本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『お金不安ゼロ化メソッド』(しゅうへい)

お薦めの本の紹介です。
しゅうへいさんの『お金の不安ゼロ化メソッド』です。

お金の不安ゼロ化メソッド

しゅうへいさんは、「株式会社むらかみかいぞく」の代表を務められています。
ご自身の経験で培った「個人で稼ぐスキル」をさまざまなSNSで、日々発信されています。

「ダメな自分」でも大丈夫!

30歳を過ぎて、まともに朝起きられず、仮病でサボるのは当たり前。
ついでに、500万円の借金まで抱えている。

そんな自称「ダメ人間」であるしゅうへいさん。
それでも、会社員から独立して年商3000万円の会社経営者になっており、お金の不安はほぼゼロだと述べています。

 たとえば過去のぼく。「成功者は早起きだ。自分も5時起きにしよう!」、そう思って起きられたことは一度もありません。
そもそも「ダメな自分」を直さなくて大丈夫。
ノーベル物理学賞も受賞した、あのアインシュタインがこんな言葉を残しています。
「誰もが天才だ。しかし、魚の能力を木登りで測ったら、魚は一生、自分はダメだと信じて生きることになるだろう」

「ダメな自分」を直そうとするのは、「木登りの練習を続け自信を失い続ける魚」と同じです。
ぼくは「立派な社会人になる」という木登りをやめました。
その代わりに、魚が水の中でスイスイ泳ぐように、「今の自分」のままできることから始めました。

これを読んでいるあなたは、苦手な「木登り」を続けていませんか?
そのせいで自信を失っていませんか?

「借金を返してから」「朝起きられるようになってから」「サラリーマンで成功してから」、こういうことを続けていたら、今のぼくにはなっていません。
そうではなく、「借金があってもできること」「昼に起きても大丈夫な仕事」「フリーランスで幸せになればいい」、という考え方に変えて一歩踏み出しました。

その結果、この本を出版することができ、あなたという読者に出会えました。
もしあなたが、「他人の成功法則を読んでも人生い変わらなかった」という経験があるなら、ぜひこの続きを読んでみてください。

この本では、「成功」ではなく「あなたの成長」にフォーカスしています。
「ダメな自分」で大丈夫です。

もちろん、「何もしなくていいですよ」「イメージしたら全て叶いますよ」という話ではありません。
お金の不安があったり、自分に自信がなかったり、そんな状態からでも「少し頑張ってみようかな」「こんなで自分にもできるかも」と一歩を踏み出す方法を紹介しています。
また、「1億円稼いでセミリタイヤしよう」「お金は悪だ! 田舎でニワトリ飼って自給自足で生きていこう!」という極端な話もしません。
お金も必要。
でも、お金だけにとらわれてもいけない。
ちょうどいい「あなただけのバランス」を見つけるためのコツを紹介しています。
仏教でも「極端はよくない」という教えがあります。
そういった教えを現代語訳した内容とも言えるかもしれません。

なので、「人生変えてやる!」と力まず、リラックスした状態で読んでみてください。
ぼくは住んでいる島の波音が好きです。
どんなに不安でも、イライラしていても、海辺を5分歩くだけでスーッとラクになります。

あなたにとって、そんな波音みたいな1冊になれば、これほどうれしいことはありません。コーヒーのお供に、気になるところからぜひ読んでみてください。

『お金の不安ゼロ化メソッド』  前書き より しゅうへい:著 KADOKAWA:刊

本書は、「ダメな自分」のままでもお金の不安をゼロにできる、これからの時代に不可欠なノウハウをわかりやすくまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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心配事の96%は起こらない!

