本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『覚醒のヨーガ』(畠山桂子)

お薦めの本の紹介です。
畠山桂子さんの『覚醒のヨーガ』です。

宇宙とつながって、それでどうするの? 覚醒のヨーガ (大和出版)

畠山桂子(はたけやま・けいこ)さんは、ヨーガの奥義を極め、高次の意識に覚醒して霊的人間に進化する「覚醒のヨーガ」のマスターです。

重要なのは「マインドをコントロールできる」こと

ヨーガの目的は、マインドをコントロールできるようになることで、霊的な人間に進化する、つまり「目覚める」ことです。

畠山さんは、霊的な人間に進化するということは、お金や仕事、健康の問題、人間関係の悩みから卒業するということだと述べています。

 さて、霊的な成長における「目覚める」とは、いったいどういう意味なのでしょう? 私たちが日常的に使う「目覚める」は、睡眠から目が覚めることです。それから考えると、精神世界が言うところの「目覚める」とは、私たちが何に対して眠っていることなのでしょうか?
このことを車の運転から理解していきましょう。

車の運転は、アクセルとブレーキ、ハンドルなど様々な機能が、あなたの操作によって、一つのつながりになることで、「運転」として成り立ちます。
実は、人間の生き方はこの車の運転と同じです。
あなたは運転するとき、ハンドルを操作しているだけでもなく、バックミラーを見ているだけでもなく、ブレーキを踏もうとしているだけでもなく、それぞれの操作を一つにまとめ、全体的にとらえて「運転」をしています。
この操作と同じように、思考も感情も、肉体の動きも、意識的に一つにまとめ、自分を表現する道具として扱えるようになることが、私たち現代人の目指す進化した人間の生き方です。

アクセルもブレーキも、その機能をあなたがわかって操作しているから車が目的地に向かって進んでいくように、マインドの働きを理解して、コントロールすることで、人生の舵を自分でとっているように、生きている実感が得られます。
マインドに無意識な状態は、正午になったらお昼ゴハンを食べるというように、自分の意思ではない何かにコントロールされている状態になるため、生きている実感が得られません。

さて次に、マインドに無意識で生きてはならない重要な意味を、盲目で車を運転することにたとえて説明していきます。
盲目であっても、車にエンジンはかけられますが、運転はできません。ですから、エンジンがかかって走り出してしまった車が、坂道にあったとしたら? 目の前のものに激突して事故を起こしてしまいます!
この激突したことで起きる事故が、自分のマインドをコントロールしていなかったことから生じる様々な悩みです。
マインドには無意識でも、胃が食べ物を自動的に消化するように、マインドは自動的に思考を生み出す働きをしています。
これが、前述した(25ページ)「本当に解決しなければならない問題」です。自動的に働くマインドが、平坦な道ならまだしも、人生の坂道に置かれていたら、あなたがブレーキをかけなければ、マインドはどこまでも転がり落ちていくからです。

マインドを自動的に働かせておくと、マインドから浮かんできたイメージや記憶を再現するために肉体が突き動かされ、あなたにかわって人生を先導していくようになります。
ですから、「目覚める」、すなわち「覚醒する」ということは、マインドに突き動かされていることに気づいていない状態から目覚め、マインドの自動的な働きをコントロールするということなのです。
ヨーガの師は、いつも私たちにこう言っていました。「ゾンビのように生きるな!」と。
これは、マインドに突き動かされ、亡霊みたいに浮遊して生きるなという意味です。ゾンビは、マインドを客観的に観ることができていないから、マインドの衝動のままに口を開ければ雄叫びが、手を伸ばせば鋭い爪が、自動的に出てきてしまいます。
ゾンビのように、マインドに突き動かされていることに気づかず、苦しんでいる人々に向かって「目覚めなさい」と叫んでいる覚者たちの声が聞こえますか?
マインドに無意識でいることが、人生における諸悪の根源だからです。

『覚醒のヨーガ』 第1章 より 畠山桂子:著 大和出版:刊

本書は、霊的人間に覚醒するための法則を解き明かした「覚醒のヨーガ」のノウハウをわかりやすく解説した一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「マインド」の働きとは?

畠山さんは、「目覚める」、すなわち「覚醒する」ということは、マインドに突き動かされていることに気づいていない状態から目覚め、マインドの自動的な働きをコントロールするということだと述べています。

ここでいうマインドとは、五感が知覚した外的な刺激を情報化して、保存し、私たちの反応として表出するまでの認知の働きを総称したものです。

 マインドには「理解」「判断」「分析」「心象化」「想像」「記憶」などの情報処理機能があり、五感と連携して働きます。
例えば、ドアが開いた音がガチャッとしただけで、目で確認していないのに子どもが帰ってきたと思って、「おかえり」と反応するのは、そのドアの音をマインドが記憶に基づいて情報化しているからです。
マインドは、意識されず無意識に働きます。
スマホに夢中になっているにもかかわらず、台所から聞こえてくる音に対して、「お湯が沸いた!」と思って、台所に跳びはねていくのはなぜでしょう。
何かに夢中になっていても、他のことに気づくことができるのは、五感が常に状況を察知して、マインドが情報処理しているからです。
クリーニング屋さんの前を通ったとき、「あ! とりに行くの昨日だった」と気づいた経験はありませんか? このとき、あなたは気づこうとして気づいたわけではありませんよね。
マインドには、一度反応したことをデータ化して、一定の習慣にする働きがあります。お湯が沸いたことに気づいたのも、クリーニング屋さんに預けていたコートに気づいたのも、すべてマインドによって引き起こされたことです。
五感もマインドも、意識することなく常に状況を知覚して判断していることから、魂が物質界を経験するための道具とみなされています。

