本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『新しい人間関係のルール』(並木良和)

お薦めの本の紹介です。
並木良和さんの『新しい人間関係のルール』です。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

新しい人間関係のルール/並木良和【1000円以上送料無料】
価格:1,705円(税込、送料無料) (2023/8/14時点)

楽天で購入

並木良和(なみき・よしかず)さんは、スピリチュアルカウンセラー、作家、ライフメンターです。
宇宙の叡智や高次の存在と協働しながら「本当の自分」に一致して生きるための「統合(LDLA)」を伝え、本来の人間が持っている能力や生き方、そして、目醒めた状態で人生を謳歌する「在り方」を、自らの体験を通して国内外を問わず世界に教示されています。

これからは「ありのままの自分」で勝負する時代!

地球全体がアセンション(次元上昇)し、三次元から五次元へのシフトを進めています。
その影響で、私たちの意識や価値観も大きく変わりつつあります。

もちろん、人間関係についても例外ではありません。

並木さんは、新しい時代の人間関係のポイントはあなた自身と、ちゃんとコミュニケーションを取って、良い関係を築くことだと指摘します。

 これまでの世の中では、
自分の意見を押し殺して相手を立てる
自分の思いを度外視して相手の気持ちを大切にする
愛想笑いでごまかして、場の空気を乱さないようにする
といった、エセの調和でうまくいっていました。

でも、これからは違います。
これからは、ありのままの自分で勝負をする時代になります。
YouTubeやInstagram、TwitterといったSNSを見ても、今まで抑えてきたこと、表現したいと思いながらも我慢してきたことを、自分の場を作ってどんどん表現する時代になっていますよね。そこには年齢も、住んでいる場所も関係ありません。
右へ倣(なら)えの時代から、それぞれが自分を表現する時代になってきているのです。この時代の変化には誰も逆らうことはできません。
それなのに、自分に蓋(ふた)をして相手に合わせるとか、ありのままの自分を見せることを怖がって、仮面をつけてコミュニケーションを取るといった古い時代のやり方を引きずっていたら、行き詰まってしまうでしょう。

あふれる情報に押し流されて、自分の心が見えなくなっていませんか?
周囲に合わせることに慣れて、自分を大切にすることをおろそかにしていませんか?
あなたがまず関係をよくしなければいけないのは、他の誰でもなく、あなた自身です。
自分との関係が悪いまま、他者との関係がよくなることはあり得ません。
逆に、自分との関係がよくなれば、あなたを取り巻く、あらゆる関係がよくなるのです。

あなたが本当の意味で、自分との良好な関係性を取り戻せば、誰の前でもリラックスしていられるので、たくさんの人と会っても、初めての人と会っても、疲れることがなくなります。人前で話すのが苦手という人は多いですが、そうした意識も手放すことができます。

イメージしてみてください。
もしそうなれたら、もっと軽やかに生きられると思いませんか?

『新しい人間関係のルール』 はじめに より 並木良和:著 PHP研究所:刊

本書は、自分自身とのつながりを取り戻し、人間関係やコミュニケーションの悩みを手放す方法について、わかりやすくまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

スポンサーリンク
[ad#kiji-naka-1]

「新しい人間関係」は、どう変わる?

並木さんは、「新しい時代の人間関係」を、これまでの常識的な人間関係と比較して、以下のように解説しています。

 これまでは、どちらかと言うと「ネガティブなカルマのつながりがベース」になって人間関係が築かれていました。カルマと言うとわかりにくいでしょうか。
わかりやすい例を挙げるなら、「騙し、騙され」とか、「利用し、利用され」とか、こうした関係性です。すべての関係性がそうではありませんが、そういうことがとても多かったのです。
自分の寂しさを埋め合わせるために人とかかわるのも、その一つです。
一人でいたくないから恋人をつくる、友人をつくる、グループで行動する・・・・・。そうした経験が誰しも一度や二度はあるのではないでしょうか。
まさに「人」という字のようなあり方です。
人という字は、人と人が支え合っている姿だと言う人もいますよね。あるいは、人と人がお互いに寄りかかって共存共栄していく、それが人というものだよ。そんなふうに教わった人もいるでしょう。
でも、この関係は重たいのです。お互いに倒れ合って、しがみつき合って共依存しているようなものですから、一方が支えきれなくなったら、もろとも倒れてしまいます。

