本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『「量子力学的」強運の方程式』(高橋宏和)

お薦めの本の紹介です。
高橋宏和さんの『「量子力学的」強運の方程式 シンクロニシティが次々と起こる絶対法則』です。

高橋宏和(たかはし・ひろかず)さんは、量子力学コーチです。
学生時代から学び続けられた東洋哲学、成功哲学、心理学、脳科学やコーチングを「量子力学」で解明され、科学的コーチングメソッド「量子力学コーチング®︎」を確立されました。

「量子力学」と「仏教」を掛け合わせた「強運の方程式」とは?

僧侶でもある高橋さんは、これまで20年以上、脳科学、心理学、哲学、宗教などを研究してきました。
そこで気づいたのは、特に東洋思想について学ぶとその根本的な考え方が、量子力学と非常に類似していることでした。

  思想には「東洋思想」と「西洋思想」があります。
西洋思想は左脳的で、白黒はっきりさせるものです。左脳は、言語や論理的思考を司る部分ですから、西洋思想は物事をロジカルにYESかNOで判断し、はっきりとした答えを求めます。つまり、客観的に測定できるもの、測れるものを重視するのは西洋的な考え方です。左脳は、脳波で言うとβ波優位で、心理学では顕在意識を使っています。量子力学的には、目に見える粒子性を持っていると言えます。
一方で東洋思想は右脳的で、曖昧さを認め、言葉の裏に隠された意図や気持ちを読み取ることを求めます。つまり、主観的なセンスや直感、インスピレーションを重視のは、東洋的な考え方です。右脳は、脳波で言うとα波やθ波有意で潜在意識を使っています。感覚や感性など目に見えないものは量子力学的には波動性を持っていると言えます。
粒子性と波動性ーー量子力学的に言えば「E=mc2」と「E=hν」です。

私が脳科学、心理学、哲学、宗教、量子力学などさまざまな分野を学ぶうちに悟ったのは、あらゆる分野は、左の表のように西洋的と東洋的に分けることができるということです(下の図1を参照)。さらに、仏教は、お釈迦さまがネパールに西暦紀元前624年4月8日に生まれてインドで悟りを得て、その教えを弟子たちがまとめたものですが、その教えをヒントに物理学や量子力学が発展した、という事実です。つまり、時系列的に考えても、まず仏教や易経などの東洋思想が数千年前に生まれ、近年、約100年前に量子力学が誕生したという事実から、マックス・プランクやニールス・ボーア、エルヴィン・シュレーディンガーなとの物理学者は、東洋思想をヒントに量子論や量子力学を発展させたのではないかということです。
量子力学は「目に見えないもの」を扱う学問です。物理学者の中には哲学書を読んでいる人も多く、最も哲学的で論理的な教え=思想が「仏教」なのです。
つまり、量子力学と仏教はつながっている、ということです。

そして、仏教を学ぶうちにお釈迦さまが説かれたさまざまなことを知り、私はある仮説に至りました。
それは「この世界はもしかしたらゲーム世界かもしれない」ということです。
仏教の根本教理に「色即是空(しきそくぜくう)、空即是色(くうそくぜしき)」という空の思想というものがあり、意味は「物質的なものは実体を持たず、実体をもたないままでも物質的なものは存在する」というものです。つまり、すべての形あるものや物質的なものは、その本質において実体がなく、空であるという世界観です。

詳しくは本書でお伝えしますが、私はここから「現実はゲームの世界のような作りものであって、それを本物だと思い込んでいるから苦しいのだ」と解釈しました。ゲームだと考えれば人生は楽になりますし、ゲームなのであれば攻略法もまた存在することになります。
本書ではその内容についてお伝えしていきます。

本書の冒頭で運を「不運」「幸運」「強運」の3つに分けました。
それぞれは次のような意味を持っています。

・不運・・・・・思いもよらない悪いことを引き寄せる
・幸運・・・・・思った通りの良いことを引き寄せる
・強運・・・・・思いもよらない良いことを引き寄せる

過去には多くの「運を良くする系」「開運系」の書籍が出版されています。
それらの書籍では「運を良くして思い通りの人生を実現する(引き寄せる)」ということをテーマとして考え方や方法論が語られてきました。私自身も過去の書籍で同じような内容に言及してきました。
ただし、それは「PDCAサイクル」の世界観での話です。
計画し(Plan)、実行し(Do)、検証し(Check)、行動する(Action)で軌道修正と実行を繰り返していくことで、自分の思い通りの人生を実現する(引き寄せる)という考え方でした。
ですが、今の時代はそこからさらに進化しています。
現在のビジネスシーンで提唱されているのは「OODAループ」と呼ばれる考え方です。OODAループは海外の戦闘機パイロットの思考法をヒントに作られたものです。

 観察(Observe)

方向づけ(Orient)

決断(Decide)

行動(Action)

 戦闘機パイロットの世界でも、PDCAで事前に計画を立てるとは思いますが、すべてが計画通りに行くとは限りませんし、その際に検証をしている時間的余裕はありません。
戦闘機が飛んでいるといきなり鳥が飛んできたり、嵐が来たりすることもあります。そのような事態が発生した瞬間にパイロットは状況を観察し、どう対処するかの方向づけを行わなければいけません。そして、数ある選択肢の中からベストと思われるものを選択し、即座に決断して行動します。行動後は起きた事象に対してまた観察を行います。

運も同じで「思い通り」なのはあくまでも事前の計画通りになるPDCAサイクルの話です。
仮に計画通りに行かなかったり、良かれと思ってした行動が裏目に出たりするとイライラしたり、ヤキモキしたり、人によっては落ち込んでしまいます。
そうではなく、運はその先の世界があるのです。
それが「思いもよらない良いことを引き寄せる強運の世界」です。本書ではそれをお伝えし、あなたに目指してもらいたいと思っています。