ここで、「マインド」と「心」はどう違うのかと疑問がわいてくるかもしれません。本書の「マインド」と、一般的に「心」と呼ばれているものの違いを明確にしておきましょう。
「マインド」は、認知機能のことです。先にも述べましたが、五感が知覚した外界の刺激を、マインドの記憶の貯蔵庫から似たような記憶を呼び起こして情報化し、私たちの反応に加工するまでの認知のプロセスを総称したものです。
このプロセスは、私たちの意思とは関係なく、自動的に働いています。
「心」は、マインドがくだした結果をもとに、「私は今、心の中でこう思っている」と主観的に感じたり思ったりする心理的な働きのことです。
本書では、認知機能をそなえた思考器官としての「マインド」の働きを明かし、マインドを進化させる本質的な方法を提示していきます。
マインドは、私たちが自分のマインドを意識して生きることができるようにならなければ、自動的に働く機械のようなマインドのままです。このマインドに無意識でいることから目覚めることが、マインドを進化させる秘訣なのです。
私たちが魂の意識に覚醒すると、五感の知覚から思考が生み出されるまでのマインドの認知のプロセスを、自分の身体でとらえることができるようになります。
この能力を獲得すると同時に高次のマインドが目覚め、五感が知覚した刺激を自動的に情報化するマインドのレベルを超えて、魂のメッセージを情報化するマインドに進化します。

さて、マインドの働きには、少々厄介な面があります。いつも正しく情報が処理されているわけではないということです。
五感の刺激を、習慣や記憶に基づいて情報化するため、常にその場に適切な判断がくだされているわけではありません。
例えば、これまでの自分を変えたいと思って、スピリチュアルな生き方を学ぶためのセミナーに参加したのに、自分の考えとあまりにも違うとマインドが判断すると、疑いや不安、不信感が募ってきたりします。そして、「これは怪しい」「こんなことあり得ない」と、怒りだし、途中で投げ出してしまうことあります。

コロナ禍によって、新しい仕事を創造し、新しい生活様式に慣れていかなければならない時代の過渡期に立たされている私たちが、過去にしがみつくマインドを制することができない状態で、どうやって新しい世界を創造し、新しい時代に順応していくことができるでしょうか?
ヨーガのバイブルである『ヨーガ・スートラ』1章2節に、「ヨーガとはマインドの波を静めることだ」と述べられています。この一節は、私がマインドから覚醒しなければならないことを強く示唆しています。
私たちが、新しい価値観や出来事に直面したときに見せる苛立(いらだ)ちや不安は、過去の記憶から目の前のことを判断、分析するマインドの働きから生じます。慣れ親しんだ習慣に執着するマインドに無意識でいればいるほど、目の前のことに対する反応が固定概念や先入観となって現れ、新しい考えを受け入れることをむずかしくさせます。
そうして、「あの頃は良かった」と言って、今、目の前の状況を記憶で判断して、同じことをくり返していくのです。

物質界に存在する人間のマインドと、高次元に存在する魂がつながると、私たちのマインドは「第六感」に進化します。
それまでの五感とマインドの働きが洗練され、高度な霊的なレベルで働くようになり、自分から出てくる言葉や思考、文章が格段に高まります。
五感に、高次の波動を感じる力が開花し、マインドはその高い波動を情報化する能力を開花することで、魂のメッセージを五感で受けとり、人生の指針として理解できるようになります。
過去に、この能力を使える覚者たちが存在したからこそ、高次元の知恵であるヨーガを、物質界で生きる人間が学べるようになりました。
時代の過渡期である今、一人ひとりがこの能力を獲得できるチャンスです。ですから、本書の「覚醒のヨーガ」が今まさに必要なときなのです。
「そういえば、あのときこうだったよね」と、過去から目の前のことを考えるマインドの習性を、今こそ超えていくチャンスにして立ちあがらなけば、新しい生活様式も仕事も、新しい自分に生まれ変わっていくことも後まわしになってしまうことに気づいてください。
毛虫が蝶になるように、まったく新しい自分に生まれ変わるような自己変革を体験する秘訣は、第六感を開花することです。マインドを進化させることで、何をやっても変わらなかった自分が今度こそ変わります。
魂を、あなたの道先案内人として目覚めさせ、過去に例を見ない新しい人生を創造してください。

『覚醒のヨーガ』 第3章 より 畠山桂子:著 大和出版:刊

私たちは、マインドは自分自身だと勘違いしてしまいがちですが、違います。
マインドは、単なる「道具」であり、これまでの習慣や記憶などによって自動的に働いているということです。

私たちは、自分の意志で行動しているわけではなく、マインドによって自動制御されているといえます。

マインドの束縛から解放され、高次元に存在する魂とつながること。
「目覚める」ためには、避けては通れない道です。

「イライラ、ムカムカ」のからくりとは?

畠山さんは、思考も感情もマインドから自動的に生み出されたものという認識を自分の中に確立することが大切だと述べています。

 ある特定の人やものに対して、何度もくり返す感情や思考がありませんか?
あの人を見るとイライラ、ムカムカする。あの出来事を思い出すと頭に血がのぼるなど、決まった反応が自分の中でくり返され、生きづらくなったことはありませんか?
五感が知覚した刺激を、マインドが交感神経にスイッチが入るように情報化すると、闘うか逃げるかの反応が引き起こされます。それが脳に反映されると、私たちの反応は、攻撃的になったり、引っこみ思案になったりします。
これは、脳と神経のつながりに「五感がこれを感知したら怒りを表してね」「これを知覚したら無視してね」というパターンをつくる働きの一つで、「条件づけ」と呼ばれています。
「条件づけ」から引き起こされた怒りは、気にしないようにしようと思うだけで止めることはできません。あの人の顔を見るとイラついてしまうのは、その人が、あなたから怒りを生じさせる「条件」、怒りの引き金になってしまっているからです。
あなたに必要なことは、その人を非難することではなく、この条件を解除することです。相手を敵対視すればするほど、「条件づけ」は強化されていくことを、知識として知っておいてください。
では、どうやって解除することができるのでしょうか?
あの人に対する怒りは、自分の中のどこから来て、どのように身体に現れるのでしょうか?
神経は何によって動くのか、という視点から考えていきましょう。

