【書評】『仕事と勉強を両立させる時間術』(佐藤孝幸)

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 お薦めの本の紹介です。
 佐藤孝幸さんの『「要領がいい」と言われる人の、仕事と勉強を両立させる時間術』です。

 佐藤孝幸(さとう・たかゆき)さんは、弁護士・米国公認会計士です。

仕事をしながら勉強時間を確保する方法とは?


 佐藤さんは、入社二年目でバブル崩壊を経験します。
 先輩社員たちが次々とリストラされていく様を見て、危機感を抱きます。

 生き残りのための資格取得の必要性を肌で感じ、仕事を続けながら独学で勉強を始めます。
 そして、弁護士・米国公認会計士・公認内部監査人(CIA)・公認金融監査人(CFSA)・公認不正検査士(CFE)など数多くの資格を取得します。
 
「仕事をしながら勉強時間を確保するにはどうすればいいか?」

 たどり着いた結論は、身の回りのムダをできるだけ減らし、シンプルにしていくでした。

 ノートやITツールの活用は、あくまでも効率化の補助的役割に過ぎません。
 本来改善すべきは日々の仕事や勉強に費やす「時間」に対するコスト意識とのこと。

 本書は、仕事のムダを省き、結果に結びつく効果的な勉強法を身につける方法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「欲」と「危機感」を抱け!


 佐藤さんは、結局やる気や自分の意思でコントロールするなどほとんど不可能だと述べています。

 私がそうだったように、結果を生み出すのは「効率」です。そして、効率を支えるのは、「やる気」と「集中力」です。
 ただ、やる気や集中力は小手先のテクニックなどでは生み出すことはできません。
 やる気と集中力は、「欲」と「危機感」から生まれるものなのです。
「このままだとヤバイぞ」という「危機感」が必然的にやる気を呼び、有無を言わせず集中させる環境を作ります。
 同じように、「あれがほしい」、「これがほしい」という「欲」がやる気と集中力を発揮させるのです。

 おそらくあなたも、仕事や受験勉強で追い込まれたときは、自分でも驚くほどのパフォーマンスを発揮したことがあるのではないでしょうか。
 明日提出しないといけない書類、レポートなら必死にやります。人間、やらなきゃ仕方ないものはやるのです。

 つまり、欲や危機感をいかにして作り出すか、自分をそういう環境におけるか、それがポイントになります。

 『仕事と勉強を両立させる時間術』 chapter 01 より 佐藤孝幸:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

 いわゆる、「アメとムチ」ですね。
 それを、自分自身に対して上手に使い分けるということ。

 やらなきゃいけないような状況に、どうやって自分を追い込むのか。
 それが「やる気」と「集中力」を高めるためのポイントです。

 例えば、「◯◯までに、△△を達成する」と、周囲に公言してしまう。
 それも、ひとつのやり方ですね。

「面倒だ」と思った瞬間、効率は1/2以下になる


 集中力を一気に下げる“タブーワード”、それは、「面倒くさい」です。
 口に出すのはもちろん、思ってしまうだけでもダメとのこと。

 言霊(ことだま)というものがあるかどうかはわかりませんが、目の前のことが面倒だと思った瞬間、気が重くなり、体や頭が動かなくなってしまいます。
 面倒くさいというのは、「それを言ったらおしまいよ」というくらいのタブーワードなのです。

 第一、世の中に面倒でないことなどありません。労をかけずに得られるものなどないのです。
 私の場合、食事をしないでも生きていけるならその方がいいですし、寝なくてもいいのなら寝ない方がたくさん時間をつくることができます。その分、好きな本を読んだり、もっとお金を稼いだりもできるわけです。
 しかし、そんなことは不可能なわけで、しょせんは「もしも」の世界です。
 食事をするのも眠るのも、働くのも、現実として私たちが生きていくには必要不可欠なことであり、それを否定することはできません。

 基本的に、人間は欲望に正直な生き物です。
 そのため怠け者で、どうしても易きに流れてしまうのですが、それをやらない理由にしてはいけないのです。
 どんなことにしろ、どうせやらなければいけないことなのであれば、さっさとやってしまうに越したことはありません。
 嫌だという気持ちの中でやるより、割り切ってしまった方が何倍も楽に、そして早く終わります。
 あまり気がすすまないからこそ、短い時間の中で集中して片付けてしまう。やはりこれが原則なのです。

 『仕事と勉強を両立させる時間術』 chapter 02 より 佐藤孝幸:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

