本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『ChatGPT「超」勉強法』(野口悠紀雄)

お薦めの本の紹介です。
野口悠紀雄さんの『ChatGPT「超」勉強法』です。

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ChatGPT「超」勉強法 [ 野口悠紀雄 ]
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野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)さんは、日本の経済学者、経済評論家です。

ChatGPTは「勉強革命」を起こす!

野口さんは、以前から「超」勉強法といういくつかの点で、常識的な勉強法とは異なる勉強法を提唱してきました。

「超」勉強法は、以下の3つの原則で成り立ちます。

1.全体を捉えることによって部分を理解すること、そして、そのために、できるだけ早く先に進むこと
2.数学の問題を自分で考えて解くのではなく、解き方を暗記して、様々な問題に当てはめればよい
3.何が重要かを把握し、努力をそこに集中すべき

「超」勉強法は、私自身の経験から生み出したものだ。
私は、大学では工学部で勉強していたのだが、4年生になってから経済学に興味を持ち、経済や社会に直接関連した仕事をしたいと思うようになった。法学部や経済学部に学資入学することも考えたのだが、そうするための経済的・時間的余裕がなかったため、国家公務員試験の経済学の科目を受けることにした。
そして、「基礎から徐々に」ではなく、最初から過去問に挑戦した。分からないところは、経済学の百科事典で調べる。教科書を見るのは、最後だ。つまり、教科書→百科事典→過去問という普通の方法を逆転させ、過去問→百科事典→教科書という順で進んだのだ。普通の順序とは逆なので、私は、これを「逆向き勉強法」と呼んでいる。
このやり方なら、試験で良い点を取るという目的に必要な知識だけを最短時間で勉強できる。非常に功利主義的だが、時間の制約がある中で目的を達成するには、徹底して合理的である必要がある。

新しいことを勉強する場合にまず必要なのは、何を勉強したらよいかを知ることだ。
学校で勉強する場合には、勉強の内容や進め方を示すカリキュラムを学校が準備してくれる。しかし、独学する場合には、自分で判断しなければならない。これはたいへん難しい。
これから勉強するのだから、その内容について詳しくは知らない。知らないことについて何を勉強したらよいかを判断するのは、それほど簡単ではない。
普通の方法だと、つぎのようになる。まず、その分野の代表的な教科書を、最初から順に読む。分からない語句や概念が出てきたら、百科事典などで調べる。そして最後に、その分野の試験問題を解く。しかし、この方法だと、全体の体系がなかなか分からず、どこが重要なのかの判断ができない。
これに対して、逆向き勉強法だと、全体の構造が早く分かる。全体の構造が分かると、何が重要で何が些細(ささい)なことかの判断ができる。こうして、「超」勉強法の原則の一つである「重点化」が実現できるのだ。

AI(人工知能)に関する難問の一つとして「フレーム問題」というものがある。これは、問題解決のために必要な検討事項を、どの程度の範囲に設定するかという問題だ。重要な事項をなおざりにすると、失敗する可能性か高い。かといって、あまりにささいなことまで検討すると、所定時間内に処理できない。
実は、この問題は、人間においてもある。前項や前々項で述べた「重点化」がそれだ。「重要なことは何かを見出し、それに努力を集中する」のは、勉強に限らず必要とされることだ。問題は、「何が重要か?」を見出すことだが、勉強の場合には、「先に進んで、全体を把握する」ことが、「フレーム問題」の答えを見出す最も効果的な方法なのである。

「超」勉強法では、基礎に拘泥せず、できるだけ早く先に進んで全体を捉える。このために、助けを借りてもよい。逆向き勉強法を行なうには、道具が必要だ。なぜなら、基礎から順に進んでいるわけではないので、分からない用語や概念がつぎつぎに出てくるからだ。それらの意味を知るには、手助けが必要だ。
私が国家公務員試験のために勉強していたときには、前述したように、このために経済学の百科事典を用いた。このことを、「百科事典というヘリコプターの力を借りて、できるだけ高いところに登る」と表現してもよい。そのため、逆向き勉強法を「ヘリコプター勉強法」とも呼んだ。
ある頃まで、勉強は、順序立てて進まなければならなかった。例えば歴史であれば、時代の順に勉強する必要がある。知りたいところだけをピンポイントで知るのは簡単なことではなかった。だが、百科事典をヘリコプターとして使うことによって、「超」勉強法が可能になった。百科事典は、知の大衆化のためにたいへん重要な役割を果たしたのだ。

インターネットが利用できるようになり、さらにウェブ記事を検索できるようになって、「超」勉強法の道具が非常に強力になった。知りたいことを、直接ピンポイントで知ることができるようになったからだ。
従来は百科事典で進めるしかなかった「超」勉強法が、インターネットと検索エンジンという新しい手段を得て、より強力なものになった。これによって、知の大衆化がさらに進んだ。これらを使えなかった時代には、「知りたいことを知る」というのは、それほど簡単なことではなかったのだ。インターネットと検索エンジンが利用できるようになってから成長した世代の人々には、こうしたことを実感できないだろう。

百科事典と検索エンジンに加えて、いま、もう一つの新しい手段が現れた。それが、ChatGPTだ。これを使うことによって、「超」勉強法はさらに強力なものになる。
ChatGPTがこれまでの手段に比べて優れているのは、知りたいことに対して答えてくれることだ。情報源は、教科書にしても参考書にしても、書いてあるのは、著者が読者に伝えたいと思うことだ。つまり、著者の問題意識で重要とされていることだ。ところが、それが読者の観点と一致している保証はない。読者はそこに書いてあることとは違うことを知りたいと思っている場合もある。そうした場合、いくら参考書や教科書を読んでも、答えを得ることはできない。
検索エンジンでウェブの記事を調べても同じことだ。検索エンジンでヒットするのは、検索語が含まれている記事であり、こちらの知りたいことがその記事に書かれている保証はない。
このような場合、従来は人間に聞くしか方法がなかった。学校の先生や物知りな人に聞けば、こちらが知りたいことに対して答えてくれるかもしれない。しかし、そうした人たちに必ず聞けるわけではない。家庭教師を雇っていれば、知りたいことを聞けるだろうが、そうであっても、24時間365日、知りたいと思ったときに答えてくれるわけではない。それに、人間の場合、どんなに物知りであっても、その知識には限度がある。だから知りたいことを必ず教えてくれるとは限らない。
(中略)
私が国家公務員試験受験のために逆向き勉強法を行なったのは、時間の余裕がなかったからだ。いまChatGPTが使えるようになって、逆向き勉強法は、単に時間を節約する効果があるだけでなく、興味を維持しながら勉強するためにたいへん有効な方法だと痛感する。これを説明するために、本章の2で述べたことを、情報の「プッシュ」と「プル」という概念を用いて、つぎのように言い換えてみよう。
「情報のプッシュを受ける」とは、押し出されてくる情報を受け止めることだ。そして、それを理解したり、記憶したりする。それに対して、自分が知りたいと思う情報を引き出すことを、「情報をプルする」という。
普通の勉強法は、情報のプッシュを受ける性格が強い。それによって得られるのは、必ずしも自分が知りたいと思っていることではない。だから、勉強が退屈になってしまう。
それに対して逆向き勉強法の場合には、知りたいことや興味があることを調べる。つまり、情報をプルしているのだ。だから、面白い。
人間誰しも好奇心を持っている。謎があり疑問がある。それに対する答えが得られれば、面白いと思う。「超」勉強法がなぜ有効かといえば、勉強が嫌々ながらやるものではなく、面白くてたまらないものになるからである。
ChatGPTを用いる勉強法では、この利点を最大限に活用することができる。クイズを解きながら勉強しているようなものだ。ChatGPTでは自由自在に情報をプルすることができるからだ。