まず、私たちの身体の構造を知っておきましょう。
私たちの身体は、三つの「体」が一つの単位になって成り立っています(下の図1を参照)。
マインドが働く精神体、感情を生じさせている感情体、そして、これらの働きを目に見える状態に現す肉体、これらが合体したものが私たちの身体です。
それぞれの体に、それぞれの意識があります。そして、その意識が活動する場が「界層」と呼ばれています。精神体のマインドの意識は、低位メンタル界です。感情体の情緒的な意識は、アストラル界です。肉体の意識は物質界で。まるでデパートのフロアによって店員さんの雰囲気も、売っている品物もガラッと変わるように、体と意識、界層が分類されています。
さて、デパートの中には誰もが足を踏み入れるデパ地下もあれば、「えっ? そんなフロアあった?」というような、目に入っていない場所もあると思いませんか?
この認識は、私たちの体に対しても当てはまります。目で確認して触れることのできる肉体ばかりが注目されますが、他の二つの体は波動的な状態で存在しているため、肉体のように意識されることはありません。
では、波動的な体の精神体と感情体と、実際に触れることのできる肉体は、どうやって合体しているのでしょうか?
この間には、エーテル体というエネルギーと物質をつなげる力を持つエーテルというエネルギーでできた体があります。
人類が進化の過程でエーテル体と肉体を合体させたことで、三つの体を一体化させて働かせることができるようになったのです。ですから、人間は四つの体で成り立っていると言っても間違いではありません。

エーテル体には、エネルギーが網の目のようにはりめぐらされ、その働きは肉体の神経系に現れます。つまり、神経の働きはエーテル体が外的に現れたものということになります。
エーテル体は、精神体と感情体から流れるエネルギーによって流れをかたちづくり、それが神経に反映して肉体が突き動かされていきます。
エーテル体によって活性化されて動く肉体は、「自動装置」とみなされています。ですから肉体は、内的な精神体の働きを外的に表現するためのツールにすぎないのです。

さて、「条件づけ」を解除する方法に話を戻しましょう。
解除するために注目しなければならない対象は、肉体を突き動かす原因のエーテル体の状態を左右するマインドです。なぜ、実際に肉体に現れているイライラを対象にしないかというと、それはマインドによって生まれた反応が、すでにかたちになって現れてしまったものだからです。
すでに現れてしまったものは、あくびやゲップのように、出し切るしか消す方法はありません。しかし、あくびやゲップは一瞬ですみます。あの人に対するイライラは、マインドの「あの人に対するイライラ」の記憶が、精神体から感情体、エーテル体を介して肉体に伝わる「条件づけ」のほうを解除しないと、一生続きます。
このマインドは面白い特徴を持っていて、魂によって観られることによって変化するのです。
では、どうやって魂にマインドを観せるかというと、私たちが自分の魂とつながって、魂の視線「客観視」を通して自分のマインドを観察します。そうすれば、びくともしなかったマインドの「条件づけ」が緩み始め、解除されていくようになるのです。

『覚醒のヨーガ』 第3章 より 畠山桂子:著 大和出版:刊

図1 三つの体と意識状態と界層 覚醒のヨーガ 第3章
図1.三つの体と意識状態と界層
(『覚醒のヨーガ』 第3章 より抜粋)
私たちが自分で考えたり、感じたりしたこと。
それらは、実は「マインド」によって自動生成されていたものだったのですね。

怒りや苦しみなどのネガティブな感情は、単なる「反応」です。
大もとの「条件づけ」を解除しないかぎり、何度でも訪れるということですね。

「自我意識」から「魂のエゴ」へ

現時点で、私たちの進化段階は、物質を知覚する五感を通して物事を認識する「物質的(肉体的)人間」と呼ばれている段階です。

畠山さんは、私たち人類は今、この進化の段階を超えて、霊的人間に覚醒していくと述べています。

 では、私たちの意識の可能性について理解していきましょう。
意識には7つのレベルがあります。そして、それぞれのレベルに対応する意識の界層と、その意識が顕れるための媒体があります。人間は、下位三つの界層で、三つの意識と三つの体を持った存在とみなされています。ここでは、このことについて説明しておきます(上の図1を参照)。
三つの意識は、意識が活動する媒体と界層が変わることによって切り替わっています。再開の意識から順に見ていき、意識の界層と媒体になる体のつながりを確認していきましょう。
肉体意識で活動するための物質界、それに対応する肉体。
情緒的な欲求の意識で感情表現するためのアストラル界、それに対応する感情体(アストラル体)。
具体マインドの意識で思考するための低位メンタル界、それに対応する精神体(メンタル体)。

意識と界層(次元)、それに対応する体のつながりを理解すると、自分の言動を通して、自分がどの意識のレベルにあるのかを確認することができます。
下位の三つの界層(低位メンタル界、アストラル界、物質界)は、人間が進化する場とみなされ、「三界」と呼ばれています。
三つの体は「三体」と呼ばれ、魂の特質を表現する体に進化する可能性を秘めています。
私たち人間は、自分の三体を通して、それぞれの界層で、魂の特質を表現できるようになることを目指して転生してきます。この目標を実現することで物質的人間の段階から霊的人間へ進化します。精神体からは「魂の意志の力」を発動し、感情体で「愛」を表現し、肉体を通して「魂の知性」を現せるようになったとき、「意識を高める」と言われている高い理想を実際に達成します。