しゅうへいさんは、あなたのお金の心配をほぼゼロにするために、シンプルな7つの解決策を紹介しています。

そのうちの最初の2つは、「不安はただの妄想」「悩みは紙に書き出すと解決する」です。

 ひとつ目は、「不安はただの妄想」という処方箋です。
借金500万円会社員のとき、「借金500万円、自分の人生は大丈夫かな」という不安を抱えていました。そのせいで現実逃避から布団の中に逃げ込んだり、仕事をサボったり。「借金がなければちゃんと仕事ができるのに」と思っていました。
つまり、不安や悩みのせいで人生うまくいってなかったということです。
でもこの不安というのは、ただの妄想です。妄想といえば、「可愛いモデル級の彼女と温泉デート」など、楽しいことに使うイメージがありますよね。が、人間は弱い生き物なので、この妄想を利用して「やらないといけないこと」から逃げます。
つまり現実逃避のために、不安を利用しているということです。まさにこの原稿をスタバで書いている今、「全然売れなかったらどうしよう」という妄想をして、執筆から逃げようとしているぼくも同じです(笑)。
そもそも、500万円の借金くらいで人生終わることはありません。実際、それ以上にお金を借りている会社員や経営者はゴロゴロいます。また、いきなり500万円の返済を求められることもありません。毎月決まった5〜7万円くらいを払えば、翌月までお財布の平和を維持できます。いざとなれば債務整理という方法で、合法的に借金や利息をカットすることも可能。

当時のぼくは、おこりもしないことを妄想して、勝手に不安になっていただけでした。自分で作り出した悩みで、行動できない自分を正当化していたのです。
これを裏付けるおもしろい研究結果があるので紹介します。
「心配事の96%は起こらない」
アメリカのミシガン大学で行われた研究によると、心配事の80%は起こらない。16%は準備していれば対応可能だそうです。つまり、心配事の96%は実際には起こらないということ。「不安や悩みはただの妄想」ということが研究でも証明されています。

「不安になるな」「ポジティブで乗り切れ」ということを言いたいわけではありません。今あなたが抱えている心配事は、自分で作り出しているものだと知るだけでいいんです。そして、自分で作っているのだから、それをいったんストップさせましょう。
ぼくは、借金完済をとりあえず諦めました。完済せずとも人生は楽しめるし、そういう人は探せばたくさんいます。
「借金を抱えたまま、やりたいことをやればいい」。
そういう考え方で行動を少しずつ変えていきました。その結果、お金のことはなんとかなっているし、年収は当時の10倍になっています。あのまま起こらない不安を妄想し続け、現実逃避を繰り返していたらこうはなっていなかったはずです。

不安を妄想するクセに気づき、少しずつその時間を減らしていきましょう。いきなりできなくても大丈夫です。
「あ、また悩んでいた!」となったら、妄想にブレーキをかけてあげてください。

2つ目は「悩みは紙に書き出すと解決する」という処方箋です。

こんな話があります。
ある事業家が投資に失敗して、多額の借金を抱えてしまいました。その人は絶望して命を絶とうと決めます。でもその前に、自分の置かれている状況を家族に伝えようと、紙とペンを取り出しました。「なぜ自分が命を絶とうとしているのか」「ここまで追い込まれている原因は何か」最後に包み隠さず家族へ伝えようと思ったのです。

そして、すべてを書き上げ後に紙を机の中にそっとしまいました。
次に事業家がとった行動は、家族をディナーに連れていくこと。その夜は家族との時間を思う存分満喫しました。
もちろん、紙に書き出すだけで多額の借金がゼロになったわけではありません。大きな悩みだと思っていたことが、紙に書き出すことで整理されただけです。そして、すぐに解決すべき問題はそこにはありませんでした。
2〜3年かけて、ゆっくり対応したらいい。それがわかったから、その事業家は家族と食事に出かけられたわけです。紙とペンがひとつの命を救ったエピソードです。
悩みが頭の中にあるうちは、その全体像をちゃんと認識できません。これは先延ばしにしている、気が向かない仕事や作業も同じ。
「企画書」「提案書」「確定申告」「8万字の原稿(ナウ)」、文字を見るだけでイヤになりますよね(笑)。でも実際にやってみると、思ったより早く終わったみたいな経験ありませんか? 悩みも全く同じ。紙に書き出すことで、その小ささや少なさに気づけます。

