【書評】『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(白濱龍太郎)

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 お薦めの本の紹介です。
 白濱龍太郎さんの『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』です。

 白濱龍太郎(しらはま・りゅうたろう)さんは、睡眠・呼吸器内科がご専門の医師です。

「ぐっすり眠る」とは、どのような状態をいうのか?


「ぐっすり眠れる」

 それは、どのような状態をいうのでしょうか。

 白濱さんは、「深睡眠(徐波睡眠)」がよくとれている状態のことだと述べています。

 深睡眠の間は、途中で目が覚めにくく、また脳内に蓄積されたアミロイドβタンパク質などの疲労物質の除去や、体の機能を修繕させたり、免疫力を高めたりする成長ホルモンの分泌が、もっとも盛んに行われます。
 そのため、この時間が多いほど、疲れが取れ病気になりにくい体になります。
 つまり、ぐっすり眠れる=深睡眠がしっかり取れる=疲れにくく健康になる、といえるのです。
(中略)
 ただ、この深睡眠は、眠りについてから4時間以内に多く発生し、時間が経つにつれ、深睡眠の時間は短くなっているように体のリズムができています。
 レム睡眠とノンレム睡眠は約90〜120分間隔で一巡するので、4時間の間に、ノンレム睡眠が起きる回数は、2〜3回です。
 短くてもぐっすり眠れる人は、その睡眠がよいかどうかは別にして、眠ってから4時間以内に、深睡眠が2回以上、しかも長い時間きちんと訪れているのではないかと想像できます。

 つまり、

 ぐっすり眠るためには、
 眠りについてから4時間以内に、
 深睡眠を2回以上とることが必要


 ということなのです。


『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』 はじめに より 白濱龍太郎:著 アスコム:刊

 深睡眠がしっかり取れ、ぐっすり眠れる。

 白濱さんが、そのために提案しているのが「ぐっすりストレッチ」です。
 どれも、特別な道具がいらず、誰にもできるものばかりです。

 本書は、最新の医学的な知見から睡眠のメカニズムを解説し、質のよい睡眠を取るための具体的な方法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「よく眠れない」は、“深睡眠不足”が原因だった!


睡眠の質は、「深睡眠(徐波睡眠)」によって決まります。

 白濱さんは、「眠りについてから4時間以内に、深睡眠をしっかりとれたかどうか」が、睡眠の質を左右すると述べています。

 深睡眠は、なぜ、そこまで重要なのでしょうか。

 睡眠には、大きく分けて「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」のふたつがあります。
 そしてレム睡眠とノンレム睡眠は、90〜120分をひとつのサイクルとして、交互に繰り返しているのです。

 レム睡眠では、体は休んでいますが、脳(大脳皮質)は活発に動いており、情報整理を行っています。

 一方、ノンレム睡眠は、脳を休ませ、体の疲れを回復させるための睡眠で、脳も体も深い休息をとっています。
 そしてノンレム睡眠は、眠りの深さによって3つのステージに分かれています。

 そのなかでも、脳が一番、リラックスした状態にあるのが、3のステージである「深睡眠」です。
 脳波をみても、この深睡眠のときに、もっとも脳の活動が低下していることがわかります。
 また、眠りについた後、最初に深睡眠がやってくるときに、傷ついた体の細胞の修復を行う成長ホルモンの分泌がピークを迎えることも、明らかになっています。

 一晩の睡眠の流れをみると、この深睡眠は眠りについてからの30分、および2〜4時間後に出現し、明け方にむけてはレム睡眠が多くあらわれるようになります。
 ですから、眠りの初期段階、すなわち眠りについてからの4時間以内に、深睡眠が十分にとれていないと、脳や体の疲れがしっかり回復しないまま、翌日を迎えることになってしまいます。

 朝すっきりと目覚め、1日を活動的に過ごすためには、眠りの初期の4時間の睡眠をいかによいものにするかが大事なのです。
 睡眠に関する本には、よく「午後10時から午前2時までのゴールデンタイムに睡眠をとるとよい」とか書かれています。
 毎日この時間帯に眠れば、規則正しいリズムで生活することができ、眠りに関係する体温やホルモンの分泌なども正常に働き、よい睡眠がとりやすくなるからです。
 しかし、仕事で深夜まで働く日があったり、夜勤があったりする場合は、この時間帯に眠ることはできません。
 そこで深睡眠の話を思い出してほしいのですが、眠りについてからの4時間までに深睡眠がとれていれば、脳と体の疲れの大半、約80%は取れてしまいます。
 1日の脳と体の疲労を取るには、いつ眠るのか、どれだけ長く眠るのか、ではなく、最初の4時間以内にいかに深く眠るかが大切なのです。

