【書評】『死ぬまで元気に生きるための七つの習慣』(山田豊文)

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 お薦めの本の紹介です。
 山田豊文先生の『死ぬまで元気に生きるための七つの習慣 自然的生活のすすめ』です。

 山田豊文(やまだ・とよふみ)先生は、予防医学がご専門の医師です。
 あらゆる方面から細胞の環境を整えれば、誰でも健康に生きていけるという「細胞環境デザイン学」を提唱され、本来あるべき予防医学と治療医学の啓蒙や指導をされています。

自然とともに、細胞の環境をデザインする


 健康で長生きする。
 そのためには、できるだけ自然であること、すなわち「自然“的”生活」の実践が必要不可欠となります。
 山田先生は、自然であることは、そこに何らかの“生命感”を伴うと指摘します。

 人類が誕生するはるか昔、今から38億年前の地球に、最初の生命が誕生しました。その生命は細胞を基本単位とし、その内部に「設計図」を所持していました。設計図は自動的に少しずつ変化するようにつくられていて、その変化を通じて、植物が生まれたり昆虫になったり、ヒトへと進化したりしていきました。
 ヒトの設計図(DNA)がどういう配列になっているかは、現在では全て明らかになっていますが、そこにどんな情報が書かれているかは部分的にしか分かっていません。いわば、使われている文字は解読できたものの、そこに書かれた文章の意味や全容については不明なままなのです。
 ひとつひとつの細胞で営まれている生命活動は、驚異かつ神秘としか言いようがありません。それは、人間の英知をはるかに超えたところにあるものだということを、私たち全てが知っておかなければなりませんし、感覚的なレベルでも、常に想像できるようにしておかなければなりません。
 このため、私たち人間は、細胞の営みを邪魔しないように生きる必要があります。ところが、毎日の食習慣や生活習慣、あるいは生活環境が不自然であると、それは全て、細胞の営みを妨害することを意味します。
(中略)
 そもそも、細胞をつくったのは、地球上に生命を誕生させたのは、人間の手ではありません。「自然」です。であれば、できるだけ自然に食べ、自然に生きることで細胞の環境が整っていくと考えるのが、やはり「自然」なのです。
 逆に言えば、自然から離れていけばいくほど細胞の環境が悪化し、生命活動に支障をきたすようになり、やがては病気になります。だからこそ、多くの現代人が失ってしまった自然的生活を再び取り戻すことが、極めて重要な鍵を握っているのです。
 そして、これからご紹介する健康術のそこかしこに、「生命とは何か」を示す本質がたくさん隠れています。その全てが「自然」だからです。自然を支配しようなどと思わず、細胞たちへの敬意や礼儀も忘れないからです。健康に生きていけるかどうかは、こうしたことにきちんと気づけるかどうかにかかっています。

 『死ぬまで元気に生きるための七つの習慣』 プロローグ より 山田豊文:著 山と渓谷社:刊

 人間も、自然の一部です。
 自然を支配しようとするのではなく、自然と一体化し、寄りそって生きる。
 それが、細胞の生命力を活性化させ、健康に暮らすためのコツです。

 本書は、細胞の生命力をフルに活用し、「自然に食べ、自然に生きる」ためのメソッドをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「パンかご飯か」の二者択一は不自然


 何よりもまず、自然的生活を取り戻す上で鍵となるのが、毎日の「食」です。
 多くの人が普段何気なく行っている食事の中で、不自然な要素の象徴ともいうべきもの。
 それは、「パンを食べる」ということです。

