本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『呼吸を変えると、人生が良くなる』(倉橋竜哉)

 お薦めの本の紹介です。
 倉橋竜哉さんの『呼吸を変えると、人生が良くなる』です。

 倉橋竜哉(くらはし・たつや)さんは、講師です。
 研修や講習などで「ブレスプレゼンター」の育成をされ、現在、日本マイブレス協会の代表理事を務められています。

「息づかい」を変えれば、心も体も変わる!

 焦っているときは、息が浅くなります。
 不安に押しつぶされそうなときは、息が詰まります。

 逆に、心が穏やかでリラックスしていると、深い息づかいになります。

 倉橋さんは、心の状態、体の状態が、無意識のうちに呼吸に現れると述べています。
 つまり、呼吸の仕方を変えることで、心の状態、体の状態をよくしていくことができるということです。

 息が深い人、浅い人、穏やかな人、荒く乱れている人・・・・・、息づかいは人それぞれです。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、その人の生き様は必ず息づかいに現れます。
 さらに言えば、逆もまた真なりで、息づかいを変えることで、人生を変えることができるのです。
 私たち日本マイブレス協会の門を叩く「人生の流れを変えたい」という人は、はじめは、息を吸うことばかり考えているような人がほとんどです。
 もっとたくさんお金を手に入れないと、もっといい仕事を見つけないと、もっとたくさん働かないと、もっとたくさん勉強しないと、もっと多くの人と仲良くならないと、もっと、もっと・・・・・。もう肺がパンパンになって息が吸えないのに、口だけパクパクさせて息を吸おうとしているように見えます。
 そんな人には、「まず息を吐き切りましょう」という話をします。
 これは比喩ではなく、実際にその場で息を「ふぅーっ」と吐き切ってもらいます。
 たったそれだけのことですが、「肩の荷が下りたようにラクになりました」とか、「モヤモヤしていた気持ちがスッキリしました」といった声をいただきます。

『呼吸を変えると、人生が良くなる』 はじめに より 倉橋竜哉:著 フォレスト出版:刊

「息を吐き切る」ことには、他にも、落ち着きを取り戻したり、リラックスして心をゆるめる効果があります。

 本書は、人生の流れを変える「マイブレス式呼吸法」のやり方をわかりやすく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「ツキの呼吸」のやり方

 幸運力を高める呼吸法が、「ツキの呼吸」です。

「ツキ」とは、幸運の「ツキ」であり、そしてお月様の「月」でもあります。

「ツキの呼吸」のやり方は、以下のとおりです。

 ①椅子に座った状態で、手のひらを上に向けて、太ももの上に置きます。
 ②目を閉じて、視線は斜め下に向けます。
 ③目を閉じたまま頭の中で漆黒の闇(新月)をイメージします。
 ④吐く呼吸からスタートして、ゆっくりと細く長く吐いていきます。
 ⑤吐き切ったら2、3秒軽く止めます。そして力をゆるめると自然と息が体に入ってきます。これを4サイクル行ないます。1サイクルごとに目を閉じたまま目線を上げていきます。そのとき、息を吸うタイミングで、月が4分の1ずつ膨らんでいくのをイメージします。吐いて、止めて、吸って・・・・・、呼吸が1サイクル終わるたびに、真っ暗だった新月から三日月へ、三日月から半月へというように、月が膨らんでいきます。
 ⑥4サイクルの呼吸で明るい満月がイメージできたら、そこで目線を上げるのをストップします。
 ⑦イメージの中で満月の光をいっぱいに浴びながら、深い呼吸を2、3回行ないます。
 ⑧最後は、「おツキさま、今日もありがとうございます」と感謝の言葉で締めくくります。
 ⑨満月の光を十分に浴びて、お月さまに感謝の言葉を言えたら、そのまま目を開けてください。