『「量子力学的」強運の方程式』 はじめに より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊

図1 西洋的 東洋的なものの分類 量子力学的 強運の方程式 はじめに
図1.西洋的・東洋的なものの分類
(『「量子力学的」強運の方程式』 はじめに より抜粋)

本書は、高橋さん自身が実践している量子力学と仏教を掛け合わせた最新の強運引き寄せ方法をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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運を上げるポイントは「陰徳を積む」こと

高橋さんは、運を上げるためのポイントは「陰徳を積む」ことだと述べています。

 陰徳とは「人に知らせず密かにする徳行」のことです。これと反対の言葉に「陽徳」があります。陽徳は「人にあらわにされて喜ばれる徳行」です。
2つの徳行のうち、どちらが大事かと言われるとどちらも大事です。
ですが、より大事なのは陰徳です。なぜなら、表沙汰にすることなく陰でこっそり得を積むことで、それを見ている神様から愛され、応援され、結果的に強運になっていくからです。

ここで1つ、事例を挙げましょう。
ロサンゼルス・ドジャース所属のメジャーリーガー、大谷翔平選手。投手と野手の実力を兼ね備えた「現代の二刀流」であり、2023年のWBCでも大活躍を見せ、サムライジャパンを世界一に導きました。
実力は折り紙つきですが、それ以外にも大谷選手は紳士的な対応や、ファンへの丁寧なサービスなど人柄の良さでも知られています。
そんな大谷選手のエピソードで注目したいのが「グラウンドのゴミ拾い」です。
グラウンドのゴミ拾いは、2015年にチーム(日本ハムファイターズ)の先輩だった稲葉篤紀(いなばあつのり)選手がベンチ前のゴミを拾った姿を見て感動し、その行動を真似て始めたそうです。

しかも興味深いのは、大谷選手はグラウンド以外でのゴミ拾いはすでに行っていて、これを高校生のときから続けていると思われることです。
大谷選手は花巻東高校1年生のときに、将来は「ドラフトで8球団から1位指名される」という目標を掲げ、そのために必要な行動を全81マスの曼荼羅チャートにして細分化しました(下の図2を参照)。
大分類した項目の1つに「運」が入っており、運を上げる行動を8つに細分化したところには「ゴミ拾い」の項目が入っていました。
大谷選手のゴミ拾いは、陰徳の1つです。
もちろん、それが現在の成功の要因のすべてだと言うつもりはありませんが、肉体的・精神的トレーニングや生活習慣など、大谷選手が心がけていることの中に「運」があり、その行動に「ゴミ拾い」があったのはとても興味深いです。
恐らく、大谷選手は人知れず行う善行が運を上げることを知っていたのでしょうし、神様がそれを見ていたのだと思います。

では具体的に陰徳はどうすれば積めるのか、ということになりますが、詳しくは巻末に行動リストを載せていますので参考にしてください。
一例として「誰も見ていないところでトイレ掃除をする」「誰も見ていないところで寄付をする」「誰も見ていないところで先祖のお墓を綺麗に磨く」などがありますが、これら以外にも「人に知らせず密かにする善行」であれば陰徳の範疇に入りますので、あなたが思いついた行動を追加してみるのもいいでしょう。

ただ、前提として覚えておいてもらいたいことがあります。
まず陰徳は「ポイント制である」ということです。良いことを1つ行えばポイントが加算され、逆のことをすれば下がります。
本章の冒頭で「運はどれか1つに固定されているわけではない」とお伝えした理由がこれです。ポイントを貯め続けていれば強運になっていきますし、サボったりポイントが下がることをしていればどんどん不運になっていきます。
もしもあなたが「最近、良くないことが続くな」と思っているとしたら、陰徳ポイントが下がっているか貯まっていない状態ですので、貯める行動をしていくことをおすすめします。

次に、陰徳は「菩薩行(ぼさつぎょう)である」ということです。
菩薩行とはそれ単体の言葉があるわけではありませんが、要するに「自分だけでなく、世の中のすべての人々を救う生き方や行動」だと考えてください。
伊藤忠商事の創業者(初代)、伊藤忠兵衛(いとうちゅうべえ)も「商売は菩薩の業(ぎょう)」を座右の銘として行動し、かの有名な「近江商人の三方よし」を実践しました。
「三方よし」とは、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」という商売をする上での考え方です。
『近江商人に学ぶ』には次のように書かれています。

《伊藤忠兵衛の座右の銘が「商売は菩薩の業、商売の道の尊さは、売り買い何(いず)れも益して、世の不足をうずめ、御仏の心にかなうもの」でした。商売は菩薩の仕事である。つまり仏さまに成り代わって、世間の過不足をうめていく行為を行うのが商人である。したがって仏様の御心にかなうものでなければならない、ということとなるのです》

私は2022年に弘法寺(こうぼうじ)にて小田全眞(おだぜんしん)管長のもとで得度を受け、高橋広徳という法名を授かり、仏門に入りました。そして、そこで「菩薩行は抜苦与楽(ばっくよらく)である」という教えを受けました。
抜苦与楽とはお釈迦さまが説かれた7000余巻の一切経の目的を漢字4文字で表した仏語で、仏教の目的でもあります。
抜苦は「苦しみを抜くこと」で、与楽は「楽しみを与えること」です。