では、ここから曖昧になっているエゴ(自我意識)について理解していきましょう。
自分の気持ちを言葉にできない、次から次に雑念が浮かんできて考えがまとまらない、新しい発想がわいてこないなど、思考の限界に悩んだことはありませんか?
この問題を、エゴとマインドの関係から考えていきましょう。

マインドの働きは、五感が知覚した刺激を精神体で判断し、その判断から欲求を感情体にわき起こし、身体の行動に移すという一連の情報処理をします。
マーケティングには、このマインドに基づいた戦略があります。感情に訴えかけることで、購買意欲につなげるというものです。
感情的に訴えるコマーシャルや広告、チラシを見ることに、私たちのマインドは慣らされています。
「かわいい〜」「ヤバッ!」「ウソ〜」「すげ〜」「キャー」といった反応をかきたてる刺激を五感に与えれば、この感情(エネルギー)を満たすためにどうしたらいいかと思考が始まります。これが現代人特有の感情的マインドです。
本来マインドは、感情をコントロールするためにあるものです。しかし、「すげ〜」「キャー」のほうが強いため、感情がマインドを突き動かし、思考活動にスイッチを入れています。現代人は、感情を満たす方法を考えるために思考を使っているのです。
この誤作動は、感情体のほうが発達しすぎて精神体が未発達なため、マインドの思考が感情を制する力にならないことが原因です。
精神体の発達を妨げている要因を自分の中からとり除かないうちは、この問題は解決されません。
では先に、発達を妨げているものが何なのか、理解していきましょう。
そのために、曖昧にしておけないことがあります。「エゴ」に対する曖昧な理解を、正しい理解に変えていく必要があります。エゴの状態こそが、三体すべての発達を妨げる要因になるからです。

「エゴ」は、自己中心的な人や利己主義な人を指す「エゴイズム」と混同されたことから、本来の意味からかけ離れて理解されています。
では、本来のエゴとはどういうものなのでしょうか?
110ページで詳しく説明する7つの意識と界層は、ヒエラルキーの構造をとっています(下の図2を参照)。
トップには、全宇宙を統治する存在がいるとされ、「神」「宇宙」「絶対的存在」「唯一の」「ロゴス」など、様々な名前で呼ばれています。
意識のヒエラルキーは、実は会社の組織図とよく似ているのです。会社の組織図は、トップから下層になるにつれ、人の数も仕事の内容も、仕事の名前も多種多様に増えていきます。
そうなると、「あの人の仕事」と「自分の仕事」に区別をつけたり、大きな組織の中で自分のプロジェクトを発表するとき、この自分のを個人的に認識できる何かが、必要になりませんか?
そのため、「エゴ」と呼ばれる個人性の意識があるのです。
人間の姿も性格も千差万別な様相で生まれてくることができるのは、エゴの意識を宿す魂が宿っているからです。
しかし一つ厄介なことがあります。魂は、人間が千差万別な様相をとるために、エゴの意識を強めなければならない、ということです。そして、魂の意識が潜在化してしまうことです。
エゴの意識が人間の中で活性化すると、個人性が最も強い「自我」呼ばれるものになります。これが、他のことを考えない利己的な自分になり、霊的な発達を妨げる原因です。
自我意識の利己性がもたらす生きづらさを解放する方法は、100ページで触れた、三体を通して魂の特質を表現できる自分になることです。三体それぞれの体と意識の使い方を本書の第6章で解説しています。
自我から魂の意識に転換すると、精神体が発達し、マインドの知性が目覚めます。マインドが知的な思考を生み出すようになれば、発達しすぎた感情体で暴走する感情を、知的にコントロールできるようになります。

『覚醒のヨーガ』 第4章 より 畠山桂子:著 大和出版:刊

図2 7つの意識の界層 覚醒のヨーガ 第4章
図2.7つの意識の界層
(『覚醒のヨーガ』 第4章 より抜粋)
「エゴ」自体は、自分を他と区別するために必要なものです。
ただ、エゴを重視しすぎると、より低いメンタル界につながって、肉体や感情にとらわれてしまいます。

肥大化した物質的人間のエゴ(自我意識)の働きを抑えて、霊的人間のエゴを働かせる。
それが「覚醒する」ということです。

なぜ、「一つのことに注意を向ける」のか?

霊的人間のエゴを働かせる、つまり「魂とつながる」。

すると、私たちの何がどのように変化するのでしょうか。

 五感に霊的な感受力が開花します。三体(精神体、感情体、肉体)は、自我意識の欲求を満たすために活動するレベルから、魂の特質である「意志」と「愛」「知性」を現す活動に昇格します。
魂とつながると、自我意識の特質である分離の性質がとり除かれ、かわりに調和の性質がそなわります。言ってることと行動が伴わない(分離している)ということがなくなり、思考と感情、行動が調和した行動をとっていけるようになります。
自我意識に魂の特質が浸透すると、どのように変わっていくか自分に置き換えてイメージできるようになったでしょうか?
人間の意識が三位一体(霊、魂、自我)で創造されているように、魂は「霊的な意志」「愛」「知性」の三つの特質で構成されています。それを、精神体、感情体(アストラル体)、肉体を使って表現できるようになると、魂の力を表すことができる「霊的人間」になるのです。
あなたも自分の魂とつながって「霊的人間」を実現してください。
さて、次は想像力を使って魂とつながる仕組みを理解していきます。このステップをしっかり踏んでいくことで、目的意識を持って実践していけるようになります。