(中略)
 吐くのは、口からでも鼻からでも結構です。ただし、吸うときは鼻からにしましょう。
 そして、呼吸を繰り返しながら、1サイクル終わるたびに、目を閉じたまま目線を上げていきます。深い呼吸を繰り返すたびに、真っ暗だった新月が上に昇りながら満月に変わっていく様子をイメージします。
 だいたいでいいのですが、最初の目線が下に60度だとしたら、1サイクルで目線が下に30度(イメージは三日月)、2サイクル目で水平ライン(イメージは上弦の月〈半月〉、3サイクル目で上に30度(イメージは十日夜(とうかんや)の月)、4サイクル目で上に60度(イメージは満月)というように、少しずつ上げていきます。
 取り組む時間としては、3分ぐらいが目安です。

『呼吸を変えると、人生が良くなる』 心の章 より 倉橋竜哉:著 フォレスト出版:刊

図1 ツキの呼吸法 のやり方 心の章P58
図1.「ツキの呼吸法」のやり方
(『呼吸を変えると、人生が良くなる』 心の章 より抜粋)

 倉橋さんは、「ツキの呼吸」を「毎週月曜日にやってみる」ことを勧めています。

 気持ちが落ち込みがちな週の始めに、気分を切り替える「ツキの呼吸」。
 1週間を前向きに過ごすためにも、ぜひ、習慣にしたい呼吸法ですね。

「見つめる呼吸」のやり方

「見つめる呼吸」は、薬や健康器具などを使わずに自分の体の部位一つひとつに意識を向けることで、「モノ任せ」にせず体をいたわり、疲れを癒やす呼吸法です。

 体の不調が続く人、疲れがなかなか取れないという人に、オススメです。

「見つめる呼吸」のやり方は、以下のとおりです。

 姿勢は、立位でも座位でも、布団に入って横になってもかまいません。
 目は、開けていても閉じていても、どちらでもOK。閉じたほうがやりやすいという人が多いようです。体の力を抜いてリラックスした状態で行ないましょう。

 ①できるだけ細く長いゆっくりと吐いて、2、3秒止めて、力を抜いて吸って・・・・・という呼吸のサイクルを繰り返します。
 ②呼吸のサイクルに合わせて、一呼吸一部位で、体の部位に意識を向けていきます。
 ③自分の体を一通りいたわることができたら、あるいは、やっている途中に寝てしまったら、それで終了です。

 呼吸は、吐くことからスタートします。
 吐くときは鼻からでも、口からでもいいですが、吸うときは鼻からにしました。
 呼吸のサイクルに合わせて、一呼吸一部位で、体の部位に意識を向けていくとき、
「頭・・・・・、目・・・・・、鼻・・・・・、耳・・・・・」
 というように、頭の上から下に向けて流れるようにしても、
「つま先・・・・・、ふくらはぎ・・・・・、ひざ・・・・・」
 というように、足先から上に向けてでも、あるいは体の途中からスタートしてもOKです。
 ただし、「頭・・・・・、つま先・・・・・、肩・・・・・、太もも・・・・・」というようにあっちこっちに行ったり来たりしないようにしてください。
(中略)
 意識を向ける先の部位は、目や鼻などの体の表面から見える部分でも結構ですし、そこに意識が向くのであれば、内臓や筋肉、骨格などでもOKです。
 普段から不調を抱えていたり、健康診断で指摘されたりして気になる部分があれば、医学書やインターネットなどで、その部位のだいたいの場所と形をあらかじめ調べておきましょう。
 一呼吸一部位では、漠然と広い範囲を意識するよりも、より細かい部位を意識したほうが、効果を引き出すことができます。

 例えば、「目・・・・・」と意識するよりも「右目・・・・・、左目・・・・・」というように、細かい部位に意識を向けたほうが一つひとつの効果を引き出せます。単に「おなか」とするよりも「胃、小腸、大腸・・・・・」というように、より具体的な部位に意識を向けたほうが、効果を引き出すことができます。