 パンは、日本人の主食ではありません。私たちの主食は「米」です。
 “米を食べると頭が悪くなる――。とこかで見聞きした覚えがあるという人も多いことでしょう。これは、昭和30年代に記された、某医学部教授の著書が発端となっています。そこでは“米を食べる民族はパン(小麦)を食べる民族よりも劣る”という、西洋至上主義的な持論か展開され、栄養学や医学の権威と称する人たちがこれを熱烈に支持したほか、メディアもこぞって取り上げました。いわゆる「米食低能論」を主張したこの本は、増刷を重ねて売れに売れ、日本全土にパン食の習慣が根付いていくことになりました。実際には、「パンを食べると頭が悪くなる」にもかかわらずです。
 時を同じくして、“米やイモ類減らして肉や乳製品をもっと食べよう”というスローガンが掲げられると共に、“米を食べると太る/糖尿病になる”といった間違った常識も刷り込まれていきました。まさに、戦後の余剰食料を何とか「有効」に活用したいアメリカと、それを受け入れた日本政府、さらには栄養学者や食品産業がタッグを組んで進められた、経済戦略の罠だといえます。こんな点だけでも、パンを食べるのは実に不自然です。
 市販のパン、特に包装されてスーパーやコンビニなどで売られているものは、マーガリンやショートニングといった「人を殺す油」の温床となっています。たとえ他の油であったとしても、原材料全体のうち15%も油が使われているといいますから、パン食は高脂肪食にも直結します。それに、その他の添加物もふんだんに使われているほか、塩や砂糖といった調味料も不可欠な存在となっています。後述するように小麦粉を食べること自体にも多くの問題をはらんでいます。
 その半面、米のご飯の材料は米と水だけのシンプルなものです。何の味付けもしませんし、余計な油や添加物とも無縁です。それなのに、水を入れて炊いただけのご飯は、万人がおいしいと感じます。小麦粉と水と酵母だけでもパンをつくることはできますが、それは多くの人にとって味気ないものに映ることでしょう。塩や砂糖、油などを入れないと、万人受けするパンの風味や食味が成り立たないわけです。
 このように、これまで日本で食べてこなかったパンと、何千年もの稲作文化と共にある米のご飯を同一視することは、極めて不自然です。繰り返しますが、この事実におかしいと思わないこと自体が、すでにおかしいのです。まずはこうした背景をきちんと認識した上で、当たり前のことに気づいていってほしいと思います。

 『死ぬまで元気に生きるための七つの習慣』 第1章 より 山田豊文:著 山と渓谷社:刊

 小麦やライ麦などの麦類に含まれるタンパク質「グルテン」が、腸などに悪影響を及ぼすことが、最近の研究で明らかになりました。
 グルテンをまったく含まない食事「グルテンフリー食」が、話題になっていますね。

 日本人には、日本人に適した食事があります。
 日本の伝統的な穀菜食の良さを、再認識する必要がありますね。

少食によるさまざまな「若返り効果」


 山田先生は、自然的生活を取り戻す上で、「いかに食べるか」と同じくらい、あるいはそれ以上に、「いかに食べないか」というのが非常に大切だと指摘します。

 少食や断食には、常に一定の空腹が伴います。
 この「空腹であること」がもたらす健康メリットは、以下の8つに分類できます。

  1. 血糖値が安定する
  2. 消化器官の負担を軽減する
  3. 消化吸収能力が向上する
  4. 良質な睡眠が確保できる
  5. 食事からの有害物質の取り込みが減る
  6. 長寿遺伝子のスイッチが入る
  7. 脳の新たなエネルギー源をつくり出す
  8. 集中力が高まり、頭がよくなる