コーヒー専門店で見るようなお洒落なグラスに、ミルクとコーヒーが2層になっているツートンコーヒーを想像してみてください。
ザックリ大きめの氷が入ったグラスに、ミルクを半分だけ入れておき、コーヒーを注いでいくと、ツートンカラーのアイス・カフェオレができ上がります。この2層をキレイにつくるのに、特別な方法があるわけではなく、ちょっとした配慮なのだそうです。
実は、魂とつながるときも、このちょっとした配慮が必要なのです。
そのコツを、ミルクを自我意識に、コーヒーを魂にみたてて理解していきましょう。想像力をフル回転させながら、読んでみてくださいね。
ところで、このアイス・カフェオレの2層、なぜにごらないのでしょうか?
先にグラスの中に、コーヒーよりも質量のあるミルクを入れておきます。そうすると、後からコーヒーを入れてもにごらないようになります。
では、グラスの中に、実際にミルクとコーヒーを入れてみましょう。
氷の入ったグラスに半分ミルクを注ぎます。ミルクが揺れ動かないようにテーブルに置き、手でグラスを押さえて安定させます。
コーヒーを注ぐときは、いきなりではなく、氷の表面に滑らせるようにしながら、少しずつコーヒーを入れていきます。
波立つことなく安定したミルクの上に、静かに注がれるコーヒーが重なって、二つの質感を損ねることなく、ありのままの姿でグラスの中で共存できるようになります。
これを、あなたがストローで静かに混ぜて一体化させることで、カフェオレという名の新しい飲み物に変容します。
さて、ここに登場するグラスは、あなたの肉体です。この肉体には、外界と関わる五感という窓がついています。あなたは、その窓から人や社会と関わりを持ちながら、魂であるコーヒーと融合する日を目指してミルクを成長させていきます。
しかし、感情は揺れ動くものです。だから、ときにはミルクを波立たせたり、濁らせたりしたこともあります。でも、これを安定させられるあなたに成長しないと、物事を静観するコーヒーと、グラスの中でツートンカラーのカフェオレになることはできません。
このたとえ話から、魂とつながるために何をしなければならないか、察しがついたでしょうか?
グラスとミルクの動きを静め、安定させること。そのため、あなたの意志の力で手を使い、しっかり固定して安定を保ち続ける、という集中を行うことです。
コーヒーを注ぐあなたの手が象徴したものは何だと思いますか? それは、あなたの意識です。
さあ、ここに、私たちがチャレンジしなければならないことが出ています。

では、魂とつながる実際の方法を見ていきましょう。
古代の人々は、魂の力のことを「観照」と表現しました。それが私たちの認識になると「客観視」「観察」という認識になります。
魂とつながるために必要なことは、私たちの性質を魂の特質である意思と愛、知性に近づけていかなければならないことです。そのため、まずは一つのことに注意を向けられるようになることが必要なのです。
本を読むなら、文字だけを目で追う。食べるなら、今食べているものだけを味わう。人の話を聞くなら、その人が話していることだけを聞くというように、五感の対象を今この瞬間に起きていることだけに向けることが、一つのことに注意を向けるということです。
なぜ、一つのことに注意を向けるのか、今から理由を説明していきます。

魂の意識に目覚めていないことから自我意識が優勢になると、一つのことに注意を向けていられない散漫な状態になります。五感の外界を知覚する特徴が非常に強くなる宝です。
外にただよう匂い、目に入ってくるものや音、肌や舌に触れてくるものを、24時間フルに知覚し、それらを情報したマインドの結果に従って反応し、衝動的に動いていきます。
外界に向かって活発に反応している状態で、内界で静観している魂につながるという、逆説的なことが求められていることに気づいてください。
一つのことに注意を向ける、この戦略にはどんな意味があるのでしょう。五感に、知覚する対象を一つに絞らせ、五感の情報量を減らすことで、マインドの働きを鎮め、コントールできる状態にするという目的があります。
はじめのうちは、「今日の夕飯、何にしようかな?」とか、「あ、あれ買うの忘れてた!」など、マインドの習慣的な考えが、雑念になってポンポン浮かんできます。
一つのことに注意を向けるときは、日頃行わないゆっくりな動作や呼吸など、日常的な自分の習慣や仕事のことを連想させないものに集中します。
浮かんできた思考を止めようとしたり、雑念や怒りを消し去ろうとする衝動がわいてくるかもしれません。それは、エネルギーで密接につながっているマインドと肉体のつながりを自分の意志だけで断ち切ろうとすることです。
この高度な技術は、魂とつながった後に、霊的な進化を確実に果たしてから使えるようになります。今は、マインドに突き動かされる無意識の状態から目覚めることに徹しましょう。
まず、一つのことに注意を向けることで、五感の働きを沈静化できるようになりましょう。瞑想やマインドフルネスなど霊的な手法は、この技術は基礎力になっています。この基礎をしっかり身につければ、瞑想を自己変容の手段として活かせるようになります。

『覚醒のヨーガ』 第5章 より 畠山桂子:著 大和出版:刊

魂とつながるには、まず、自我意識の働きを鎮めることが大切です。
そのために有効なのが「一つのことに注意を向けること」です。

自我意識が暴走するのは、マインド(精神・感情)が過剰に反応しているから。

マインドは、五感から受けとる情報に反応します。
一つの感覚に注意を向けることで、他の感覚を弱める。
そうすることで、五感の情報量を意識的に減らすことができるということですね。

マインドを統御するための「3つの段階」

畠山さんは、覚醒のヨーガを行うと、自分のことを客観視できるようになると述べています。

それは、高次元に属する魂の意識は、低次の三界(物質界、アストラル界、メンタル界)でくり広げられる思考や感情、肉体の活動と一体化しない「無執着」という特徴があるからです。

