【書評】『POSITIVE SHIFT』(宮下大和)
お薦めの本の紹介です。
宮下大和さんの『POSITIVE SHIFT』です。
POSITIVE SHIFT | |||
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宮下大和(みやした・やまと)さんは、実業家です。
SNSやユーチューブなどのメディアを通じて、インターネットを活用して起業する方法を配信されるなど、起業家育成・自立支援を中心にご活躍中です。
平凡な人が、「自分らしく自由に生きる」方法とは?
「自分らしく自由に生きたい」
ほとんどの人はそう願っています。
では、「自由」とは何でしょうか。
宮下さんは、自由とは、たとえ「普通」や世間の大多数の意見と違ったとしても、自分軸で選ぶこと、自らが本当に望むものを選択できること
だと述べています。
平凡体質の人間
だという宮下さんは、「自由に生きたい」という強い想いだけで、人生を変えることに成功しました。
家族は自己主張の強い面々でしたが、比較的平均的と言える家庭で生まれ育ち、成績も普通。秀でた特技があるわけでもありません。野球が大好きで高校まで続けていましたが、「弱小高校ではエースでも、強豪校では活躍できない」というレベルです。
地元・山梨県の大学を出て、地元の企業に就職。会社員として頑張ろうとするものの、すぐ挫折してうまくいかず、1年や半年という短い期間で転職を繰り返しました。脱サラして整体師になったときは、余裕のある収入を得られるようになりましたが、副業で始めたネットワークビジネスもインターネットビジネスも全く結果を出せずじまい。そんな、自分で何かを成し遂げたことのない人間でした。
それでも「自由に自分らしく生きたい」という気持ちだけを頼りに、試行錯誤し続けてきました。ごくごく平均的な人が20代、30代で月収100万〜200万円稼ぐには、「普通のこと」をやっているだけでは絶対に無理です。
よほどの天才か、勉強やスポーツなどで学生時代に何かしら結果を残しているような人なら可能かもしれません。でも、普通の人は無理です。もしかしてあなたも、このように考えて、変わることを諦めかけてしまっているのではないでしょうか。
ただしこれは、逆に言えば平々凡々な人間でも、「いつもどおりの一日」を変えていけば、そこから抜け出せるということです。
僕がこの本を書こうと思ったのは、どこにでもいる普通の人でも自由になりたいという気持ちを持ち続け、ほんのちょっと考え方を変えるだけで誰でも大きな一歩を踏み出せること、そして成功する可能性があることをお伝えしたかったからです。超有名な大学を出たわけでもない、習い事やスポーツで実績を残した人でもない、ごくごく普通の人でも、やり方しだいで自由な生活を送れるようになれるのです。『POSITIVE SHIFT』 はじめに より 宮下大和:著 総合法令出版:刊
「いまは平凡だけど、人生を変えて自由になりたい」
本書は、多くの人たちのそんな願いに応える具体的なノウハウをわかりやすくまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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あなたの「本当に望むもの」は何ですか?
「自分が本当に望むもの」がわからない。
そんな悩みを抱える人は、意外と多いです。
宮下さんは、「やりたいこと」「欲しいもの」ひいては、「自分らしさ」というものは、「好きなもの」と直結して
いると述べています。
さてここで、あなたはなぜ、いまこの本を読んでいるのか、いま一度問い直してみてください。
人生を変えたいと思っているから? ではなぜ人生を変えたいのか? 自分に問いかけてみてください。
なぜお金が欲しいのか?
いったい何が不満で、どうなれば幸せなのか?
何がしたいのか?