例えば私は経営者向けにエグゼクティブコーチとしてコーチングを行っていますが、これは相手の話を聞いて悩みを紐解き、苦しみを取り除く行為で「抜苦」です。また、コーチングでは、悩みを聞くだけでなく、相手の願望や夢を実現するために、やりたいことを明確化して具体的な行動にまで落とし込み、経営者が実現したいビジョンや目標が達成できるようにサポートするのですが、これは「与楽」に当たる行為となります。カウンセラーやコーチ、コンサルタントのお仕事は、まさに「抜苦与楽」を行っていると言えるでしょう。
他にもゴミを拾ったり、エスカレーターでベビーカーを押す人を助けたり、電車で席を譲ったりする行為は、相手を楽にするので「与楽」です。
また、日本語には「働く」という言葉があります。これは仏教では「傍(はた)を楽(らく)にする=はたらく」として現代まで伝わっています。
これら抜苦与楽の行為は菩薩行であり、陰徳ポイントを貯める行動です。他人を蹴落とす競争社会とは真逆の世界観であり、本当に徳のある人はどうやったら他者が楽になるかを常に考えて行動したり、働いているから成功できるのです。

菩薩行によって神様から愛される・応援される生き方をしている人がいる一方で、悪魔や悪霊にとり憑かれたような人生を送っている人もいます。
他者を蹴落として上に立ち、傲慢になったり、天狗になったり、上から目線だったり、他人を駒としてしか見ないようだったり、果ては驕り高ぶって「自分は神だ」とまで考えるような人たちです。
仏教では、このような人には「魔羅(まら)が憑いている」と言います。
魔羅(マーラとも呼ぶ)とは仏道修行の障害にもなるものであり、お釈迦さまが悟りを開く禅定(ぜんじょう)に入ったときに瞑想を妨げるために現れたとされる悪魔です。煩悩の化身でもあります。
この世界には、魔羅にとり憑かれている人が少なくありません。
そのような人は仮に一時的に成功できたとしても長くは続きません。良かれと思って行動していても、思わぬ不幸が訪れます。急な病気になったり、詐欺に遭ったり、仲間から裏切られたり(社員に横領されたり)します。
普段はとても穏やかで優しい人が、突然怒鳴ったり暴言を吐いたりする場合は、悪魔にとり憑かれている可能性があります。
あえて名前は挙げませんが、有名な成功者の中にも魔が差して傷害事件を起こしたり、不倫などのスキャンダルで転落してそのまま表舞台から消えてしまったり、人生の中でそのような時期があった人が思い浮かぶでしょう。
そういう人は魔羅にとり憑かれている(いた)のです。

神と悪魔について、悪魔にとり憑かれて堕落することについて考えるとき、私は興味深いシンクロニシティを思い出します。
例えば、大ヒット漫画『ONE PIECE(ワンピース)』の空島編にはエネルという敵が登場します。エネルはとてつもなく強く主人公のルフィ以外は触れることさえできないのですが、口癖が「我は神なり」で、その正体はカミナリ人間です。「我は神なり」が「我はカミナリ」にかかっているわけです。しかも、エネルがカミナリ人間になった理由は悪魔の実(ゴロゴロの実)を食べたからです。
他にも、旧約聖書の「創世記」ではアダムとイヴの失楽園(楽園追放)が描かれます。アダムとイヴは蛇に唆(そそのか)され、神様の禁を破って知恵の実を食べ、エデンの園を追放されますが、この蛇の正体は「サタン」です。サタンはユダヤ教・キリスト教において、人間を神の道から逸らせようとする悪魔と同一視されています。

『「量子力学的」強運の方程式』 第2章 より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊

図2 大谷翔平選手の曼陀羅チャート 量子力学的 強運の方程式 第2章
図2.大谷翔平選手の曼陀羅チャート
(『「量子力学的」強運の方程式』 第2章 より抜粋)

運は、一般的に、私たちがどうにもできない、不可解な部分だと思われています。
しかし、実際には、私たちの行いによって、良くも悪くもなります。

菩薩行で徳を積む行いは運を良くし、魔羅に憑かれたような行いをすれば運を悪くします。
仏教でいう「因果応報」の考え方ですね。

「強運の方程式」とは?

「不運」とは、思いもよらない悪いことを引き寄せること。
一方、「幸運」とは、思った通りの良いことを引き寄せることです。

幸運な人が、さらに陰徳を積み重ねていくと「強運」な人になります。

「強運」とは、思いもよらない良いことを引き寄せることです。

高橋さんは、TVゲームの『スーパーマリオ』シリーズで言えばスターを取ったときのような無敵状態で、何をやってもうまくいく状態だと述べています。

 では強運の方程式ですが、強運な人はこれに基づいた人生を送っています。
具体的な方程式は次の通りです。

強運 = 情報量(インプット力) × 行動力(アウトプット力)2

この方程式、どこかで見たことがあると思ったかもしれません。
そうです。強運の方程式の根本には特殊相対性理論の「E=mc2」があります。mは「物質の質量」でしたね。物質の質量が大きいほどエネルギーも比例して大きくなります。
さらに、強運の方程式は次のように細かく分解していくことができます。

・情報量 = 質問力 × 気づき力
・質問力 = 傾聴力 + 確認力
・気づき力 = 五感力 + 直感力
・行動力 = 実行力 + 発信力

文章で書くとわかりにくいと思うので下に図を載せておきます(下の図3を参照)。

強運になるためには「強運になるための情報」が必要です。情報が多ければ多いほどその中から取捨選択ができて、たくさんの選択肢の中から成功への道を歩んでいけるわけです。
では、その情報量を増やすためにはどうすればいいのか?
それが「質問力 × 気づき力」です。

先述の通り、神様は何かしらのメッセージを私たちに送ってくれています。
ですが、受信する側がそれをわかっていなければ意味がありません。受信する側にとってわかっていないこと=観測できていないことなので、それは「波」の状態と呼ぶことができます。
ただ、もしも神様がメッセージを送ってくれていることを認識して、質問力を持って質問して理解しようとすれば、それは意図的に粒化することができるわけです。そして、その情報を持っていればいるほど成功確率は上がっていくわけです。