 また、少食がもたらす「アンチエイジング効果」にも、目を見張るものがあります。
 例えば、台湾で行われた実験では、中年世代のカロリー制限が「筋肉の若返り」に役立ちうることを、ラットの実験で示しています。最初の1週間は通常の1割、次の1週間は25%、残りの12週間は4割のカロリー制限をそれぞれ行い、中年期のラットにあたえたところ、カロリー制限を行わなかったラットに比べて骨格筋の筋肉量が保持されていたほか、筋細胞の機能も向上していたのです。
 また、遺伝子レベルでも若返りの効果があることを、スペインの研究が結論付けています。この研究では、若いマウスに4割のカロリー制限を行ったところ、通常餌のマウスよりも「テロメア」が長く、染色体の変異率も低いままでした。
 テロメアとは、細胞の核に収められている、XやYの形でおなじみの染色体の末端部分のことです。細胞分裂が行われるたびにテロメアが短くなっていき、一定の長さに達すると細胞分裂がストップしてしまいます。このため、一般に、老化とともに全身の細胞でテロメアが短くなっていくことが知られています。
 つまり、少食によってテロメアの短縮が防がれると同時に、老化も防止されるということです。
 このマウスでは、がんの発生率が低かったほか、骨粗鬆症をはじめとする加齢性疾患も少なかったことが分かっています。まさに全身の細胞が若返っている証拠です。
 そして何より、少食は「健康で長生き」につながります。中年期のマウスにカロリー制限餌を4日間、月に2回与えたところ、幹細胞の数にかなりの増加がみられたほか、骨や筋肉、肝臓、脳、免疫細胞など、あらゆる種類の細胞が再生されていたことを、アメリカの研究チームが明らかにしているのです。
 幹細胞とは、細胞分裂によって自分と同じ細胞をつくり出す能力と、別の種類の細胞になる能力を兼ね揃えた細胞のことです。このマウスでは、筋肉量が減少することなく健康状態の改善や寿命延長を示し、炎症性疾患やがんの減少、学習能力や記憶力の向上、骨損失の抑制といった効果もみられたといいます。
 この結果をふまえ、人間を対象に同様の研究が行われました。カロリー制限を月に5日間、3ヶ月にわたって続けた結果、やはり、老化や糖尿病、心臓病、がんなどのリスク要因がいずれも減少していたのです。つまり、動物だけでなく私たち人間でも、少食による若返り効果が同じようにみられたというわけです。しかも、毎日ではなく月に何日かのカロリー制限であっても、これだけの健康効果が得られるというのは驚きです。

 『死ぬまで元気に生きるための七つの習慣』 第2章 より 山田豊文:著 山と渓谷社:刊

 昔から「腹八分に病なし」と言われます。
 科学的にも、それが証明されたということですね。

「いかに食べるか」より「いかに食べないか」。
 健康的な生活には、意識を改革が必要ですね。

少食や断食は「適度な負荷」としても最適


 自然的生活を取り戻すための健康術となるのが、「ユーストレス」です。
 ユーストレスは、ポジティブなストレスのことで、自分を奮い立たせてくれたり、勇気づけてくれたり、元気にしてくれたりするストレスを意味します。

 細胞にとってのユーストレスは、「適度な負荷」です。

 暑い夏に、あえて熱いもの食べる。
 エアコンに頼り過ぎない生活をする。
 エレベーターを使わず、階段を使う。

 これらの負荷は、細胞への刺激となり、全身の活性化につながります。

 そして、皆さんもすでにお気づきかと思いますが、何といっても、「少なく食べること」や「食べないこと」は、細胞にとって最高の「適度な負荷」となります。実際、ストレスタンパク質(HSP)は「飢餓」でも発動することが、そのことを証明しているようなものです。
 1日3食を欠かさない人や、1日0食の経験がない人にとっては、いずれも「不快ストレス」にさえ映るかもしれません。しかし、第2章でもお伝えしたように、細胞たちにとっては待ちに待った「快ストレス」ですので、どうか安心してください。しかも、飲まず食わずの日々を過ごすべきだと言っているわけではありません。一日の食事量や食事の回数を少なくしたり、食べない日をたまには設けたりしようと言っているのです。どちらも決して過剰な負荷ではなく、まくまでも「適度な負荷」です。
 少食や断食は、日常生活の中に取り入れることのできる「適度な負荷」として、とても現実的かつ理想的な要素です。なぜなら、何かを食べたり飲んだりするというのは、年令や性別を問わず誰もが必ず行っていることであり、その延長線上に少食や断食を持ってこられるからです。つまり、何かを新たに始めるのではなく、常に行っていることに少しの変化を加えるだけで済みます。しかも、その健康効果は計り知れないとなれば、取り入れない手はありません。
 繰り返しますが、標高の高いところに簡単には引っ越せませんし、一般の人には素潜りで深いところまで行くこともできません。高熱を出して命を落とすわけにもいきません。そうかといって、生活習慣を抜本的に変えるのも、やはりハードルが高いわけです。
 その点で、少食や断食は誰もが取り入れやすく、普段の生活の中で少しの努力を行うだけで意図的につくり出しやすいものです。日常生活で失ってしまった負荷を取り戻すには、まさに絶好の手法なのです。