好奇心が満たされるのは楽しいことだ。勉強の楽しさは、まさにこの点にある。それまで知らなかったことや疑問に思っていたこと、あるいは、あやふやにしか理解していなかったことが分かるのは、ても楽しい。
ところが、これまでの勉強法は、必ずしも好奇心を満たすものではなかった。教科書によって勉強すべき内容が与えられ、それを理解したり覚えたりすることを強制されるからだ。このため勉強が苦痛になる。
多くの子供たちが、学校の勉強を「つまらない」と感じているが、その理由は、学校で教えられていることが、自分の関心事や好奇心に関係のないことだからだ。だから、興味を持てず、勉強はつまらないもので、辛いものになってしまう。ところが、ChatGPTを用いれば、勉強が本来楽しいものであることが実感できる。
教科別でいえば、とくに理科や社会科について、このことの意味は大きい。理科は自然現象を扱い、社会科は人間が行っていることに関するものという違いはあるが、どちらも、様々な疑問を解明しようとしているからだ。
だから、それを知って理解していく過程は、本来はたいへん楽しい。ところが、これまでの社会科や理科の勉強は、教科書に書いてあることを理解したり、暗記したりするという押しつけになってしまっていた。つまり、自分から進んで好奇心を満たしていくというプロセスにはならないことか多かった。
ChatGPTを使えば、理科の勉強も、社会科の勉強もとてつもなく面白いものになる。面白すぎて、他のことをやる時間がないとさえ思うようになるだろう。
この意味で、ChatGPTは勉強革命なのだ。このような可能性に気づいて、ChatGPTを最大限に活用できるかどうかが、その人の将来に大きな違いをもたらすことになるだろう。

『ChatGPT「超」勉強法』 第1章 より 野口悠紀雄:著 プレジデント社:刊

本書は、ChatGPTをという新たな武器を手に入れてパワーアップした「超」勉強法のノウハウを、具体的な事例を交えながらわかりやすく解説した一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「ハルシネーション」を避ける安全な使い方

ChatGPTの答えには、誤りがあり得ます。
これは「ハルシネーション」(幻覚)と呼ばれる現象です。

ただ、野口さんは、ハルシネーションの存在は、ChatGPTを勉強に使ってはならないことを意味しないと指摘します。

重要なのは、ChatGPTはまったく新しい仕組みであるために、それをこれまでの教科書や参考書、あるいは教師の授業などと同じように考えて使ってはならないということです。

 ChatGPTは時々間違った答えを出すが、他方において、信じられないほど博識だ。間違いを避けつつこれを利用できれば、ChatGPTは非常に優れた家庭教師になる。必要とされるのは、間違いの可能性を十分に理解し、常にそれに気をつけながら使用することだ。
この問題は、それほど簡単なものではない。正しい方向を見出すために、様々な探究と試行錯誤を必要とされるだろう。ただ、どのような使い方が有効かについて、おおよその方向づけを示すことはできる。それについて、以下に述べよう。

使い途を限定化(1)曖昧なことや忘れたことの確認に用いる
ハルシネーションがあることを前提にした安全な使い方は、ある程度は知っていることについて曖昧(あいまい)な部分を確認したり、大まかに知っていることについて詳細を聞いたりすることだ。あるいは、正確な言葉を忘れてしまった場合に、ChatGPTに確かめることだ。
ある程度は知っていることなら、ChatGPTが間違った答えをしているかどうかは、多くの場合に分かる。忘れてしまった言葉を思い出すのであれば、正しい答えかどうかは確実に分かるだろう。
例えば、歴史上の事実などで大まかには知っているものの、地名や人名の一部がはっきりしない場合がある。この場合、ChatGPTに周囲の状況を説明すれば、知りたいことを詳しく説明してくれるだろう。
こうした必要性は、文章を書いているときにしばしば生じる。そして、検索エンジンでは、すぐに答えが分からないことが多い。この場合に、ChatGPTは有用な手助けになってくれる。

使い途を限定化(2)間違っても問題が生じない用途に使う
ハルシネーションに対処するもう一つの方法は、事実の誤りに影響されない用途に使うことだ。例えば、文章を書いていて適切な表現が見つからないとき、あるいは、例を示したいが適切なものが思い浮かばないときなどに、ChatGPTに尋ねる(この具体例は、第5章の2で詳しく述べる)。
また、「アイディアを出してもらう」という使い方もある。この場合、事実やデータの誤りという問題は、あまり発生しないだろう。そして、答えが適切かどうかは、簡単に判断できる。適切でないなら、使わなければよい。
例えば、「敷地が狭い都心の学校で、野球部の練習をするためにはどうしたらよいですか?」とChatGPTに尋ね、有益な答えを得たという報道があった。この場合、学校の敷地面積などのデータはこちらから伝えるので、事実に関する誤りは生じないだろう。
ただし、このような使い方においても、問題がまったくないわけではない。ChatGPTは、事実やデータについて間違うだけでなく、計算や論理を間違えることもあるからだ。だから、狭い学校での練習場所の確保という問題で、間違った計算に基づく答えを出す可能性もある。
また、間違う確率が低いから大丈夫というわけでもない。例えば、健康増進のために何をしたらよいかと尋ねて、その方法が間違っていたら、たいへんなことになる。

ChatGPTだけに依存しては危険:書籍や検索エンジンでチェックする
ChatGPTは実に博識だ。国会図書館のすべて読んだほどの学習をしている。だから、様々なことを知っている。その知識を活用できるかどうかは、たいへん大きな意味を持っている。しかも、ChatGPTの出力がいつも間違っているわけではない。ほとんどの出力は正しい。
そのため、本書の5で述べたような「安全な使い方」をするだけでなく、もっと積極的に、「どうすればChatGPTが持つ正しい情報を引き出せるか」を考える必要がある。それをうまくできる人は、ChatGPTの潜在力を活用できる。そして、それができない人との間に、大きな差がつく。
そのための第1の方法は、得た情報を書籍やウェブ記事などで確認することだ。面倒と感じるかもしれないが、誤った情報を利用して危機に陥ることを考えれば、これは、どうしても必要な作業だ。
何かおかしいと感じたら、必ず確認すべきだ。そうでない場合でも確認が必要だ。情報を集めたり学習したりする作業は、ChatGPTだけで終わらせることはできない。