では、質問力を養うにはどうすればいいかというと「傾聴力 + 確認力」が必要になってきます。傾聴は文字通り相手の話に耳を傾けることです。
別章で解説しますが、傾聴を行うことである一定の偶然性がある情報が連続的に入ってくる「シンクロニシティ」が起こります。

さらに、傾聴力とともに確認力も必要です。
傾聴してたくさんの情報が入ってきたとしても必ずしもそれらが正しいとは限りませんし、人間ですから相手の言い間違いやこちらの聞き間違いが発生します。
だからこそ、入ってきた情報に対して「これは〇〇ということですか?」「〇〇という話も聞きますがどう違うんですか?」というような確認をしなければいけません。

次に「気づき力」についてです。
人生は成長し続けることの繰り返しです。
成長の方程式は「インプット→気づき→アウトプット」のサイクルになっています。これを私は「成長サイクル」と呼んでいます。このサイクルをいかに速く回していくかが成功するためのコツです。
宇宙は情報空間の世界なので、どれだけの情報を持っているかが大事になります。情報とは、良い情報と悪い情報の両方です。たくさんの情報を持っているからこそ速く成長して、強運な人生を送ることができるのです。

ただし、そのためにはインプットした情報から気づきを得なければいけません。
そのための力が「気づき力」です。気づき力は質問力によってインプットした情報から何かに気づく力で「五感力 + 直感力」に分解することができます。
五感とは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5つの感覚です。これが鈍い人は仮に傾聴しても、そこに神様のメッセージを見出すことができません。
逆に磨いていれば、例えば虫が飛んできてもそのヒントに気づくことができます。虫は数字に置き換えると「64(むし)」になりますよね。64は「8(はち) × 8(はち)」で「パチパチ」になり、神様が称賛してくれているメッセージになります。
このようなことに気づけるのです。

そして、五感を磨いていると直感力が鍛えられます。
直感力は言い換えるならば「第六感」と呼ばれるものです。第六感とは、勘やインスピレーションのような理屈では説明できないけれども、物事の本質を鋭くつかむ心の働きのことです。
質問力によって正しい情報をインプットしたあとに五感と直感を働かせることによって、正しい情報の中に秘められた神様からのメッセージに気づくことができるわけです。

インプットし、気づきを得たとしても、実際に行動しなければ現実は変わりません。強運は「強+運」であり、運は「運ぶ」と言い換えることができます。
神様からのメッセージを得たら、最後はそれを行動によって「運ぶこと」をしなければいけません。ですから行動が必要なのです。

行動量は「実行力 + 発信力」に分解することができます。
実行力は文字通り実際に行動し、具現化することです。現実に、成功している人は行動力が半端ではありません。次から次へと何かを起こし、その結果として成功の階段を一歩ずつ上がったり、時にはジャンプアップしていきます。
ただし、行動すればするほど失敗する確率も上がります。逆に何もしなければ失敗もしませんが、その分、得るものもありません。
行動しないと成功しないが、行動したら失敗の可能性も上がるーーこのジレンマを解消するには正しい情報をもとに行動することです。そうすれば成功確率は当然ながら上がります。

発信力は、情報発信をして周囲に影響を与えていくことです。いわゆるインフルエンサー的なアウトプット手法です。
例えばスピーチをしたり、プレゼンテーションをしたり、ブログやSNSで記事を書いたり、YouTubeに動画を投稿したり・・・・・・という発信方法があります。
方法は何でも構いませんが、重要なのは「発信をすることによってさらなる情報があなたにもたらされる」ということです。
あなたが「私はこういうことをしています」「こういうことをしたいと思っています」ということを発信することで「私はこういう方法であなたを助けられます」「それなら、こういう手段がありますよ」という新しい情報が入ってくるのです。

まとめると、強運の方程式は85ページで「強運=情報量 × 行動量2」とお伝えしましたが、言い換えるなら「強運=インプット力×アウトプット力2」にもなります。
この方程式を“知っているか/知らないか”だけでも大きな差です。
知っていれば、今日この瞬間からあなたの周囲のものすべてに変化が起こり、あなたが起こす行動の質も変化するからです。
今まで何気なく行っていたこと、当たり前のように存在していたものすべてが、この方程式を意識することで変化していく感覚を感じてみてください。

『「量子力学的」強運の方程式』 第2章 より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊

図3 強運の方程式 量子力学的 強運の方程式 第2章
(『「量子力学的」強運の方程式』 第2章 より抜粋)

強運になるには、インプット、つまり「強運になるための情報」は必要です。
ただ、それだけでは不十分で、アウトプット、つまり「強運になるための行動力」が求められます。

「強運の方程式」からわかる通り、アウトプットは2乗で効いてきます。
行動を変えることが、強運な人への近道だということですね。

この世界が「ゲーム世界」だと考えられる理由

強運体質になり、運命をいい方向へ変えていく。
高橋さんは、そのためには少し今までと違う視点を持つ必要があると述べています。

その視点とは、私たちが顕在意識によって認識しているこの世界は、実はその範囲にとどまらない「ゲームの世界である」という認識です。

「この世界はゲームの世界である」

高橋さんは、その理由を以下の4つの視点から解説しています。

 1つめの理由は「シミュレーション仮説」です。
スウェーデンの哲学者であり、オックスフォード大学の教授でもあるニック・ボストロムがシミュレーション仮説を提唱しています。私たち人類が生活するこの世界はすべて「シミュレーション・リアリティ(現実と区別がつかないレベルでシミュレートすることが可能)である」とする仮説のことです。

