【書評】『できる男は超少食』(船瀬俊介)

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 お薦めの本の紹介です。
 船瀬俊介さんの『できる男は超少食―空腹こそ活力の源 !』です。

 船瀬俊介(ふなせ・しゅんすけ)さんは、食品・医療・環境問題に取り組まれているジャーナリスト・評論家です。

「できる人」には、理由があった!


 タレントのタモリさん(69歳)、ビートたけしさん(68歳)、片岡鶴太郎さん(60歳)。
「ジャパネットたかた」前社長の高田明さん(66歳)。

 いずれも、実年齢より若く見え、60歳を過ぎてなお、精力的に活動を続けている方々です。

 彼らの共通点は、「超小食」であること。

 アンチエイジング意識の高まりで、近年、注目を集めているのが、「ファスティング(断食や少食のこと)」です。

 ファスティングは、健康やダイエットだけでなく、集中力が高まる、疲れにくくなるなど、さまざまな効果をもたらすことが知られてきました。

 本書は、ファスティングの効果を解説し、理想的な「一日一食」の生活を送るための具体的な実践方法についてまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「少食」にすると、頭が冴える


 少食の大きな効果の一つは、「頭が冴える」ことです。
 ヨガの教訓には、以下のようなものがあります。

「腹八分で医者要らず」「腹六分で老いを忘れる」そして「腹四分で神に近づく」

 では、「腹四分で神に近づく」とは、いったいどういうことでしょう?
 それは、腹六分よりさらに心身の機能が高まり、最高度に達することを意味します。
 釈迦もキリストもムハンマド(マホメット)も老子も、皆、ファスティング(断食)によって悟りを開いています。悟りとは「宇宙の真理」に目覚めること。それは、まさに究極の叡智です。それまで高度な精神性、霊性に到達する道が小食なのです。
(中略)
 悟りの域にまで到達できなくても、頭脳は極めて高能率で働くようになります。
 私自身の体験でいえば、一日一食で夜10時頃に寝ると、深夜3時頃には目が覚めます。それから執筆を始めると、明らかに脳の回転が違うのです。
 文章がよどみなく湧いてくる。キーボードのミスタッチも少なくなるので、猛烈な勢いで原稿書きがはかどります。
 私は一日に執筆した枚数を400字詰めに換算して記録しています。一日のノルマは50枚です。ところが、一日一食を徹底すると、たちまち80枚の新記録を樹立。さらには96.6枚と約2ヶ月で大幅更新しました。これは、一日一食を実践した人たちに取材して得た共通の感想です。ただ一人の例外もありません。
 安西浩子さん(47歳)。見かけは30歳前後の楚々とした和風美人。彼女は20代まで体調の悪さに悩み、薬漬けの日々でした。その後、食改善と少食生活を始めたところ・・・・・、「頭が冴えて、勉強ができるようになり、34歳で気象予報士試験に受かったんです」
 これは超難関で知られる公的試験です。
「それまで勉強なんかできなかったのに、頭の回転があがっちゃって、どんどん暗記ができるようになったんです(笑)」
(中略)
 ある若い女性は、断食中の不思議な体験を語ってくれました。
 断食道場の近所に古い神社があり、散歩で通りかかったときに何気なく「由緒書」の看板を眺めました。「その後、道場に戻ると、その看板がパッと目の前に浮かび、文字の一字一句まではっきり読めたのです!」。
 この一件をしても、ファスティング(断食や少食)が、頭脳を超能力レベルにまで高めることがわかります。では、なぜファスティングで頭脳が冴えるのか?
 第一人者である山田豊文氏(杏林予防医学研究所所長)の解説は明快です。
「脳細胞がデトックスされるからです。脳神経の汚れが落ち、脳が若返り活性化する」
 日本では65歳以上の4人に1人が認知症だそうです。これは、国が傾きかねない大問題。しかし、認知症患者にファスティング療法を施せば、目覚ましく回復するでしょう。それなのに、向精神薬という化学毒をさらに投与しているのです。狂気の沙汰です。認知症治療にファスティングを取り入れるべきです。

 『できる男は超小食』 第1章 より 船瀬俊介:著 主婦の友社:刊

 食事の回数を減らし、食べる量を少なくする。
 それだけで、執筆する原稿の量が倍になったというのはすごいですね。

 さらには、記憶力が格段に良くなり、認知症の改善効果もあるとは、驚きです。

 ファスティングで、体の中だけでなく、頭の中までデトックス。
 一石二鳥の嬉しい効果ですね。

「一日一食」なら3時間睡眠!