言うならば、今までは「助けたい」と思っている人と、「助けられたい」と思っている人の需要と供給でつながっていたのです。
でも、「助けたい、助けたい」と言っていた人も、「助けてよ、助けてよ」と言われるばかりの関係性が続くと、苦しくなってきます。
そして、「もう無理! こんな関係性、やめてやる!」と離れようとする。でも、「助けられたい、助けてよ」と相手に寄りかかっている人は、支えてくれる人がいなくなると困ります。だから、「ちょっと! どこに行こうと言うのよ!」「置いて行かないでよ!」としがみついて、複雑に絡み合ってしまうのです。
そうではなく、これからは一人ひとりが自分の足でまっすぐに立ち、自立したうえで自由にかかわっていく関係性に変わります。

「ねぇねぇ、私たち親友よね、ずーっと親友だよね」と、お互いに寄りかかり合って閉ざした関係性をつくるのではなく、それぞれが自立して、自分の道をまっすぐに進んでいきながら、「あ、今あの人とかかわってみるといいかも」「私もそう思ってた」などとお互いの思いがシンクロしたときにかかわる。そして、何らかの形で区切りがつくと「じゃあね、ばいばい。また何かのときにね」と、あと腐れなく離れていくーー。

そこには執着の鎖(くさり)も依存というエネルギーもありません。非常にクリアで軽やかな関係性です。
出会いも別れも、自由。
「今、私はこの人と一緒に痛い」「あ、私もそう思う!」
そんな自由なエネルギーが人間関係の間を流れます。
それなのに、いつまでも寄りかかり合う関係性を求めていると、「じゃ」と去っていこうとする相手にしがみついてしまい、トラブルを生みます。それぞれがちゃんと自分の足で立って、自立しなから相手とかかわれば自由でポジティブな関係が築けるのに、相手に寄りかかろうとするから、うまくいかなくなるのです。
あえて断言しますが、そのことが、すべての人間関係の悩み、トラブルの原因です。

人間関係の悩みやトラブルを抱えているとき、それが家族の問題だろうと、恋愛の悩みだろうと、職場のトラブルだろうと、見ず知らずの人とのトラブルだろうと、問題の本質は、あなたが本当の意味で自立していない、相手に寄りかかっていることにあります。

「え? 私は誰にも寄りかかっていませんよ。ちゃんと自立していますよ」と思う方は多いかもしれません。
それでは、一つ、質問です。
あなたは、誰かの一言に傷ついたことはありますか?
相手は誰でも構いません。親でも子どもでも、パートナーでも、会社の上司や部下、友人、あるいは初対面の人でも。
誰かから言われた言葉にグサッと傷ついたことはありますか?
「え? 人間、誰しも傷つくことはありますよね。そんなの当たり前じゃない?」と思うかもしれませんね。
でも、人間関係で傷つくということは、もれなく相手に寄りかかっているということです。
「寄りかかっている」ではピントこないなら、違う言い方をすると、相手に「期待している」ということです。

「私はこれだけやってあげたのだから『ありがとう』くらい言うのは当たり前じゃない?」「どれだけあなたのためにやってきたと思っているの? 普通だったら、ちゃんと敬意を表するものじゃない?」
そんなふうに相手がこうしてくれるだろう、こう言ってくれるだろうと期待しているから、傷つくのです。
それは、相手に依存していることと同じです。あるいは、その人に依存していなくても、「これが普通でしょ」「普通はこうするでしょ」と、今までのあり方に依存しています。
どちらにしても自立できていないのです。
本当の意味で自立していたら、相手に期待することはありません。相手に期待しなくても、すでに満たされているからです。
そして、自分自身が満ちていると、人間関係で傷つくことはありません。つまり、あなたが自立していたら、誰もあなたを傷つけることはできないのです。

『新しい人間関係のルール』 第1章 より 並木良和:著 PHP研究所:刊

これまでの人間関係は「相手ファースト」です。
自分を殺しても、相手に合わせることが重視されてきました。

これからの人間関係は「自分ファースト」。
まずは自分の「心の声」に従うことが大事。

その結果、近づいてくる人もいれば、離れていく人もいる。
それはそれで仕方がないことで、流れに身をまかすことが大切です。

来る者拒まず、去る者追わず。
執着しない、依存しない。

そんなフラットで自由な「軽さ」が、これからの人間関係のスタンダードになっていくということですね。

ネガティブな感情を手放す「3つのステップ」

自分とのつながり取り戻し、自分軸と一致していく。
このときにポイントになるのが「ポジティブな感覚に従うこと」です。

具体的には、次の“こひしたふわよ(恋い慕うわよ)”という7つのサインに従って行動することです。

こ・・・・・・心地よい
ひ・・・・・・惹(ひ)かれる
し・・・・・・しっくりくる(すっきりする)
た・・・・・・楽しい
ふ・・・・・・腑に落ちる
わ・・・・・・ワクワクする
よ・・・・・・喜びを感じる

