【書評】『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』(中井信之、俣野成敏)

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 お薦めの本の紹介です。
 中井信之さんと俣野成敏さんの『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?〜仕事力を常に120%引き出すイメージ戦略〜』です。

 中井信之(なかい・のぶゆき)さんは、ポージングディレクター・俳優・モデル・イメージコンサルタントです。
 タレントからエグゼクティブビジネスマンまで「表情・話しかた・動作」で個性を活かす技術を指導されています。

 俣野成敏(またの・なるとし)さん(@MatanoAsia)は、実業家・起業コンサルタントです。
 大手時計メーカーから独立後、複数の事業経営をされるかたわら、私塾『プロ研』でサラリーマンの自立を支援されています。

スキルアップより「見た目」の改善!


「外見ではなく、中身で勝負!」
 そう信じている人は多いですね。
 実際、ビジネススキルやノウハウを熱心に身につけようとしている人でも、外見の改善には無頓着な人がほとんどです。

 俣野さんは、そうした日本のビジネス社会にある『外見軽視』を風潮に、疑問を投げかけています。

 帯のキャッチコピーにあった「あなたは第一印象で55%損をしているかもしれない」とは、アメリカの心理学者アルバート・メラビヤンが1971年に提唱、別名、「3Vの法則」「7−38−55ルール」とも呼ばれるメラビアンの法則です。ご存じの方も多いと思います。

  7%が言語情報:言葉そのもののの意味・話の内容等(Verbal)
  38%が聴覚情報:声のトーン・速さ・大きさ・口調等(Vocal)
  55%が視覚情報:見た目・表情・しぐさ・ジェスチャー等(Visual)

 このメラビアンが行った実験は、「視覚」「聴覚」「言語」それぞれ矛盾した情報が与えられた場合に、聞き手がどれを重要視し、話し手の感情や本心を判断するのかという内容でした。
 例えば、「笑いながら叱る」とか、「浮かない表情で褒める」とか。
 前者は、話し手が笑っている以上「叱りの言葉」よりも「笑い」か優先され、聞き手は反省しない。後者は、浮かない表情の与える印象が強く「褒め言葉」が伝わらず、聞き手は落ち込む。
 といった具合に、矛盾の中では視覚・聴覚が言葉より強く作用するというわけです。

 メラビアンの法則があまりにも有名になって一人歩きしてしまったために、このような解釈を目にすると「そんな矛盾は例外的だから、見た目の影響は実はそこまで大きくない」と解釈してしまう人もいるのですが、それはむしろ逆です。つまり、「違和感は見た目に集中する」ということです。
 我々ビジネスマンは、相手がどこに矛盾を持つかを予想できない限り、基本とトレンドを押さえた上で差別化をしなければなりません。
 まさに、ビジネスマンも見た目をマネジメントする時代です。多くの人が無頓着であればあるほど、ビジネスでの効果は抜群です。

 『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』 1章 より 中井信之、俣野成敏:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

 本書は、「見た目」にこだわり、好感度を上げるためのノウハウをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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印象は「動作」で決まる


 人の印象は、体型や顔ですべてが決まるわけではありません。
 もう一つ重要なのが「動作」です。

 私たちの個性とは自分でもコントロールできないようなとっさの動作に出ているのです。優雅で上品な顔をしているのに、会えばセカセカして慌ただしい気持ちにさせる残念な人がいます。反対に平凡な体型や顔のはずなのに、豪快で力強い印象が残る人もいます。これはその人の「動き」によって、顔や体型の持ち味を良くも悪くもしているためです。
 では、いったいどんな種類の「動き」があるのでしょう?
 それは、「大きく」「小さく」「速く」「ゆっくり」のキーワードを掛け合わせた動きに分類できます。つまり、「大きく×速く」「大きく×ゆっくり」「小さく×速く」「小さく×ゆっくり」の4種類です。
 まず、「大きく×速く」ですが、ダイナミックで男性的。元気が良く躍動感や瞬発力があります。動物で言えば、大空を舞う鷲や草原を駆ける馬のようなイメージですね。
 次に「大きく×ゆっくり」ですが、動作は大きいままでも、速度をゆっくりにしただけで印象はガラリと変わります。上品で高貴、その人がいるだけで時間の流れが変わるようです。国の違いを抜きにして王侯貴族が上品に見えるのは、この「動作」を意識しているからだと考えられます。
 では、動作をコンパクトにした「小さく×速く」はどうでしょう? コマネズミのように、あっちに行ったり、こっちに行ったり、人のまわりをチョロチョロと駆け回る様子は、快活でお調子者のように見られます。
 最後に「小さく×ゆっくり」。これは、男性的な「大きく速く」と対になる動作で、4つの中では一番女性的。「小さく×ゆっくり」した男性が優雅に見える一方、やりすぎるとナヨナヨした人だとみられることもあります。

 『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』 1章 より 中井信之、俣野成敏:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

