【書評】『「心のブレーキ」の外し方』(石井裕之)

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 お薦めの本の紹介です。
 石井裕之さんの『「心のブレーキ」の外し方』です。


 石井裕之(いしい・ひろゆき)さんは、日本でも有数のパーソナルモチベーターです。
 催眠療法やカウンセリングの施療経験を生かして独自のセミナーによる指導を展開しています。

心にブレーキをかける原因の正体


 石井さんは、この本を知識を学ぶためとか、楽しむための本ではなくて、あなたの目標を叶えるため、そのためだけに作られた本と言い切ります。

 成功者の本などを読んで興奮し、『よし、今日から頑張ろう!』と決意する。
 しかし、1週間もすると、その熱も冷めてしまい、いつもの自分に戻ってしまう。

 そんな経験は、誰にでもあるでしょう。
 石井さんは、その理由を以下のように説明しています。 

 どうしてヤル気は長続きしないのでしょうか?
 どうして感動はすぐに冷めてしまうのでしょうか?

 それは、あなたの心にブレーキが働くからです。

 この「心のブレーキ」の正体を見極めることさえできれば、逆にそれを利用して、ヤル気や感動を燃やし続けることができ、したがって、スムーズに目標を実現することが可能になります。 

 このブレーキを手なずけるヒントは、あなたの潜在意識にあります。
 潜在意識と言っても、難しいものでも、怪しいものでもありません。要するに、あなたのもうひとつの心のことです。
 ダイエットしようと思っても、つい食べ過ぎてしまう。
 落ち着こうと思っても、イライラしてしまう。
 企画書を書かないといけないんだけど、なかなかヤル気にならない。
 そんなふうに、自分の思いとは反対に動く心があることは、あなたも経験から気づいているはずです。それがあなたの「もうひとつの心」、つまり、「潜在意識」なのです。

 『「心のブレーキ」の外し方』 はじめに より  石井裕之:著  フォレスト出版:刊

「もうひとつの心」

 つまり、潜在意識が、私たちのやる気にブレーキをかけている。
 それは、具体的にどういう意味でしょうか。

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「潜在意識」のシンプルな働きについて


 潜在意識とは、普段、自分では認識できない心の領域です。

 人間の心は、この潜在意識が、多くの部分を占めています。
 心の90%以上を潜在意識が占める、という専門家もいます。

 願望や目標を叶えるには、この潜在意識の力を借りることが、一番の近道です。

 潜在意識を活用するために、押さえるべき重要な性質。
 それは、「潜在意識は、現状を維持しようとする」ことです。

 潜在意識には、「金持ちは望ましいことで、貧乏は悪いことだ」という区別は、一切ありません。
 ただ単純に、メカニズムとして“現状を維持”しようとするのみです。

 今の自分から抜け出そうとしたとき、この潜在意識の“現状維持”の働きは、マイナスに作用します。
 具体的には、「潜在意識を、新しい自分に徐々にならしていけばいい」とのことです。

 止まっている車はできるだけ止まっていようとします。
 だから、最初に車を動かすときには大きなエネルギーが必要になります。ローギアに入れて、ゆっくり車を動かす必要があります。
 しかし、いったん車を動きはじめて加速がつくと、今度は止めることのほうがたいへんです。ブレーキを踏み込んでも急には止まらない。停止させるには相当のエネルギーが必要です。
 当たり前のことだと決めつけずに、どうぞ、少しだけ考えてみてください。

 最初の一歩こそ、一番大きなエネルギーが必要なのだ

 ということの事実の重要さに、改めて気づくはずです。

  『「心のブレーキ」の外し方』 Therapy1 より  石井裕之:著  フォレスト出版:刊

 物理的な世界では、動き始めるときに、一番大きなエネルギーが必要です。

 石井さんは、心のなかの世界でもこの物理法則は成り立つのだと強調します。

 本書は、潜在意識の”現状維持”という引力に逆らい、自分の望む方向へ動き出すための具体的な方法論をまとめた一冊です。
 ここではいくつかピックアップしてご紹介します。

「感情を行動に変える」ことの意味


 一時的なやる気を起こさせる「感情」は、すぐに消えてしまいます。
 それは、感情は受動的であり自分の自由になることがないからです。

 放っておけば消えてしまう感情を、行動に変えることによって定着できるのはなぜか?それは、

 受動的な体験を、能動的な体験にシフトしたから

 なのです。
 今までは助手席に乗せられていたあなたが、今度は自分で”ハンドルを握る”ようなものです。湘南に行きたければいいし、パーキングエリアで休憩したければいつでもそうできる。このドライブは、あなた自身のものとなります。