 自分の気持ちを表現するとき、自分の心の声に行動を一致させるときに、何らかの感情が邪魔することもあるでしょう。それは「恥ずかしい」という恥の意識かもしれませんし、「こんなこと言っていいのかな・・・・」「これを伝えたら、どう思われるだろう?」と言った不安や恐れかもしれません。
そうしたブロックとなるものを外していくと、スッと自然に自分を表現できるようになります。
と言っても、簡単に外せないから悩んでいるのですよね。
でも、本当は、手放すのはとても簡単なことなのです。

恥にしても不安や恐れにしても、僕たちは「恥ずかしいと感じる」とか「不安(恐れ)を感じる」といった表現を使いますよね。このとき、外の現実によって恥ずかしいと感じさせられている、不安(恐れ)を感じさせられているという意識があると思います。つまり、原因は外にある、と。

でも真実はそうではありません。何らかの感情を感じるということは、その周波数に自らチャンネルを合わせて使っているということなのです。

僕たちは、自分の中にいろいろな周波数を持っています。喜びやワクワク、安心もあれば恥や不安、恐れ、悲しみなどの周波数もあるわけです。
恥ずかしくて自分を出せないというときには、自分の中にいろいろな周波数の感情がある中で、恥という周波数にわざわざ自分でチャンネルを合わせて使っています。そうでなければ、その感情を感じることはできません。
「え? 恥なんてわざわざ選んでない」「好き好んで誰がネガティブな感情を選ぶわけ?」と言いたくなる人もいるでしょう。
でも、自分で選んで使っているからこそ、手放すこともできるのです。
自分で選んで使っていることを認めなければ、手放すという選択肢は出てきません。この「認める」ということが、手放すための最初のステップです。

恥ずかしいという感情をはじめとした、ネガティブな感情を手放したいときは、この方法を使ってみてください。
①まずは、「恥を使っていることを認められる?」と自分に聞いてあげます。
そして、認められたら「イエス」と答えます。
このとき、自分が感じている感覚に意識を向けて、片手を握り、その握った手に自分が使っている恥という周波数のエネルギーを流し込むイメージをします。
②次のステップは、許可すること。
自分で使っていることを認められて初めて、それを使い続けるか、手放すかという2つの選択肢が出てきます。
「あなたはどっちを選ぶの? でも今こうやって自問自答しているということは手放したいということだよね。じゃあ、手放すということでOK?」
そう、自分に許可を求めるのです。そして「OK」と自分で答えたら、握った手の中にエネルギーが集まっていきます。これで2つめのステップの完了です。
③そして最後に、手放します。
「じゃあ今、手放そう」と言って、握っている手を下に向けてパッと開くのです。すると、自分が使っていた周波数がストンと落ちていきます。本当に落ちていくのです。これは、やっていただくとわかります。
恥ずかしいという感情も、不安や恐れといった感情も、それを感じたときにこの3つのステップで手放していけば、どんどん自分の意識が軽くなるのがわかります。このプロセスは2回ほど繰り返すといいでしょう。手放した後は、その都度、深呼吸をして、自分をバランスさせてください。

手放すのにいちばんよいタイミングは、その感情を感じたときです。なぜなら、「恥ずかしい」という思いにしても、不安や恐れにしても、それを感じたということは「ここ(自分の内側)に、恥(不安、恐れ)を持ってるよ」と教えてくれている状態なので、そのサインが出てきたときに手放すのがもっとも効果的なのです。
そうは言っても、たとえば、人前で話をするときにすごく緊張して、恥ずかしさを感じていたりすると、もう「恥ずかしい」一色になってしまいますよね。恥ずかしいという周波数に完全に一致しているときに自問自答する余裕はないかもしれません。

そんなとき、もう一つのやり方として、自分を客観的に見る視点を持つという方法があります。そうすると、恥ずかしいという意識から少し離れることができるのです。
人前で話をすることになって「恥ずかしい」「緊張する」という思いが強く出てきたら、その瞬間に「今すごく緊張が高まっている」「ものすごく恥ずかしくて、頬が紅潮してきてる」「手に汗握り始めた」などと、自分を実況中継するように、外側から眺めるような意識で自分を観察してみてください。
すると、「恥ずかしい」という周波数にピタッと重なった状態から、少しずつ離れ始めます。そうして、「恥ずかしい」という意識が少しずつ薄らいでいくのです。
その状態で、先ほどの3つのステップを行なうと、ごっそり手放すことができるでしょう。

大事なことなので繰り返しお伝えしますが、「恥ずかしい」と感じるとき、外の現実によって恥ずかしいという感情が生まれているわけではありません。もともと「恥ずかしい」という周波数を持っているから、何かをきっかけにして出てくるのです。
それは、不安であれ、恐れであれ、焦りであれ、すべて同じです。

