【書評】『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』(日野秀彦)

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 お薦めの本の紹介です。
 日野秀彦先生の『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』です。

 日野秀彦(ひの・ひでひこ)先生は、矯正家です。
 背骨の歪みを整え、不調を改善する独自の運動プログラムである「背骨コンディショニング」の創始者として有名な方です。

そのカラダの不調は、「骨格のズレ」が原因だった!


 いまや人口の4分の1にあたる約2800万人が抱えている腰痛。
 その85%は、原因不明とされています。

 腰痛は、ただ放っておいても完治することはありません。
 逆に、ますます悪化し、日常生活に支障をきたすこともあります。

 腰痛の本当の怖さは、足や腰の痛みにとどまらないところにあります。
 日野先生は、痛みを我慢していたら、頭痛や目まい、耳鳴り、難聴といった症状まで引き起こされてしまうと警鐘を鳴らします。

 私たちの骨格は多かれ少なかれ歪んでいます。現代医学において、カラダの歪み。骨のズレによってどんな症状を引き起こすかは理論立てられていません。背骨コンディショニングは骨のズレから神経が伝導異常を起こし、さまざまな症状が表れることを発見しました。最初のうちは歪みや骨のズレがあってもバランスを取るようにカラダになじむので症状はなくなります。
「腰が重だるかったのに、数日したら痛みがなくなった」
 このような経験はありませんか? ちょっとした不調なら数日すれば治まります。しかし、そのうち許容範囲を超えてしまい、症状が治まることはなくなります。安静にしているだけではカラダの歪みや骨のズレは直りません。むしろ、ひどくなるばかりです
 最終的には歪みがカラダの許容範囲を超えて、歩くのも困難なほど痛みが出たり、寝たきりになったり、内臓まで不具合が生じて死亡したケースもあります。
 これまで30万人以上を矯正し、骨をズレないように支えている筋力の低下とバランスこそカラダが歪む根本原因であることを発見しました。また上半身と下半身をつなぐ唯一の骨である仙骨が非常に重要であることがわかりました。
 骨のズレと痛みにははっきりとしたパターンがあって、原因となっている背骨や土台である仙骨のズレからくる代償姿勢によるカラダの歪みを正せば首、肩、背中、腰、足といった全身の痛みがなくなり、背骨の歪みとは無関係と思われがちな頭痛、目まい、耳鳴り、難聴、内臓不調、自律神経失調症など、さまざまな症状も治ります。

『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』 はじめに より 日野秀彦:著 アチーブメント出版:刊

 本書は、カラダの歪みの程度に合わせた、レベル別の背骨矯正法や症状別の体操をわかりやすく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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神経が牽引されて痛みを引き起こす


 日野先生は、ほとんどの腰痛は骨がズレて神経が引っ張られることが原因であると述べています。

 神経は脳幹、脊髄を経て背骨からV字に分岐しています(下図1を参照)。背骨が前方に歪む分には神経にたるみが出ます。しかし、後ろにズレて引っ張られると痛みが出ます。
 左側に背骨がズレると、右側に痛みが出ます。右側にズレると、左側に痛みが出ます。後ろにズレると両側に痛みが出ます。30万人以上を矯正し、このパターンは間違いないと確信しました。

 次ページを参考に尾てい骨を触ってみてください。尾てい骨の上にある逆三角形のような骨(正確には台形)、これが仙骨です。その横にあるのが腸骨です。仙骨の上に腰椎1番〜5番、胸椎1番〜12番、頚椎1番〜7番と連なっています。

 仙骨は仙骨と腸骨の角度から、前には出ない構造になっています。これまで1人だけ仙骨が前に出ている人を見たことがあります。その方はペルーで列車事故に遭い、前に陥没している状態でした。ところが腰痛はありませんでした。神経にたるみが出るので、痛みはないのです。

 腰の神経は腰椎から出て足の先まで分布しています。その途中の筋肉や組織が神経と共に過緊張を起こし痛み(=神経の伝導の異常)を感じます。腰痛改善は痛みが発症しているところだけに対処するのではなく、神経の出処である背骨のズレを整えなければ改善されません。

 しかし、背骨の歪みが腰椎を引き起こしているとは着目されません。
 腰椎4番5番、仙骨1番〜3番から足の神経(坐骨神経)が出ていて、仙骨の上に上半身が乗っかっているので、仙骨がズレると上半身もバランスを取ろうとしてズレていきます。腰痛改善は腰の骨だけに対処をするのではなく、土台である仙骨とズレてしまった上半身も整える必要があります。
 多くの場合仙骨が3センチメートルから4センチメートルほどズレたとき、立つことも歩くこともつらくなるほどの症状が出ます。

『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』 第1部 より 日野秀彦:著 アチーブメント出版:刊

脊椎と神経のつながり 第1部P27
図1.脊椎と神経のつながり
 (『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』 第1部 より抜粋)


 痛みのある部分だけを調べても、原因がわからないのは、このような理由からだったのですね。

 腰痛などさまざまな不調の原因である、背骨のズレ。
 その大元は、土台である「仙骨」のズレから起こります。

 皆さんも、一度、仙骨を自分で触ってズレていないかチェックしてみてください。

仙骨を正す「基本体操」


 日野先生は、仙骨や背骨のズレを治す矯正体操をレベル別に紹介しています(下図2を参照)。
 負荷の高さにより5段階あり、それぞれ「ゆるめる」運動と「矯正する」運動で1セットです。

