【書評】『英語は「インド式」で学べ!』(安田正)

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 お薦めの本の紹介です。
 安田正さんの『英語は「インド式」で学べ!』です。

 安田正(やすだ・ただし)さんは、プレゼンテーションや対人対応コーチングがご専門のコンサルタントです。
 大手企業を中心に研修・コンサルティングを通じて多くの役員との交流があり、その分野の著書も多数書かれています。

なぜ、今、「インド式英語学習法」なのか?


 日本の学校教育では、英語を中学校から必修科目として習います。
 にもかかわらず、「英語が話せる」「英語が聞き取れる」という人の割合はあまり多くありません。

「英語を学習している日本人の99%は英語を話せない」
 そんな調査結果もあるそうです。

 安田さんは、その原因は、「従来の日本人の英語の学習方法」が、「日本人には合っていなかった」からだと指摘します。

 私たちの受けてきた「英語教育」は、英単語や英文法の暗記が基本でした。
 安田さんによると、この方法がマッチするのは、「英語と比較的に似ている言語」に限った場合とのこと。

 日本語と英語とは、まったく似ても似つかない言語です。
 文字もまったく違うし、文型も全然違いますね。

 安田さんは、非ヨーロッパ圏で世界標準の英語(グローバル・イングリッシュ)を使いこなしている人々として注目したのが「インド人」です。

 インド人の英語人口は、2020年になるころには、世界で一番多くなると予想されます。
 実際、インド人の英語人口は、1990年代から2000年代の約20年間で、10倍に増えているとのこと。

 安田さんは、「インド式英語学習法」を日本人に学びやすい形に改良を加え、【日本人のための「インド式英語学習法」】を考え出しました。

 インド式英語学習法の特徴は、以下の3つです。

  1. 「発音は気にしない」
  2. 「単語」「文法」など、新しい暗記はしない
  3. 「sound/find/give」の3つの動詞で英文のカタチを作れるようにする
 この英語学習法を行ううえでの前提条件は、「中学校で習う英語の知識を持っていること」、それに「日本語がベラベラなこと」だけ。

 本書は、1日20分×3ヶ月の学習で、「世界標準の英語」が話せるようになる、安田式「インド式英語学習法」を解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「ネイティブのような発音でないと伝わらない」はウソ!


 安田さんは、これまでの日本の英語学習の間違いや思い込みをいくつかの指摘しています。
 その中のひとつが、「発音はネイティブに近づけなければ通じない」です。

「やっぱり英語は発音が大切だよね!」
「日本人が間違いやすい、LとRの発音を、ちゃんと区別できるように練習しています!!」

「英語の発音」については、そんな学習者の声を、非常〜によく聞きます。

 しか〜し、これからの「21世紀の英語(世界標準の英語)」では、「発音」は、まっ〜〜〜〜〜ったく関係なし、なんです!!!

 今、この瞬間に英語を話している総人口の中に、「LとRの発音を区別して話せる人」は、いったい、何%くらいいると思われるでしょうか?

 実は、「発音がネイティブ(英語が母国語の人)的な人のほうが、もはや少数派」なのです! 今や「非ネイティブ(英語以外を母国語として、英語を話している人)」は全体の85%以上ともいわれている時代に入ってきているのです!
 そんな、ネイティブ的な発音ができる人のほうが少ないこの時代に、「誰の英語を基準」にするのか、どんな英語を目指すべきなのか、考え直すときにきているのです。

 つまり、これまでの「ネイティブ的な英語が、よい英語という価値観」を、変える必要があるのです。 もう「ネイティブの発音に近づけよう」などという時代では、なくなってきているのです。
 そんなことに「労力」をかけるのは、もう、やめましょう。

 『英語は「インド式」で学べ!』 第1章 より 安田正:著 ダイヤモンド社:刊

 イギリス人やアメリカ人などのネイティブの使う英語。
 それ以外の国々の人々の間で使われている「世界の標準語」としての英語。

 その両者は、まったく別の言語として捉えた方がいいということですね。

 グローバル・イングリッシュは、どんな言葉を使う国の人たちも使えるように、より普遍的で、より簡単な言語として日々進化を遂げています。

 私たちも、気後れすることなく、積極的に英語でコミュニケーションを取りたいですね。

ビジネスは「英語で話す」が、世界中の常識


 安田さんは、グローバル化の今、英語は、すでに「非ネイティブ」の人たちの共通言語となっている、と指摘しています。

 たしかに、海外旅行のとき、韓国、香港、台湾、上海など屋台のおじちゃん、お土産屋のおばちゃん、そして免税店のお姉さんまで、ごくごく一般の人々が堂々と、「カタコト英語」で話しかけてきます。

 また、ビジネスでもそうです。日本の企業は、中国、台湾、タイ、インドなど、アジアの国々にビジネス進出する場合が多いですよね。 その場合、会話の基本は「ほとんどが英語」です。現地語は、挨拶などを中心に、あくまでも現地の人と仲良くなるために少しだけ使うという位置づけです。