たとえば、本音を表現したくても相手に批判されるのが怖い、と思ったとしましょう。
それは、その人の中に批判の意識があるから、そう思うのです。もしもその人の中に批判という概念が一切なかったら、批判されていると感じることさえできません。
批判されること、否定されることに恐怖を感じるときには、自分の中にもそれらの周波数があることを意味していて、「あなたも、もれなく持っていますよ」と教えてくれているのです。

あるいは、この例えのほうがわかりやすいかもしれません。
レストランで一人で食事をしている人がいて、周りのほとんどの人は何も気にしていないのに、ある人だけが「ねえねえ、見て。あの人、一人だよ」と、妙に気にしていたとします。
この人はなぜ一人でいる人が気になるのかというと、自分が一人になることをいちばん恐れているからです。なにより一人になりたくないと思っているのです。
「あの人、一人だよ」という言葉の裏には、「よかった。私は一人じゃなくて」という思いが隠れています。
同じように、「あの人、絶対私のことを〇〇と思ってるよ」などと言うことがありますよね。それは、その人自身が他の人に対してそう思うから、相手もそう思っていると思うのです。

人のふり見て我がふり直せと言う言葉がありますが、まさにその通りです。
人は鏡。もっと言えば、現実は、世界は、鏡そのものなのです。
「ねえねえ、あなた、それ持ってるよ」「それを握ってるよ」と教えてくれる鏡。
だから、何かをしようとしたとき、表現しようとしたときにブロックになるような状況や人が現れたら、ラッキーと思ってください。その出来事を通して捉えたものを手放していけばいくほど、あなたは自由に自分を表現できるようになります。

『新しい人間関係のルール』 第2章 より 並木良和:著 PHP研究所:刊

人間は、もともとポジティブな存在です。
湧き上がってくるネガティブな感情は、すべて外部から入ってきた自分以外の存在です。

もともと自分以外のものですから、自分が手放そうと意図すれば、手放すことができるということ。
手放せば手放すほど、100%ポジティブな「本当の自分」に近づけます。

ネガティブな感情を認めて、許可し、手放す。
この3ステップを習慣にて、どんどん身軽になって、人間関係も新しく書き換えていきたいですね。

「頭の声」ではなく「魂の声」に従う

よく「ビビビッときた」という言葉を聞きます。

この“ビビビッ”という感覚は、運命の人との出会いを表すのでしょうか。

 運命の人をどう捉えるかにもよりますが、少なとも、ビビビッは魂の声ではありません。「ビビビッときた」というと、なんとなく魂のお告げのように思うかもしれませんが、魂の声はビビビッではなく、どちらかというと「モワーン」とした感覚なのです。

魂の中心は、みぞおちにあります。左右の胸の間の少し窪(くぼ)んだ部分です。
魂が訴えているときは、お腹のあたりやみぞおちから「モワーン」もしくは、「何となく」といった形で、胸にかけて何かが上がってくるような感覚を抱きます。
英語で「gut feeling」という表現があります。直感や勘、第六感などと訳されますが、「gut」は腸のこと。腸が感じること、お腹からやってくる感覚、奥底からモワーンと上がってくる感覚が、魂の声なのです。

会った瞬間に、ビビビッと電気が走るような感覚がしたーー。
これは一体何なのでしょうか。
それは頭で捉えた感覚です。頭とつながっているのは自我やエゴ。つまりは、ビビビッとくるのは自我・エゴの反応であって、簡単に言えば欲が絡んでいる可能性が高いのです。
欲を追いかけてしまうと、魂が喜ぶ道からはそれてしまいます。本当の意味で豊かさを感じられなかったり、幸福感を感じられなかったり、満たされなかったりするのです。

だから、たとえば誰かと会って、「いいな」と感じたときには、それが頭で感じているものなのか、ハートやみぞおちで感じている魂の声なのか、自分で確かめる必要があります。
たとえば、結婚したいと思っていて、それはなぜなのか、自分と向き合って心の声を感じてみると、「ああ、やすらぎが欲しい」と、モワーンと上がってきたとします。
それは、魂が求めているものは「やすらぎ」であるということなのですが、頭では「刺激を求めている」こともあるのです。
そうしてあるとき、ビビビッとくる人に出会って、「あれ・・・・・この人が、運命の人なんじゃないかしら」と思ったとします。
実は、そういう人がいちばん危険だったりするのです。
ビビビッときたということは、その人は、あなたの魂が求めているやすらぎをもたらしてくれる人ではありません。あなたの自我が求めている刺激をもたらす人なのです。
つまり、女性関係に問題があるのかもしれませんし、お金の使い方がめちゃくちゃかもしれません。そういうことも含めて、あらゆる形であなたの人生に刺激を与えてくれる人なのです。
刺激にはポジティブなものもあり、刺激が良い悪いということではありませんが、いつも浮気されることにビクビクする、もっと言えば、DVにビクビクするというのも刺激なわけです。
「え、どうして? あんなにビビビッときたのに。運命の人だと思ったのに」と思うかもしれませんが、ビビビッときたということは、あなたのエゴが反応したのであって、魂の反応ではありません。