ちなみにぼくは、この方法をブログに活用しました。「マルチ商法で借金」「抑うつ」「朝起きられない」などの悩みをSNSとブログ記事にして発信。1年続けたら、フォロワーが3000人を超えて、ブログ収益は20万円になりました。「悩みでお金を稼いで返済」というすごいビジネスが生まれたわけです。
あれほど悩んでいたのに、今度は仕事に欠かせない武器に・・・・・。今となっては、「何をそんなに悩んでいたのかな」と思い出せない始末です。
いなりブログに書かなくても大丈夫です。まずは悩みを100個紙に書き出してみてください。案外30個くらいで手が止まります。5分くらいでできるので、ぜひやってみてください。

3つ目は「キャッシュフローが回っていればOK」という処方箋です。
「不安は妄想」「紙に書けば解決」と言いつつも、実際問題「お金」は生きていくために必要です。「老後2000万円問題」が気になって、「ちょっとした買い物も不安」という人も少なくないでしょう。
ここで大切になってくる考え方は、貯蓄額よりもキャッシュフローです。キャッシュフローとはお金の流れのこと。収入30万円で支出が25万円なら、キャッシュフローは回っています。収入が30万円で支出が35万円になったら、5万円分貯蓄を取り崩すか借入れする。来月以降もそれが続くなら、固定費を削るか節約して帳尻を合わす。借金があっても「なんとかなるな」とぼくが思えたのは、このキャッシュフローをとにかく意識したからです。キャッシュフローは言い換えれば、「お金の辻褄合わせ」です。
もしキャッシュフローではなく、貯蓄額だけで考えたらこうなります。
一般的に生涯支出は2億円。「2億円の貯金がないから生きていけない」なんて日頃から考えていますか?
とりあえず来月分の食費と家賃が払えれば大丈夫ですよね。確かに一生でみたら2億円は必要になる可能性が高いです。だからといって、「2億円もないから今すぐ人生終わり」なんてことも起こらないわけです。

借金の場合も同じです。500万円の借金でも、毎月の返済は10万円以下でした。
仮に仕事をやめても、月20万円くらい稼げればなんとかなります。つまり、お金の流れを止めなければいいだけ。借金をおすすめするわけではありませんが、本当に足りなくなったら借りればOK。
実際にぼくも、フリーランスになってからリボ払いやキャッシングにお世話になることがよくありました。ア◯ムはズッ友(笑)。
それでも、破綻したり家を失ったりしていません。むしろ収入は10倍になり、借金は減って、人生で初めて300万円の貯金もできました。貯金額や、借金をゼロにすることだけを考えていたら、こうなってはいなかったはずです。
貯金額の少なさ、借金の不安がなくならない人は、ぜひキャッシュフロー管理から始めてみてください。
急に2000万円や2億円が必要になることなんて、ほぼ起こりませんから。

『お金の不安ゼロ化メソッド』 1章 お金 より しゅうへい:著 KADOKAWA:刊

不安は「未来」にあるものです。
まだ起こってもいないことを妄想して、勝手に心配しているだけともいえます。

その不安は、どの程度、現実的なものなのか。

お金についても、問題を可視化して、冷静に判断することが何より大事だということですね。

「サラリーマンは安定している」は幻想!

しゅうへいさんは、サラリーマンが安定しているというのは幻想だと述べ、それを2つのデータから解説しています。

 ひとつ目は、「サラリーマンの給与は全然上がっていないよ」というデータです。
国税庁の『民間給与実態統計調査』によると、サラリーマンの給与は1997年がピーク。今から25年前です。
スマホすらなくポケベルを使っていた時代。ちなみに平均年収は、1997年が467万円で2020年が433万円です。
一方、給与から天引きされる社会保険料は上がっています。大和総研のレポートによると、「二人以上の勤労者世帯」が支払う社会保険料は、1988年は年間で約37万円、2017年は年間で約68万円。金額にしてなんと30万円以上、倍率にして1.8倍以上も増額しています。
つまり給与は増えていないのに控除額は上がっているので、手取り収入は減っています。25年前のほうがお財布の中身は多かったということです。

