【書評】『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』(寺林陽介)

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 お薦めの本の紹介です。
 寺林陽介先生の『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』です。

 寺林陽介(てらばやし・ようすけ)先生は、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師です。

「寺林流・腎マッサージ」で、腎臓と身体の疲れをとる!


「沈黙の臓器」
 そう言われるほど、普段、その働きを自覚できない「腎臓」。
 実は、私たちが生きるうえで、とても重要な働きを担ってくれています。

 私たちの体にとって、腎臓は「心臓の次」といってもよいくらい、大事な存在です。
 寺林先生は、腎臓が疲れると、身体も疲れると指摘し、以下のように説明しています。

 腎臓はふだん、老廃物(ろうはいぶつ)が混じった血液をろ過(か)し、いるものといらないものを分け、身体にとっていらないものだけを尿にして、外に出してくれています。

 腎臓が疲れ、きちんと働けなくなると、身体に必要なものが外へ出て行ってしまったり、老廃物が排出されずに身体や血液の中にたまり、血液がドロドロになって、血行が悪くなったりします。
 すると、身体が活動するのに必要な酸素や栄養が、全身にいきわたらなくなります。
 腎臓が疲れると身体が疲れるのは、そのためです。

 さらに腎臓が疲れて血液がドロドロになると、血管や心臓に負担がかかります。
 これは身体の疲れの原因になるだけでなく、動脈硬化(どうみゃくこうか)や心臓病、脳梗塞(のうこうそく)など、さまざまな病気の原因にもなります。
 私たちが元気に健康に生活するうえで、腎臓の健康は必要不可欠なのです。
(中略)
 そこでおすすめしたいのが、「腎マッサージ」です。

 もちろん、「腎マッサージ」といっても、腎臓を直接マッサージするわけではありません。
 東洋医学では、腎臓と副腎(ふくじん)をまとめて、「腎」とよんでいますが、実は身体には、そこを刺激することで腎を活性化させる、腎のツボがいくつかあります。
 なかでも、腰のあたりにある「腎兪(じんゆ)」「志室(ししつ)」といったツボを刺激すると、腎臓および副腎の疲労回復ひいては身体の疲労回復・若返りに、とても効果があるのです。

『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』 はじめに より 寺林陽介:著 アスコム:刊

 本書は、誰でも簡単に、腎のツボをマッサージできる「寺林流・腎マッサージ」をわかりやすく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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体内にたまった「酸」が、疲れの原因


 腎臓の大きな役割のひとつが、「体内のいらないものを、尿として排出する」こと。
 腎臓は、「血液中の酸性・アルカリ性のバランス」を調整することで老廃物を排出します。

 体内の細胞が活動すると、「酸」が発生します。
 酸もやはり、呼吸や尿によって排出されており、そのおかげで、血液はほぼ中性に近い弱アルカリ性(pH7.4)に保たれています。
 しかし、腎臓が疲れたり病気になったりして機能が衰えると、酸がきちんと排出されなくなります。
 そして、それが「疲れ」の大きな原因となります。
 酸には毒性があり、血液のpHが0.1でも酸性に傾くと、意識が低下し、死に至ることもあるといわれています。
 そんな酸が体内にたまると、疲労感が強くなり、吐き気を覚えることもあります。

 また、血液は酸化すると、ドロドロになります。
 血液には、各細胞が活動するために必要な酸素や栄養などを運んだり、体内の異物(いぶつ)やウイルスと闘う免疫細胞を運んだりする役割があります。
 しかしドロドロ血液は流れにくく、体のすみずみまで入りこむことができません。
 血液がドロドロになると、疲れやだるさを感じたり、身体の末端が冷えたり、免疫力が下がったりするのは、そのせいです。

 血液を全身に送り出すポンプの役割をしている心臓にとっても、ドロドロ血液は大敵です。
 ドロドロ血液を送り出すにはパワーが必要なため、心臓に負担がかかります。
 さらに、血圧が高くなるため、動脈の血管にも負担がかかります。

 心臓や血管に負担がかかり続ければ、心臓が弱ったり、心筋や血管が硬(かた)くなって柔軟性を失ったりします。
 身体を動かすと、血液の流れが激しくなり、心臓の働きが活発化しますが、弱った心臓・血管では、きちんと対応できません。
 そのため、ちょっとした運動でも疲れてしまうのです。

『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』 PART2 より 寺林陽介:著 アスコム:刊

 慢性的に「体がだるい、重い」と感じている。
 そんな人は、腎臓に疲れが溜まって、機能が低下しているのかもしれません。

 生きるためには、栄養や酸素を取り込むことは必要です。
 それと同じくらい、老廃物や毒素を体内から排出することも大切です。
 腎臓の働きの重要さが理解できますね。

腎機能の低下は「冷え」のもと


 腎臓の働きが悪くなるとなりやすい症状が、「冷え」です。
「冷えは万病のもと」ともいわれており、さまざまな病気や不調の原因となります。

 まず、冷えによって血流が悪くなれば、必要な酸素や栄養、ホルモンなどが身体の各所に運ばれなくなるため、細胞や臓器がきちんと働けなくなったり、自律神経が乱れたりします。

 また、身体が冷えると、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。

 人の身体には、生まれつき免疫力があります。
 体内の免疫細胞が、外部からの病原体や、内部で発生するがん細胞などと常に闘い、疲れた身体を癒やしたり、病気になるのを防いだりしてくれているのです。
 しかし、体温が低くなると、免疫細胞のエネルギー源となる酵素の生産量が減って、活動が鈍くなり、健康を維持できなくなります。