ウィキペディアで確認する
情報の正しさを疑ったとき、「この事柄について書かれているWikipediaのページを示してください」と要求する方法もある。
すると、その記事へのリンクを示してくれるので、すぐに確認することができる。
ウィキペディアを使うのには意味がある。ここにはすでに大量の情報が格納されているからだ。その正確さは万全とはいえないが、ウェブ上の一般的な記事に比べれば、信頼性は高いと考えてよいだろう。ここにある記事は、本稿の執筆時点で、英語で約675万件、日本語で約139万件である。様々な分野における基礎的な知識をほぼカバーしていると考えてもよい。
学術論文は別として、一般的な文章であれば、ウィキペディア程度の正確さがあれば十分だろう。
「それなら最初からウィキペディアを見ればよいのではないか」という反論があるかもしれない。しかし、Wikipediaの記事が長く、どの部分を読むべきかがすぐには分からない場合も多い。ChatGPTを使って問題点を特定すれば、その部分だけを読めばよい。これによって、記事全体を見るよりも、効率的に目的の情報を見つけることができる。

検索語がわかることの重要な意味
ChatGPTに健康上の問題を聞けば、病名や処置薬などを教えてくれるだろう。それらを検索エンジンで調べる。つまり、ChatGPTの答えに間違いがないかどうかを確かめるために、ChatGPTが教えてくれた言葉を検索語として検索してみるのである。
医学用語には日常用語とはかけ離れたものが多いから、いきなり検索エンジンで病名や薬の名前などを探すのは難しい。症状を入力してそうしたものが出てくる場合もあるが、それよりはChatGPTに説明するほうが早い。
同じ方法は、様々な対象に使える。例えば、人命や地名を思い出せない場合に、この方法で簡単に分かる。
「どうせ検索をするなら、最初から検索すればよいので、ChatGPTの出番はない」という意見があるかもしれない。しかし、実はそうではないのだ。検索語が分かることは、重要な意味を持つ。これについては、第3章の2で述べる。

フューショット・プロンプティングで改善する
ハルシネーションに対処しつつChatGPTの博識を使う第2の方法は、利き方を工夫することだ。
まず、ハルシネーションは、プロンプト(指示文)の書き方によってある程度対処できるという意見がある。例えば、「フューショット・プロンプティング」で改善するといわれる。
ChatGPTに対して事前に何の情報も与えずに質問をすることを「ゼロショット・プロンプティング」というのだが、フューショット・プロンプティングでは、事前にChatGPTにいくつかの例を示す。ChatGPTはそれらを参照して、新しい入力に対する適切な応答や行動を生成する。
例えば、ある文章がポジティブな感情を表しているか、ネガティブな感情を表しているかを判断するタスクの場合、フューショット・プロンプティングでは、まず、ポジティブな感情の文例とネガティブな感情の文例を示す。その後に新しい文章を提示して、どちらのカテゴリーに属するかを判断させる。
この手法は、ハルシネーションを回避するのに有用だといわれる。ただし、完全な対処法とはいいがたい。

同じことを違う形で聞いてみる
聞き方を工夫してハルシネーションを回避するもう一つの方法は、同じことを別の観点から質問してみることだ。ハルシネーションがどのような原因で起こるかははっきり分かっていないのだが、その多くは、普通いわれるように、ChatGPTが事前学習に用いた文献の中に誤った情報があるためではないと考えられる。
むしろ、本書の4で述べたように、大規模言語モデルが確率的な基準に従って出力をしていることに関連していると思われる。つまり、確率判断によって出力するので、場合によっては間違ったことを出力してしまうのだろう。
ハルシネーションが確率的原因によって起こる現象であれば、問いを少し違う形で行えば、異なる答えが出てくるはずだ。別の形で聞いても同じ答えが出てくるのであれば、誤りである可能性は低いと判断してもよいだろう。

自分の理解を文章にして、正しいかどうかをチェックしてもらう
前項の方法をもっと進めて、自分の考えや理解を文章にし、それをChatGPTに見せて、「この理解は正しいか?」と質問することもできる。
それに対してChatGPTは、明確な判断を聞かせてくれる。「正しい」とか、「誤解を招く表現だ」とか、「正しくない」と判断してくれる。それに合わせて最初の文章を修正し、「これではどうか?」と聞いてみる。このようにして、「正しい」という答えが出るまで、問答を繰り返していくのだ。
ある問題について、様々な方向からの理解を示し、それらが整合的なものになっていれば、答えは信頼できると考えてよいだろう。この場合に、ChatGPTが正しくないことを見逃す危険は、(ゼロではないだろうが)ほとんどないのではないかと思う。
世の中には、適切な参考文献がない場合がある。例えば、いま問題にしているハルシネーションだ。それは、ChatGPTがどのようにして答えを作っているかというメカニズムに関連する。ところが、ChatGPTがどのようなメカニズムで文章を理解し、どのようにして答えを作っているのかについて、きちんと説明した文献は見出せない(少なくとも、私は見出すことができなかった)。こうした場合に、右に述べたように、自分の理解を書き、それを確かめてもらうという方法は、非常に有効だ。

LLMについて学ぶには、ChatGPTに聞くしか方法がない
前項で述べた方法は、知りたいことについて、文献などで適切な答えが得られない場合に有用だ。知りたいことをピンポイントで答えてくれるからだ。この意味で、教科書による勉強より優れた方法だ。私はこの方法を大規模言語モデル(LLM)の勉強に用いた。これは、極めて難しい問題だ。
元論文は公表されていて、簡単に入手できるが、非常に難しい。そこで、右のような方法で、ChatGPTに尋ねてみることにした。その結果、かなり的確な理解ができたと思う。
LLMはきわめて新しいトピックなので、適切な解説書がない。解説書と謳っているものを読んでみると、余計なことばかり書いてあって、肝心なこと、つまりLLMがどのようにして人間の言葉を理解し、指示や質問に対して答えを生成していくのかというところが分からない。
この問題について、一般的に説明されているのは、LLMは確率的な判断に基づいて答えを形成していくということだ。つまり、それまでの文脈との関連によって、つぎに来る言葉の確率を調べ、最も高い確率の言葉を選ぶというのである。この説明は、なんとも不思議だ。そんなことだけで意味のある文章が書けるとは、到底思えない。
その前段階として、まず質問や指示を理解するというプロセスが必要なはずだ。事前学習で大量の文章を読み、それによって様々な言葉の意味や事実や関連を理解しているはずだ。実際、LLMにおいては、この仕事は「エンコーダー」という部分によって行われており、これは全体の中できわめて重要な役割を占めている。
では、それはいったいどのようなメカニズムで行われているのか? 一般の説明では、このことについて何も触れていない。私は、ChatGPTと長い問答を繰り返して、このメカニズムの概要をなんとか把握することができた。
LLMについて学ぶには、このような勉強法が最も優れた方法だということができるだろう。この勉強法は、LLMの理解に限らず、他の様々な問題に対しても適用することができる。

『ChatGPT「超」勉強法』 第7章 より 野口悠紀雄:著 プレジデント社:刊

ChatGPTは、開発されたばかりの技術で、まだまだ不完全な部分も多いです。
得意な分野もあれば、不得意な分野もあります。

ChatGPTの特徴をしっかり把握して、ChatGPTが答えやすいプロンプトを作ってあげること。
それがハルシネーションを防ぐ最善の方法です。

外国語の勉強が根底から変わる!

