【書評】『人を惹きつけ、幸運を呼び込む方法を教えよう』(カート・モーテンセン)
お薦めの本の紹介です。
カート・モーテンセンさんの『人を惹きつけ、幸運を呼び込む方法を教えよう』です。
カート・モーテンセンさんは、米国の著名な経営コンサルタントです。
20年近くにわたり、成功者の資質、習慣、心構えの研究を続けられており、その成果である「人間的魅力を高める秘訣」を伝授する全米のセミナーも好評を博しています。
「人間的魅力」は誰でも身につけられる
モーテンセンさんは、人々を動かし、成功の確率と収入の伸びを飛躍的に高める“究極の秘訣”は「人間的魅力を高めること」だと述べています。
人間的魅力とは、人々を元気づけ、信頼を深め、「この人についていこう」と思わせる能力
のこと。
人間的魅力というと、一部の俳優や実業家、政治家などに限定され、自分には関係ないと思っている人が多いかもしれませんね。
モーテンセンさんは、正しい方法に従えば人間的魅力は学習して身につけることができる
し、後天的に身につけられる
と強調しています。
本書は、「人間的魅力」を高めて人々を動かすための秘訣を30の項目にまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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情熱を燃やす
モーテンセンさんは、目的意識を持っている人は、人々を魅了することができる
と述べています。
そういう人は、情熱にあふれ、人間的魅力があり、会った瞬間にわかります。
人間的魅力を伝えるうえで情熱は不可欠である。人間的魅力のある人は真心のこもった情熱を発揮する。周囲の人はあなたの情熱を感じとると、その意気込みに惚れ込んで「この人についていこう」と思う。人はみな、情熱を燃やしてわくわくしている人が大好きなのだ。
何かに情熱を燃やすとき、あなたは周囲の人にそれを知ってほしいと思い、なるべく多くの人にかかわってもらおうとする。
情熱はすぐに周囲の人に伝わる。あなたが情熱を発揮すると、人々はそのエネルギーを吸収し、よりよく働くようになる。どんなに働いても、いやな労働に従事させられているような気分にならない。それどころか、人々は目をらんらんと輝かせ、一致団結して働くようになる。
(中略)
ほとんどの人は本当の情熱をもつことができずに苦労している。多くの人は一時の興奮を情熱と勘違いしているのだ。情熱とは、子犬のようにはしゃぎ回って飛び跳ねることではない。
本当の情熱は自然に発揮されるものだ。あなたの不自然な興奮を感じとると、周囲の人は一気に引いてしまう。その結果、あなたは見せかけだけの人とみなされて影響力を失うことになる。
しかし、本当の情熱を発揮すれば、周囲の人に影響を与えて自分の主張に共鳴させることができる。ただし、単にわくわくしているだけでは本当の情熱を発揮していることにはならない。偽りの情熱や一時の興奮ではなく、本当の情熱を発揮することが重要だ。『人を惹きつけ、幸運を呼び込む方法を教えよう』 秘訣1 より カート・モーテンセン:著 弓場隆:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊
誰でも、一時的には気持ちを高めることはできますが、ずっと持続させるのは難しいものですね。
情熱は、本当に楽しんでやっていると自分の中から自然と湧き上がってくるものです。
「これをやりたい」
「これを伝えたい」
そういう内なる欲求をエネルギーに変えていく必要があります。
自分が情熱を燃やせる何かを見つけるところから始めたいですね。
誠実さを身につける
モーテンセンさんは、人間的魅力を高めて人々を動かしたいなら、誠実さを身につけなければならない
と述べています。
誠実さとは、「純粋で健全で潔白なこと」。
そして、「言葉と行動が一致していること」です。
誠実さを身につける第1段階は何か。それは自分をよく知ることだ。
あなたの信念は何か。すべての決定を導く確固たる信念をもっているか。誠実さを身につけているなら、人々はあなたの信念に共鳴する。なぜなら、誰でも誠実な人についていきたいと思っているからだ。
信念と欲望が相反するとき、どちらにしたがうかを決める要因は誠実さである。誠実さを身につけていれば、状況がひっ迫したときでも正しい判断をくだすことができる。
誠実さは一夜にして身につくものではない。誠実な人物という印象を与えるためには、ふだんからつねに公正な判断力をもつ訓練をする必要がある。誠実さを身につけるには時間がかかるが、失うのはすぐだ。
誠実さを身につけることは、成功を収める絶対条件だといっても過言ではない。誠実さに欠ける非倫理的な行動をとるようでは大きな成功は望めないし、たとえ一時的に成功しても長続きしない。