 身体が冷えると、内臓の働きが鈍くなり、食べたものをうまく消化してエネルギーを得ることもできなくなります。
 そのため、「疲れる」「だるい」「食欲がない」といった症状があらわれるようになります。

 さらに、基礎代謝も落ちます。
 内臓の温度が1度下がると、基礎代謝は約12%も下がります。
 そのため、新陳(しんちん)代謝のスピードが遅くなって老化が進んだり、エネルギーの消費量が落ちるため、やせにくい身体になってしまったりします。
 このように、冷えはさまざまな身体の不調を引き起こし、ときにはがんなどの病気を招くこともあるのです。

『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』 PART3 より 寺林陽介:著 アスコム:刊

 寺林先生は、腎臓は、最も冷えに弱い臓器だと指摘します。

 腎臓の働きが弱ると、血液の流れが悪くなり、身体が冷える。
 身体が冷えると、腎臓の働きがますます弱り、冷えが悪化する。

 そんな悪循環が起こります。

野菜、豆、魚、海藻が腎臓を助けてくれる


 腎臓の健康を守るうえで、「食事」はとても大事な要素です。
 寺林先生は、何をどのように食べるかによって、腎臓にかかる負担は大きく変わると述べています。

 まず、忘れてはいけないのが、水分。
 腎臓は「脱水症状」に弱いといわれています。
 体内の水分量が少ないと、血液中の老廃物の割合が高くなります。
 老廃物の割合が低い血液をろ過するより、老廃物の高い血液をろ過する方が、腎臓にとって負担が大きいのです。
 腎臓の負担を軽くするためにも、健康な人であれば1日に1.5リットルから3リットル程度の水分をとった方がいいでしょう。
 ほかに、腎臓にいい食べ物としては、

  • 野菜
  • 豆類
  • 魚介(ぎょかい)類
  • 海藻(かいそう)類
 などが、比較的よく挙げられます。

 野菜の中でも、特に効果が高いとされているのは、アボカドやほうれん草、かぼちゃ、いも類など、カリウムの多いものです。

 カリウムには利尿作用があり、ナトリウムの排出を促して血圧を調整するなど、腎臓の働きを助けてくれます。
 カリウムは、大豆、小豆、黒豆などの豆類や、わかめ、ひじきなどの海藻類にも多く含まれています。

 また、魚介類のうち、いわしやさばなど背の青い魚や、マグロのトロなど脂肪の多い魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)には、糸球体などで起こった炎症を抑え、腎臓を保護する作用があるほか、血流を良くする作用もあります。

 もちろん、にんじん、玉ねぎ、ごぼう、オレンジ、桃、鮭、かつおなど身体を温める食べ物も、血流を良くし、冷えの改善に効果的です。

 なお、病気や疲れによって腎臓の機能が落ちているときには、タンパク質の摂取が制限されることがあります。
 タンパク質の代謝に伴って発生する老廃物(尿酸)は、最終的に腎臓で処理され、尿として排出されるため、タンパク質のとりすぎは、腎臓の仕事を増やし、疲れさせてしまうからです。
 その場合、肉(特に豚や鶏(にわとり))、魚、卵、乳製品、そして豆類から、良質なタンパク質を適量とる必要があります。

 一方、腎臓には、カルシウムの吸収や骨への沈着を促す活性型ビタミンDをつくるという働きもあります。
 腎臓の機能が落ちるとカルシウムが不足しがちになるので、小松菜、菜の花といった野菜や魚介類、豆類など、カルシウムを多く含む食品を十分にとらなければなりません。

『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』 PART5 より 寺林陽介:著 アスコム:刊

 腎臓にいい食べ物といえ、摂り過ぎは、逆効果になります。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。

 毎日、適量、体調と相談しながら、習慣にしたいですね。

1回1分! 「腎マッサージ」のやり方


 寺林先生は、「腎マッサージ」のポイントを、以下のように説明しています。

POINT1 マッサージの時間は、1回あたり1分程度を目安にしましょう。

POINT2 少し強めの力でマッサージすると、より効果的です。筋肉にあたって止まるところまで、手をしっかり押しあててから、マッサージを始めてください。ただし、強い力で押せないときは、無理せず、可能な範囲の力でマッサージしましょう。

POINT3 無理のないペースで深呼吸(腹式呼吸)しながらマッサージすると、リラックスできるうえ、血液やリンパの流れも良くなります。

POINT4 汗や尿が出やすくなるので、マッサージ後はゆっくりと水やぬるま湯を飲みましょう。

『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』 PART1 より 寺林陽介:著 アスコム:刊

 具体的な腎マッサージのやり方は、以下のとおりです。
 毎日の習慣にしたいですね。

基本の腎マッサージ① PART1 P19  基本の腎マッサージ② PART1 P20
基本の腎マッサージ③ PART1 P21  基本の腎マッサージ④ PART1 P22
基本の腎マッサージ⑤ PART1 P23
図.基本の腎マッサージ
(『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』 PART1 より抜粋)

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 東洋医学では、腎は「生命力の源」と考えられているそうです。
 血液をろ過し、身体に必要なものを再吸収し、必要のないものを排出して、血液をきれいにする。
 腎臓は、そんな重要な役割を休むことなく続けている臓器です。

 腎臓の働き次第で、私たちの生活のすべてが変わる。
 そういっても過言ではありません。

「寺林流・腎マッサージ」は、1回1分程度。
 いつでも、どこでも、一人でできる簡単な健康法です。
 ただ、その効果の大きさは、計り知れないもがあります。
 ぜひ、皆さんも、お試しください。


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