2つ目は、企業が給与ではなく配当を増やしたというデータ。りそな銀行のエコノミスト・ストラテジスト・レポートによると、2001年から2014年の間で、日本企業の人件費(お給料)の伸び率はわずから2%です。一方、配当金の伸び率はなんと276%。配当とは、企業が株主に還元するお金のこと。
つまり、企業は自社の利益を社員のお給料より、株主配当に優先的に使っているということです。
「頑張って働けば収入が増える」というのは昔の話。頑張っても収入は増えにくいし、増えても税金や社会保険に消えていくのが日本の現状です。

ここに追い打ちをかけるように、少子高齢化に伴う人口減少も控えています。2022年の人口は約1億2500万人。国土交通省のデータによると、2050年には1億人まで減ると予測されています。約30年で2500万人の減少(1年で約80万人)。これはちょうど山梨県の人口と同じです。1年にひとつずつ山梨県くらいの人口が消えていくと考えると、少し怖いですよね。
ただ暗い話をしたいわけではありません。まず社会が変わってきていることを知ることが大切です。その変化に合わせて、働き方も変えていけば大丈夫。
社会が変化しているのに、昔の常識を無理やり当てはめているから、頑張っても報われないということが起こっているだけです。

実はサラリーマンという働き方は100年前からあります。一説によると、サラリーマンが誕生したのは第1次世界対戦直後の1920年くらいとのこと。
つまりぼくたちは、100年前に誕生した仕組みをそのまま今の社会で使っているだけなのです。この事実、よく考えたらすごいですよね。だって100年前と今とでは何もかもが違います。
たとえば移動手段。昔は石炭を燃料にした蒸気機関車が主流でしたが、今は新幹線で楽にそして速く移動できます。お米を炊くのも、いちいち竈(かまど)で火を起こさなくても、ボタンひとつで炊飯器がおいしいご飯を作ってくれます。
100年どころかこの10年でも大きく変わっています。ボタンの多いガラケーから、スマートフォンに大きくアップデート。センターに詰まっているメールを確認することもなくなり、LINEで手軽に連絡が取れるようになりました。
「遠距離恋愛で電話代が大変!」なんてことも、遠い昔の出来事のようです(笑)。

このように、100年間で身の回りの生活やツールは一変していますが、働き方はほとんど変わっていません。労働時間が短縮されたりリモートワークが導入されたりと、多少のアップデートはありますが、蒸気機関車から新幹線、ガラケーからスマートフォンへ、というほどのインパクトはありません。
昔と変わらず、今でもスーツを着て同じ時間に同じ場所で仕事をするのが基本。根本的には100年間ずっと同じなのです。
でも実は、すでにアメリではサラリーマンの働き方が変わりつつあります。
ランサーズでまとめた『フリーランス実態調査2021』によると、2019年時点で、アメリカの労働人口の約35%はフリーランス。つまり3人に1人がフリーランスです。さらに言うと、2027年にはフリーランスとノンフリーランス(会社員)の人口が逆転するとの試算もあります。
「アメリカだけの話でしょ」と思う人もいますよね。
実は日本でもフリーランスは増えています。先ほどの調査によると、2021年の日本のフリーランス人口は副業も含めると1670万人。東京都の人口よりもさらに約300万人も多い数字。これは労働人口の24%に当たります。意外な数字ではないでしょうか?
このように「サラリーマンという働き方が普通」というのは古い考えなのです。
社会の変化に合わせて、アメリカでも日本でもフリーランスは増えています。もしあなたの生きづらさがその働き方にあるなら、少しずつ変えていきましょう。
ここからちょっと耳の痛い話が続きますが、頑張ってついてきてください。