 魂とつながると、この「無執着」の特徴が私たちの物事の見方に反映されるため、自分の思考と感情も客観的にとらえるようになるのです。
子どものケンカに巻き込まれないで一歩引いてみている大人のように、自分自身の言動を客観的にとらえます。イラついている他者を見ている自分を客観視するため、相手の影響を受けることがありません。イラッとしたと同時に、それを客観視できるようになるから、瞬時に態度や顔に表すことがなくなります。怒りと一体化していく自分を、自分で阻止できるようになるのです。
「心と身体はつながっている」と言われるように、マインドの働きは、精神体から感情体へ、これらのエネルギーを伝導するエーテル体を肉体に伝わります。
この自動システムに介入して、三体をコントロールできるのは、高次の霊的な意識です。
私たちの意識は、物質的段階から霊的に高まります。この意識こそが、怒りが言葉の暴力や実際の身体的暴力に発展するのを阻止する力です。
私たちは、覚醒のヨーガのを通してこの力を獲得していきます。そのため、無意識下で働くマインドを統御する方法を習得していかなければなりません。
では、心の準備ができたところで、その方法に入っていきましょう。

マインドの統御法には、三つの段階があります。

第1段階では、一つの対象に注意を向ける(一心集中)。
第2段階においては、前段階の注意を維持する集中(瞑想)。
第3段階では、客観的に集中する(客観視)。

この3つのプロセスでマインドが統御された結果、霊的な意識に覚醒します。
実践する前に、各段階で行う三つの手法を理解しておきましょう。
「なぜ、そうするのか?」、実践の意味をわかっていない状態で身体を動かしても、マインドは統御されません。身体は目的意識を持って動かさないと、身体とつながっているマインドが目的意識を持って動かさないと、身体とつながっているマインドが目的と関係ない他のことを連想し、身体に別の指令を送ってきてしまうからです。
専門的に理解する必要はありませんが、自分が行うことの意味を簡単にでも理解した上で実践していきましょう。

◆第1段階「一心集中」ーー 一つのことに注意を向ける
最初の段階は、自分が注意を向ける対象を一つに絞ります。
マインドから、今注意を向けていることとは別のことが浮かんできても、絶えず今この瞬間に注意を向けることに引き戻す努力をしていきます。
意識する対象を一つに限定した状態を続けていくと、外界を知覚する五感の働きが鎮まり、マインドの働きも落ち着いてきます。

◆第2段階「集中(瞑想)」ーー 第1段階のレベルが霊的に高まった状態
第1段階の注意力を維持できるようになると、注意の質が高まり、集中(瞑想)と入れる状態に切り替わります。
このときマインドは、今注意を向けている一つの対象に対してのみ情報処理するようになり、脳はその思考だけを意識するように働きます。
この状態が安定するにつれ、魂の意識が目覚めてきます。
魂が目覚め、霊的な意識に向上したことによって、自分の意志が物事をコントロールする力に変性します。自分の意志の力でマインドと肉体をコントロールできるようになります。

◆第3段階「客観視」ーー マインドを客観的に観る意識
この段階になると、一つの対象に集中している自分の状態と、その状態を客観的に観ている二つの意識が自分の中に確立されます。
身体はリラックスして気持ちも落ち着いています。でも、意識はハッキリと明晰に目覚めています。
この意識で、思考と感情、肉体を、意識的に操作します。
操作している自分を、客観的に観ている意識が自分の中にあることに気づきます。これは、「真の自己」と呼ばれる魂が活性化しているときの意識状態です。
覚醒のヨーガは、日常生活の中でもこの意識を維持できるようになることを目指して練習していきます。

『覚醒のヨーガ』 第6章 より 畠山桂子:著 大和出版:刊

畠山さんは、この3つのプロセスは、第1段階「一心集中」を続けていくと、「集中(瞑想)」へ移行し、さらに第3段階になると魂の意識へ自然と転換されていくと述べています。

「覚醒のヨーガ」のやり方

では、マインドを統御してたましいとつながる三つのプロセスの実践方法を解説します。

図3 紐の持ち方 覚醒のヨーガ 第6章
図3.紐の持ち方
(『覚醒のヨーガ』 第6章 より抜粋)

 覚醒のヨーガにおけるエクササイズの対象は、肉体ではなく、意識です。
肉体意識から感情の意識、マインドの意識と移行させながら、高次の意識に転換させることを目的にしているため、実践法は超シンプルです。
驚くほどシンプルで簡単なため、こんなに簡単で大丈夫なの!? と、疑いたくなるかもしれませんね。
簡単な方法だからこそ、集中して行うことができます。意識の拡大という大きな成功を勝ちとってください。

実際のレッスンでは、100円ショップの「かばんテープ25mm×1.5m」を使いやすい長さに切って使用しています。他で代用する場合は、芯がないフニャフニャ〜っとした紐は不向きです。
手のひらを自分のほうに向けて、紐の両端を、それぞれの手の親指と人差し指の間で挟むように持ちます。このとき、紐は手の甲に触れています。イラストA(上の図3上を参照)
次に、そのまま手をひっくり返して甲を自分の方に向けると、紐が抜けずに強く握れるようになります。イラストB(上の図3下を参照)
両手の幅が肩幅ぐらいになるように、紐の長さを調節します。
両腕を肩幅に開き、両手を太ももの外側に添えておきましょう。