 食べ物を消化するのには、私たちが想定する以上の体力を必要とします。
 毎日三食きちんと食べると、その消化吸収エネルギーは、なんと42.195キロを走るフルマラソンで消費するエネルギーに相当するとのこと。

 少食にすると、食べ物の消化で無駄な体力を消耗しなくなるため、「睡眠時間が短くなる」というメリットがあります。

「ファスティングでショートスリーパーになります」
 山田豊文氏は断言します。
「一日三食、食べると8〜9時間睡眠、二食で6時間、一食なら3時間、無食ならゼロ時間ですね」
 なるほど。だから、一日一食で夜10時に寝れば、3時頃にスッキリ目が覚めるのも当然なのですね。
 甲田医師(甲田光雄医師、少食健康法の大家)も少食効能のひとつに「睡眠時間が短くなる」ことをあげています。
「少食実行者の体質変化で注目されるべきものに、睡眠時間の短縮があげられます。それまで毎晩、8時間眠らなければならなかった人が、5〜6時間の睡眠で足りるようになった、というのです」(『断食・少食健康法』前出 以下同)
 たっぷり食べたあと、眠くなるのは誰でも経験します。消化に血液がとられ、頭に血が回らなくなっているのです。
(中略)
「昼食後すぐに開かれる講演会などでよく見られる“船こぎ”は、恐らく、過食者がその大半を占めているに違いない」と甲田医師。たとえば、甲田医院に入院していたK夫人。講演会に出席すると、毎回、決まったように居眠りをします。話が始まって30分もすると、堪えられないほどの睡魔に襲われるのです。
「このK夫人が断食療法を行って相当量の宿便が排泄され、その後、玄米少食の回復期に入ったとき、ある講演会に出席されました。すると驚いたことに、講演の途中、少しも眠らずに最後までしっかり聞くことができたというのです。従来の大食癖でいかに時間を浪費ししていたか、このとき痛切に思い知らされたのです」
 甲田医師は、よく食べる人ほど居眠りをする理由を次のように解説しています。
「過食によって、胃腸をはじめ、肝、心、腎などに負担が増大することは疑う余地がありません。それによって必要以上に疲れ、その疲労を回復するために当然、睡眠時間が長くなると考えられます」

『できる男は超小食』 第1章 より 船瀬俊介:著 主婦の友社:刊

 誰にも経験がある、昼食直後の倦怠感。
 原因は、「昼食の食べ過ぎ」にあったのですね。

 食べ物を消化することは、人間の体にとって、それほど大きな負担だということ。
 睡眠時間が一日に食べる回数や量によって大きく左右されるのも、うなずける話です。

まずは、「朝食抜き」から・・・・


 さまざまなメリットがある「一日一食」。
 とはいっても、一日三食しっかり食べていた人が、いきなり、一日一食にするのは、ハードルが高いです。

 船瀬さんは、ファスティングの第一歩として、「朝食を抜くこと」を勧めています。

 まず、朝ごはんから抜く。これはファスティングの常識です。
一日三食しっかり食べていた人が、いきなり一食にするのはむずかしい。
おなかが減って当然です。だから、まず朝食抜きの一日二食から始めましょう。午前中、おなかがすいて我慢ができなくなったらお茶や水を飲みます。コーヒーや紅茶は砂糖、ミルク抜きで。糖分が多すぎる缶コーヒーはNGです。
前日の夕食から、翌日の昼食まで18時間以上あいていることが大事です。これは胃が完全に空になる時間を作って、休ませるためです。前日の夕食が19時だったら、翌日の昼食は13時ということになります。
ところで、「腹が減った!」と感じたとき、脳はどう働いているのでしょうか?
脳の奥深く「視床下部」といわれる場所に食欲をコントロールする「摂食中枢」(食べるように命令する)と「満腹中枢」(食べるのを止めるように命令する)があります。
そして、空腹感と満腹感を決定するのが血液中の血糖(グルコース)値です。(下図を参照)
摂食障害という病があります。いくら食べても満腹感が得られず、果てしなく食べ続けてしまう過食症。あるいは、ずっと何も食べなくても空腹感を感じない拒食症です。
これは「空腹」と「満腹」のサイクルが壊れた状態です。
(中略)
さて――、朝ごはんを抜くことを、別名、半断食といいます。
日頃から、朝、昼食を食べない私にとっては、まったくあたりまえのことなのですが、この朝食抜きだけでも、トンデモナイ!と拒絶する人がいます。
現に、朝食を抜いただけで、手が震える人がいます。これは、低血糖ショックといわれる状態です。血糖値が急激に下がったため手が震えたり、フラフラしたりするのです。そういう人は、すでに糖尿病体質になっています。この体質の人は、ふだんから血糖値が高めなのですが、朝食を食べないことで、急激に血糖値が下がり、ショック状態になるのです。こういう人は、朝食抜きはストップ。まず、朝食を半分に減らしましょう。そして約1ヶ月かけてゆっくり朝食抜きの生活にシフトするのです。
とにかくファスティングは、無理せず気楽に、が大切。鼻歌まじりでやるくらいがちょうどいいのです。