野口さんは,英語の勉強は「丸暗記法」を取るべきだと主張します。

丸暗記法とは、単語の意味を、個々の単語ごとに記憶しようとするのではなく、一つの文章の中で捉えよというものです。

野口さんは、この方法が正しいことは、ChatGPTの時代になっても少しも変わらないと指摘します。

暗記する教材を探し出すのは、簡単ではなかった
丸暗記法で何を覚えるか? 学生であれば、まず教科書を覚えることが考えられる。学校の試験のために、これは最も強力な方法だ。ほぼ満点が取れるだろう。欠点は、教科書は面白くないことだ。また、社会人が英語を勉強する場合には、特定の教科書はない。
そこで、丸暗記法の対象を探す必要がある。第1に、文学作品が考えられる。興味があるものなら、何でもよい。シェイクスピアの英語は古臭いが、暗記する価値は十分にある。第2に、政治家の演説もよい。分かりやすい言葉で、しかもはっきりと発音しているので、音源が見つかれば、英語を聞く練習になる。そして第3に、社会人であれば、自分の専門分野の文献を丸暗記するのがよい。
ところで、丸暗記する対象が決まったとして、そのテキストをどうすれば入手できるか?
かつて、英語のテキストを入手するのは容易なことではなかった。基本的には、洋書を購入するしか方法がなかったが、これは、きわめて高価だった。
ところが、インターネットの普及によって、英語のテキストを入手することが著(いちじる)しく容易になった。しかし、必ずしも望むテキストが手に入るわけではない。
例えば、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の名場面の台詞を覚えたいとしよう。インターネットを検索しても、英文のテキストがどこで手に入るかは、簡単には分からない。
「ロミオとジュリエット、台詞、英語」と検索すればなんとか辿り着けるかもしれないが、確実ではない。
また、テキストが得られたとしても、目的の箇所(例えば、「バルコニーの場」)がどこにあるかを見出すのは、容易なことではない。

ChatGPTに聞けば、すぐに分かる
ChatGPTがこの問題を解決してくれる。
まず、「シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の英文のテキストが入手できるウェブサイトを教えてください」と聞く。
そして、「バルコニーでのジュリエットの有名な独白があるのは、第何幕の第何場ですか?」と聞く。ChatGPTは、これらの質問にすぐに答えてくれる。
英文のテキストだけでなく、日本語訳がほしい場合もあるだろう。また、朗読を聞きたい場合もあるだろう。これらは、いったんテキストを手に入れれば、ChatGPTが簡単にやってくれる。ただし、元のサイトでこれらが得られればもっと簡単だ。政治家の演説は、録音があることが多いので、それを聞きたい。こうした場合、いろいろと条件をつけて、「これらの条件を満たすサイトを教えてください」と聞くこともできる。
私は、丸暗記法の教材のありかを示すウェブサイトのリンク集を作っていたのだが、ChatGPTの出現で、このリンク集は不要になってしまった。
丸暗記法の教材を得るもう一つの方法は、丸暗記する文章を自分で作ることだ。この方法は英語を書く訓練にもなる。これについては、本章の4で述べる。

名演説がある映画を教えてもらう
ChatGPTに映画の名場面を教えてもらうこともできる。
例えば、シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』。ここに、アントニーによるシーザー追悼演説という有名な場面がある。ChatGPTに頼めば、直ちにYouTubeにある動画を教えてくれる。
いちいちYouTubeのアプリを開く必要もなく、ChatGPTが教えてくれたURLをクリックするだけだ。英語のスクリプトも、日本語訳も付いている。
あるいは、エリザベスⅠ世の有名なティルベリー演説。来襲するスペイン無敵艦隊を目前に、白馬にまたがって将兵を鼓舞する悲痛な演説だ。「この場面がある映画を」という要求に応えて、ChatGPTは、ケイト・ブランシェット主演の映画「エリザベス」を教えてくれる。
映像付きのケネディ大統領の演説もある。例えば、1963年6月、アメリカン大学における「平和演説」。イギリスの詩人ジョン・メイスフィールドの詩を引用しつつ、知を探求する大学キャンパスの美しさを讃(たた)えることから始まる演説で、私が最も好きな演説の一つだ。
こうしたものは、検索エンジンを用いても見出せないわけではない。しかし、かなり面倒だ。それに、目的のサイトが必ず見つかるわけではない。ChatGPTは、要求を出すだけで、すぐに目的のものを示してくれる。まるで、魔法の玉手箱を手に入れたような気持ちになる。
こうした道具を用いれば、楽しく勉強を進めていくことができる。

単語の意味を、辞書で調べるのではなく、文脈の中で理解する
ChatGPTを使えるようになっても、英語の勉強において丸暗記を方が正しいことは変わらない。むしろ、丸暗記法の有効性が高まった。
具体的にはつぎのとおりだ。丸暗記の対象として選んだ英語の文章の中には、意味が分からない単語も入っているだろう。一般的な意味が分かっても、その文章の中での意味が理解できない場合もある。
そうした場合、これまでは、つぎのようにしていた。まず、辞書を引いてその意味を知り、それを文章に当てはめて、文法の知識と組み合わせて解釈し、理解する。そして、全体を理解していく。つまり単語から始めて個々の部分の理解を積み上げ、全体を理解していた。これが、「分解法」だ。
ところが、ChatGPTを利用できるようになったので、これをつぎのように変更することができる。
辞書を引かずに、文章全体をChatGPTに翻訳してもらうのだ。全体が長ければ、全文の翻訳でなく、要約でもよい。それを読んで、全体の意味を掴(つか)む。
このようにして全体を把握してから、英文を読むのである。つまり、意味が分かっている英文を読むのだ。

