本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『うまくいっている人の考え方 完全版』(ジェリー・ミンチントン)

 お薦めの本の紹介です。
 ジェリー・ミンチントンさんの『うまくいっている人の考え方 完全版』です。

 ジェリー・ミンチントンさんは、米国の著述家です。
 心理学に造詣が深く、自尊心について長年に渡り研究されています。

「自尊心」とは?

「自尊心」とは、自分を好きになり、他人と同じように自分も素晴らしい人生を創造するに値する人間だと信じる気持ちのことです。

 人生がうまくいっている人は、この「自尊心」が高いことが特徴です。
 自尊心は、人生のほとんどすべての局面に、大きな影響を与えます。

 人間関係、自信の度合い、職業の選択、幸福、心の平和、成功。
 これらは、すべて自尊心と密接な関係があります。

 ミンチントンさんは、自尊心を取り戻すのはそんなに難しいことではなく、自分に対する考え方を修正すればいいだけだと述べています。

 本書は、自尊心を高めるための方法を、わかりやすく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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自分を許す

 ミンチントンさんは、「ミスをしても自分を責めるのはやめよう」と強調します。

「自分はなんてバカなんだ」とののしったり、自分を非難したりしてはいけない。そんなことをすると、自分のすることはなんでもまちがっているんじゃないかという気持ちになってさらにミスを繰り返すことになるだけだ。
 その反対に、自分がミスをしても、「だいじょうぶ、たいしたことはない」と心の中で自分にやさしく声をかけよう。そうすれば、プレッシャーが軽くなってミスを繰り返しにくくなる。
 自分にやさしくすると、もっといいことがある。それは、あまりよくなかった決定に悩まないことによって、自分はなぜまちがった決定をしたのかを学習する余裕ができるからである。そうすれば、今後、同じようなミスを繰り返さないための対策を立てることができる。
 だれだって選択ミスをしてしまうことがある。しかし、それはわざとではない。みじめな気分になることを人生の目標にしている人はひとりもいないはずだ。
 この次、ミスをしたときは、ミスをすることは正常で、だれでもミスをするのだということ、自分が犯したすべてのミスは、重大なミスも含めて100%自分で許せるということを忘れないようにしよう。

 『うまくいっている人の考え方 完全版』 自分に寛大になる より ジェリー・ミンチントン:著 弓場隆:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

「覆水盆に返らず」ということわざもあります。

 起こってしまったこと、やってしまったこと。
 それらは、どんなに後悔しても、やり直すことはできません。

 大事なのことは、反省して、その失敗を次に活かすこと。

 失敗を恐れて、行動できなくならないようにする。
 そのためにも、「自分にやさしくする」よう心がけることは大切ですね。

感謝の言葉やほめ言葉はすぐに口にする

 誰かに親切にされたり、助けてもらったとき。
 私たちは、感謝の気持ちを伝えるタイミングを先延ばしにしがちです。

 そして、いつの間にか頭の中から抜け落ち、伝えられないままになってしまう。
 そんなことは、よくあります。

 ミンチントンさんは、「感謝の気持ちをすぐに伝える習慣を今日から身につけよう」と強調します。

 自分がどれだけ感謝しているかを、大切な人に伝えよう。誰かが支えてくれたり親切にしてくれたりしたら、その人に感謝の気持ちを伝えよう。その気持ちを心の中に秘めていてはいけない。あなたが気持ちを伝えれば、相手だけでなくあなた自身もいい気分になるはずだ。
 感謝の気持ちだけではない。誰がいい仕事をしたときは、それを本人に知らせよう。何かが得意な人はそれを自覚しているはずだから今さらほめたところで意味がない、とあなたは思っているかもしれない。しかし、能力、技術、熟達度に関係なく、どんな人でも「いい仕事をしましたね」と言われるのが好きなのだ。人々は自分の価値を認められれば、すでに名人の域に達している人でも、「よし、もっとがんばろう」という気持ちになるものだ。
 人をほめることについて大切なことを書いておこう。
 *ほめ言葉は、いつでもどこでも口にすることができる無限の資源である
 *相手に感謝の気持ちを表現することで、自分が寛大な気持ちになれる。
 *自分が評価されていることを知っていても、それを誰からから言われることで向上心をさらにかき立てられる。