もっとシンプルな例を挙げると、2人の男性がいて、1人は全然さえない風貌で、もう1人はものすごいイケメンだったとします。でも、そのさえない人に会うと、なんとなくモワーンとくるのです。
一方で、イケメンのほうは「すごくかっこいい!」と、まさにビビビッとくる。このビビビッという感覚に比べると、モワーンとした感覚は弱いのです。すると、ほとんどの人が前者を選んでしまうものですね。わかりやすい刺激で選んでしまうからです。
振り回されてもいいんです、どうしてもこの刺激を味わいたいんです、覚悟の上なんです、ということであれば構いません。
でも、本当の意味で満たされたい、豊かになりたい、幸せになりたいと思うなら、魂の声を聞くことです。それは断言できます。
自我やエゴを優先したとき、一時的には満足するかもしれませんが、結果的には「なんでこんなことになっちゃったんだろう」「どうしてこっちを選んじゃったんだろう」ということになるのです。なぜなら、魂は、その人の本当の意味での幸せや豊かさを熟知していますが、自我やエゴはそうしたものを一切理解していないからです。

だから、自立するために「自分を大事にしよう」と思っていても、刺激に惑わされて、“頭の声”に行動を一致させていたら、本当の意味で自分を大事にすることにはなりません。

あなたが聞いているのは魂の声ですか?
それとも頭の声ですか?
わかりやすい刺激に惑わされないようにしましょう。

プレゼンやスピーチ、講演など、人前で話をするときにも、魂の声に耳を傾けることでその場に調和する言葉があふれ出てくるようになります。
自分にしっかりつながっていると、何を話せばいいかがわかるのです。
でも、自分から離れてしまった途端に、「何を話したらいいんだろう」と頭で考え始め、かえって真っ白になります。
僕は、ワークショップや講演会など、たくさんの方の前でお話しさせていただく機会が多いのですが、毎回、何を話すかは事前に決めていません。もちろん、その時々のテーマは決まっていますので、そのテーマにそったお話をしようといった意図はあります。
なので、レジュメのようなものは一切用意せず、舞台に立って、ただ自分の魂につながるだけなんですね。
すると、その瞬間に、自分にとっても周りにとっても最善の内容が、言葉になって、あふれるように出てきます。このとき、頭は使っていません。ただ流れ込んでくる周波数を言葉に翻訳して表現しているだけです。
頭で考えようとすると、「えっと、えー・・・・・」と詰まってしまいがちですが、魂につながっていると、「今、話してください」と、突然言われたとしても話すことができます。話すことを準備するとかしないとかいったことは関係ないのです。
「そんなの、誰もができることじゃないですよね?」と思うかもしれませんが、誰かができるということは、自分にもできるのだということを知っていただけたらと思います。

僕も、今でこそ「口から先に生まれたんじゃないの?」なんて言われるほど、2時間でも3時間でも4時間でも、何時間でもぺらぺらとしゃべっていられますが、最初は、もちろん緊張しましたし、初めてのワークショップのときなんて、笑顔が引きつっているのが自分でもわかるほどでした。
それに、最初の頃は事前に何を話すかを考えて、ちゃんとその日のレジュメを作っていました。セミナーをやり始めたのが、今から14年ほど前のこと。当初は会場にいらっしゃる方も30名弱だったので、手書きで作ったものをコピーして配っていたのです。
最初に何を話し、次に何を話して、その次は・・・・・と順番までしっかり考えて作り上げ、それに沿って進めていました。
ただ、そのレジュメ作りは、当日の朝までかかるときもあったのですね。
そしてあるとき突然、作れなくなりました。どうやっても進まないのです。「え、どうしよう?」と思いながら夜がふけていき、仕方がないので少しだけ寝て、レジュメのないまま会場に向かいました。
ものすごくドキドキして会場に着いたのですが、できていないものは仕方がないと開き直ってその場に立ったら、情報というエネルギーが、ドッと流れてきたのです。
そのとき「あ、これなんだ」とハッとしました。僕はこの感覚を体験するために、急にレジュメを作ることができなくなったんだとわかったのです。
それが2016年ぐらいのことでしょうか。それ以来、レジュメ作りはやめました。それでも最初のうちはちょっとだけ箇条書きのメモを用意して片隅に置いていましたが、結局使わないので、今では、自分の魂につながって流れてくるものをお話しするというスタイルが定着しています。