 『死ぬまで元気に生きるための七つの習慣』 第3章 より 山田豊文:著 山と渓谷社:刊

 頭で判断するストレスと、体が感じるストレス。
 両者には、大きなズレがあるようですね。

 私たちは、思考を重視するあまり、体からのサインを無視しがちです。

「考える」より「感じる」こと。
 体からサインをどれだけキャッチできるか。

 それが自然的生活をしていくうえで、大きなカギとなります。

「鼻うがい」で鼻呼吸を取り戻す


「生きる」とは「息をする」こと。
 呼吸器の健康は、全身の健康状態を左右するといっても過言ではありません。
 鼻や喉は、呼吸を通じて空気中の異物(細菌やウイルス、花粉、大気汚染物質など)に常にさらされています。
 これらの侵入を阻止するのに中心的な役割を果たしているのが、鼻と喉の中間あたりにある「上咽頭(じょういんとう)」です。
 この部位は、副鼻腔炎や花粉症、アレルギー性鼻炎、風邪、そして粘膜の乾燥といった要因を通じて炎症を起こしやすいとのこと。

 上咽頭の炎症を予防するための方法として有効なのが、「鼻うがい」です。

 副鼻腔炎をはじめ、鼻や喉の健康問題に見舞われている人が、老若男女で増加の一途をたどっています。こうした問題を治せば、これまで完治が難しいとされてきた、心身のさまざまな健康問題も簡単に解決する可能性があります。
 ところが、耳鼻咽喉科での治療といえば、いわゆる「ステロイド」をはじめ、さまざまな抗炎症薬や抗アレルギー薬が処方されるのが常です。これらは、現れている症状を無理やり押さえ込もうとしているにすぎない上に、症状の軽減効果はほとんど期待できません。しかも、その弊害(副作用)は全身に及びます。やはり、現代医療は不自然です。
 そこで私は、「鼻うがい」(鼻洗浄)を強くお薦めします。歯磨きや口のうがい、手洗いは習慣になっている一方で、鼻の奥の異物を取り除くことについては、なかなか意識が向かないのではないでしょうか。空気中の異物の侵入を阻止している上咽頭は、口うがいでは水が届かず、洗い流すことができません。この部分を洗浄するには、鼻うがいが最も効果的なのです。
 特に、万能ミネラルとしてこれまでに何度も登場している「マグネシウム」を用いた鼻うがいが最適です。マグネシウムは、食べ物からだけでなく皮膚や粘膜を通じても(経皮的にも)さまざまな使い方ができる優れものです。そのため、鼻うがいのほかにも、痛みや炎症を和らげる目的で、体への塗布やマッサージ、入浴剤などにも使えます。ぜひ知っておいて下さい。

 『死ぬまで元気に生きるための七つの習慣』 第4章 より 山田豊文:著 山と渓谷社:刊

鼻うがい必要性 第4章P168
図.鼻うがいの必要性
(『死ぬまで元気に生きるための七つの習慣』 第4章 より抜粋)


 塩化マグネシウムは、一般的に「にがり」(豆乳を豆腐に変える凝固剤)として知られ、簡単に手に入れることができます。
 鼻炎などの呼吸器系の不調に悩まされている人はとくに、ぜひ試してみてください。

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 私たちの身の回りには、たくさんの「不自然なもの」であふれています。
 そして、それらを知らないうちに体の中に取りこんでいます。

 世の中が便利になり、技術が進歩して、健康に関する知識も以前とは比べものにならないほど増えました。
 にもかかわらず、病気になる人が減らない、逆に増え続けている。
 その現状は、私たちが「自然的生活」から遠ざかっていることへの警鐘と受け止めるべきでしょう。

 私たち人間も、自然の一部です。
「自然に食べ、自然に生きる」
 その原点に立ち返り、幸せで健康的な生活を取り戻したいですね。


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