背骨コンディショニングの基本運動 第1部P64
図2.背骨コンディショニングの基本運動
(『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』 第1部 より抜粋)

 いちばんはじめにやっていただきたいのが冒頭でも述べたレベル3の上体たおしです(下図3左を参照)。この動きができない、もしくは痛みが出るという方は要注意。仙骨がかなりズレていて将来寝たきりになってしまう危険性が高いです。
 背骨コンディショニングでは、仙骨および仙腸関節にアプローチする体操に重点を置いています。「ゆるめる」体操で骨の可動域を広げつつ、仙骨の斜転(傾き)を「矯正する」のです。
 ポイントは痛みが出る手前で少しずつおこなうことです。決して無理はしないでください。ご自身のレベルに合わせて毎日各30回を目安におこなってください。時間がある方は30回以上(何回でも)構いません。
 カラダの歪みは誰にでもあると言いました。いまは痛みがない人も日々のメンテナンスとして続けてください。

『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』 第1部 より 日野秀彦:著 アチーブメント出版:刊

仙骨を矯正する 上体たおし 第1部P73  仙腸関節をゆるめる 片足かえる足回し 第1部P72
図3.「片足かえる足回し」と「上体起こし」
(『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』 第1部 より抜粋)


 無理をせず、自分のできる範囲から始めて、徐々にレベルを上げていきましょう。
 毎日続けることが大切です。

「筋肉」を鍛え、背骨がズレないようにする


 仙骨や背骨がズレる大きな原因のひとつは、それらを支えている「筋肉」の衰えです。

 筋肉の繊維は、ミオシンとアクチンというタンパク質の繊維でできており、この繊維が引きちぎられて、回復するときにもうちぎれまいと、前よりも強く結合します。
 この筋肉増強メカニズムの作用は、最低でも最大挙上重量(1回上げるのがギリギリの重さ)の50パーセント以上の負荷をかけなければ効果的ではありません。

 日野先生は、確実に筋力を向上させるために70パーセント以上の負荷が必要だと述べています。
 つまり、楽な筋トレはないということです。

 筋トレは「時間が空いたらやろう」ではまず続きません。スケジュール化してカレンダーや手帳に「毎週月曜日の何時何分から筋トレ、何時何分から有酸素運動」などと書き出します。その時間はメールがきても電話がきても、筋トレを優先します。集中したトレーニングが効果を発揮します。
 よく「睡眠時間もまともに取れないほど忙しいのに筋トレなんかできない」という人がいます。背骨コンディショニングで推奨しているバックキック、ローワーバック、外旋ローイングを3セットずつおこなうと運動時間は9分です。ストレッチを入れても20分以内に終わります。しかも週に2回です(外旋ローイングは3回)。もし「寝る暇がない」のであれば、週2回だけは20分早起きしてください。
 忙しく仕事ができるのは健康だからです。カラダのあちこちに痛みがあったら仕事どころではありません。カラダの不具合で仕事を失った方を大勢見てきました。ほぼ全員が教えた筋トレをやっていれば仕事を失わずにすんだと思います。優先順番はまずカラダのコンディショニングです。そのなかでも筋トレは最重要です。

 筋トレに年齢は関係ありません。大切なのは強度、頻度、正確性。ただし、人間のカラダは同じ刺激を繰り返していくと慣れてしまい、せっかくきついトレーニングをしても効果が薄れてきます。このため左ページ(下図4を参照)の「トレーニングの中長期プログラム」にしたがってください。これはわたしがオリンピックをめざす選手たちを担当していたときに使用していたものです。必ず効果があります。

 しかしすぐに目に見える変化は期待しないでください。腰痛をしっかり治そうと思ったら1年は必要です。その後、生涯腰痛から無縁の生活を送れると思えば短いものです。
 運動で治す症状に対して、効果のある運動方法を教えるから背骨コンディショニングで、どこへ行っても治らなかった人たちがよくなっています。

 わたしが教えられるのは方法まで。実践はあなたにかかっています。

『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』 第1部 より 日野秀彦:著 アチーブメント出版:刊

トレーニングの中長期プログラム 第1部P87
図4.トレーニングの中長期プログラム
(『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』 第2部 より抜粋)


 大殿筋を鍛えるための筋トレ、「バックキック」のやり方を以下に載せます(下図5を参照)。

 筋トレは、やればやるだけ効果が出ます。
 週2回20分ずつ、健康を保つために、ぜひ習慣にしたいですね。

バックキックのストレッチ 第2部P89  バックキック 第2部P88
図5.「バックキック」と「バックキックのストレッチ」
(『足と腰の痛み 我慢するほど悪くなる』 第2部 より抜粋)

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「腰痛などのカラダの痛みや不調は、神経が圧迫されることで引き起こされる」
 それが今までの医療の常識でした。

 日野先生の提唱されている「背骨コンディショニング」は、それとはまったく違うアプローチから組み立てた理論です。
 理論的な裏づけはこれからですが、すでに30万人以上の方が施術を受け、その効果を実感しています。

 革新的なアイデアが世の中に受け入れられるまでには、大きな抵抗があり、それを乗り越える時間が必要です。
「背骨コンディショニング」は、そんな画期的な理論といえます。

 多くの原因不明のカラダの不調にお悩みの方にとって、まさに「福音」ともいえる一冊。
 皆さんも、ぜひ、試してみてください。


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