レジュメを作ることがいけないわけではありません。作るほうがしっくりくる人は用意すればいいのです。ただ、僕自身はそのやり方がしっくりこなくなったというだけのことです。
それに、今のスタイルのほうが聴いてくださっている方に深く届くようです。頭で絞り出す言葉より、ハートから流れ出る言葉のほうが相手に響くのでしょう。
事前に用意している内容は、前もって考えているわけですから、完成度は高いと言えるかもしれません。
でも、どこか杓子(しゃくし)定規になってしまうきらいがあります。「今」その場で感じることを表現している人の言葉のほうが、たとえ話し方はたどたどしかったとしても心に響くのではないでしょうか。
また、ハートから話したほうが、その人の人となりを含め、ハートの温かさや柔らかさも加わるため、そのことも、言葉が伝わりやすくなる理由の一つです。

ラジオ番組にゲスト出演してくださった、教育評論家の尾木ママさんこと尾木直樹先生も、「ハートにつながって流れてきたことを声に出しているだけだから、壇上に立ったらすぐに話せるのよ」とおっしゃっていました。確かに、尾木ママさんの場合、頭ではなくハートにつながっているのがよくわかります。だから、よどみなくいくらでも話せるのでしょう。

これは、尾木ママさんだから、僕だからできるわけではありません。自分のハート、魂につながりさえすれば、誰もができます。
まずは、意識を頭ではなく、ハートに向ける練習をしましょう。
「えーと、えーと」と話す言葉を考えているときには、意識が頭にいっているな、とわかると思います。そうではなく、胸の真ん中あたりに意識を置いてみると、「あれ、考えられない」もしくは「考えにくい」と感じるはずです。考えようとしても、考えづらいのです。
考えられない代わりにどうなるかと言うと、ハートとのつながりから表現ができるようになります。その状態で行動すると、ハートから行動することになり、同じようにハートに意識を置いた状態で話すとハートから話すことになります。

ハートに意識を置く感覚がわかりにくいときには、「ここだよ」と教えるように、胸の真ん中あたりをトントントンと何回か叩いてみてください。そうすると、意識がそこに向きやすくなります。

ただ、緊張すると意識は頭に上がります。そうしたときは、エゴが支配している状態だからです。
逆にリラックスできているときには、ハートとつながっています。
なので、エゴに支配されているなと気づいたら、その「緊張」を手放しましょう。
手放す方法は、もう知っていますよね。
「緊張を使っていること、認められる?」「緊張を手放すこと、OK?」「じゃあ、手放そう、今!」と、3つのステップを心がスッキリするまで繰り返しましょう。
もしも、それでもどうしても手放せないときには、お辞儀をするように上半身を前に倒して「フーッ」と息を吐き出します。立って行なっても座って行なっても、どちらでも構いません。息を吐くのと同時に緊張を押し出すようにすると、少し楽になるのを感じるはずです。
少しでもリラックスできたと感じたら、ハートに意識を向けてみましょう。つながりやすくなるのがわかるはずです。

「本当に自分にできるかな」「言葉が出てこなくなったらどうしよう」「言いたいことを忘れちゃったらどうしよう」など、いろいろな不安が出てくるかもしれませんが、そうするとまた頭につながっていってしまいます。
そもそも、うまく話す必要などなく、「自分らしく」話せばいいのです。うまく話そうとすればするほど緊張してしまうのですから、「自分らしく、自分の言葉で、ハートから話そう」という意図を持って話せばそれで良し、といい意味で開き直ることで、リラックスできるでしょう。

まずは、ハートに意識を置きながら話してみようと意図すること。
そのとき、もし簡単なメモ書きを用意しておいたほうが安心する、しっくりくる、手元に何もないとかえって緊張してしまうというときには、手元に置いておいてもいいのです。そのうえで、ハートに意識を向ければOKです。

『新しい人間関係のルール』 第3章 より 並木良和:著 PHP研究所:刊

「頭の声」に従うのか、「魂の声」に従うのか。
その選択次第で、人生は大きく変わってきます。

「ビビビッ」ではなく「モワーン」。
両者の違いを理解して、常に「ハートで聞く」意識を持っていたですね。

「ありのままの自分」に立ち返る

私たちは、誰かの期待に応えるためにここにいるわけではありません。
では、私たちは何のために生きているのか。

並木さんは、あなたの人生を“生ききる”ためにここにいると述べています。

 今までは、空気を読む、場に合わせて取り繕(つくろ)う建前(たてまえ)を大事にするといった風潮がありました。相手に合わせて、場に合わせて「ここではこういう自分」「こっちではこういう自分」と仮面を付け替えるようにしてうまく渡り歩くような場面もありました。
でも、「この人にはこういう顔」「あの人にはこっちの顔」・・・・・と、その都度、自分の表わし方を変えるのですから、それは疲れるでしょう。その場では、その仮面をつけた自分になりきっているからいいかもしれませんが、帰ったらドッと疲れが押し寄せてきます。

