しているかもしれないという考え方です。例えば、レストランでメニューを見て料理を注文するときを思い出してみてください。注文する前までは、何を食べるかはあらゆる可能性の世界が同時に存在していますよね。ここでハンバーグ定食を注文するとハンバーグ定食を食べている世界が現実に現れてきますが、別の世界ではカルボナーラを食べている宇宙やてんぷら定食を食べている世界が同時にあるイメージです。
また、優しい女性と結婚するのか、明るい女性と結婚するのか、ドSの怖い女性と結婚するのかなど、結婚するまではあいまいであらゆる可能性の世界が重なり合っていますが、もしドSの怖い女性と結婚すると、この世界ではその女性との結婚生活が始まりますが、他の世界では優しい女性との結婚生活、別の世界では明るい女性との結婚生活が同時に並行に存在しているイメージです。このような話を聞くとSFのような話で非現実的だと思う人もいるかもしれませんが、実際に多くの物理学者がパラレルワールドに関してまじめに議論しています。例えば、マサチューセッツ工科大学のマックス・テグマーク博士が提唱する多元宇宙論(マルチバース理論)が有名です。マックス・テグマーク博士によると理論的には10の500乗通りの宇宙があるとされています。
あらゆる可能性の世界がある状態のことを専門用語で「重ね合わせの状態」といい、世界はこのように重ね合わせの状態があり、まさにあらゆる可能性の世界がパラレルに存在していると考えてください。しかし、私たちは1つの宇宙しか見えないので別の世界は現実には起きないのです。
人生も多世界解釈や多元宇宙論(マルチバース)と同じようにたくさんの分岐点があります。
例えば、どこの大学に進学していくのか、就職先はどこにするのか、仕事は何を選ぶのか、結婚相手を誰にするのかなど、人生においては生きている間に無数の選択肢があり、その選択肢の数だけ世界や宇宙があるのではないでしょうか(下の図11を参照)。何かを選択するまでは、あらゆる可能性の重ね合わせの状態ですが、1つに決めれば人生はその道を進んでいくのです。ここで選択肢が1つしかない場合は、可能性は1つしかありません。例えば、親が望んだ大学に進学したり大企業に務めることができたのであれば、親の敷いたレールの上の限られた人生の範囲内で生きることになります。
一方で選択肢が2つ、3つと増えていくと可能性は広がっていきます。まさに、量子力学の観点でいうと答えが1つしかないのが粒子性、あらゆる可能性があるのが波動性だといえるでしょう。また、人はどうしても現在や過去の延長線上で物事を考えがちです。
今付き合っている人と将来結婚しようとか、今勤めている会社で定年まで勤めようとか、ある限られたは範囲内で物事を判断しがちです。しかし、これでは人生は大きく変わりません。
一般に、人生で成功する人になることは大変だといわれます。この「大変」とは、大きく変わる、つまり大きく変化する人が人生の成功者と呼ばれているのです。では、人生を大きく変えるにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、大きな決断をすることです。
大きな決断ができる人は、人生を大きく変えることができるのです。私はエレベーターに乗ってしばらく動かない状態が続き、「あれっ? エレベーターが動かないなぁ」と思うことがよくあります。そして、行先のボタンを押してなかったことにハッと気づいて慌てて行先のボタンを押すのです(笑)。
人生もこれと同じです。行先を決めない限り、動かないエレベーターのように現実は何も変わりません。あなたがどうなりたいのか、どうしたいのか、その都度考えて行動を起こす必要があります。そして、そのビジョンに沿った大きな決断ができる人が人生を大きく変化させることができるのです。このパラレルワールドの考え方から、人生とは決断の連続であることが分かります。あなたが何を選択し、どう行動するかによってあらゆる可能性の世界を選択することができるのです。
もし、結婚したければ、いつまでに結婚するか決断してください。
もし、お金持ちになりたければ、資産をいくら貯めると決断してください。
もし、長生きしたければ、何歳まで生きると決断してください。
決断するパワーが現実を大きく変えるパワーとなっていくのです。では、決断するときはどのような基準で決断したらいいのでしょうか?