 『「心のブレーキ」の外し方』 Therapy2 より  石井裕之:著  フォレスト出版:刊

 実際に行動に移すか、移さないか。
 それが何よりも大事ということです。

 目的地までの道のりを覚える。
 そのためには、助手席に座っているよりも自分で運転しているほうが、はるかに楽です。

 最初は、潜在意識の抵抗が大きいのは仕方ありません。

 いったん動き出せば、ずっと楽になる。
 そう信じて「最初の一歩」に全力を注ぐことが大切です。

潜在意識だって疲れてしまう!


 身体の問題で疲れるのではないし、気持ちが落ち込むほどの出来事があったわけでもない。
 それなのに、ただ何となく、心に力わいてこないという人は多いです。

 そういう人たちには、共通する特徴があります。
 それは、「答えが出るはずのがない質問を自分に投げかけてしまっている」ことです。

 たとえば、「どうしてボクは何をやってもダメなのでしょうか?」
というのは、決して答えが出ない質問です。

 出るはずがありません。「何をやってもダメだ」という間違った情報が前提になっている質問だからです。だって、「何をやってもダメ」なはずがない。いえ、私は別に、その人を励まそうとしてそう言っているわけではないのです。事実として「何をやってもダメなはずがない」から、そう申し上げているだけです。
 現に、歩けるし、しゃべれるし、呼吸だってできる。本当に「何をやってもダメ」なら、そもそも、この年まで生きてこられたはずがないでしょう?今、生きているということは、今日までサバイバルしてきたってこと。「何をやってもダメ」なら、生き残れるはずがない。
 そんな明らかな矛盾にも気づかず、その人は、「なぜ、自分は何をやってもダメなのか?」とひたすらボヤく。それがすっかり習慣になってしまっているのです。
 しかし、感情をこめてそうボヤいたその瞬間から、潜在意識は、
「俺が何をやってもダメなのは、なぜなんだろう?よし、答えをサーチしよう!」と、バカ正直に答えを求めて動き出してしまうのです。

 『「心のブレーキ」の外し方』 Therapy4 より  石井裕之:著  フォレスト出版:刊

 潜在意識は、自分の考えたことを、忠実に実現させようと働きます。

 いかに普段日常的に考えたり、口にしたりする言葉が大事かということ。
 また、目標や将来の自分のなりたいイメージを具体的に持つことも大切です。

過去の実績なんてどうでもいい


 潜在意識には、「時間」という概念もありません。

 潜在意識にとっては、「過去の実績」はどうでもいいことです。
 あくまでも、今、自分が自分自身についてどう思うか、です。

 いくら、過去の”実績”に自信があっても、潜在意識にはそれが理解できません。
 しかし、”実績を生み出した自分の力”に自信があるなら、潜在意識はそれは理解できます。「なるほど、オレは結果を出せる力があるのだな」と理解し、そのようにあなたを導いてくれます。
 ということは、

 あなたが自分の力に自信をもっていさえすれば、潜在意識にとっては、その自信に根拠があろうがなかろうが、どちらでも同じことだ

 ということになります。
 ”根拠のない自信”などと言うと、軽蔑を込めた表現として使われることが多いですが、潜在意識的にみると、

 根拠がないからこそ本物の自信

 なのです。
 過去の実績などの根拠がある場合、それは、”今の自分の力”に自信があるというより、”過去の実績”に自信があるということです。実績があるなら、自信があっても当たり前です。しかし、その当たり前の自信は過去のものに対する自信です。
 だから、実績がないのに、今の自分の力に自信がもてるとしたら、それこそが本物の自信だと言えるのです。

 『「心のブレーキ」の外し方』 Therapy6 より  石井裕之:著  フォレスト出版:刊

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 最初から実績のある人などいません。

 持つべきは、実績の裏付けがない「根拠のない自信」です。
 つまり“ハッタリ”から始めるしかないということです。

 どんなに歌の上手い人でも、初めて大勢の前で歌うときには、足が震えるくらいの緊張をします。

 自分をだまして、人をだまして、「自信があるかのような自分」を演じる。
 そのうちに、いつのまにか本当の自信がついてきます。

 私たちの潜在意識には、そんな大きな力があります。
 上手に味方にして、活用していきたいですね。

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