 気がすすまないけど、いつかやらなければならないことをいつまでも抱えている。
 すると、何となく気持ちが重いままで、ますますやる気が起きません。

 嫌なことは、「面倒くさい」と思う前に、さっさと終わらせてしまう。
 そういう習慣を身につけたいですね。

「楽」や「ずる」をして結果を出す方法は存在しない


 「どうすれば勉強に集中することができるか?」

 勉強が習慣化していない人の悩みに対する佐藤さんの答え。
 それは、「やる気が出ない、集中ができないことなら無理してやる必要はない」です。

 集中できないのは、自分がそれほど必要性を感じていないということだからです。

 本当はやる気もないのに、何となくだらだらと続けていくのはいいことではありません。
「結果を出さなくてもいい」というのであれば話は別ですが、そういうわけではないはずです。
 そんな中、モチベーションの低いまま続けてもコストと時間は磨り減っていくばかりですし、それなら方向転換したほうがいいでしょう。
「それでは困る」というのであれば、もっと意識を高く持ってください。
 残念ながら、やる気や集中力はおまじないで高めることはできません。自分自身でコントロールしなければならないものなのです。

 と、あえて突き放した言い方をしましたが、まずは「楽して結果を出そう」なんていう考えは捨てなければいけません。
 自分に合ったやり方というのはいくらでもあるでしょうが、努力をしないで結果を出す方法などありえません。
 可能なのは、結果を出すための労力と、そこにかける時間を必要最小限にすることです。
 適切にポイントをおさえ、労力のかけ方を変えれば、結果が出るまでのスピードも変わります。

 世で結果を出している人で、努力を怠っている人、ずるをしている人などいません。
 いたとしても、それで結果を出し続けることは不可能です。
 自分や自分の目標にとって必要な努力を果たしているからこそ、彼らは結果を出します。

 『仕事と勉強を両立させる時間術』 chapter 03 より 佐藤孝幸:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

 社会人になってからの勉強は、「しなければならないからやる」ものではないです。

 自分が好きなこと、興味を持てることについて学ぶ。
 それが集中力を高めるための秘訣です。

「この資格があると便利だから」
「英語が話せると就職に役立つから」

 そんな理由だけで勉強しても、なかなか長続きません。
 勉強に集中したいなら、モチベーションを上がるものに取り組みたいですね。

ノートなんか作るな


 佐藤さんは、「ノートを作ったことがない」とのこと。
 書くことに気をとられて夢中になると、より大事な、講義の内容の理解に頭を使えないからです。

 講義中は、大事なポイントやキーワードだけを配布されるプリントなどに書き込んで、とにかく先生や講師の人の言っている内容を理解するのに全神経を注ぐべきとのこと。

 同様に、参考書の中身を自分なりにノートにまとめることも「時間のムダ」です。

 本の内容を確認したければ、もう一度本を読んだ方がいいのではないでしょうか。
 最近の本はチャートや図を多用してあり、理解しやすいように工夫されています。
 自分でわざわざ作り直さなくても、プロによるチェックが何重にも入っているわけです。
 だったら、それを確認するのと自分の作ったノートを見直すのとどう違うのか・・・・・と疑問に思ってしまいます。

 何より、私がノートを作らない最大の理由は「書いて」「覚える」というのがあまりにも非効率だと思うからです。
 基本的なこととして、学習するときは「書く」→「音読」→「黙読」という順に時間がかかります。
 つまり、黙読が一番早い学習方法で、書くというのはもっとも時間がかかる方法なのです。

 ですから私が勉強する際は、まず本を黙読し、問題集の解答を読むときなどは声に出して音読するようにしています。
 書いて勉強するというのはほとんどありません。つまり私の中で、紙に書くというのは最終手段なのです。

 『仕事と勉強を両立させる時間術』 chapter 04 より 佐藤孝幸:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

「書く」のは、記録として残してあとで見返すためではありません。
 それよりも、視覚化してその場で頭の中を整理するためのものです。

 ノートをきれいにまとめても、その場で理解できなければ、意味がありません。

「書かないと覚えられない」という固定観念は捨てること。
 その場にあった学習方法を選びたいですね。

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 ご自身の体験に基いた内容ということもあり、実践的なノウハウばかりです。

「科学的な裏づけや理論的なことは別にいいので、すぐにでも効果を出したい」
 そういう方には、すんなり受け入れられる内容です。

 効率よい時間の使い方をする。
 そのためには、「やる気」と「集中力」をどれだけ高められるかにかかっています。
 本書は、そのためのヒントがぎっしり詰まっています。


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