それは、あなたの人生の可能性が広がると思うほうを選択してみてください。
人生の可能性が広がる可能性とはそれを選択することによってワクワクするか、しないかです。あなたの人生の未来が明るいほうに向かっていくか、向かっていかないかです。もし、その選択によってワクワクする感情が湧いてきたり、明るい未来を想像できたりするのであれば、思い切ってそれを選択してみてください。きっとそれがベストな選択になることでしょう。因果応報という言葉を聞いたことがありますか? 過去になしたことがすべて返ってくるという法則です。仏教ではカルマの法則とも呼ばれていますね。前世や過去に悪いことをすること現世で悪いことや嫌なことが起き、前世で善いことを行えば、今世でも善いことが起きるという考え方です。
例えば、
・志望校に合格できなかったのは、受験勉強をおろそかにしていたからだ
・なかなか結婚できないのは、真剣に婚活をしてこなかったからだ
・メタボになったのは、運動不足だったからだ
など、何か原因があって結果が生じるというのが原因と結果の法則です。
すべての現実は思考が源となってつくられます。つまり、カルマの法則を信じる人はカルマの法則に従って現象が起き、カルマの法則を信じない人にとっては、全く関係のない世界になるということです。つくり出す世界が違うのです。
これはどちらの考え方が良い悪いではなく、多世界解釈と同じようにあなたが信じる考え方や哲学によって見える世界が異なるということです。『「量子力学的」願望実現の教科書』 第二章 より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊
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(『「量子力学的」願望実現の教科書』 第二章 より抜粋)
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(『「量子力学的」願望実現の教科書』 第二章 より抜粋)
今この現実は、無数の可能性の中からただ一つだけ選ばれている。
そして、その選択をしているのが、観測者、つまり私たち自身の意識である。
コペンハーゲン解釈にしても、多世界解釈にしても、それは同じです。
現実が変わらないのは、意識が変わらないから。
逆にいえば、意識さえ変えられるならば、どんな現実でも創り出せるということです。
未来には、あらゆる可能性が存在していると知ること。
そして、自分がワクワクする方向へ、大きな決断をすること。
それが、人生を自分の望む方向へ大転換するための秘訣です。
「陰陽の法則」を量子力学で解説すると?
私たちが住む宇宙は「陰陽の法則」で成り立っています。
一般に陰陽の法則は太極図で表せられ、白い部分が陽、黒い部分を陰といいます。
陰陽の法則とは、「森羅万象は陰と陽の2つの要素でつくられている」という宇宙の法則
です。
高橋さんは、量子力学の世界でも、[陰陽の法則]が成り立って
いると述べています。
(前略)デンマークの理論物理学者ニールス・ボーアが提唱する[相補性の原理]があります。これはお互い相反するものがお互いに補い合うという考え方です。
例えば、物質の最小単位といわれる素粒子には「波動性」と「粒子性」の2つの性質(二重性)があることが分かっています。さらに、素粒子は観測されていないと波動性を持ち、観測されると粒子性を持つことも分かっています。波動性とは、素粒子は波の性質を持っていること。
粒子性とは、素粒子は粒の性質を持っていること。このような素粒子の波と粒の二重性は、お互いに相反する性質ですが、これも陰陽の関係だといえます。
また、ドイツの理論物理学者のハイゼンベルクが提唱する素粒子の位置と速度を同時に測定できないという「不確定性原理」も、位置が「静」で速度が「動」のように、陰陽の関係にあるといえるでしょう。
さらに、原子はプラスの電荷を持った陽子とマイナスの電荷を持った電子から構成されています。つまり、原子は、陽子と電子という「陰と陽」から成り立っているということです。さらに、この宇宙の想像のプロセスにおいても[陰陽の法則]が働いています。
宇宙は約138億年前のその誕生の10-36秒後から10-34秒後という超短時間に、極小だった空間が急膨張し、その際に放出された熱エネルギーがビッグバンの火の玉となり爆発して誕生し、膨張し続けているといわれています。これは一般的にインフレーション理論と呼ばれています。
宇宙はこのまま膨張し続けるのか、それともまた収縮して1つになるのか、氷のように固まってしまうのかなど、いろいろな説があります。私は宇宙も素粒子のように振動していると考えていて、膨張し続けた結果、1つに収縮するのではないかと予測しています。
このように1つに収縮するプロセスのことをビッグクランチといいます。宇宙の創生のプロセスは、物質と反物質による対生成、対消滅の繰り返しから始まったといわれています。素粒子で構成されたものを物質、素粒子と反対の電荷を持った反粒子で構成されたものを反物質といいます。例えば、マイナスの電荷を持った電子を粒子だとしたら、反粒子はプラスの電荷を持つ陽電子と呼ばれています。
そして、素粒子と反粒子が1つになって消えてなくなることを対消滅、光から素粒子と反粒子が生成されることを対生成といいます。ところで、なぜ私たちが住む宇宙に物質が存在できるのでしょうか。
もともと宇宙は何もない無の空間でした。これは素粒子と反粒子の数がもともと同じ数だけあったため、素粒子と反粒子が対消滅し、物質も反物質もなくなってしまうため何も存在しないからです。ところが、何かしらの理由で素粒子と反粒子の数のバランスが崩れ、少しでも素粒子の数が半粒子の数より多くなると反物質は消え、物質のみ残ることになります。このようにバランスが崩れることを「CP対称性の破れ」といいます。例えば、素粒子が男性、反粒子が女性だとして素粒子と反粒子の婚活パーティーが開催されたことをイメージしてください。もし、男性と女性が同じ数だけいれば、いずれはカップリング(対消滅)して婚活パーティー会場に誰もいなくなってしまいます。しかし、もし、男性の数が女性の数より多い場合は、最後にカップルができずに残った男性たちが会場に寂しく残るはずです(笑)。