『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』 PART2 より 白濱龍太郎:著 アスコム:刊

 睡眠は、「量より質が大事」だといわれます。

 睡眠の質とは、眠りの深さ。
 とくに「眠り初め」が肝心です。

 最初の4時間以内に、いかに深く眠るか。
 睡眠だけでなく、1日の生活の質を左右する、重要ポイントです。

「眠り」は体温を上げるところからスタートする


 ぐっすり眠れる人と眠れない人。
 その違いを生み出す原因の一つが、「深部体温」です。

 深部体温とは、内臓など体の内部の体温で、1日を通して決まったリズムで変動しています。

図1 深部体温の低下が眠りに大きく関係 ぐっすり眠れる PART2
図1.深部体温の低下が眠りに大きく関係!
(『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』 PART2 より抜粋)

 深部体温は、朝目覚めるころから上昇を始め、日中の覚醒時は高い温度を保って体の活動を維持しています。
 そして、夕方にピークを迎えると、その後は夜にかけて下がり始め、睡眠中は低い温度で推移します。

 そもそも睡眠とは、昼間にフルに活動して疲れた脳と体がオーバーヒートしないように、脳の温度を下げて休ませるためのものです。
 ですから、人間の脳には、体温が下がると眠くなるという性質があります。
 雪山などで遭難すると眠くなるといわれているのもそのためです。

 このことからもわかるように、夜、眠るタイミングに向けて、深部体温をいかにスムーズに下げられるかどうかが、よい眠りにつけるか否かを左右しているといっても過言ではありません。

 左図のように、通常、深部体温は、自然と夕方にピークを迎え、徐々に下がり始め、眠りに入ると1度程度、急激に下がるといわれています(上の図1を参照)。
 そして、睡眠中の夜中は低く、明け方にかけて再び上昇し始めることで目が覚めるようになっています。

 しかし、睡眠の悩みを抱えている人の中には、その深部体温の高低差がつけられない方が多く見受けられます。
 深部体温の高低差が自然とつかないので、眠気がなかなか訪れないのです。
 だからこそ、意識的に深部体温を上げる必要があるのです。

 多くの睡眠関連の本が、毎晩シャワーだけでなく、適温のお湯に入ることをすすめているのは、

①体温よりも温度の高いお湯につかることで、深部体温が上がる
②血行がよくなり、リラックスすると、副交感神経が優位に働く

 というふたつの利点があるからです。
 お湯に入ると、入らないときにくらべて深部体温が上がります。
 そして、一度入浴で深部体温を上げておくと、その後時間が経ち、深部体温が下がるタイミングがきたときに、合わせて眠気も誘発されやすくなります。

 ただ、毎晩お風呂を沸かして入るのが面倒くさい、シャワーしか浴びないという人も少なくないと思います。
 そこで、より手軽かつ効率的に深部体温を上げるために考えたメソッドが「ぐっすりストレッチ」のステップ1です(下の図2を参照)。

 ステップ1では首の後ろにシャワーをあてますが、この「シャワーを重点的にあてる場所」がポイントになります。

 首の後ろには太い動脈など、多くの血管が集中しています。
 血管が集まるところに少し熱めのシャワーを集中的にあてると、従来のように浴槽に長い時間つからなくても、血行をよくすることができます。

 そして、血行をよくすることで、効率的に深部体温を上げることができるのです。
 このときに、合わせて首の後ろのマッサージも行います。
 マッサージを一緒に行うことで、さらに血行をよくすると同時に、首の筋肉の緊張をほぐし、睡眠に有効なリラックス効果を得ることができるのです。

『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』 PART2 より 白濱龍太郎:著 アスコム:刊

図2 1 1分間首もみストレッチ① ぐっすり眠れる PART1 図2 2 1分間首もみストレッチ② ぐっすり眠れる PART1
図2.1分間首もみストレッチ
(『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』 PART1 より抜粋)

 深部体温のリズムは、「メラトニン」というホルモンの影響を受けています。

 メラトニンは、夜の睡眠時に多く分泌され、朝、目覚めて太陽の光を浴びると脳からの司令で分泌が止まります。

 白濱さんは、夜に深部体温を下げるメラトニンが働くためには、朝きちんと光を浴びて、セロトニンというホルモンが分泌される必要があると述べています。

働きすぎの血管を「ぐっすり」休ませる


 睡眠の質低下は、多くの生活習慣病を引き起こします。

 白濱さんは、最近では、睡眠障害も高血圧に関係していると指摘します。

 では、睡眠がきちんととれていないと、なぜ高血圧になってしまうのでしょう。

 そこには、自律神経が大きくかかわっています。

 自律神経には交感神経と副交感神経があります。
 健康な人の場合、活発に活動する日中は、交感神経が働いて血圧は高く、休息モードの夕方以降からは副交感神経が優位になり、血圧も低くなります。もちろん睡眠中も血圧は低いまま推移します。
 しかし、何らかの理由でよい睡眠がとれていなかったり、睡眠不足が続いたりすると、夜になっても交感神経が働いたままになります。
 すると、眠りとともに休むはずの血管も休みなく働くことになるため、傷つきもろくなり、血圧が上がってしまうのです。