「フリーランスは不安定だ」とよく耳にします。確かにフリーランスは不安定だと思います。でも、「フリーランスだけが不安定」というのは違いますよね。
このご時世、サラリーマンもそこそこ不安定です。
その上で、サラリーマンは「受注先がひとつしかないフリーランス」とも言えます。
つまり、勤めている会社だけが収入の頼みの綱ということ。そう考えると、「フリーランスは不安定、サラリーマンは安定だ」なんてことが果たして言えるでしょうか。
収入が突然ゼロになったら怖いのは当たり前の話。来月から給料が振り込まれなければ誰しもが焦るでしょう。
でも皆さんは「その可能性はゼロじゃないけど、サラリーマンならほぼあり得ないでしょ。突然収入がゼロになるリスクを抱えているのはフリーランスだけ」と思っているはず。それは実は逆。「受注先がひとつしかない」サラリーマンのほうが、突然収入がゼロになるリスクは高いのです。
よく考えてみてください。サラリーマンは勤務先から仕事をもらっているフリーランスのようなものです。
あなたが保険会社A社に勤める営業パーソンだったとします。あなたは「うちの会社の保険を売ってきたら、対価として給料をあげます。たくさん売ったらボーナスも増やしますよ。その代わりうち以外の商品は売らないでね」とA社と契約を交わしている状態。つまり受注先が1社だけなので、A社がつぶれたら仕事はなくなってしまうのです。

『お金の不安ゼロ化メソッド』 2章 働き方 より しゅうへい:著 KADOKAWA:刊

雇用形態のスタンダードが、正社員からフリーランスへ。
この流れは、アメリカのデータからも変わらないどころか、勢いを増しそうです。

フリーランスになったとしても働ける。
正社員の人でも、そんなスキルと心構えを身に着けておくべきだということですね。

「問題点と友達になる」と人生が動き出す!

しゅうへいさんが、どん底の状態から短期間に年収3000万の社長になれた理由。
それは問題点と友達になったからです。

「問題点と友達になる」について、具体例をお話します。改めて、ぼくが抱えていた問題点は次の通り。

・借金を抱えている。
・マルチ商法で失敗した。
・抑うつ

以前のぼくは、これらの問題を敵だと認識していました。「こいつら(過去)のせいで、自分の人生がうまくいかない」と。
そうではなく、「もしかしたら見た目は嫌なやつだけど、中身は案外いやつかもしれない」と思い、勇気を出して声をかけてみたんです。
具体的にやったことは、「借金」「マルチ商法」「抑うつ」をブログでカミングアウト。「自分の中にはこんなやつが潜んでいる」という宣言です。
ブログをFacebookで公開するときは、本当に怖くて手が震えていたのを覚えています。「こんなこと書いたら嫌われるだろうな」と思いながらカミングアウトしたら、多くの人がおもしろがってくれたのです。
そのおかげでブログでもきちんと稼げるようになり、フォロワーもどんどん増えていきました。今となってはSNSの総フォロワーは17万人を超えています。

敵だと思っていた問題点が、気づけば強力な味方になっていました。やったことは、ただブログでカミングアウトしただけです。もちろん全ての人に、このやり方をおすすめするわけではありません。
全世界の人に自分の弱みを公開しなくても大丈夫です。まずは紙に書いてみる。親友や話せそうな友達に聞いてもらう。こういうところからスタートしてみてください。

問題点と友達になるときに、ひとつ知っておいてほしいことがあります。それは、自分ではなく環境を変えるという選択肢です。
先ほどは借金やマルチ商法の話をしましたが、もっと身近な例で解説します。

たとえば、ぼくは時間にルーズなダメ人間です。朝起きられなくて、気づいたら昼過ぎだった・・・・・ということはよくあります。
だから予定が入ると無駄にソワソワします。ちゃんと朝起きられるかなと・・・・・。
サラリーマンのときは特にひどかったです。遅刻したりサボったりすることもよくありました。その度に「やっぱりぼくはダメな人間だな」と落ち込みましたが、全ては環境の問題であることがわかりました。
何が言いたいかというと、自分を変えるより環境を自分に合わせようということです。無理に自分を変えることをせず、サラリーマンからフリーランスへと、環境を変えたからこそ今のぼくがあります。
問題点と向き合うとき、「自分を変えよう!」と意気込んでいたら、朝起きる習慣を無理やり身につけようと思っていたでしょう。でもそれは、自分の苦手な道に突き進むということです。
苦手なことを苦手な環境で続けるというのは、魚が木登りをしようとするようなもの。
魚の能力が発揮される環境は、木の上ではなく間違いなく水の中。まさにサラリーマン時代のぼくは、木登りできずに落ち込んでいる魚でした。