部分から全体への理解ではなく、全体から部分への理解
一度全体の意味を知れば、英語の文章を読んだとき、その中にある分からない単語の意味も、全体の意味や文脈から推測することができるだろう。そうしてから、全体の焚書うを何度も繰り返し読んで、暗記するのである。こうすれば、この文章の中にある様々な言葉の意味は、文脈から理解して覚えることになる。
つまり、分解法のように個別の単語ごとに意味を辞書で調べて全体の意味を掴むのではなく、まず全体の意味をChatGPTの翻訳で知り、それを手がかりにして文章中の単語の意味を知るのだ。
さらに、つぎのような読み方をする。
初めに、は全体の核になるような主張を探す。それがどこにあるかは、日本語訳ですでに知っているから、英文でも、どこにあるかおおよその見当がつく。そして、その周辺を詳しく読む。また、全体を流し読みしてから、重要と思われる箇所を見出して、そこから理解を広げていく。
このような読み方はすぐには身につかないかも知れないが、ChatGPTで日本語訳を読んでから英語を読むというやり方を続けていくと、自然に身に着くはずだ。
少なくとも、「最初の文章が完全に分かってから、つぎの文章に進む」というような読み方はしなくなるだろう。どこかの文章の意味が分からなくても、分からないままつぎに進み、文章全体の構造を掴むという読み方に変わっていくはずだ。
そのうち、どこが主要な部分かを早く掴めるようになる。われわれは、日本語の文章を読むときには、無意識のうちにそうした読み方をしている場合が多いのだ。同じようなやり方を、外国語の文章を読むときにもするようになるだろう。
分解法が個別の単語から文章の全体の意味を知ろうとするのに対して、この方法では、まずChatGPTで全体の意味を捉え、それによって個別の単語の意味を知ろうとする。つまり、部分→全体ではなく、全体→部分の理解になる。これは、第1章の1で述べた「超」勉強法の基本原則だ。
ChatGPTを用いることによって、このような理解の方法が可能になる。従来とは違う方法で、英語の文章を読めるようになるのだ。

幼児が文章を理解するのと同じプロセス
言葉の意味を文脈の中で捉えるのは、たいへん重要なことだ。人間の幼児も、そのような方法で文書を理解しているはずだ。個々の単語の意味をバラバラに覚え、それらを文法によって組み立てて文章を理解しているのではないだろう。つまり、「分解法」で理解しているのではないはずだ。
そうではなく、まず文章全体の意味を捉え、それまで意味を知らなかった単語は、全体の意味と前後の文脈から理解しているはずである。
実は、大規模言語モデル(LLM)も、言葉の意味を他の言葉との間の相対的な関係で理解している。幼児もLLMも、「辞書に書いてある意味を当てはめる」という機械的な操作をしているのではないのだ。
ところが、外国語の勉強については、多くの人が分解法、つまり機械的な当てはめを行なっている。『超「超」勉強法』の第3章の3で、「分解法だから英語が上達しない」と指摘したように、単語の意味を単語帳で覚え、それを組み立てていくという方法では、言葉は上達しないのである。
ChatGPTによって、外国語についても、分解法からの脱却が可能になった。全体の意味を知ってから英語の文章を読めば、文脈の中でその単語の意味を推測する読み方ができるようになる。これは、英語の勉強においてたいへん重要な意味を持っている。

試験の長文読解問題が難しい理由
ChatGPTに翻訳させてその意味を知ってから英文を読むと、理解しやすくなる。「意味を知っているのだから、英文を読んで意味が分かるのは当然だ」と思われるかもしれない。

確かにそうなのだが、われわれは日常、文章を読むとき、そのおおよその意味をあらかじめ知ってから(あるいは、推測してから)読んでいる場合が多いのである。何が書いてあるかまるで分からない文章を読むということは、滅多にない。
例えば、本や新聞を読む場合、われわれは、そのような読み方をしている。本であれば章や節のタイトルによっておおよその内容を知ってから、中身を読む。
ところが、試験の長文読解問題では、内容が何かということは示されていない。見出しも要約もなく、突然文章が出てくる。だから、最初の文から一文一文読んでいくということになって、理解が難しくなる。
しかし、「ChatGPTに翻訳させて、全体の意味を知ってから英文を読む」という勉強法を続けていると、試験の場合にも、「まず全体をざっと眺めて、どのあたりに主要な部分があるか見当をつける」という読み方ができるようになるだろう。

英語を「話す」訓練は必要ない。「聞く」訓練こそが重要
文部科学省は、2023年7月、中学高校の英語教育において、対話型AIを用いて「日本の生徒が苦手とする英語で話す力の底上げを目指す」という方針を発表した。
私は、この方針は間違っていると思う。その理由は2つある。
第1の理由は、実際の場面では、英語を「話す」ことより、「聞く」ことのほうがはるかに重要であることだ。
例えば、英会話の参考書には、外国の街で道が分からなくなったとき、「駅に行く道を教えてください」などと聞く例文が載っている。しかし、この例文に従って質問をしたとしても、答えが、猛烈な速さの分かりにくい言葉で返ってくる場合がある。それを理解することができなければ、質問できたとしても意味がない。つまり、重要なのは、「正しく聞けること」なのだ。
答えを正しく聞けるなら、正しい英語の疑問文ではなく、“Station? Station?”と叫ぶだけでもいいかもしれない。そうしたほうがずっと役に立つ。留学生の生活を考えてみても、聞くことの重要性は明らかだ。一日のほとんどは、本や論文を読むことに費やされる。残りの時間は、教室で講義を聞いている。そして、自分から話をするような機会は、ほとんどない。

完全に聞けば、自動的に話せる
文部科学省の方針が間違っていると考える第2の理由は、「完全に聞くことができれば、自動的に話せるようになる」ことだ。
そんなことは信じられないという人が多いかもしれない。しかし、これは間違いない。うまく話せないのは、聞いて理解できないからなのだ。「聞いたことを完全に理解できるのに、自分からは話せない」という状況は、まず考えられない。それにもかかわらず、日本人には、英語を聞く練習を忘れて、ただ「英語を流暢(りゅうちょう)に話したい」と考えている人が多い。
オンラインの英会話個人指導というものがある。フィリピンなどの人たちとオンラインで会話をするものだ。しかし、こうしたことをいくらやっても、英語を話す力はつかないだろう。
本章の2で述べた方法で音源を探し、それを完全に理解できるようになるまで何度も聞く訓練をするほうが、はるかに効率的だ。以下では、もう一つの効率的な方法を提案する。

ChatGPTの添削も説明も実に的確
自分がやっている仕事に関して必要な英語の文章をウェブから探してくるのは、簡単ではない。しかし、ChatGPTに手伝ってもらえば、自分で作ることができる。英語の文章の添削を頼んで、直した文章を暗記すればよいのだ。これによって、英語を書く訓練と、話す訓練が同時にできる。しかも、自分にとって必要な表現を学ぶので、興味を失うことがない。
ChatGPTと会話を進めることによって、これができる。その具体例を以下に示そう。
最初に私から、「つぎの文の文法や表現について間違いを指摘し、どこが間違っているかを説明し、どう直せばよいかを指摘してください」として、つぎの文を示した(これは、わざと間違えた文だ。私はこんな奇妙な文は書かないので、念のため)。

“Japan economy now is not good. Stock rise but price rise too. Wage not rise.”