仮面をかぶるとは、演じているということです。それは、嘘をついているということでもあります。
もちろん、相手を騙そうと意図しているわけではありませんが、本当の自分を隠して偽りの自分表現しているということは嘘をつき続けてるようなもの。それが疲れるのです。嘘がばれないようにしようと気を遣ったり、自分を偽っている自分を認めたくないという自分が出てきたりして、消耗していくわけです。
それに、あなたの演じている偽りの自分が、多くの人に「素晴らしいわ!」と拍手喝采されたとしても、称賛されているのに本当の自分ではないことは、自分がいちばん知っているのです。
最初はその事実を見たくないために「いや、そんなことない。私は別に建前なんて使ってない」「仮面なんてかぶっていない」と思い込もうとするかもしれませんが、深いところではちゃんとわかっています。
それでも偽りの自分を演じ続けていると、「本当の私をちゃんと見てよ。本当の私に意識を向けてよ」と、本来の自分と向き合うように促すサインとして、ときに病気になったりもしますね。そうなると、否が応でもその自分と向き合わざるを得なくなります。「もう、本当の自分を取り戻して、魂の望む本当の人生を生き始めましょう!」というメッセージが来ているわけです。
今、多くの人たちが、大なり小なり、そうしたことに直面しています。
なぜなら、これからの時代はありのままの自分、本質の自分に戻っていくことが必要だからです。それが、これからの時代を生きるうえでとても大事なベースになるのです。

自分で自分を大事にする習慣を身につけ、「自分軸」に一致することができれば、コミュニケーションで悩むことはなくなり、自由に自分を表現することができるようになります。
そして、誰の前でも、どこにいても、自分を素直に表現できるようになったとき、あなたは本当の喜びを感じられるようになるでしょう。
本当の自分を表現できることほど、うれしいことはありません。ワクワクすることはありません。楽しいことはありません。
周りからどんなに好かれていても、真の自分を表現できていないのであれば、それは生きていないのと一緒です。少なくとも、「あなたの人生」を生きていません。
あなたが生きているというのは、自分の本質につながって、それを表現しているときです。このとき初めて、あなたは、自分の人生を生きていると言えるのです。

中には「職場では仮面をかぶって借りてきた猫のようにやり過ごしてるけど、プライベートではちゃんと自分をさらけ出せる環境があるからいいんです」と言う人もいるでしょう。
あるいは逆に「家庭で自分が我慢したほうが丸く収まるのでおとなしくしてるけど、他でちゃんと自分を表現できる場を持ってるから大丈夫です」と言う人もいるかもしれません。
でも、それでは分離を生みます。自分の中に分離が生まれるのです。
たとえば、半分の時間は自分を出せるけれど、残りの時間は出せない。もしくは半分の時間は楽しいけれど、残りの時間はつまらないというあり方にOKを出していると、次の瞬間もその次の瞬間もずっと半分は自分を表現できて半分はできない、半分は楽しくて半分はつまらないという人生を創り出すことになります。
それでいいのでしょうか?
「いいんです、それで」と言うのであれば、もちろんいいのですが、僕は、とてももったいないことだと思います。
せっかく自分の人生を生きるために、肉体を持ってこの世に生まれてきたのですから、自分を表現して、自分の人生を生ききってほしいと思うのです。

ありのまま自分を表現して、本当の自分を生きるようになると、自分に合う人と合わない人が明確になってきます。見事に分かれていくんですね。
たとえば、今までだったら、おとなしくしている人のことが好きな人の前では、受け入れてもらえるように努めておとなしくしていたのに、これからは「今、歌いたい!」と思ったら歌うわけです。相手からすると「えっ、あなたってそんな人だったの? そんな人だと思わなかった」となりますよね。
そのとき「私、あなたみたいな人にはついていけないわ」と離れていく人もいるでしょう。
でも、本当の自分で存在しているあなたを受け入れられないその人とは、一緒にいる意味もなければ、一緒にいる必要性もありません。
あなたが、本当の意味で一緒にいる人は、本来の自分を表現しても、それにOKを出してくれる人、つまり、ありのままのあなたを受け入れてくれる人です。
それが、あなたが大切にすべきこれからの人間関係です。

