【書評】『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』(能町光香)

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 お薦めの本の紹介です。
 能町光香さんの『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』です。


 能町光香(のうまち・みつか)さんは、外資系証券会社や老舗宝飾品ブランドなど数々の企業において、エグゼクティブアシスタント(重役秘書)としてご活躍されています。
 日本人では数少ない、上級米国秘書検定(CAP)合格者として、後進の育成にも力を注いでおられます。

秘書の仕事の本質は、「気づかい」と「心づかい」


 重役秘書を10年以上続けてきた能町さん。
 そのなかで、秘書という仕事の本質は“気づかい”“心づかい”だと気づきます。

 能町さんの考える「気をきかせる」とは、相手の考えや気持ち、ものごとの目的が読めているか、自分本位になっていないかということ。

 嫌みのない、さりげない気づかい。
 それらが積み重なり、誰からも「気がきくなぁ」と言われる人になります。

 本書は、普段の生活の意識や行動でも簡単に実行できる「気づかいの原則」をまとめた一冊です。
 その中からいくつかご紹介します。

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「気をきかせる」ことの本質


 能町さんは、気づかいは相手への立場や考えを思いやること、つまり、相手を「リスペクト」するということが前提となると述べています。

 自分の価値観を強要したり、心のどこかに見返りを求めたりしする気づかい。
 それらは、単なるエゴで、逆に相手を嫌な気持ちにします。

 リスペクトするとは、その人自身の人となりや、していること、またその人の時間や空間など、あらゆることに対して配慮をするということです。
 結局、このリスペクトがあるかないかで、「相手ありき」の態度がとれるかどうかも決まると思います。
 人へのリスペクトを忘れてしまうと、どうしても自分の方向に向いた気のつかい方、「信頼されたいから◯◯する」「好かれたい、感謝されたいから××する」といったことになりがちです。
 だから私の場合、「相手が心地よくいられるにはどうすればいいのか?」ということを何よりも先において考え、余計なことは言わないようにしています。
 気づかいも、度が過ぎればただのお節介。また、控えめすぎても「気のきかない人」。このバランスを上手にとるのが気づかいの妙というのか、技術なのかもしれません。

 『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』 第1章 より  能町光香:著  クロスメディア・パブリッシング:刊

 気づかいは、相手の立場を尊重すること。
 つまり、「相手ありき」が基本となります。

 能町さんは、結局、このリスペクトがあるかないかで、「相手ありき」の態度がとれるかどうかも決まると述べています。

 何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
 バランスの取り方が大事だということですね。

「記号」でその人を見ない、付き合わない


 能町さんは、信頼を得るために一番重要であることは「フェア」であることだと述べています。

 当然、言葉遣いや話し方などは、その人の立場や場所によって変えるべきです。
 ただ、立ち居ふるまいや態度は、変えるべきではありません。

 相手が掃除のおばちゃんであっても、後輩でも同僚でも、上司でも社長でも、基本的なスタンスは変えることなく接するということです。

 私は人を見るとき、必ずその人が誰か(役職・身分・立場)ではなく、その人が何をしているか、どんな人なのか、という視点で見ています。
 だからこそ、人に対して素直に感謝ができますし、尊敬を抱くことができます。
 なぜなら、人の肩書き、立場というのは状況により変わっていくものだからです。
(中略)
 その人をあらわす肩書きとは、ただの肩書きにすぎません。「◯◯会社の社員」「◯◯の妻(旦那)」などなど、そうした冠はそれ以上でもそれ以下でもなく、ただの役割をあらわす記号、ステータスです。
 前提として、その役割に求められる立ち居ふるまいをしなければいけませんが、人と人とのコミュニケーションとなってくれば話は別です。
「この人は◯◯だから付き合う」。「この人は△△の人だから付き合わない」。
 結局、そうした視点で人間関係をつくっていってしまうと、つながりは薄いものになってしまうと思います。
 そして、記号でつながっていた関係はその記号がなくなった途端に切れてしまいます。