これに対して、ChatGPTから修正提案があり、私がそれに対してさらに修正するということを数回行なった。そして、最終的には、つぎのような文になった。

“The economy in Japan is not good right now. Although stock prices are rising, the cost of living is also increasing However, wages are not rising.”

theの使い方を直してくれる
この過程で、ChatGPTの指導は実に的確だった。とくに重要なのは、“the”の使い方について適切にアドバイスしてくれたことだ。
日本人が英語を書く場合に最も難しいのは、theの使い方だ。日本人が書いた英語を見ると、この誤りがきわめて多い。theの使い方が難しいのは、明確なルールがないからだ。これについては、『超「超」勉強法』第3章の4で詳しく書いた。ネイティブスピーカーに聞くと、間違っているところを指摘してくれるのだが、なぜ間違いなのか、ルールはどうなっているのかを問いただしても、明確な答えが返ってこない。しかし、間違いは間違いなのだ。
これまで、この問題を解決する方法はないと思っていたのだが、ChatGPTが誤りを修正してくれるようになった。しかもその修正は、正しいと考えられる。これによって日本人が英語で正式な文章を書く際に、ネイティブスピーカーに頼らなくても済むようになった。これは、たいへん大きな変化だ。

『ChatGPT「超」勉強法』 第4章 より 野口悠紀雄:著 プレジデント社:刊

野口さんは、ChatGPTがきわめて有能なのは、言葉の勉強、とくに英語など外国語の勉強であり、外国語の教育においてChatGPTが人間の教師よりはるかに能力が高くなると述べています。

最高の家庭教師を、誰でも手軽に無料で利用できる。
これは使わない手はないですね。

敬語の使い方を教えてもらう

ChatGPTは、国語つまり日本語の勉強にも、大きな力を発揮します。

野口さんは、単に分からない言葉の意味を聞くだけでなく、文章力を磨く目的のためにもChatGPTを使うのがよいと述べています。

日本語では、敬語がきわめて重要
日本語の文章でとくに難しいのは、敬語だ。敬語は、日本語の文章において重要な意味を持っている。連絡文などでこれを間違えると、たいへん失礼なことになる。
英語、ドイツ語、フランス語などでも、敬語的な表現はある。ただし、日本語の敬語ほど厳格で複雑なものではない。日本語の敬語は、重要であり、しかしその反面で、日本人でさえ必ずしも正しく使えないほど、複雑で微妙なのだ。
ただし敬語を使うことは昔から必要だった。ただ、対面での口頭の会話や電話での会話では、あまり気にならない。また、記録に残ることもない。
ところが、連絡の多くがメールでなされるようになると、敬語の使い方がたいへん重要になった。相手は、敬語の使い方によって、送信者の一般的な能力を判断することになる。送信者個人が評価されるだけではない。敬語の使い方を訓練していないということになり、その人が属している組織全体が低い評価を受けることになってしまう。
しかも、敬語の使い方が間違っていたとしても、それを指摘してくれる人はあまりいない。指摘すれば角が立つ。だから、そのままにしてしまう。すると、間違った敬語は訂正されずにいつまでも使われ続けることになる。本人が気づかぬうちに、評価がどんどん下がってしまうのだ。

敬語の使い方を、その都度ChatGPTに聞く
『「超」書く技術』において、敬語の使い方がきわめて重要であると述べた。ただ、そこではスペースの制約から、一般的な原則といくつかの例を挙げることしかできず、個々の場合についてどのような表現が正しいかを述べることはできなかった。
では、ChatGPTに尋ねれば、個々の場合の正しい敬語の使い方を具体的に教えてもらえるだろうか?
結論をいえば、かなりの程度でできる。したがって、敬語の使い方について疑問が生じたら、その都度ChatGPTに正しいかどうかを判断してもらうのがよいだろう。重要な連絡文なら、必ずChatGPTに確かめるのがよいだろう。

謙譲語と尊敬語を混同する「コンビニ敬語」
敬語で最も間違いが多いのは、謙譲語の使い方だ。謙譲語と尊敬語を混同している人が多い。例えば、ファミリーレストランなどで、「コーヒーと紅茶のどちらにいたしますか?」「どういたしましたか?」などと聞かれることがある。
しかし、これは相手の行為に「いたします」という謙譲語を使って相手を低めているので、間違いであり、たいへん失礼だ。正しくは、「コーヒーと紅茶のどちらになさいますか?」「どうなさいましたか?」と言うべきだ。右に述べたのは、コンビニエンスストアなどでもよく聞く表現で、「コンビニ敬語」とか「バイト敬語」などとも呼ばれる。
また、「こちら領収書になります」という表現をコンビニエンスストアなどで聞く。正しくは、「こちらは領収書です」と言うべきだ。
最近では、コンビニ敬語がビジネスの文章にも侵入してきた。事務的なメールで、「これが今日の会議の資料になります」などと書いてある。これでは、「これから資料に成長しますが、いまの段階では資料になっていません」ということになる。「これでは不十分だ」と言われた場合に、「いえ、これはまだ資料の卵の段階で・・・・・・」と言い訳したい気持ちが心の底にある。つまり、自信のなさが、こうした表現に表れているのだ。

「お」の使い方は難しい
日本語の敬語のルールは複雑で、正しい使い方がわからないことが頻繁にある。メールを書くときに、しばしば迷う。
「お手紙ありがとうございます」と書くことはできるが、「おメールありがとうございます」と書くのはいかにも奇妙だ(一般に、カタカナの外来後には「お」を付けない)。ではどう書いたらよいのか? (私は、「メールのご連絡ありがとうございます」と書いている)
また、「お送りいたします」というのは二重敬語になるため、適切ではないと考えられるのだが、「お送りします」だけだと、素っ気ないような気がする。どう書いたらよいだろうか? 英語の定冠詞“the”の使い方は実に難しく、外国人であるわれわれから見ると、「ルールがない無法地帯」にしか思えない。日本語の敬語も、それと似た状態にある。