 『できる男は超小食』 第2章 より 船瀬俊介:著 主婦の友社:刊

食欲のコントロール 第2章P72
  
図.食欲のコントロール (『できる男は超小食』 第2章 より抜粋)


 ファスティングを習慣にするためには、「空腹」と「満腹」のサイクルを正常に回すことがカギ。

 一日三食の人は、つねに胃の中に何か食べ物がある状態です。
 つまり、血液中の血糖値が下がらない状態が24時間続いているということ。

 血糖値が下がった状態にするためには、「空腹」、つまり、胃を完全に空にする必要があります。
 そのためには、18時間以上、食べ物を口にしない時間をつくることが重要なのですね。

キーワードは「ひらがな食」と「まごわやさしい」


 1977年にアメリカで発表された、食と健康についての報告書「マクガバン・レポート」(M報告)。
 そこには、「先進国に多いがん、心臓病、糖尿病、肥満、神経病など、すべて食べ間違いが引き起こしていた」という衝撃の事実が記されていました。

 誤った食事とは、高カロリー、高たんぱく、高脂肪、高精白、高砂糖の、いわゆる、“5高”食のこと。

 一方、同レポートで、「理想的な食事」として挙げられているのが、日本の伝統食です。

 私は、ずっと「カタカナ食」から「ひらがな食」へ、と呼びかけています。
 つまりは洋食から和食へ――。
 前出のM報告では、和食は人類が到達した理想の食事と結論づけています。2013年、和食は世界遺産にも登録されました。それは和食が健康面からも、文化面からも世界トップの料理だということです。
 理想の「ひらがな食」は、もう有名ですね。
「まごわやさしい」――「豆類」、「ごま」、「わかめ」(海藻類)、「野菜」、「魚」、「しいたけ」(茸類)、「いも」。これらを毎日食べれば、まさに健康間違いなし。それは、高カロリー、高たんぱく・・・・・など、洋食の“5高”食に対して、“5低”食です。
 多くの食品研究家が同じ主張をしています。
 たとえば幕内秀夫氏も『粗食のすすめ』(東洋経済)で次のように主張しています。
「カタカナ食がすべて悪いわけではありません」と断りながら、「食品を選ぶときのめやすとしてラクチン」と言います。さらに「油や肉類をとる量もぐんと減ります」。
●パン→ごはん、●ラーメン→日本そば、●スパゲッティ→うどん、●ピサ→お好み焼き、●サンドイッチ→おにぎり、●カレーライス→ざるそば、●ピラフ→炊き込みご飯、●シチュー→煮込み、●スープ→みそ汁、●ハンバーグ→がんもどき、●魚のムニエル→焼き魚、●魚のマリネ→しめサバ、●フライ→てんぷら、●オムレツ→卵焼き、●ピクルス→ぬか漬け、●ハム→ちくわ、●チーズ→納豆、●サラダ→おひたし、●ヴイヨン→だしの素・・・・。どうです。具体的なイメージが湧くでしょう。
(中略)
 現代サラリーマンの食事は、カレー、ハンバーガー、フライなど、ほとんど「カタカナ食」ではないでしょうか?
「カタカナ食」(洋食)は、なぜ怖いか?
 鶴見隆史医師(鶴見クリニック院長)が警告しています。
「アメリカ人男性の心臓病の死亡率は、中国人男性の17倍! 94年頃までは動物性たんぱくをずいぶん食べていたからね。これこそ、史上最悪の発がん性物質なんです」
 これは、コリン・キャンベル博士の『チャイナ・スタディ』(前出)の衝撃事実。ちなみにアメリカ人女性の乳がん死亡率も中国人女性の5倍。肉食、動物性たんぱくのとりすぎの結果です。洋食=肉食といっていいほど、彼らは肉を食べます。その結果がこれなのです。

 『できる男は超小食』 第3章 より 船瀬俊介:著 主婦の友社:刊

 日本人の長寿は、世界的にも有名です。
 その源は、健康的な食生活にあったのですね。

 ファスティングで食事の量が減るからこそ、食べ物の質にはこだわりたいところ。

 カタカナ食からひらがな食へ。
 食材選びは、「まごわやさしい」。

 普段の食生活から、心掛けたいものです。

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 現代は、「飽食の時代」と呼ばれています。

 24時間365日、買いたいときに買え、食べたいときに食べられる。
 そんな便利な社会を象徴した言葉ですね。

 一方で、食べ物に囲まれた生活は「空腹」でいることを困難にします。
 本当の意味での空腹状態をつくり出すためには、意識して「食べない」ことを選択する以外にありません。
 そのための最も効果的で手軽な方法が「ファスティング」です。

 一日の食事の回数と量を減らすことで、身体や心の具合、そして懐具合も大幅に改善できるファスティング。
 試してみる価値は、大いにありますね。


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