あなたがどんなに誠実な人物であっても、他人は主観的で短絡的な判断をしがちだ。だから、誠実な人物という評価を持続させたいなら、不誠実だと思われるような言動は厳に慎まなければならない。『人を惹きつけ、幸運を呼び込む方法を教えよう』 秘訣12 より カート・モーテンセン:著 弓場隆:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊
不誠実な人に対して魅力を感じたり、自ら近づきたい思う人はいませんね。
その人が誠実かどうかは、本人ではなく、周囲の人が判断すること。
長い時間を積み重ねて築き上げるものですし、一瞬にして崩れてしまうものでもあります。
自分の言動には、十分に気をつけていたいものです。
集中力を高める
モーテンセンさんは、成功の絶対条件として、さまざまな衝動を抑え、注意が散漫になるのを防ぎ、目の前の課題に集中すること
を挙げています。
人はみな同じだけの時間を持っているにもかかわらず、なぜ一部の人は同じ時間のなかではるかに多くのことをなしとげるのか。その答えは、目標を設定し方向性を定めることによって集中力を高めているからだ。
ただし、重要性の低い課題に集中して忙しく働いても、いちばん重要なことをなしとげることはできない。優先順位を決めるのが下手なら、次の質問を自分に投げかけよう。
- 今、時間を最大限に活用するにはどうすればいいか?
- 貴重な時間を重要性の低いことに使っていないか?
- 忙しくしていることと業績をあげることを混同していないか?
- 目標を明確にしているか?
どの分野であれ、成功者は高い集中力をもっている。周囲の雑音を遮断して課題に集中する能力は、時間管理のすばらしい技術であるだけでなく、成功に不可欠な要素でもある。
する必要のあることに集中しよう。そうすれば、より早く成功が手に入る。高い集中力を維持して目標にまい進すれば、人間的魅力が高まって人々を動かすことができる。『人を惹きつけ、幸運を呼び込む方法を教えよう』 秘訣15 より カート・モーテンセン:著 弓場隆:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊
時間は、誰にとっても限りある大事な資源です。
しかし、実際には、本当にやるべきことを後回しにしたり、おろそかにしてしまいがちです。
「する必要があることに集中する」
自分にとって、何が重要か、何が重要でないか。
その順番をはっきりと決めておくことが大切になりますね。
共感する
モーテンセンさんは、相手の目で物事を見る能力は、長期にわたる人間的魅力を生み出す
と述べています。
共感する能力があれば、相手の気持ちが手にとるようにわかり、信頼と尊敬を受け取ることができるようになります。
共感は同情とは違う。共感とは相手の身になって考え、ふるまうことである。人々の感情について学び、相手の心理を読む練習をし、心をこめて共感しよう。
残念ながら、私たちは自己中心的な世の中に暮らしているため、他人に共感することがあまりない。その結果、利己的で自己中心的な人間になっているのが実情だ。
共感とは、相手の状況、感情、心配を誠実に受け止めて理解を示すことである。相手に共感する習慣を身につければ、人々は感動してあなたに惹きつけられるだろう。
相手を無条件で受け入れるとき、あなたは共感している。相手の弱み、失敗、疑念を受け入れよう。
私たちは他人を優先させることが大切だとは思っているが、それを実践している人はわずかしかいない。他人を優先する人は人間的魅力を高めることができる。もしあなたがそういう人なら、周囲の人はあなたのために何でもしてくれるだろう。『人を惹きつけ、幸運を呼び込む方法を教えよう』 秘訣29 より カート・モーテンセン:著 弓場隆:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊
私たちは、余裕のない自己中心的な世の中で暮らしています。
他人に共感する能力を持ち合わせている人は、わずかしかいないのが現状です。
だからこそ、「相手の目で物事を見る能力」を身につけられれば、それだけで希少価値があります。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
人間的魅力があることは、有名であることとはまったく関係ありません。
人気があることや友人の多さとも違います。
周りの風評や好き嫌いによって左右されない。
そんな内面から滲(にじ)み出てくる“味”のようなものが相手を魅了し、側にいたいと思わせます。
人間的魅力は自然に伝わるものです。
しかし、それは自然に身につくものでは決してありません。
日々の努力が必要です。
できることから一つずつ着実にマスターしていきたいですね。
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