「お送りいたします」は正しいか?
「お送りいたします」は二重敬語なので、間違いではないだろうか?という疑問に対して、ChatGPTは、矛盾した答えを出した。最初に聞いたときには、つぎのような答えだった。
〈「いたします」は謙譲語(動作の尊敬を表さず、自分の動作をへりくだって言う表現)の形だ。そして「お送りする」は尊敬語の形となる。このため、この組み合わせは二重敬語とみなされる可能性がある。「文化審議会答申 敬語の指針」の中で、二重敬語は適切ではないという指摘がされている。したがって、「お送りいたします」は二重敬語として適切ではないと判断されることが多いだろう。通常のビジネスシーンなどでは「送りいたします」や「お送りします」といった形を使用するのが適切だ〉
これは、奇妙な答えだ。二重敬語だという点には私も賛成だが、「送りいたします」などと言うだろうか?
ところが、時間をおいてもう一度聞くと、つぎのような答えだった。
〈「お送りする」は尊敬語であり、「いたします」は謙譲語だ。したがって、これらの組み合わせは、相手への尊敬と自分の行為に対する謙遜を同時に表現する形となる〉
ChatGPTからこのように矛盾した答えが得られるのは、よくあることだ。頼りすぎは危険だ。

「お」の表現は無法状態
ある集まりでこのことを話したら、「『お台場』は固有名詞なのに、なぜ『お』が付くのか?」と言う疑問が提起された。
「台場」は外敵から国を守る施設なので、尊敬の念があったからなのだろう。では、尊敬の対象に「お」を付けるのが一般的なルールかと、改めて考えてみると、「お山」「お池」というのに、「お川」「お森」「お林」「お野原」などとはいわない。なぜ、山と池だけが尊敬の対象となるのだろうか?
身体についてもそうだ。おからだ、お顔、お耳、お口、お腹、お背中は「お」を付けられる。足にいたっては「おみ足」だ。しかし、頭、歯に「お」は付けられない。相手の歯はどう表現すればよいのだろうか? ChatGPTの答えは〈貴方のお歯〉だったが、こんな表現があるだろうか?(なお、「お歯黒」は歯のことではなく、歯を黒く染める風習のこと)
食べ物に関しては、もっとはなはだしい。外来語でないものだけをとっても、つぎのとおりだ。明確なルールらしきものを見出すことができない。無法状態としかいいようがない。英語の定冠詞と似た状態だ。

1.「お」を付けるのが普通であるもの(ないと、粗雑な印象)
お米、ご飯、おご飯、おむすび、お味噌、お味噌汁、お豆腐、お香々、おかゆ、おせんべい、お刺身、お魚、お肉、お酒

2.「お」は少し変だが、許容範囲内
お麦、お人参、おなす、お大根、おねぎ、お玉ねぎ、おきゅうり、おリンゴ、おみかん、おブドウ、おイチゴ、お卵、お海苔、お干物、お唐辛子

3.「お」を付けると奇妙なもの
柿、きのこ、どんぐり、梅干し、さつま揚げ、ハンペン、魚の個別名(鯖、まぐろ、うなぎなど)

文化審議会の指針に従った使い方を教えてもらう
敬語の使い方については、文化審議会が、「敬語の指針」(2007年)を公表している。かなり詳しい指針で、実際に敬語を用いる場合の参考になる。ただし、この報告書は長文であるため、すべてを読むのは簡単なことではない。
そこで、ChatGPTに、「この報告書に沿った形で答えてほしい」と頼むことができる。ChatGPTは、〈この報告書に沿った形で答えます〉と言ってくれる。あるいは、「この問題に対する文化審議会報告書の見解はどうなっていますか?」と聞くこともできる。

ChatGPTが書く文章の質はあまり高くない
以上で述べたのは、文章を構成する部品である「単語」に関することだ。では、それらを「文章」に組み上げていく過程において、ChatGPTは適切なアドバイスをくれるだろうか?
第4章の4で、ChatGPTは英語について、適切で分かりやすい文章を書くアドバイスをくれると述べた。では、日本語についてはどうか?
私の評価は否定的だ。私は、そもそも、ChatGPTが書く日本語の文章は、あまり質が高くないと思う。
内容が平板なので、もって回った表現をする。陳腐で月並みな常套句(じょうとうく)の乱用。断定せずに責任逃れをしようとする。格調の高い文章などは、望むべくもない。
とくに文語体の場合、「耐えられない臭い」としか表現できない印象を持つことが多い。これは、ChatGPTが学習した文章がそうした臭気を放っており、それを引き継いでいるからだろう。だから、対処のしようがない。ただ、私にはどうしても受け入れられない。
私は、文章の構成をしばしばChatGPTに頼んでいる。音声入力の変換ミスを直してもらっているのだ。変換ミスは見事に直すが、それ以上に文章を修正されて、改悪されたと感じる場合がある。「勝手に直すな!」と怒鳴りたくなる。

分かりやすい文章を書くアドバイスは不十分
文章については好き嫌いがある。前項の私の評価は、多分に私の個人的な好き嫌いに影響されている。
では、そうした問題とは別に、正しい構文の分かりやすい文章を書くために、ChatGPTは適切なアドバイスをくれるだろうか? 残念ながら、必ずしもそうではない。例を示そう。
『超「超」勉強法』においては、形容詞を連続していくつも並べると、意味が取りにくくなる場合があると述べた。いくとおりにも解釈できる文章として、「私は美しい華やかなドレスを着た女の子に会った」という例をあげた(『超「超」勉強法』第4章の5)。
では、ChatGPTはこの問題を正しく把握できるだろうか? それを調べるために、「この文章は、いくとおりに解釈できるか?」とChatGPTに尋ねてみた。案の定、その答えは不完全なものだった。可能な解釈をすべて挙げていないし、挙げた解釈のうち、2つは実質的には同じ内容だった。誤りを指摘するとすぐに訂正するのだが、また似たような誤りをする。

英語の形容詞の並べ方には規則がある
ところが、ChatGPTと前項の会話を続けているうちに、意外な収穫があった。
私が、前項で述べた類(たぐい)の曖昧さは英語ではあまり発生しないのではないかと指摘したところ、ChatGPTは、「英語の場合には形容詞の付け方に関して一定の順序がある」と指摘したのである。英語の形容詞は、つぎのような順に従って並べるというのだ。

1.数量・数(Quantity or number) 例:three, ten, many
2.品質・意見(Quality or opinion) 例:beautiful, delicious, ugly
3.サイズ(Size) 例:small, big, tall
4.形・年齢(Shape or age) 例:round, old, young
5.色(Color) 例:blue, red, green
6.国籍・出身地(Nationnality or origin) 例:Americanm Japanese, African
7.材料(Material) 例:wooden, metal, cotton
8.目的・用途(Purpose) 例:sleeping(as in “sleeping bag”),cooking(as in “cooking pot”)

例文:”I bought a beautiful big Italian leather bag.” “She has a cute little black cat.”