そもそも「現実が錯覚である」とする仮説は古くからありました。それこそ古代ギリシャの哲学者プラトンの時代から存在しています。
ボストロムの仮説では、惑星全体あるいは宇宙全体レベルでシミュレートは可能であり、高度に発達した文明ならシミュレートを実行する可能性が高い、というのです。そのため私たちが実際にシミュレーション世界の中の住民である可能性が高い、というものでした。

ここで、第1章でお伝えした素粒子の話を思い出してください。
すべての物質は原子でできており、原子の中心には原子核があってその周りを電子がグルグルと回っていましたね。
原子のサイズはとても小さくて約1億分の1cm(10のマイナス8乗)の大きさしかなく、原子核はさらに小さくて約1兆分の1cm(10のマイナス12乗)の大きさしかありません。
仮に原子のサイズを東京ドームだと仮定すると、原子核の大きさはパチンコ玉1個分くらいのサイズです。残りの空間は空洞であり、原子の99.9%はスカスカの状態と言えるでしょう。

もう少し話を思い出してみましょう。
原子核は陽子と中性子で構成されていましたね。陽子と中性子はそれぞれ3つのクォーク(素粒子)から成り立っています。改めて言うと、素粒子はすべての物質の最小単位で、大きさは「10のマイナス16乗」m以下です。
そして、素粒子には観測問題によって「波」と「粒」の2つの性質がありました。なぜこのようなことが起こるかはわかりませんが、この世界がゲームであるとするなら、理由づけすることができます。

仮に、この世界がゲーム世界で、私たちがそれぞれ自分のゲームの主人公キャラクターだとするならば、私たちが個々に見ている世界・見ていない世界のすべてを画像処理しなければいけなくなります。
私たちが普段プレイしているTVゲームはゲーム内で処理が行われています。ですが、ゲーム世界すべてがその瞬間に表示されているわけではなく、キャラクターが移動した際に処理され、あたかも世界が1つにつながっているかのように構築されているのです。
これは画像処理に膨大なデータ処理や計算が必要になって、ゲームがフリーズしてしまわないための回避措置です。

ということは、私たちが生きているこの世界もまた、個々が見ている=観測している部分は「粒の性質」であり、見ていない部分は「波の性質」になっていると考えるほうが自然です。
例えば部屋の中にいて、窓から外の景色を見るとします。窓枠で四角く仕切られた内側の範囲にはさまざまな景色が広がっているでしょう。ですが、窓枠の外側=壁に遮(さえぎ)られた範囲は見えません。
そのときに起こっているのは、窓枠の内側だけが粒化していて、壁に遮られた範囲はまだ波の状態を保っている、ということです。
もしもあなたが窓に近づけば、それだけ外の景色が粒化して現れます。代わりにあなたの視界から外れてしまう壁の部分は波化して曖昧になります。たとえ波の状態を確認したいと思っても観測した瞬間に粒化するので、どれだけ速く動いても波の状態は見ることができません。

この世界がゲーム世界ならば、それを作った「ゲームマスター」が存在するはずです。
ゲームマスターにとってはプレイヤーが快適にゲームをプレイすることを望むはずですので、より処理がしやすくなる方法としてこのような観測の有無による素粒子の性質の変化が起こっていると考えることができます。

2つめの理由は1つめの理由を補完するものになります。
アインシュタインの特殊相対性理論の式「E=mc2」を思い出してください。E=エネルギー、m=物質の質量、c=光の速度でした。
エネルギーがあるものは物質に変換でき、物質もまたエネルギーに変換できることを示している式でしたが、この式で不思議なことがあります。

それは「c=光の速度は一定である」ということです。
光の速度は「秒速30万km」で一定です。なぜか一定なのです。
これを「光速不変の原理(光速度不変の原理)」と言います。1887年にアルバート・マイケルソンとエドワード・モーリーによって行われた「マイケルソン・モーリーの実験」で確認されました。
光の速度が一定(不変)であることは、言ってみれば宇宙の定数の1つです。
これをゲーム世界に置き換えると「パラメーター」と呼ぶことができます。パラメーターとは、コンピューター分野における「プログラムを実行する際に設定する指示項目」のことです。

アインシュタインの相対性理論では「光の速度を超えることはできない」とされています。もしも物体の速さが高速に近づくと、その物体は長さが縮んだり、時間の流れが遅くなったりすると考えられています。
SFアニメやSF小説の世界ではこの原理を取り入れて、光速に近い速度で進む宇宙船の中にいるキャラクターが船内で1年を過ごして地球に戻ってくると、地球では数年の時間が経っていた、というような描写が使われます。
このような、光速度に近い速度で運動しているものの時間の進み方が、静止している観測者に比べて遅くなる現象を「ウラシマ効果」と呼んだりもします。
まさに竜宮城から帰ってきた浦島太郎状態です(笑)。

さて、光の速度が一定で、光の速度に近づくほどに時間の流れが遅くなる現象は、ゲームの世界で言えばキャラクターが通常の何倍、何十倍、何百倍ものスピードで移動することになります。
もしもキャラクターが設定の何十倍ものスピードで移動すると、やはりゲーム上では計算が追いつかなくなり、プログラムがバグってフリーズしてしまったり、処理に時間がかかって挙動がものすごく遅くなってしまうでしょう。

私たちの住む世界にも、先にお伝えしたようなゲームマスターが存在しており、光の速度を一定に設定しています。そして、私たち人間の歩行スピードも秒速1m前後に設定されています。
もしもこれを大きく超えるようなことがあって、それが光の速度にまで加速したとしたら、この現実のゲーム世界でも処理が追いつかなくなって時間の流れは遅くなってもおかしくない、と考えられるのです。