『呼吸を変えると、人生が良くなる』 体の章 より 倉橋竜哉:著 フォレスト出版:刊

図2 見つめる呼吸 のやり方 体の章P97
図2.「見つめる呼吸」のやり方
(『呼吸を変えると、人生が良くなる』 体の章 より抜粋)

「見つめる呼吸」には、リラックス効果があります。
 そのため、入眠のために行うこともオススメとのこと。

 夜、布団に入ってから「見つめる呼吸」で、体を労ってあげる。

 疲れを癒やすだけでなく、寝付きも良くなり、一石二鳥の呼吸法ですね。

「合わせる呼吸」のやり方

 人とのコミュニケーションが苦手。
 そんな人でも、相手の呼吸(息づかい)を読むことで、相手の心理状況を知ることができます。

 倉橋さんは、呼吸のリズムを合わせれば、心を合わせることもできると述べています。

「合わせる呼吸」のやり方は、以下のとおりです。

 この呼吸法は、一人でするのではなく、「息を合わせる相手」が必要です。
 最初は家族や友人など、元々仲がいい人や、この人ともっと仲良くなりたいと思う相手を選ぶといいでしょう。相手には「合わせる呼吸をすること」を告げる必要はありません。いつもと同じように接してください。

 ①相手の呼吸を観察してください。「息が浅いか、深いか」を見極めます。
 ②しっかり観察できたら、今度は息を合わせます。相手が吐いたら自分も吐いて、相手が吸ったら自分も吸って・・・・・というように呼吸のリズムを合わせていきます。
 ③相手が喋っていれば、相手の話すスピードに合わせて会話することが息を合わせることになります。

 人の息づかいを見ると、その人の精神状態が見えてくる場合があります。
 息が浅いということは、それだけ心がぶれて不安定な状態ですし、息が深いということは、落ち着きのある腹の据わった状態と言えるでしょう。
 まずは「よく観る」ことが大切です。
 息づかいが合う(呼吸が同調する)と、無意識のうちにお互いが気持ち良くなります。たとえ相手が息を合わされていることに気づいていなくても、「この人(あなた)といると、なぜか心地いい」状態になっているでしょう。
(中略)
「息が合う」と言いますが、人の息づかいがわかるようになると、コミュニケーションがラクになります。
 営業の仕事をしている人など、コミュニケーションスキルが高い人は、たとえ呼吸法を知らなくても、無意識のうちに「呼吸を合わせる」ことをしている人がいます。
 特に仲良くなりたい相手でなければ、無理に息を合わせる必要はありません。しかし、どんな相手であっても、息づかいを普段から観察することは役に立ちます。
 子どもの寝かしつけや夫婦の間柄で、この合わせる呼吸を使っている人もいます。「うなずき」「相づち」なども広義の「合わせる呼吸」と言えます。

『呼吸を変えると、人生が良くなる』 流の章 より 倉橋竜哉:著 フォレスト出版:刊

図3 合わせる呼吸 のやり方 流の章P183
図3.「合わせる呼吸」のやり方
(『呼吸を変えると、人生が良くなる』 流の章 より抜粋)

 倉橋さんは、「合わせる呼吸」をするときには、相手の「襟元」を見るとよい、と述べています。

 呼吸するときの、襟元のわずかな動き。
 それが、相手の心理状況を知る手がかりです。

 相手の息づかいを把握し、それに自分の息づかいを同調させる。
 それがコミュニケーション上達の秘訣ですね。

「思い描く呼吸」のやり方

 未来をイメージすることで、理想を叶えやすくするための呼吸法。
 それが「思い描く呼吸」です。

「思い描く呼吸法」のやり方は、以下のとおりです。

 これは、「願えばなんでも叶う」「神様があなたを助けてくれる」というものではなく、右脳と左脳をフルに使って達成後をイメージすることで、新しいことに取り組むときの抵抗感を排除し、ワクワクしながら前に進むことができる方法です。