大人になっても苦手なことはそのままにしておきましょう。
無理に自分を変えずに環境を変える。そんな選択肢もあります。
まじめな人ほど「自分を変えなきゃ!」と自分を追い込んでしまうので、この考え方はぜひ頭に入れておいてほしいです。

はじめに言っておきます。このくだりはちょっとだけ汚い話です。
なんの話かというと・・・・・。出すものは出しておかないと不健康になるよという便秘の話(笑)。お食事中の方は、いったん本を閉じて後でまた読んでください・・・・・。
ここまで繰り返し「問題点と友達になろう」と書いてきました。
でもそれはある種のカミングアウトとも言えるので、簡単にできないと思ったとしても、それは当然の感情です。
でもよく考えてみてください。問題点を隠しながら生きるのは不健康かもしれません。
いうなればずっと便秘の状態。出すべきものをずっと我慢しているため、いつか爆発します(笑)。

なぜこんなにしつこく言っているかというと、それでも問題点と友達になれずに隠し続ける人が多いから。
「恥ずかしい」という感情が先に出てしまい、便秘のままずっと過ごしてしまう。そんな人を数多く見てきました。
でもぼくは、我慢せずに出すことの大切さを、身をもって体験しています。
借金があることやマルチ商法にハマっていたことを、隠せば隠すほど人生の幅は狭くなりましたが、逆に明るくカラッと話したり、SNSで発信したりしたら、心からラクになりました。
なんで今まで隠してきたんだろう、もっと早く言えば良かった、と思います。
ややデリケートな話になりますが、うつ病も便秘と一緒です。ぼくの場合は、うつ病だった過去を他人に話したらラクになりました。
もちろん人によって差はあると思います。どうしても話したくない人もいるでしょう。でも「うつ病」は、決してあなたの敵ではないんです。
受け入れて友達になることで、ラクになるかもしれない。または、発信することで「実は自分も・・・・・」と救われる人は大勢いるはず。この点を認識すれば、友達になること、または話す、発信する勇気をもつことができるでしょう。

『お金の不安ゼロ化メソッド』 3章 行動・思考 より しゅうへい:著 KADOKAWA:刊

問題点から目をそらしている間は、その問題点はどこまでも追いかけてきて私たちを苦しめます。

問題点と真正面から向き合うこと。
それ以外、その問題点を根本から解消する方法はありません。

問題点と友達になり、誰かに話してしまう。
それが問題解決の第一歩だということですね。

目を向けるべきは「今」

現状に不満を持ったり、幸せを感じられない。
その大きな理由のひとつが、過去への執着と、未来への妄想です。

しゅうへいさんは、執着と妄想が強い人は、過去と未来に目を向け過ぎだと指摘します。

 本書を読んでいるまさに「今」です。なぜなら、過去も「今」だった瞬間があり、未来もいつか「今」になるから。
本書を読んでいるまさに「今」も、10年後に「あのころは良かったな」という過去になります。未来も同じ。10年前に「10年後こうなったらいいな」と思い描いた未来は、まさに今なんですよ。

何が言いたいかというと、ぼくらは過去も未来も「今」という姿でしか会えないということ。だから大事にするべきは「今」なのです。

「今」を大事にすべきだという話を、もう少し具体的にお伝えします。
皆さんが最近ワクワクしたのはどんなときか、思い出してください。
たとえば、iPhoneの新機種が届くのを待っているとき、デートのために着ていく服を選んでいるときなど。ぼくの場合は電気自動車のテスラモデル3を注文して、それか届くまでの時間はずっとワクワクしていました。

でも・・・・・いずれもそのときがきてしまえば、ワクワクは消え去り普通の日常に戻ります。あんなに待ち焦がれたテスラも、今は届く前ほどのワクワクはありません。
テスラが届けばどんなに楽しいだろうとワクワクしていた未来がまさに「今」なのに、その「今の幸せ」には目を向けようとしないのです。