 以前、狭心症を起こし、睡眠不足を指摘されて当院へやってきた患者さんがいました。
 実際に診察してみると、重度の睡眠時無呼吸症候群であることが判明しました。
 そこで、睡眠中に鼻に装着したマスクから空気を送り込むCPAPという治療を始めると同時に、5時間だった睡眠時間を7時間に増やすようにアドバイスしたのです。
 その患者さんはアドバイス通りに睡眠時間を長くしました。すると、6ヶ月後には動脈硬化が改善に向かい、血圧が上下とも10mmHg降下したのです。
 睡眠と血圧の関係がわかる研究結果は、ほかにもあります。
 アメリカで、1日の平均睡眠時間が7時間以下で血圧が高めの男女に、6週間にわたって睡眠を1時間増やす実験を行ったところ、8〜14mmHgも血圧が下がったというのです。

 高血圧で日常的に睡眠時間が短い人や、しっかり眠れていないと感じている人は、ほかの生活習慣に気をつけつつ、毎日の睡眠時間を見直してみてください。
 理想的な睡眠時間は6.5〜7.5時間。
 これを目標にして、まずは睡眠時間を増やしていきましょう。

『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』 PART4 より 白濱龍太郎:著 アスコム:刊

 睡眠の質低下は、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病などにも影響を及ぼします。

 たかが睡眠、されど睡眠。
 自分の身を守るためにも、しっかりと睡眠を取りたいものですね。

「目の疲れ」を取ればぐっすり眠れる!


 スマートフォンやパソコンの使いすぎによる「目の疲れ」
 それも、質のよい眠りを妨げる要因となります。

 目の疲れとは、眼球そのものが疲れている状態ではありません。

 目を動かす筋肉が疲労することで血行が悪くなり、目がしょぼしょぼしたり、頭痛や肩コリなどが引き起こされたりする状態をいいます。

 また、目の疲れは、自律神経の働きにも影響を及ぼします。
 目が疲れ、顔や首の筋肉が緊張すると、脳への血流が減ります。
 すると、血流が減ったことで脳がストレスを感じ、交感神経が優位になってしまうのです。

 睡眠不足によって目が疲れ、交感神経が優位になることで、ますますよい眠りが得られなくなる。
 そんな悪循環が起きることもあるでしょう。

 目の疲れを取るもっとも手軽な方法は、「蒸しタオルで目を温めること」です。
 濡れたタオルをよく絞り、くるくる巻いて、500Wのレンジで1分温める。
 そして、腕の内側で温度を確認し、もし、「熱い」と感じるようでしたら、開いて冷ましてください。
 それを目の周辺にあてるだけで、ほんのりと温まり、筋肉の緊張がほぐれます。
 すると、血行がよくなり、緊張もほぐれてリラックスできるため、副交感神経が優位に働きます。

 最近では目を温めるタイプのアイマスクなども販売されています。
 蒸しタオルをつくるのが面倒な場合には、そのようなグッズを使ってもよいでしょう。
 また睡眠が足りないと、目のピント調節機能が下がってしまうといわれています。
「老眼」予防のためにも目の疲れを取ってぐっすり眠ることをおすすめします。

『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』 PART5 より 白濱龍太郎:著 アスコム:刊

「目は、脳が直接、外部に表出している器官」

 そういわれるほど、重要で、密接な関係があります。

 目の疲れは、脳の疲れ。
 夜寝る前に、「蒸しタオル」。

 ぜひ、習慣にしたいですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 睡眠は、日々の疲れを癒やし、明日への活力をつくる大切なものです。

 睡眠は、誰もが、必ず毎日行う行動です。

 睡眠の質が、翌日の生活の質を決める。
 つまりは、人生全体の質を決める、と言っても過言ではありません。

 眠りの質は、眠り始めに「深睡眠」をしっかり取れるかどうかにかかっています。

 そのために重要なのは、「深部体温」「自律神経」です。

 白濱さんが開発された「ぐっすりストレッチ」は、その両方に働きかけます。

 誰でも簡単にできて、効果抜群の睡眠改善ノウハウ。
 ぜひ、皆さんも、お試しください。

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