◎準備
 始める前に、まず準備をします。
 自分の理想の未来を「短いひと言」(2、3秒)で言えるようにしておきましょう。
 試験の合格、お店を開く、資金を貯める、家族で旅行、プレゼンの成功・・・・・。
 遠い未来のことでも、明日明後日のことでも結構です。大きなことでも、小さなことでも大丈夫です。
 1回の「思いを描く呼吸」では、理想を何個も詰め込むのではなく、1つに絞りましょう。なお、これは何回やってもいいですし、そのたびに違う理想を言葉にしても大丈夫です。

◎Step1
 座った状態で始めることをオススメします。目は開けていても閉じていても結構です。姿勢は背もたれにもたれたり、前のめりにならず、腰の上に上半身が乗っている状態にしましょう。

 ①手のひらは上に向けて太ももの上に置いて肩の力を抜きます。
 ②呼吸は深くゆっくりと、「息を吐く」→「止める」→「吸う」を3〜10回繰り返します。吐くときは、できるだけゆっくりと細く長く吐き切ります。
 ③吐き終わったら、2、3秒止めて、そして力をゆるめて息を吸います。
 ④吐くときは、口からでも鼻からでもかまいませんが、吸うときは鼻を使いましょう。
 ⑤この息を止めている2、3秒の間に、準備していた「理想のひと言」を頭の中で唱えます。息を止める時間なので、短い時間で唱えられないと苦しくなってしまいます。

 言葉にして唱えることで、左脳(理屈の脳)にメッセージを届けることができます。

◎Step2
 Step1が終わったら、今度はリラックスした姿勢になります。
 背もたれにもたれたり、リクライニングを倒したり、ソファーや布団を寝ころんでもかまいません。
 顔を少し上に向けると、より良いでしょう。
 呼吸は、夜寝る前のようなリラックスした息づかいに変えます。
 特に頭の中で意識せずに、できるだけ穏やかな呼吸にしましょう。
 そして、自分の理想が叶った世界をイメージします。
 そこで見えるもの、聞こえるもの、感じられるもの、匂い、味・・・・・、五感をフルに使って味わっていきます。
 イメージすることで、右脳(芸術の脳)にメッセージを届けることができます。
 時間は、どれだけかかってもかまいません。十分に味わうことができたら終えてください。

 このときに大切なのは、楽しくイメージすることです。
「やらねば」という義務感でイメージしようとしても、あまりうまくいきません。
 まだ実現していないことなので「妄想」のように思うかもしれませんが、妄想でかまいません。
 最初は「ぼんやりとしたイメージ」しか見えないかもしれませんが、これを繰り返すことで、少しずつ「クリアなイメージ」に変わってきます。それが手に取って実感できるぐらいクリアなイメージになれば、理想が現実となり叶う日も近いでしょう。

『呼吸を変えると、人生が良くなる』 願の章 より 倉橋竜哉:著 フォレスト出版:刊

図4 思いを描く呼吸 のやり方 願の章P238
図4.「思いを描く呼吸」のやり方
(『呼吸を変えると、人生が良くなる』 願の章 より抜粋)

 コツは、楽しみながら、リラックスしてやること。
 呼吸と一緒に、肩の力を抜いて、ワクワクするようなイメージを思い浮かべましょう。

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 呼吸で、人生の流れを変える。
 そのための大切なポイントは、「息づかい」「イメージ」です。

 息づかいとイメージ(頭の中の思考、想像)には、深いつながりがあります。
 倉橋さんは、イメージを変えれば、息づかいも変えることができ、逆に、息づかいを変えれば、イメージを変えることもできるとおっしゃっています。

 息づかいを深く、穏やかなものにすることで、イメージをポジティブなものに変える。
 それが、「マイブレス式呼吸法」の根底にある考え方です。

 呼吸は、意識している、していないにかかわらず、誰もが必ずしていることです。
 生きるために一時も欠かせないからこそ、その影響力は、計り知れません。

 人生を変えるには、まず呼吸から。
 皆さんも、「マイブレス式呼吸法」の驚くべき効果をお試しください。

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