3つめの理由は「ホログラフィック理論」です。
この世界が実は0と1のデジタル世界で、宇宙はデジタルの情報空間であるという考え方があります。映画『マトリックス』で救世主として覚醒した主人公ネオが周囲の風景を文字列の立体構造として認識する描写がありますが、あのようなイメージだと思ってください。
ただ、ホログラフィック理論を説明するためには背景の情報が必要です。

イスラエルの物理学者べケンシュタインは「ブラックホールに落ちたモノの情報は消えずに“別の場所”に保存される」と主張しました。
ブラックホールは、恒星が死を迎えることで内側に向かって崩壊し、ほぼ無限の密度を持つ一点にまで凝縮されて誕生します。光も出てこられない暗黒の世界のため、それまで多くの科学者は「ブラックホールに落ちたモノの情報は無限小にまで押し潰されて消滅する」と考えていました。
べケンシュタインはそれに異を唱えたわけです。

べケンシュタインの説では、ブラックホールをシャボン玉に見立てた場合に「内側に入ったモノの情報は外側の虹色が渦巻く球面上に保存される」としました。
当然、学会からは猛反発を食らいました。ですが後にイギリスの理論物理学者スティーブン・ホーキングの研究によって正しいことが立証されました。
さらにべケンシュタインの説は、オランダの物理学者ヘーラルト・トホーフト(ノーベル物理学賞受賞者)やアメリカの物理学者レオナルド・サスキンド(弦理論の創設者の1人)によって押し進められました。

彼らは「この現実世界にあるすべてのモノ・コトは、どこか遠くにある二次元平面に書き込まれたデータの投影に過ぎない」と結論づけたのです。0と1のデータである世界のすべては空間領域の外側にある球面上にコーディングされている、と考えました。
三次元世界の情報のすべてを二次元のスクリーン上に書き込み、そこから再生されるホログラムによく似ていることから、この理論は「ホログラフィック理論」と呼ばれるようになりました。

ホログラフィック理論は仏教でも同様の言葉かあります。
それが「色即是空、空即是色」です。玄奘(げんじょう)(三蔵法師)訳の『般若心経』中の文句で、現代語訳では「物質的なものは実体は持たず、実体を持たないままでも物質的なものは存在する」という意味です。
私はこれを「現実はゲームの世界のような仮想世界(量子力学的には波でもあり粒、仏教的には空でもあり、色でもある)であって、それを本物だと思い込んでいるから苦しいのだ」と解釈しています。

この世界をゲーム世界だと考え、自分をそのキャラクターだと位置付ければ、今の世界にも私たちもTVゲームのような0と1のデジタル情報に過ぎないと考えることができます。
ゲームは基本的にエンターテインメントの側面を持っています。
ですから、色即是空・空即是色もさらに解釈していけば「このゲーム世界には実体がないと考えてみることで、あらゆる苦しみから解放されて人生を楽しむことができる」と考えることもできるわけです。

4つめの理由は「パラレルワールド(多元宇宙論)」です。
パラレルワールドは別名「マルチバース理論」とも呼ばれ、現在でも多くの物理学者の間で議論されています。

第1章でお伝えした二重スリット実験を思い出してもらいたいのですが、観測の有無によって電子が波と粒の両方の性質を持つ話がありました。
観測問題に関しては現在までさまざまな解釈が生まれており、その1つにアメリカの物理学者ヒュー・エヴェレットが1957年に提唱した「多世界解釈(エヴェレット解釈)」があります。
エヴェレット解釈では「ミクロの世界もマクロの世界もすべてが重ね合わせの状態で、確率的に決まる出来事の数だけ世界そのものは多数に分岐している」と考えます。
要するにパラレルワールドが存在している、ということです。私たちが住んでいる宇宙以外の世界がたくさん存在しているかもしれないわけです。

パラレルワールドの存在については現在でも多くの物理学者の間で議論がなされており、アメリカの理論物理学者リサ・ランドール(ハーバード大学教授)は「5次元宇宙論」を提唱しています。
他にも、マサチューセッツ工科大学の物理学者マックス・テグマークは、これを「マルチバース理論(多元宇宙論)」として提唱し、博士は理論的には10の500乗通りの宇宙が存在する、と説いています。

電子が波と粒の両方の性質を持つということは、言い換えれば「観測される前の電子」の位置は、可能性としては多重に存在しているということです。
あらゆる物質はあらゆる可能性として重なり合い、多重化している存在だということにもなりますから、それを観測している観測者=あなたもまた多重に存在していると言えます。
「あなたがその電子を観測している世界」と「あなたがその電子を観測していない世界」が同時に可能性として存在しているわけですから、これは「別世界には別のあなたが存在する」ということでもあります。

この世界がパラレルワールドの1つだとして、それでも私たちが観測しているものは光が反射したものを認識しているに過ぎません。
観測とは、物体に光が当たって反射し、その粒子=光子が私たちの目に入って視神経を通じて脳に伝達され、像として結びついているに過ぎないわけです。
そして、光子はものすごいスピードで点滅しています。あまりにも速いため、連続しているようにしか見えないと思いますが、実は点滅しています。これはブラウン管テレビや液晶テレビでも同じです。電子やLEDが高速で点滅しているのですが、人間には速すぎてそれを認識できません。
つまり、私たちが認識している1つのパラレルワールドは、実体があるように見えて、実は「超リアルな立体映像や仮想現実の可能性が高い」ということです。

『「量子力学的」強運の方程式』 第3章 より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊

私たちは、ある決められた法則(プログラム)で動いている仮想世界に存在するキャラクターにすぎません。
ただ、あまりにもリアルすぎて、「これが現実だ」と信じ込んでしまっています。

私たちが「自分」だと思っている存在は、実は、ゲームの中のキャラクターにすぎません。
だとすると、そのキャラクターを動かしているプレイヤーがいるわけです。
そのプレイヤーが本当の「自分」だということです。