レッスン1 姿勢
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足を肩幅に開いてください。
足の裏で床を押すようにして立ちます。
膝の裏を伸ばして太ももを引き締めます。
お尻の間に紙を挟むかのようにして、お尻を軽く引き締めます。
肩甲骨を背骨に寄せ、肩を後ろに引きます。
後頭部を後ろに引いて胸を上に向けます。
遠くの景色を見るような視線で、視点を正面からやや上一点を起き、首を伸ばします。
足の裏で床を下に押している力が、上半身を自然に押し上げます。頭がスッと天井に伸びています。
この姿勢で目線を一点に起きながら、深呼吸します。

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◆レッスン1の意味
古代の人種が持っていた動物的な肉体意識は、依然として現代人にも潜在的にそなわっていると言われています。
動物のように衝動的に動くクセをとり除くため、姿勢をコントロールして、自分の意志に従う身体をつくり、肉体意識の質を高めていきます。

◆ポイント
姿勢ができたら、身体を意識して立ってください。
呼吸によって動いているお腹や胸のリズムを感じてみます。
鼻から吐く息を長くすることで気持ちを落ち着かせます。

レッスン2 呼吸と動作の同期化

姿勢ができたら、一つのことに注意を向ける練習に入ります。
「呼吸と動作を合わせること」を、“一つのこと”にします。
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鼻から息を吸いながら、両腕をバンザイした状態まで上げていきます。
そして、鼻から息を吐きながら両腕をもとの位置に下ろします。
この基本動作をくり返します。
この基本動作は、このままレッスン4まで続けていきます。

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レッスン2では、呼吸と動作が一つの単位になって動くようにコントロールする意識を目指します。
呼吸と動作の連動が自然な動作になります。
このとき、緊張から解放され、リラックスが訪れます。
さらに続けていくと、自分の中に静けさを感じられるようになります。
変化していく自分の状態に、客観的に気づけるようになるまで続けてください。

◆アドバイス
鼻から吐くことがむずかしいときは、口から吐いてもかまいません。
慣れてきたら、鼻で呼吸してください。
出だしの動作を丁寧に、ゆっくりスタートします。
腰がそるまで腕を上げ、筋肉を緊張させないようにします。
腕を下ろすときは、慣れでサーっと流さないように下ろします。
下ろす瞬間から下ろし終わるまで意識して行います。

疲れを感じたら、無理して続けないで、動きを一度止めてください。
息を大きく吸ったら、吐ききれていない空気を吐き出すため、ため息で一気に吐きます。
それから息を吸うと、肺が広がっていくように大きく吸うことができます。
リフレッシュしたことを感じたら、再び始めていきましょう。
日常的な緊張をゆるめ、レッスン2だけを行うのでもかまいません。
日常的な緊張をゆるめ、過去や未来を行ったり来たりする思考を、今ここに取り戻す助けになります。
レッスン2は、落ち着いた性格を養い、神経を安定させる効果があります。毎日1分行うだけでも心の健康維持にとても効果的です。

◆レッスン2の意味
呼吸によって、エーテル体を調整し、神経を落ち着かせます。
呼吸と動作を合わせることで、肉体をエーテル体と同調させます。
吐く息を長くすることでエーテル体が落ち着くと、肉体も落ち着いてきます。
レッスン2を続けることで、意識的に注意を向けた対象だけをマインドに情報処理させるようにして、マインドを統御しています。

◆ポイント
ふだん、呼吸と身体の動きをいちいち意識して行動することはありません。
呼吸が浅くなるほどストレスが溜まっているのに、仕事では冷静をよそおってパソコンに向き合わなければならないなど、心と身体がバラバラの状態で生きています。
呼吸と動作を合わせようとすると、はじめはギクシャクするように感じます。
動きが速くなってしまったり、一気に息を吸ってしまったり、動きと呼吸が合わなくてイライラするかもしれません。
続けていると、イライラがしだいに落ち着きに変わります。呼吸と動作が一つの単位になったように合わせられるようになります。この状態を達成するまで、あきらめないで続けてください。

レッスン3 注意を内側に向ける

レッスン2で、呼吸と動作を合わせるという一つのことに向けた注意を、今度は自分に向けていきます。身体の感覚を感じながらレッスン2を行います。
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腕と一緒に伸びていく体側を感じます。
基本動作はレッスン2のときと同じです。腕を上に上げるとき、腕に連動する胸や背中の感覚に気づいてみます。
身体から生じてくる感覚を、頭で考えて分析しないで、ただ気づくようにします。
身体の硬さや緊張に気づいて、頭であれこれ考え始めても、客観視してください。
ポキポキという音がしたり、スッと伸びたりする感じなど、生じてくる身体の感覚に、ただ気づいていきます。
この気づきを続けていると、外界を知覚しようとする五感のクセが内側に向くようになります。
気づくことから、「客観視の意識」に移行し始めている証拠です。

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◆レッスン3の意味
外的な対象を知覚していた五感を内側へ向けます。そのため、身体に生じる感覚に気づくことを手段にしています。マインドと一体化してしまう肉体意識から、一段階上の感受性が働く感情体の意識へ移行させています。

◆ポイント
身体の感覚に気づいていくと、感受力が活性化し、ふだん気づいていないことに気づけるようになります。
気づきが深まると、繊細なものを感じとれるようになります。
感じることから考えがわいてきても、思考していかないようにします。気づいても反応しないことを心がけてください。記憶が浮かんできたことに気づいても、感情的になってはいけません。
どんなことに気づいても、それを客観視するように努めてください。