この残った男性たち(素粒子)のグループが物質になったというイメージです。物質と反物質や素粒子と反粒子は相反するものですから、まさに陰と陽が統合して宇宙に物質が誕生したといえるでしょう。まさに宇宙創造のプロセスのインフレーション理論と陰陽が成り立つ易経の考え方は非常に似ているのです。
つまり、私たち人間を構成しているものも素粒子ですから、量子力学における「相補性の原理」と同じように陰と陽の2つの性質を持ち合わせているのが私たちの本質でもあるのです。
どんな人間も完璧な人はいません。ネガティブな面もあるのです。ネガティブなときは陰気、ポジティブなときは陽気といいますが、人は調子がいいときもあれば調子が悪くなり落ち込むこともあるのです。
「ネガティブな部分」があることが私たちの住む宇宙の自然の摂理であり、そもそもなくすことはできないのです。もし、なくしてしまったら宇宙の誕生する前の無な世界と同じようにあなた自身がこの世から消えてしまいます。消し去ることもなくすこともできないのですから、否定せず、受け入れて、大切にしてあげましょう。このような話をすると、「でも、ネガティブだと波動を下げてしまいますよね?」と疑問に思われる人もいるかもしれませんね。
確かに、[引き寄せの法則]の観点からいえば、ネガティブな波動はネガティブな現象を引き寄せるといわれていますので、ポジティブな出来事を引き寄せたいと思ったらポジティブな言葉や前向きな行動は大切です。ただし、「ポジティブは良くてネガティブは悪い」ということは全くありません。あらゆるものは陰と陽のバランスを保つように成り立っているのです。
男性と女性がいなければ人類は存続することができません。もし、世の中が男だけだったらどうなるでしょうか? 違和感がありますよね。男女どちらも必要なのです。
同様に今の日本はなぜ平和なのでしょうか?
それは過去に戦争を体験しているからです。実は、戦争を否定すると平和もなくなります。日本人は戦争の経験があるからこそ、平和の大切さを学び、平和を追求するようになったのです。戦国時代がなければ260年も続く平和な江戸時代もなかったのです。自然界では善悪の概念はなく、この宇宙はどちらにも偏らず、すべてがニュートラル(中庸)なのです。そして、実はこの中庸の状態こそが最も波動が高い状態なのです。ポジティブな自分もネガティブな自分もジャッジせず受け入れているニュートラルな状態こそが、最も波動が高くエネルギーも高いということです。
ネガティブな自分だから波動が低くなるのではなく、そのネガティブな自分に対してマイナスの感情にとらわれているから波動が低くなってしまうのです。太極図では、陰のなかにある陽を陰中の陽といいます。また、陽のなかにある陰を陽中の陰といいます。つまり、ネガティブな部分にもメリットが有り、ポジティブな部分にもデメリットがあるということです。
太極図と同じようにあなたのなかでマイナスだと思っている性格にも良い部分があり、プラスだと思っている性格にも嫌な部分があるのです。光があれば闇があり、男性がいれば女性がいて、山があれば谷があり、陽子があれば電子がある、物質があれば反物質があるのがこの世界の真理なのです。
漫画『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんも言っています。
「バイキンは食品の敵ではあるけれど、アンパンをつくるパンだって菌がないとつくれない。助けられている面もあるのです。つまり、敵だけれど味方、味方だけれど敵。善と悪とはいつだって、戦いながら共生しているということです。」あなたの良いと思っている部分も悪いと思っている部分もあなたの一部であり、あなたが幸せになるために必要な性格であることが分かれば、すべての性格を受け入れ、認め、愛することができるようになります。
まずは、自分のすべてを受け入れ、愛することから始めてみましょう。すると、どんどん自分が好きになり、セルフイメージがアップするでしょう。
『「量子力学的」願望実現の教科書』 第二章 より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊
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(『「量子力学的」願望実現の教科書』 第二章 より抜粋)
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(『「量子力学的」願望実現の教科書』 第二章 より抜粋)
世の中は、すべて「陰」と「陽」つまり、正反対の性質のものからでできている。
この陰陽の法則は、量子力学の観点からみると、真実であることが裏づけられます。
「陰」と「陽」は、必ず2つでセット。
単独では存在できません。
どんな光にも、影は存在する。
どんなポジティブにも、ネガティブな部分は存在する。
どちらにも偏らない中庸(ニュートラル)なときが一番波動が高い。
それを知っているだけでも、この世の中の見え方が変わってきますね。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
これまでスピリチュアルは「科学で解明できないことを説明する分野」だと世間的に認識されてきました。
それぞれ独自の発展をとげた「物理学」と「スピリチュアル」。
交わることがないと思われてきた両者を結びつけるのが「量子力学」です。
科学的根拠のなかったスピリチュアル的な現象に量子力学が答えを与える。
量子力学の理論では証明されているけど、現象としてはまだ確認されていないものをスピリチュアルの法則として説明する。
そんなことが、どんどん起きてくるでしょう。
楽しみですね。
本書は、信じるのにエビデンスが必要な人、理屈っぽい人に特にお勧めの願望実現法です。
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