もちろん未来に期待したり、過去を振り返ったりすること自体が悪いわけではありません。小学校の同級生と昔話をするときのように、そういう時間を楽しむ心は大事です。でもそれ以上に、ないがしろにされがちな「今」に目を向けようというはなし。

これはぼく自身にも言い聞かせています。今この瞬間の幸せって・・・・・本当に見落としがちなんです。
ぼくは今、愛猫のセトさんを膝に抱えながら、母親がいれてくれたコーヒーを飲んでいます。当たり前のようにコーヒーを飲んで、当たり前のようにセトさんをなでながら、この原稿を書いています。
でも実はこの原稿を書き始めたときは、今この瞬間を「幸せだ」と感じていませんでした。でもよく考えると、10年前のぼくからしたら「こうなったらいいな」と思い描いていた未来がまさに今。また、10年後に「あのころは幸せだったな」と振り返ったとしたなら、その過去がまさに今なんです。

このように「今の幸せを大事にしよう」と言っているぼくも、今の幸せは忘れがち。
だから皆さんもぜひ、意外と忘れがちな「今の幸せ」に目を向けてみてください。少し意識するだけで、幸せの見え方は全然違います。

なぜ今の幸せに目を向けられないかというと、人は不満に目を向ける生き物だからです。この点について、仏陀(ブッダ)の考えを元にお伝えしていきます。
ブッダは「一切皆苦(人生は思い通りにならない)」という考えを説いています。人生は基本的に苦しいもので、思い通りにならないという意味です。そのため、人が不満を抱えている状態は普通。だから「今」を幸せに思うことは難しいのです。

この解決策としてブッダは、「諸行無常(全てはうつり変わるもの)」という考えを説いています。世の中のあらゆるものは常に変化しており、同じ状態のものはないという意味です。
でも、ぼくたちは「身の回りにあるものは基本的に変わらない」と認識していますよね。当たり前のように両親は健在で、当たり前のように仕事がある。当たり前のように健康に生きて、当たり前のように雨風をしのげる家があると。
そう思っているからこそ、何かネガティブな変化が起これば「昔は良かった」とか「未来はこうなっていたらいいな」という執着と妄想にとらわれてしまう。これが、不満を抱え「幸せ」だと感じられない根本的な原因です。

だからぼくは、常に諸行無常の精神をもち、人生を次のように考えることにしています。
・安定した仕事や売上なんてものは幻想。
・上がったり下がったりも当たり前
・しんどいこともあればうれしいことも起こる。
・不安定であることが普通の状態。

このように考えれば変化に強い人になることができ、過去や未来にとらわれず今に目を向けられるのです。人生は諸行無常。変化し続けるからこそ、今の幸せに目を向けて生きていきましょう。

「今に目を向けよう!」と言われても・・・・・簡単にできたら苦労しないですよね(笑)。
そう思っている人は、まずはプロセスを楽しむことから始めてみましょう。

ぼくは経営者なので、会社の売上をひとつの指標に置いています。来月はもっと・・・・・1年後はもっと・・・・・というように、右肩上がりで推移するのが理想です。そう思っているので、SNSで「資産〇〇億円」みたいなキラキラした投稿を見ると、正直うらやましく思うこともありますし、普通に嫉妬もします。

そんなときは前述したように、他人ではなく過去の自分と比較することを意識します。そしてもうひとつ、プロセスを楽しむことも意識しますね。

今ぼくは、漠然と売上1億円を目標にしています。単なる数字ですが、経営者である以上、数字は無視できません。でも目標だけを、言い換えると結果だけを追ってしまうと、「今月は先月よりも売上が〇〇万円下がった。先月は良かったな・・・・・」と過去に執着したり、「あるいは「来月は〇〇万円達成したいな〜」という未来を妄想したりしがち。
そんなときにプロセスを楽しみ、ポジティブな見方をします。

・先月より売上が100万円落ちたけど、次の事業を小さくスタートできた。
・フォロワー数が1000人減ったけど、そのおかげでアカウントの方針を変更できた。
・原稿はあまり進まなかったけど、その代わりに文章力の伸び代が見つかった。