すべての人に好かれる必要はありません。
そもそも、すべての人に好かれるなんて、不可能なのです。
あなただって、すべての人を好きなわけではないですよね。それと同じです。
不可能なことに意識を向ける必要はありません。
あなたのことが本当に好きと言ってくれる人と一緒にいればそれでいいのです。

嫌われたらどうしよう・・・・・・と悩む人は多いですが、嫌われたから何だというのでしょう? ちょっと想像してみてください。
誰かに嫌われたからと言って、あなたの命が脅かされることもなければ、生きていけなくなるわけでもありません。相手に嫌われたからと言って、どうってことはないのです。
嫌われたというのは、あなたの行動や在り方が気に入らないと、その人の価値観、その人の物差しで判断された結果です。あなたもあなたの価値観や物差しで好き嫌いを自由に思うように、他の人も自由に好きになったり嫌いになったりするのです。
ですから、相手が自分のことを好きになるのか嫌いになるのかなんて、誰もコントロールすることはできません。

実際、こんな実験結果があります。
100人ぐらいの人がいて、一人ひとりに「Aさんのことをどう思うか?」と聞いたところ、Aさんがどんなに相手に好かれようという意識で立ち振る舞いを整えたり、いい人を演じたりしても、100人のうち2割は「嫌い」と答え、別の2割は「好き」と答え、残りの6割は浮動票になったそうです。
「嫌い」と答える人は何をしても嫌いだし、「好き」と答える人は何をしても好きなのです。
「262の法則」と呼ばれるものがありますよね。どんな集団でも、よく働き成果を上げる人が2割、普通に働く人が6割、あまり貢献しない人が2割という「262」に分かれるというものです。
結局、そんなふうに分かれるのが世の常なのです。

何をしても2割の人には必ず嫌われるのですから、嫌われないようにしようとしたところで意味がありません。かえって、あなたの行動に制限が出てしまいます。
それなのに、その不可能なことにみんな心を砕くのです。
自分の大事な時間とエネルギーを割(さ)くのです。
「これを言いたいけど、嫌われたらどうしよう」「ここで本音を言ったら、嫌われちゃうかな」などと悩んでいる間に、あなたの寿命は尽きてしまいます。
それで本当にいいのですか?
そんなことを悩み続けることに、貴重な命を使っていいのか、自分に聞いてみてください。
「あの人にあんなこと言われた。嫌われたんじゃないか・・・・・」などと、家に帰ってからも悶々と気にしている人もいますが、そんなことに限りある人生の時間を使っていいの? 大切な命を使っていいのかな? と自問してみるのです。
それに、「嫌われないように」と細心の注意を払って、周りの人に合わせて行動したとしても、その人たちはあなたの人生の責任は、何ひとつとして取ってくれませんよ。あなた以外、誰もあなたの人生の責任は取れないのです。
そのうえで、もう一度考えてみてください。
あなたが本音で生きることの大切さと、人に嫌われないようにすることの大切さ。
これらを比べたときにあなたにとって本当に大切なのはどちらですか?

『新しい人間関係のルール』 第4章 より 並木良和:著 PHP研究所:刊

自分を偽って、相手に好かれたとしても、その関係を保っていくために、その偽りの自分を演じ続ける必要があります。
そんな人間関係は、とても窮屈で大変ですよね。

それだったら、ありのままの自分でいても、受け入れてくれる人、好きでいてくれる人だけを相手したほうが、楽しいし、ラクですね。

誰と関わるかは、貴重な人生の時間の使い道を決めることと同じです。

本音で生きることの大切さと、人に嫌われないようにすることの大切さ。

私たちも、どちらが大切か、真剣に考えるべきときを迎えているということですね。

スポンサーリンク
[ad#kiji-shita-1]
☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

新しい時代の人間関係を極める。
そのためには、どうすればいいのでしょうか。

並木さんは、大切なのは「自分の本質につながって、ありのままの自分を表現する」ということに尽きるとおっしゃっています。

「相手ファースト」の関係から「自分ファースト」の関係へ。
その意識の転換が必要になります。

私たちは、本質の自分とつながっているとき、最もポジティブで高い周波数を発します。
その周波数に見合った人たちが、自然と引き寄せられてくるわけですね。

人生で起こることすべては、自分自身が引き寄せている。
それが紛れもない真実ですが、当然、人間関係も含まれます。

あたかも自分自身を、自分にとって必要な存在、価値観の合う存在を惹きつける“磁石”のように働かせる。
「風の時代」ならではの、魔法のような人間関係の構築ノウハウ。

ぜひ、皆さんも、その効果を実感してみてはいかがですか。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

新しい人間関係のルール/並木良和【1000円以上送料無料】
価格:1,705円(税込、送料無料) (2023/8/14時点)

楽天で購入

Comments are currently closed.