 『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』 第3章 より  能町光香:著  クロスメディア・パブリッシング:刊

 相手を一個の人間としてリスペクトし、対等にお付き合いすること。
 簡単なようでいて、なかなかできません。

 立場が上の人には媚びへつらい、立場が下の人には威張って横柄な態度になる。
 世の中には、そんな人も多いです。

 肩書きや役職を超えた関係が、本当の人間関係です。
 相手を肩書きで見なくなれば、自分も相手から肩書きで見られることがなくなります。

「Contribute(貢献する)」の意識をもつ


 能町さんは、本当の意味でフェアな関係というのは、何をしたから何をもらえるというのではなく、「その人にしてあげたいから何かをする」ということだと述べ、その意識を「Contribute(貢献する)」という言葉で表しています。

 人間というのは支えあいです。
 支えあいの循環の中で生きているということは、私がAさんにしたことは、Aさんからは返ってこないかもしれない。でも、別のBさんやCさんから返ってくることもあるのではないでしょうか。
 そう考えると、別に「してあげたことが返ってこないからう人に気をつかうのやめた!」とはならないですよね。

 仕事、生活、恋愛、育児、いろいろありますが、どれも人生の一部です。
 大げさな言い方かもしれませんが、私はどれか一部だけということではなくて、その人の人生の“豊かさ”に対してContributeしたいと思っています。
「~してくれるのは当然でしょう?」という態度は、嫌な感じがしませんか?

 『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』 第4章 より  能町光香:著  クロスメディア・パブリッシング:刊

 たとえば、その雰囲気をよくしたり、ものを渡すときに両手を添えたりすること。
 そんな小さなアクションも、「Contribute」になります。

 見返りを求めて相手に気をつかうのは、本当の意味での気づかいではありません。

 自分から与えたものは、回り回って結局、自分自身に戻ってきます。
「気づかい」も、その例に漏れません。

「決断力の早さ」も気づかいの一つ


 能町さんは、気づかいができる人は「決断が早い」と述べています。

 「相手のことを考えて、より良い方を・・・」

 決断の遅い人は、そのように熟慮しているつもりなのでしょう。
 ただ、度が過ぎると、逆効果になることがしばしばです。

 煮え切らない優柔不断な態度は、相手をイライラさせ、不快な気持ちにさせます。
 決断は、訓練と慣れによる部分が大きいです。

 能町さんは、なかなか決断できない人は、小さなことでも「自分で決める」という意識を持つことが大事だと述べています。

 決断の早い人、時間感覚のある人、スケジュールの組み立てがうまい人などは、日常の生活からタイムリミットを意識して生活しています。
 例えば上司を見ていると、どの人も朝出社してきたら迷わずパソコンに向かい、目にも止まらぬスピードで仕事を片付けていきます。席に座って「何しようかなぁ・・・」ではなく、出勤中に何をどの順番で片付けるか考えているのです。
 そして、席についたらすぐ集中モードに入って、時間を区切りながら作業しています。
(中略)
 一つひとつの仕事をゲーム感覚でやれるので、集中力と効率がとても高くなるのです。

 『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』 第6章 より  能町光香:著  クロスメディア・パブリッシング:刊

 意思決定の早さは、信頼感につながります。
 何か相談を持ち掛けても、その場できっちりした返事をくれない上司には、不安を抱きます。

 意思決定が早く、その場で即断即決できる。
 出世するには、やはり理由があってのだということです。

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 どんな場面でも、さりげない気づかいができる。
 そんな人は、それだけで周りから一目置かれる存在となります。

 気づかいは、やりすぎると「お節介」、やらなすぎると「気がきかない」です。
 そのバランスが、なかなか難しいところです。

 能町さんのおっしゃるように、「気がきく人」になるためには、いかに相手の立場に立って考えて行動できるかです。

「気づかい」は、円滑な人間関係の基本となります。

 自己中心的な態度ではなく、どんな相手にも敬意を払った姿勢で接する。
 普段の生活から、心がけたいですね。

 

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