あなたは自分が本当に望むものは何か、どのくらい理解しているでしょうか?僕が尊敬する作家さんの著書に、次のような意味の言葉があります。
〈自由とは、全て好き勝手に選べるということでもあるけれど、それと同時に全ての責任を自分で負うことだ〉
その作家さんはさまざまなビジネスをされていて、非常に多忙であろうのに、1年の半分を海外で過ごし、自由に生活しています。
彼のこのメッセージを初めて読んだときは、あまり腑に落ちていませんでしたが、実際に自分で自由を手にしてみると、この言葉に強く共感するようになりました。
例えば、組織の中で働くなら、完全に自由な仕事はできない反面「全ての責任を自分で負う」ということはほとんどありません。価値観はさまざまなので、そういう働き方がいい、という選択も当然「アリ」です。しかし、自分の「全ての責任を自分で負う」という選択もしなければなりません。いかなる問題が生じても、その問題を解決するのは自分です。どんな結果になっても受け入れる覚悟が必要です。その最初の一歩を踏み出すのは、ある意味、嫌なことだったり、痛いことだったりします。それは当然かもしれません。自由になって、どんな問題が起きるかなんて誰にもわかりません。
しかしその一歩が踏み出せれば、自由になります。嫌なもの、怖いものを乗り越えてでも、自分が心から「良い」と思うことを選択していくことが、自由につながっていくのではないかと思っています。自分の望むものをしっかり理解しておかなければなりません。『POSITIVE SHIFT』 第1章 より 宮下大和:著 総合法令出版:刊
「自由になる」ことは、いいことばかりではありません。
自由になって得られるもの。
自由になって失うもの。
その両者を天秤にかけてみる必要があります。
どの程度の「自由」を、自分は望んでいるのか。
それを知ることが、最初のステップだということですね。
自分の「好き」を知るワーク
多くの人は、固定観念や既成概念にとらわれてしまっています。
自分自身の価値観に沿う生き方を選択するには、そうした他者からの視線を一度全て取っ払う必要
があります。
宮下さんは、いままで当たり前に「ふつう」だと思っていたことから、ちょっとだけ視線をずらすだけで、それまで見えなかったことが見えて
くると述べ、そのための方法をいくつか紹介しています。
「なぜお金が欲しいのか」「何をしたいのか」「自分は本当は何が好きなのか」ということを知る、すごくシンプルで簡単な方法があります。図1のように、ポジティブな思い出とネガティブな思い出の両方を書き出し、その理由を考えてみるのです。
自分が嬉しかった、楽しかった経験だけでなく、自分の嫌だったこと、悔しかったこと、悲しかったことなど、ネガティブな思い出も振り返ることが大切です。
ネガティブな思い出を書き出したら、それを反転せさせて捉え直してみましょう。
「どうしても嫌だったこと」「もう関わりたくない人」というのは、反転すれば、「好きなこと」「関わりたい人」というのを教えてくれます。例えば僕なら、結婚式プロデュースの会社で毎日上司に怒鳴られ続けたのは、死ぬほど嫌な思い出です。「もう、あんな人とは関わりたくない!」とすら思ったほどです。それはなぜかを一歩深く考えてみると、僕のことを認め、信頼してくれなかったこと、信じて話を聞いてくれなかったことが嫌だったというのがわかります。
そうしたら、それを反転させて考えてみましょう。本当に好きなことはその反対の方向にあるからです。
僕の場合、関わりたいのは、「僕を認めてくれる人」「信頼して任せてくれる人」であるということです。さまざまな固定観念、他者の目線に囲まれていると、自分の「好き」を見失うことがあります。しかし、過去の体験を棚卸しすることで自分の「好き」を取り戻し、明確にすることができます。
『POSITIVE SHIFT』 第4章 より 宮下大和:著 総合法令出版:刊
図1.思い出から「好き」を見つけるワーク
(『POSITIVE SHIFT』 第4章 より抜粋)
私たちは、自分が思っている以上に、自分自身を把握できていないものです。
過去を遡ることで、自分自身の価値観を洗い出す。
文章にして「見える化」する。
両方の意味で、とても有効な手段ですね。
時間の「断捨離」をする
人生を変えたい。
起業や副業をやりたい。
そう考えているビジネスパーソンが、なかなか一歩を踏み出せない最大の理由。
それは「時間がない」ということはないでしょうか。
新しくビジネスを始めるには、時間はどうしても必要となります。
では、どうすれば時間をつくることができるのか?
それを説明する前に、1日24時間というものが、どういうパーツでできているかを整理してみましょう。
まず、あなたはどんなことに時間を使っていますか?