レッスン4 身体本来の動きをする

レッスン3の状態を、精神体の知性に転換させていくためのレッスンです。
レッスン2の動作に続いて行います。
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息を吸いながら腕を上げ、腕が肩の位置を越したら、肋骨(ろっこつ)を上げていくように意識して腕を持ち上げてください。
肋骨とバストトップの位置が高くなったことに気づきます。
息を吐きながら腕を下ろすときは、肩甲骨から腕を下ろすように意識します。
腕を下ろしきるまで、肩甲骨の動きと、肩が下がっていく動作を意識します。
この動きに慣れてきたら、腕を上げるときに高くなった肋骨とバストトップの位置を下げないように、腕を下ろしていきます。
身体から生じる感覚が、どのように変化しているか気づきます。
身体に響いている呼吸の動きと、呼吸の質の変化に気づきながら行います。

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◆レッスン4の意味
腕と一緒に肋骨とバストトップを上げていく。肩甲骨から腕を下ろす。このように、本来あるべき身体の動きを意識的に行います。そうすることで、知的な精神体の意識へ転換しています。
精神体を意識的に使って、高位メンタル界の魂とつながる接点を自分の中に見出しています。

◆ポイント
いずれの動作も、動きに夢中にならないように、客観的に観る意識を保って行ってください。

レッスン5 意志の力で身体を使って呼吸する
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レッスン4で息を吸いながら腕を上げた状態のまま、息を吐きます。
そのとき、息を吸いながら腕と一緒に高く上げた肋骨とバストトップの位置をキープしたまま、息を吐いていきます。
両腕をバンザイした状態で呼吸を行います。
頭の中の脳に意識を向け、「息を吸う」と指令を出して呼吸します。
足の裏で床を下に押し、身体を安定させて大きく息を吸います。
肋骨が四方八方に広がる様子を客観視します。
胸に伝わってくる肺の広がりを感じ、それを客観視します。
吐くときも、身体に向かって「息を吐く」と命じて吐きます。
鼻から息を吐き、お腹がへこんできたら、意識的にお腹をそっとへこませ、肺から空気が出やすくなるようにします。
呼吸のリズムを感じながら、客観視して5〜6回それを続けてください。
余裕があれば、息を吸いきった状態で1〜2秒止め、それから吐いて、身体が収縮していく様子を感じます。
それからまた息を吸って、身体が拡大していくのを客観的に感じます。
レッスン5を終えるときは、息を吐くときに腕を下ろします。
このときの自分の中の静けさを客観的に観てください。
この静けさの中で、手から紐をそっとはずし、2〜3回深呼吸を行います。
そのまままっすぐ立って、心臓のリズムを感じながら脳の中を意識します。
心臓のリズムが脳に響いていることをイメージします。
このときの意識を保ったまま、日常に戻っていきます。
身体を活発に動かし、会話を始めていくと、この意識はしだいに薄れていきます。
でも、安心してください。あなたが自分に無意識になるほど忙しくなっても、潜在的に残っています。

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◆アドバイス
終了したときの状態から、ふだんの活発な状態に急に戻らないようにします。
高い階層から一気にエスカレーターで下りきった後のように、意識が急に変わると疲れます。
終えたときの余韻を保ちながら、日常生活に入ってください。
余韻を保ったまま、ご自身で行っている瞑想やマインドフルネスを行うことも可能です。

◆レッスン5の意味
レッスン5まで続けることで、マインドが完全に統御された状態になります。
肋骨を持ち上げ、バストトップの位置を高く保ったまま呼吸をすることで、呼吸に関連する骨格や筋肉を正しく使うことができ、呼吸が深くなります。このように知的に身体を使うことで、マインドと精神体を活性化させ、メンタル界に意識を移行させます。
メンタル界に意識を安定させることができると、メンタル界に属する魂とのつながりが確立され、客観視の意識が確実に安定します。
客観視の意識を保ち続けることで、魂とのつながりを維持することができます。
頭部を高次のエネルギーの受容体として目覚めさせるため、レッスン5の魂とつながっている意識の状態で意志の力を使います。頭部に意識を向けて呼吸する指令を出します。
魂の意志を自分の身体で使うことで、頭部が高次のエネルギー体の受容体になると、魂が宿る場所と言われる松果体が活性化され、魂の意識が自分の中で安定します。

◆ポイント
レッスン5は、レッスン1から5までを統合して行っています。
複数のアプリケーションを同時に働かせる一台のコンピューターのように、「姿勢の安定」「呼吸と動作の連動」「肩甲骨から腕を下ろす」「肋骨とバストトップの位置を維持すること」「呼吸」「気づき」「客観視」これらが、自分の意志に従って、行われるようにイメージして実践してください。
マインドと感情、肉体を、完全にあなたの意識の支配下に置くためです。
この状態は、私たちが霊的人間に進化したときに実践できる生き方のテクニックです。

『覚醒のヨーガ』 第6章 より 畠山桂子:著 大和出版:刊

たった100円の紐一本で、魂とつながれる。
しかも、どこでも誰でも簡単にできる。

画期的なマインドの統御法「覚醒のヨーガ」。
皆さんもぜひ試してみてください。

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「自分の魂とつながる」

とても難しく、ハードルの高いことのように感じますが、そうではありません。

畠山さんは、ただマインドを鎮め、思考と感情を客観視できるようになること、これだけできるようになればいいとおっしゃっています。

魂とつながると、魂の磁力的な力が私たちの中で活性化され、この力によって高次元に存在する意識と私たちの意識との間で意思を伝達するコードが構築されます。
すると、このコードが魂からマインド、脳の間に構築されることで、高次元のメッセージを脳で受信できるようになります。

そのため、魂は、人間が宇宙とつながるための「虹のかけ橋」と呼ばれています。

「物質的人間」から「霊的人間」へ。
皆さんも「覚醒のヨーガ」で、自分も知らない“本当の自分”に生まれ変わってみませんか。

宇宙とつながって、それでどうするの? 覚醒のヨーガ (大和出版)


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