こんなふうに「売上1億円」という目標を立てつつも、そればかりに目を向けるのではなく、プロセスを楽しむ。そうすれば自(おの)ずと「今」に目を向けられます。
もちろん目標を追うのも大事なのですが、そのプロセスを楽しむことも大事。ぜひ参考にしてください。

「今」に目を向けるためのポイントをもうひとつお伝えします。
それは「気づく」ことです。瞑想という言葉も、本来は「気づきの実践」という意味です。目を瞑(つぶ)ってジッとすることだけが、瞑想ではありません。
今の自分を観察して、「気づく」ことから始めましょう。
たとえば、久しぶりに実家へ戻ったのに、親と大した会話もせずに帰ったことはありませんか? ご飯を食べているときに母親が話しかけてくれたのに、スマホをイジって適当に返事をする・・・・・みたいなことは誰しもが経験しているはず。
ここで大事なのは、それに気づくことです。後悔するのではなく、「あのときスマホをイジらずに母親の話をきちんと聞けば良かったな」と気づくこと。まずは、そこから始めればいいんです。
これはあらゆる場面で同じことが言えます。
たとえば、
・会社の後輩から相談を受けたけど、ほかの仕事が気になって適当に流してしまった。
・昨日は休みだったのに、嫌だったことを思い出して一日中落ち込んでいた。
・せっかく上司が飲みに誘ってくれたのに、違うことばかり考えていた。
などのように、「気づく」ことはできます。

試しに昨日のことを思い出してください。その瞬間に目を向けず、過去への執着や未来の妄想にふけっていた時間はありませんか? それを後悔して「改善しよう!」と意識し過ぎると息が詰まるので、まずはそれに気づくだけでいいのです。

なぜ気づくだけでいいかというと、ぼくたちには悪いクセが染みついているからです。これは仏教でも言われていることです。

たとえば、ぼくの悪いクセは貧乏ゆすりをしてしまうこと。「しゅうへい、また貧乏ゆすりしてるよ」と友達によく言われます。
でもクセになっているので、ぼくは全く気づかないんですよね。言われてハッとする感じ。「今が幸せではない。何かについて不満がある」という状態もそれに似ています。

つまり、今に目を向けずに過去への執着や未来への妄想にふけってしまうのは、人間に染みついている悪いクセなのです。身体に染みついているクセを、いきなり直すのは難しいですよね?
ぼくも貧乏ゆすりを直せと言われても、すぐには直せません。だから、まずは気づくことが大事。

たとえば、
・母親にアイスコーヒーをいれてもらっておいしかったな。
・カフェでお茶をした帰り道の夕焼けがきれいだったな。
今日はセトさん(愛猫)が布団の中に入ってきてくれてうれしかったな。
などの些細なことでいいんです。

こんなありきたりな日常に目を向けると、「今の幸せ」に気づけます。その気づきが積み上がってくると、段々と「今」に目を向けられるでしょう。

『お金の不安ゼロ化メソッド』 8章 幸せ より しゅうへい:著 KADOKAWA:刊

過去への執着から、後悔や不満が生まれます。
未来への妄想から、不安や怖れが生まれます。

ネガティブな感情から抜け出すために、効果的な方法が「今」に目を向けることだということです。

それに、幸せは「今」にしかありません。

「今、この瞬間」を大切にする。
そんな生き方を心がけたいですね。

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ちょっと前まで「普通であることが当たり前」でした。
しかし、その普通が「普通」ではなくなりつつあるのが、今の世の中です。

私たちが感じているお金の不安も、難しさを増している「普通であること」をいまだに強いる風潮が生み出している部分があります。

これからは、他人と違うことが強みになる時代です。
しゅうへいも、あなたの普通じゃない部分は、あなたの個性であり、それを生かす方法を考えてみることを勧められています。

お金の不安を解消し、自分だけの個性を生かす。

そんな新時代を生きるための福音書とも言うべき一冊をお手にとってみてください。

お金の不安ゼロ化メソッド


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