この世界はゲームである。
そして、私たちはそのゲームのキャラクターではなくプレイヤーである。

その視点を持つことが、攻略のカギになるということですね。

「神様からのメッセージ」の存在を知る

この世界がゲームであるなら、そのゲームを創った存在(ゲームマスター)がいます。
私たちは、そのゲームマスターを「神様」とか「源」とか呼んでいます。

高橋さんは、ゲームマスターが設定した「神様に応援されるためのルール」を「8つのルール」としてまとめています。

その中のひとつが『「神様からのメッセージ」を知る』ことです。

 最初に知っていただきたいのは、神様のメッセージは「数」「音」「ダジャレ」に形を変えてヒントとして私たちに伝えられる、ということです。
万物に神が宿りますから、モノや人間もまた神様からのメッセージではありますが、そもそもの側面で言えば、宇宙のルールとして「この宇宙は数と音でできている」のです。

まずは「数」です。
神様からのメッセージは147ページに一覧として載せた数字にそれぞれ込められています。
1〜9、11、22、33の数字は「エンジェルナンバー」と呼ばれる数字群です。日本では、古くから「言霊」といって言葉に魂が宿るとされてきました。

同様に海外では、「数字には意味がある」として、ある一定の数字に込められた意味は、天使からのメッセージであなたにとって意味があったり、あなたと関わりの深い数字だと言われています。エンジェルナンバーと聞くと、最近流行しているスピリチュアルな考え方だと思う方もいるかもしれませんが、実は紀元前6世紀に哲学者ピタゴラスが「万物は数であり、数に意味がある」と考え「ピタゴラス数秘術(すうひじゅつ)」を作り、1から10の数字に意味を持たせたことが始まりだとされています。他にもカバラ数秘術が有名です。
本書では、左の表のように量子力学的な観点の数秘術として、それぞれの数字を元素記号に対応させ、陰陽や星にも対応させています(下の図4を参照)。
それぞれの数字は、原子番号に対応しています。例えば、水素であれば、電子は1つ、陽子も1つしかありません。宇宙は、水素から始まったことから、「新しいことを始める」「新しいことを始めよう」という意味にしています。また、水素は、ロケットを飛ばすための燃料であり、よく燃えます。自らも燃えることから男性性のエネルギーが強く、陰陽では「陽」、また星では「太陽」になります。
一方、ヘリウムは、メッセージとしては「落ち着いて心の声に従う」という意味です。空気より軽く火を近づけても燃えません。したがって、自らも燃えないので女性性のエネルギーが強く、陰陽では「陰」であり、星では「月」になります。

エンジェルナンバーが理解できたら、次は「神様ナンバー」と「自分の運命数」を知りましょう。
神様ナンバーは「8」です。「8」は神様が喜ぶ数字と言われています。
運命数は「数秘術」によって導き出すことができます。数秘術(ヌメロロジー)は数字で運勢を占う占術です。古代ギリシャの数学者ピタゴラスによって体系的にまとめられたと言われており、数秘学と呼ばれることもあります。

数秘術では人間が生まれながらに持っている3つの数字(誕生数秘)を生年月日から導き出し、数字からあなたの本質や強みや目標を読み解きます。
3つの数字とは、強みや得意分野となる「才能数」、人生のメインを表す「本質数」、自ら究めていくものである「探求数」です。
本来の数秘術ではすべての数字を使用しますが、本書では神様ナンバーもありますので「本質数」を求めるだけで構いません。あなたの本質につながることができ、本当の自分とつながることで運をつかめるからです。
これを「運命数」として考えてください。

運命数の計算方法は簡単です。
西暦に換算したあなたの生年月日を足していくだけです。ただし、最終的に11、22、33のゾロ目になった場合は足さずにその数字を運命数とします。
例えば、私の誕生日は「1981年4月30日」ですので、最終的な数字は「8」になります。なんと神様ナンバーと同じです。
計算法は計算サイトで入力すると簡単にわかりますので、まずは自分の運命数を知りましょう。
神様ナンバーと運命数がわかったら、神様からのメッセージを日常の中で探していきます。
時計の時間、自動車のナンバープレート、看板の数字、電話番号の末尾、住所の番号など、日常の中で目についた数字をサッと計算して数を導き出し、147ページに載せた一覧(下の図4を参照)から意味を読み取ります。
例えば、ナンバープレートが「3285」だったら「3+2=5」「8+5=13 → 1+3=4」「4+5=9」という形で「9」を導き出し、9のメッセージを参照するのです。
ふと目についた数字、意識が引っ張られた数字には何かしらの意味があります。
あなた自身に今、どのような状況が訪れているか、数字を通して神様がメッセーしを送ってくれていることに気づくでしょう。

日常の中で数字を探しているときに同じ数字が連続して目の前に現れたら、それは「シンクロニシティ」を引き寄せている証拠です。
シンクロニシティはユングが提唱した概念で「意味のある偶然の一致」という意味です。日本語では主に「共時性(同時性、同時発生)」と訳されます。
シンクロニシティを引き寄せた状態は、その物事と縁があり、神様から「その道で行くとうまくいく(いっている)」というメッセージです。

ここで1つ「岡山」というキーワードで私の実に起こったシンクロニシティをご紹介しましょう。
以前、私はご縁があって岡山県岡山市へ行きました。ご縁をいただいたときにふと気付いたのですが、私の会社の社員2人は“岡山県岡山市出身者”でした。そして岡山を訪れた私はお会いした人から手土産に“黍団子(きびだんご)”をいただき、その次に出会った人と“桃太郎”の話をしました。どちらも「岡山」です。
さらに、その次に出会った人と話をしていると、どうやらその方はクラウドファンディングのあるサービスを利用しているようでした。そのサービス名が「Kibidango(キビダンゴ)」だったのです。
たった1日の間に「岡山」のキーワードでシンクロニシティが起こったのです。