 中井さんは、ビジネスマンなら、4つの動きを相手やシチュエーションに合わせて使い分けることだと述べています。

「首」を正しい位置に戻そう


 どの分野においても、一流といわれる人はみな「姿勢」が美しいものです。

 美しい姿勢の基本は、「まっすぐに立つ」です。
 それができているか自分でチェックするために、「壁に沿って立ってみること」が有効です

 骨盤が正常な位置にあれば、壁と体との接着点は①頭、②肩甲骨、③お尻、④ふくらはぎ、⑤かかとの5点になります。このとき、背骨は綺麗なS字を描いているので、壁と背中の間にはこぶしひとつ分のすき間があきます。
 しかし、骨盤が歪んでいると左記(下図1左を参照)のように真っすぐ立つことができません。
 普通に立ったとき、腰の後ろ側にすき間がたくさんあいている人は、骨盤が前に傾いて内股になりやすいのです。お腹がポコっと出ていて腰痛にもなりやすい立ち方です(下図1中央を参照)。
 反対に、腰の後ろ側はぴたっと壁につくのに、頭が前に出て壁に付かない人がいます。その人は骨盤が後ろに傾いてガニ股になりやすいのです。猫背にもなりやすく、内臓が圧迫されるので、血液の循環が悪く慢性的に疲労感があります(下図1右を参照)。
 腰が後ろにぴったりつく人、大きく空く人は、骨盤が前後に歪んでいる可能性があります。お風呂上がりなど筋肉が緩んでいるときに、体を前屈する、後屈するなど、凝り固まった腰の筋肉のストレッチをしてください。

 『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』 2章 より 中井信之、俣野成敏:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

正しい立ち姿① 第2章P52   正しい立ち姿② 第2章P53   正しい立ち姿③ 第2章P54
図1.正しい立ち姿勢と間違った立ち姿勢 
(『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』 第2章 より抜粋)

 正しい姿勢で真っ直ぐ立つためには、首の位置を正しい位置に矯正する必要があります。

 次に背中を当ててみて、首が前に出ていたり、お腹が出ていたり、肩が前に入っている人のための矯正方法をお教えします。
 特に多いのが、首が前に出てしまう人です。「大後頭孔(だいこうとうこう)」と呼ばれる頭蓋骨と首のつなぎ目が、頭蓋骨のやや後ろ側についているため、重みで前に傾いてしまうのです。ですから、首が前に出るのは自然なことと言えるかもしれません。
 ではこのままでもいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、首が前に出ていると、猿に近いシルエットになります。猿は人間以上に大後頭孔が後ろについています。頭をしっかり首で支えていないと肩も凝ってきてしまいます。
 では、どうしたら、首が前に出るのを防ぐことができるでしょうか?
 そんな時は、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)をほぐしてみましょう。胸鎖乳突筋とは、顔を横に向けたときに、耳の後ろから喉仏にかけて出る筋で、首を曲げたり、左右に回転させる筋肉です。背骨を曲げないように椅子などに座って、頭を後ろにそらして伸ばしたり、直接、筋をつまんで優しくほぐしましょう。唇を突き出し、唇を左右に引っ張ってもほぐれてきます。また、肩を後ろに回して柔らかくしてみてください。

 『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』 2章 より 中井信之、俣野成敏:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

胸鎖乳突筋 第2章P60
図2.胸鎖乳突筋 
(『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』 第2章 より抜粋)

「肩が凝ったな」
 そう感じたときは、胸鎖乳突筋が固くなっているのかもしれません。
 姿勢を正す意味でも、こまめにストレッチしたいですね。

「笑顔」のレッスンをする


「笑顔」は、一瞬で相手の警戒感をとき、存在を受け入れさせる効果があります。
 笑顔を絶やさない柔らかい表情の人には、周囲も話しかけやすいです。

 中井さんは、そんな「笑顔のつくり方」を以下のように説明しています。

 さっそく鏡の前で笑顔を練習してみましょう。
 きれいな笑顔が意識的にできる人は意外と少ないのです。みんな写真を撮ったときに、自分だけぎこちなく映っていてがっかりしたことはありませんか? いかにも「つくり笑い」のように見える人もいれば、目が笑っていなくて、かえって怖い顔になってしまう人、ぎこちない表情で相手に不安を与えてしまう人もいます。

 これから順を追って、「正しい笑顔のつくり方」を説明します。表情筋を鍛えれば、すぐにできるようになります。1日2、3回でいいので、やってみてください(下図3上を参照)。
①おでこのシワを作ったり、眉毛を上下させる前頭筋を上げる
②口角を上げる
③目が細くならないところまで前頭筋を下げる(目を口の端に向かって下げるイメージで)。

 実際にやってみると、目尻を下げる感覚をつかむのは難しいかもしれません。しかしこれができるようになると、どんなときでも、優しそうな笑顔ができるようになります。
 目尻を口の端に近づける感覚をつかむのに時間がかかる人は、次の方法を試してみましょう(下図3下を参照)。
①前頭筋を上げるときに、眉頭(まゆがしら)を指でぐっと上げる。
②指はそのままにして、口角を上げる
③指を額から外し、前頭筋を持ち上げようとした力を解放する。ダラっとするが、それでも眉頭は上がって、目尻だけが下がった顔になる。


 『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』 3章 より 中井信之、俣野成敏:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

正しい笑顔のつくり方① 第3章P98

正しい笑顔のつくり方② 第3章P100
図3.笑顔のつくり方 
(『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』 第3章 より抜粋)


 人間の顔には、30種類以上の「表情筋」という筋肉があります。
 すべての表情は、これらが複雑に組み合わさってできています。

 表情筋も、筋肉ですから、使わなければ衰えてしまいます。
 このトレーニングを続けて、いつでも「さわやかスマイル」を目指したいですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 いつも怒ったような気難しい表情の人と、いつも楽しそうな微笑んだ表情の人。
 一緒にいたい、話しかけたいと思うのは、当然、後者の方ですね。

「見た目」には、私たちが思っている以上に、その人自身のイメージを決定しています。
「人の中身は外見に表れる」ともいいます。
 見た目に気を使うことで、気持ちが引き締まる効果もありますね。

 正しい姿勢や動作、表情は、習慣にしてしまえば、一生もののスキルになります。
 見た目で損をしないためにも、ぜひ、身につけたいものです。


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