「睡眠」「仕事」「食事」、通勤している人なら「通勤」などなど、1日の時間とは、こうした時間のパーツを埋め込むことで成り立っています。まずはあなたの1日を構成するパーツをぜひ書き出してみてください。例えば、整体師をやっている頃の僕の1日のパーツは、朝7〜8時は「支度・食事・出勤」。9〜20時までは「仕事」。20〜21時は「帰宅」。21〜24時は、「食事」のほか、お風呂に入ったりテレビを観たりと「のんびりする時間」でできていました。毎日、このルーティンの繰り返しです。
しかし、このルーティンを繰り返している限り、ずっとこの状態が続くということです。もし人生を変えたいのであれば、このルーティンを変化させなければいけません。新しいことを始めるにも、そのための時間を捻出しなければなりません。
じゃあ、何をどう変えればいいのかというと、さっき書き出した24時間の使い方、パーツ構成を変えるのです。具体的な方法は2つあります。①断捨離と、②効率化です。
断捨離は無駄な時間をどんどん削ることです。
効率化は作業のスピードアップです。同じことをやるにしても、より早くこなして、空いた時間をつくるのです。
僕は整体師をしながら副業として自分のビジネスを始めたので、先ほど書いたルーティンを断捨離、効率化していき、空いた時間をビジネスに使うようにしました。
僕の場合、睡眠時間は削れないので、それはたっぷり取ったままにしました。
その分、ご飯を食べる時間を30分から15分に短縮したり、食べながら仕事をしていました。
お風呂も時間を短くして、子どもと遊ぶ時間も、副業を始める前は毎日遊んでいましたが、1日おきにしました。見直していくと、かなりの時間を絞りだせます。効率化も大切ですが、断捨離の効果は桁違いです。
将来にとって無駄なこと、目標に対して無駄なことはどんどん断舎離しましょう。飲み会、テレビ、マンガ・・・・・などの娯楽も断捨離対象。僕は、テレビを見ることも、友人たちと遊ぶこともスッパリ止めました。
最大の断捨離は、「仕事」です。最終的に整体師を辞めたあとは、多くの時間を本当にやりたかったビジネスのために使えるようになったのですから。
いま繰り返している24時間の使い方をもう一度、チェックしてください。必ず無駄があるはずです。『POSITIVE SHIFT』 第4章 より 宮下大和:著 総合法令出版:刊
図3.24時間のパーツ構成
(『POSITIVE SHIFT』 第4章 より抜粋)
1日に24時間。
誰にも平等に決められた「時間」という貴重な資源です。
それを何に使うかは「どう生きるか」に直結する重要な問題です。
ここでも、客観的視点と「見える化」がポイントになりますね。
素直な人、謙虚な人
宮下さんは、成功する人には「いくつかの共通する素質」があると指摘します。
その中のひとつが「謙虚さ、素直さ」です。
実は謙虚には、評価される謙虚さと評価されない謙虚さがあります。
謙虚さは、あらゆる問題の解決に欠かせません。
例えば、「意見が言えない」という問題を抱えている人はとても多いですが、この場合、「謙虚さ」とは、「こういう自分はダメだ」と思うこととは違います。
「何か原因があるはずだから、それを理解して解決していこう」というオープンさが「謙虚さ」。「理解できてないことを理解したい」という向上心が「謙虚さ」です。
全ての人間は発展途上。つまり、誰にでも「知らないこと」「わからないこと」「できないこと」があり、誰もが失敗や間違いを犯すものです。そのとき、もし「謙虚」であるならば、そこから学ぼうとするでしょう。「なぜこうなったのか」と考え、「今後はどうすればいいのか」を決めて実行する。
もし「自責」「自罰」「無価値感」があると、失敗から学べません。失敗や間違いをしたこと自体に囚(とら)われて、「失敗した自分は情けない存在だ」と考えるでしょう。特に、新しいこと、知らないことを始めるときは重要です。多くの人は、新しいこと、知らないことに初めてトライするとき、自分のそれまでの経験や価値観で判断して、大事なことが見えなくなる傾向にあります。
例えば、成功している人の話を聞いて、「わかるんですが・・・・・」「〜けど」などと言う人は危ないと思っています。謙虚に受け入れなければ、自己点検ができません。
成功している人は見えている視野の大きさが違います。自分の想像だけで考えたことは、足かせにしかならないということがあります。学習に対してオープンであることが、謙虚であるということです。『POSITIVE SHIFT』 第5章 より 宮下大和:著 総合法令出版:刊
卑屈になること、下手に出ること。
それが謙虚であることと、勘違いしている人は多いです。
間違いや無知を受け入れ、周囲からのアドバイスを素直に受け入れること。
それが本当の謙虚さであり、成長するためには欠かせない心構えです。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
宮下さんが、本書を通じて最も伝えたかったこと。
それは「興味があればまずはやってみる」という、チャレンジする心
です。
人生は長いようで、過ぎてしまえば、あっという間です。
やりたいことを、いちいちためらっていたら、何もしないうちに終わりが来てしまいます。
人生は、「今この瞬間」が積み重なって成り立っています。
「やらずに後悔」するから「やって反省し、前進」するへ。
その意識の転換が「POSITIVE SHIFT」を成功させる秘訣だといえます。
「今」を変えることが「未来」を変え、「人生」を変える。
本書は、生き方を根本から変えるための起爆剤になりうる一冊です。
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