通常であれば「不思議なことがあるもんだ」とそのまま流してしまうでしょう。ですが私はそのときに「きっと神様からのメッセージだ」と受け取りました。神様が「あなたは岡山で何かをしなさい」と言っておられるのだと考えました。
そして先日ある方の誕生パーティに呼ばれて私は再び岡山を訪れました。
とても素敵な結婚式場で、私は一発で惚れ込み「ここで自分のイベントをしたい」と思いました。そこでパーティ後に帰る予定だったところをキャンセルして、会場の経営者と知り合いの経営者の3人でバーへ行くことにしました。

結果、その会場でイベントを行わせてもらうことが決まり、さらに会場内の撮影スタジオを無料で使わせてもらえることになったのです。
今後、私は毎月岡山を訪れることになりますが、それも最初に起こったシンクロニシティを逃さずにつかんだからです。だからこそ岡山で何かをするということが「思い通りになり(=幸運)」、さらに撮影スタジオを無料で使わせてもらえる「思いもよらない良いこと(=強運)」を引き寄せられたわけです。

これは私が特別な人間だからではありません。強いて言うなら神様からのメッセージを見つけることを習慣にし、気づくことができたからです。
神様からのメッセージが存在することを認識し、それを探すことをしていれば、シンクロニシティが起こって、あなたにもあなたにふさわしい強運が引き寄せられるのです。

次は「音」です。
まずシンプルに、モノが落ちたり(ドンと音がする)、音以外にも赤信号ばかりに引っかかったり、いつもの道が通行止めだったり、いつもの電車やバスに大幅な遅延が発生していたりする場合は「やめておきなさい」のメッセージです。

他にも、数は音に変換することができます。
第2章の「強運は『成長サイクル』を加速させる」の項で、五感を磨いて直感力を養っている人は虫が飛んできてもそこに神様の賞賛のメッセージがあることに気づけることをお伝えしました。
直感力があり判断が速い成功者は、こういうことをヒントにして決断しています。他にも、41は「41(よい)」でそのまま「良い」になりますし、728は「728(なにわ)」で浪速に何かしらの縁があったりします。
この世界はゲームだと第3章でお伝えしましたが、このようにゲーム感覚で神様からのメッセージを見つけていくのがメインクエストであり、楽しんでプレイすべきなのがこの人生の生き方なのです。

私がリスト化した音で受け取る神様からのメッセージを次のページに載せました(下の図5を参照)。
あくまでも私の解釈であ理、一例ですので、あなたなりの考えを追加してもらっても構いません。
例えば、69は「69(ろっく)」と読み換えることができます。そこでロックを「ウイスキーのオン・ザ・ロック」ととらえるか「ロック・ミュージック」ととらえるかは人それぞれです。

お酒が好きな人にとっては「帰る途中のバーで1杯飲んで行きなさい」というメッセージに変換できたり、お酒が飲めない人にとっては「好きなロック・ミュージックを聴きなさい」と解釈できます。
他にも6と9は陰陽思想の「陰陽太極図(いんようたいきょくず)(太陰太極図(たいいんたいきょくず)」とも取れるので、「中庸で行こう」というメッセージとしても受け取れます(下の図6を参照)。
重要なのは、このように音でも神様からのメッセージが送られていることを知り、人生はそれに気づくゲームだと認識して生きることです。
ちなみに、宇宙と音の関係については、J・E・ベーレントの著書『世界は音ーナーダ・ブラフマー』に詳しく書かれています。

ここまで読んでみると、あることに気づくと思います。
「メッセージがダジャレっぽい」ということです。正解です。神様はダジャレ好きなのです。
例えば、強運を引き寄せる習慣には「成し遂げたいことを紙に書く」という方法も存在します。他にも、日々の習慣として何かしら気づいたことをメモに残していく方法も存在します。

あなたが本書を読んで実践して、少しずつ運が良くなって、物事がうまくいくようになると心に余裕が生まれます。
そうなったらぜひ紙にやりたいことや気づきを書き留めることを始めてみてください。なぜなら神様にやりたいことや実現したいことを直接オーダーする方法が紙に書くことだからです。
もうお気づきだと思いますが、神様はダジャレ好きなわけですから、神は「かみ」であり「神」です。

『「量子力学的」強運の方程式』 第4章 より 高橋宏和:著 SBクリエイティブ:刊

図4 量子力学的 数秘術 量子力学的 強運の方程式 第4章
図4.「量子力学的」数秘術
(『「量子力学的」強運の方程式』 第4章 より抜粋)

図5 音で受け取る神様からのメッセージ例 量子力学的 強運の方程式 第4章
図5.音で受け取る神様からのメッセージ例
(『「量子力学的」強運の方程式』 第4章 より抜粋)

図6 太極図 量子力学的 強運の方程式 第4章
図6.太極図
(『「量子力学的」強運の方程式』 第4章 より抜粋)

神様は、いつでもメッセージを与えてくれています。
それらを受け取るアンテナの感受性を高めることが、ポイントになりますね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

「量子力学」と「仏教」。

まったく接点がないように見えますが、実は、その本質的な部分は一緒なのかもしれません。

これまでは、どちらもとらえどころがなく、目にも見えないことから、なかなか一般的な理解が得られませんでした。

しかし、これからは「目に見えないもの」を大事にする時代です。
心や精神、意識やエネルギーなどに焦点が当たっていくでしょう。

いずれ、科学の進歩が両者をつなげてくれることでしょう。

私たちも、その日を楽しみにしながら、日々陰徳を積み重ねて「強運道」を突き進みましょう。

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