 私の仕事も、まさに、そうです。いろいろな大学でコミュニケーションについて講義する機会が多いのですが、最近はアジア人を中心に留学生が急増しています。
 皆さん日本語はかなり上手いのですが、英語は、さらに、もっと上手い!
 というか、日本に来た留学生でも、「英語はしゃべれて当たり前!」で、その上で、日本語も話す! という感じです。

 私も講義の内容を詳細に説明する際には、彼らに英語で説明しています。
 やはり、日本の中にいても「非ネイティブ同士の共通言語は英語」なのです。時代は変わりました。
 もう、これまでの「英語を話す外国人=欧米人(ネイティブ)」などというイメージは捨ててください。実際、現実は違います。
 ネイティブが15%で、非ネイティブが85%なのです。ですから、「英語=ネイティブの英語」というイメージも、思いっきり、バッサリと、え〜〜〜いっっ!! と放り投げてみてください!!! この「ネイティブの英語」を思い切って捨てた瞬間に、「これからの英語」に出会えます。
 さぁ、ちょっとだけ勇気を持って、新しい英語の扉を開けてみましょう!!

 『英語は「インド式」で学べ!』 第2章 より 安田正:著 ダイヤモンド社:刊

「ネイティブの英語」と、インドをはじめとした非ネイティブで話されている英語。
 その両者は、はまったくの別物です。

 グローバル・イングリッシュを身につけるためには、その意識の転換が必要ですね。

日本語から「英語の文章のカタチ」を作る手順


 日本人がつまずきやすい英語の弱点として、「Be動詞やhaveに代表される、日本語と近い文のカタチで話してしまう」があります。

 安田さんはその理由を、「英語の文章のカタチ」というのは、私たち、日本人には、感覚的にまったく発想できない単語の並び順になっているからだと指摘しています。

 その弱点を克服するための方法が、

「sound/find/give」の3つの動詞で英文のカタチを作れるようにする

 ことです。

 例えば、「sound」という動詞とセットになる英文のカタチは、「A=B」です。

「A sound B」という文のカタチは、「Aは=Bのようだ」

 となります。

 安田さんは、この英文のカタチを用いて日本語を英語に変換するための方法を

 The manager sounds angry (部長は怒っているようだ)

 という例文を使って、具体的な手順を以下のように説明しています。

 このときのポイントは、「部長は怒っているらしいよ」という、この日本語の文章を、

「Aは = B のようだ」というカタチに当てはめて、考えてみることなのです。すると、

日本語:「部長は = 怒っているようだ」

 これは、すごくカンタンに、当てはめることができますね。
 次に、ここから急に、全部を英文にするのはムズカしいので、日本語の単語のまま、「A sound B」のカタチに当てはめて考えてみましょう。
 日本語と英語を組み合わせたカタチなので、これを「日英語(にちえいご)」と呼ぶことにします。

日英語:「部長は sound 怒っている」
      A   =   B

 さぁ、これで、かなり英文に近づきました。もう一息です。

 では、「A」と「B」それぞれの日本語を、英語に変えていきます。

 A の「部長」は「The manager」になります。

 Bの「怒っている」は「angry」になります。
(※この場合「sound」は「The manager」が主語になると、正確には「sounds」と、「s」がつきますが、そのまま「sound」でも、十分に通じます) その英語を当てはめると、下記、

英語:The manager sounds angry.
       A   =   B

で、出来上がりです!

 どうです? 意外とカンタンじゃなかったですか?

 『英語は「インド式」で学べ!』 第4章 より 安田正:著 ダイヤモンド社:刊


A sound B 第4章
図.「sound」とセットで使う英文のカタチ(『英語は「インド式」で学べ!』 第4章 より抜粋)

 日本語から英語に変換するとき、間にワンクッション「日英語」を挟むことがポイントですね。
 何度も繰り返して、日本語と英語のカタチの違いに慣れましょう。

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 多くの時間を費やしたのに、英語を話せるようにならなかった。
 そんな過去のトラウマを引きずって、英語から距離をおいてしまった人も多いのではないでしょうか。

 今の世の中は、すでに「英語が話せない」では通用しない世界になっています。
 日本にも、遅かれ早かれ、グローバル化の波は押し寄せてくることでしょう。

 ただ、ひと口に「英語」といっても、10年前と今では、様相はまったく違ってきました。

 今や、英語を話す人の80%以上は、私たち日本人と同じ、非ネイティブです。
 無用な苦手意識や恥ずかしさは捨てましょう。

 今、全世界で英語を使用する人の数は20億人ともいわれています。
「英語が話せる」というだけで、それらの人たちとコミュニケーションをとるツールを手に入れることになります。

 英語とは名ばかりの「世界標準語」へと進化した“グローバル・イングリッシュ”を身につけて、自分の可能性と活躍の場を一気に広げたいですね。


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