 『うまくいっている人の考え方 完全版』 視点を変えてみる より ジェリー・ミンチントン:著 弓場隆:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 ほめられて、嫌な気分になる人はいません。
 相手が喜べば、自分も嬉しい気持ちになります。

 相手を誠実にほめること。
 それは、誰でも、いつでも口にできる、“無限の資源”です。

 うまく活用したいですね。

バカにされても相手にしない

 相手をバカにするようなことを言う人は、どこの世界にも存在します。
 それには多くの理由がありますが、どれも健全なものではありません。

「相手が不愉快な思いをしているのをおもしろがる」
「相手をおとしめることで優越感を感じたい」

 などですね。

 幸せで充実した人生を送っている人は、誰にも苦痛を味わわせる必要性を感じない。こういう「必要性」を感じる人は、自分の不適切な行動の原因が未熟さと不幸にあることに早く気づいて反省してほしいものだ。
 バカにされるのはつらいことだから、あなたは自分を被害者だと考えるかもしれない。しかし、人々が他の人をバカにするのは、自分の情緒的な問題を覆い隠すためだということを理解しよう。
 バカにされたとき、あなたはどう対応すべきだろうか?言い返したくなる気持ちもわからなくはないが、自分も冗談に加わってほほ笑むくらいの余裕を見せるほうがはるかに効果的だ。

 『うまくいっている人の考え方 完全版』 ポジティブに考える より ジェリー・ミンチントン:著 弓場隆:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 他人をバカにしたり、挑発したりする人。
 彼らは、相手が反応することを楽しんでいる部分もあります。

 怒ったり、言い返したり、ネガティブな反応をするのは、相手の思うつぼです。
 結局、その人と同レベルの精神的な幼さであることを、証明しているようなものです。

 一緒に冗談に加わってほほ笑むくらいの余裕を、つねに持っていたいですね。

自分を飾らない

 私たちは、「自分と違う人のふりをする」ことがよくあります。

 たとえば、誰かと会って、その人と親しくなりたいとき。
 その人に対して、急に行儀をよくしますね。

 ミンチントンさんは、「そうまでして着飾るような態度は正当化できるわけではない」と指摘します。

 もちろん相手に好印象を与えることは間違っていない。ただし、それには、知り合ってからもずっとそのように振る舞うという条件がつく。しかしながら、私たちが自分のふだんの行動様式に戻り、相手が私たちのことをよく知るようになると、彼らの私たちに対する感情は変わる。しかも、いい方向に変わるとはかぎらない。
「お行儀がいい」という段階は、めったに長続きしない。人々はふだんの行動様式に戻り、人間関係が変化するからだ。そのプロセスは、美しく包装されたパッケージを開くのに似ている。パッケージの中身が外見と同じように美しいこともあれば、包装紙をめくれば中身が気に入らなくなることもある。
 自分らしく振る舞うことについて、心に銘記すべきことは次のふたつだ。
 *誰にも迷惑をかけないかぎり、自分らしく振る舞えばいい。
 *居心地が悪く感じるなら、自分らしく振舞っていない。

 『うまくいっている人の考え方 完全版』 自分に寛大になる より ジェリー・ミンチントン:著 弓場隆:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 自分と違う人のふりをして気に入ってもらった。
 だとしても、いずれ本性はばれてしまいます。
 いわゆる、「メッキが剥(は)がれる」というやつです。

 つねに違う自分を演じなければならない。
 それは、本人にとって窮屈ですし、苦痛でもあるでしょう。

 結局、「飾らない自分自身である」ことが一番ということ。
 自分らしく振る舞うことが、その人が最も輝きます。

「素のままの自分」でいる勇気、どんなときも持っていたいですね。

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 本書に書かれている内容は、どれも分かりやすく、誰でも理解できるものばかりです。
 ただ、その通りにできているかどうかは、また別問題です。

 そのままの自分をどれだけ好きになれるか、認めてあげられるか。
 それは、その人の意識の持ちよう次第です。

 自分に価値があるかないかを決めるのは、自分自身。

「自尊心」は、一朝一夕に身につくものではなく、日々の習慣が大事です。

 できることからコツコツと。
 一つひとつ積み上げていきたいものですね。

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