〈この順序は、英語のネイティブスピーカーにとっては直感的であり、この順序に従わない場合、文が自然でないと感じられることが多いです〉とChatGPTは言う。
私は、実はこのルールを知らなかった。また、英語の授業でこのルールを教えてもらった記憶もない。ただし、”a big white mountain”のように、自然にこのルールに従っていた。多くの文章を丸暗記したので、自然に身についたのだろう。なお、この類のルールは、丸暗記法によらない限り、習得できないだろう。右のルールを機械的に覚えて実際の文章に適用しようと思っても、無理だ。
ChatGPTと対話をしていると、このように、思いがけず新しいことを知ることができる。これも大きな魅力の一つだ。

『ChatGPT「超」勉強法』 第5章 より 野口悠紀雄:著 プレジデント社:刊

敬語に代表されるように、日本語は、ルールが複雑な部分が多いです。
そのため、英語などの外国語に比べて、ChatGPTにとっても、なかなか理解するのが難しい言語なのかもしれません。

とはいえ、いずれ改善されていく技術的な課題だと思われますし、日本語に特化した生成Aiサービスが生まれるかもしれません。
楽しみですね。

「人物世界史」を自分で作る

学校の授業では、歴史の勉強というと、多くの地名や人命を覚えなくてはならず、苦手意識を持っている人も多かったのではないでしょうか。

野口さんも、その一人でしたが、ChatGPTを使うようになってから、歴史の勉強が本当に面白いと感じるようになったとのこと。

人物世界史を自分で作る
歴史上の特定のテーマについて、ChatGPTに聞きながら物語を組み立てていくと、楽しくて、やみつきになってしまう。これまでなかった歴史物語を自分で作っていくことになるからだ。しかも、自分の知りたいこと、興味があることを中心にして組み立てられるので、飽きることがない。
その場合、特定の人物の歴史を追うのが一番面白い。
例えば、シーザー、オクタビアヌス、クレオパトラあたりから始めてみる。
そして、エリザベスⅠ世。背景にあるのは、宗教戦争とスペインとの抗争だ。スペインの大艦隊が押し寄せてくる。あなたがエリザベスであったとして、この難局にどう対処するか?
あるいは、モーツァルトの演奏旅行に同行してみる。宮殿の中にいるのはどんな人々かと、その名前をChatGPTに教えてもらって、観察する。
ナポレオンの一生を追いかけてみる。その生い立ちから出世の過程、そしてロシア遠征。面白いと思ったところを、詳しく聞く。

文学作品の背景になっている歴史を知る
もう一つの方法は、文学作品について、物語の背景になっている歴史的事実を知ることだ。これもたいへん楽しい。映画でもよい。

・『三国志』の背景になっている中国の三国時代の歴史を知る。
・シーザーの『ガリア戦記』を理解するため、ガリアとケルトについて学ぶ。
・シェイクスピアの『アントニーとクレオパトラ』との関係で、共和制ローマの内紛とエジプトとの戦争の背景を知る。
・シュテファン・ツヴァイクの『人類の星の時間』に描かれている様々なエピソードの背景にある歴史的事実を知る。
・ツヴァイクの『マゼラン』を読んで、大航海時代のヨーロッパを知る。
・ツヴァイクの『メリー・スチュアート』を読んで、エリザベスⅠ世の時代を知る。
・ツヴァイクの『マリー・アントワネット』を読んで、フランス革命を知る。
・ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』に描かれている新大陸侵攻の歴史的背景を調べる。
・トルストイの『戦争と平和』に描かれているアウステルリッツの戰いや、ボロジノ会戦の様子を調べる。
・フランス革命に関連した物語はたくさんあるので、様々な事件を調べる。

このようにして、歴史の勉強がたいへん興味深いものになる。これまで断片的に知っていた出来事同士がつながり、まるでジグソーパズルの解(かい)ができたときのような快感を覚える。歴史に限らず他の勉強においても同じことがいえるのだが、歴史の場合はとくにそうだ。

クレオパトラのエジプトはアフリカ人が作った国か?
ChatGPTに聞いて知ったいくつかの例を、以下に示そう。
私は、アフリカ北海岸にある国々がどのようにして成立したのかを、これまでよく知らなかった。
カルタゴがフェニキア人が作った植民地であることは知っていた。また、クレオパトラの時代のエジプト(プトレマイオス王朝)は、ヨーロッパの民族が作った国らしいことも知っていた(正確には、アレクサンドロス大王の部下が作った王朝。だから、ギリシャ人が作った国)。映画で、エリザベス・テイラーがクレオパトラを演じていたことを見ても、アフリカ先住民の王朝ではないことは明らかだ。
しかし、その他の王朝については、よく知らなかった。プトレマイオス王朝以前、ピラミッドを作った王朝はどうだったのか? アフリカ先住民が作った国なのか?
このような基本的なことを知らなかったのだが、歴史の本では、こうした疑問に対してすぐに答えを得ることができない。
ウェブで調べればすぐ分かるような気がするが、そうでもない。例えば、ウィキペディアで「アフリカ史」という項目を開いてみると、長々と書いてあるが、知りたいことがどこに書いてあるのか(あるいは書かれていないのか)、すぐには分からない。
ところが、ChatGPTに聞いたところ、右の質問の答えがすぐに分かった。

ガリアとケルトは同じものか?
もう一つ混乱してよく分からなかったのは、ガリアとケルトの区別だ。これも、ChatGPTがつぎの質問に簡潔に答えてくれたので、すぐに分かった。

・『ガリア戦記』にあるガリアとは、現代のフランスのあたりですか?
・現在のフランス人は、ガリア人の子孫ですか?
・ケルト語は、現在のアイルランド語ですか? スコットランド語は?
・ガリアとケルトは同じですか? ガリアは地理的な概念で、ケルトは民族的、または言語的な概念であるように思うのですが、正しいですか?

ゲーテが過ごしたワイマール公国とは何か?
ゲーテは著名な文学者だが、それだけでなく、自然科学者でもあり、また政治家でもあった。私が興味を持っているのは、政治家としてのゲーテの側面だ。
ゲーテが政治家としてどの程度重要な人物だったかを知るには、「公国」について理解する必要がある。しかし、「公国」というのは理解しにくい概念だ。これは神聖ローマ帝国を形成する要素であり、複雑な仕組みだからだ。
これを理解するために、ChatGPTにつぎのような質問をしてみた。これによって、神聖ローマ帝国やワイマール公国について、ずいぶんいろいろなことが分かった。

・神聖ローマ帝国はどのような仕組みですか?
・神聖ローマ帝国には、各地方に公国がありますが、これはどのような仕組みですか?
・選帝侯は、何人くらいいたのですか?
・公国はいくつらいあったのですか?
・ゲーテがいたワイマールは公国ですか?
・ゲーテはワイマール公国の高官ですか?

ウクライナ戦争やパレスチナ紛争の歴史的背景を知る
以上で述べたのは歴史そのものだが、現代社会の様々な問題を理解するために、その背後にある歴史を知るべき場合も多い。
例えば、ロシアとウクライナだ。これらは、同じ国の中の地方の違いのように思っていたのだが、戦争がいつになっても終わらないことを見ると、歴史的にも対立があったのだろうか?
この両国の複雑で分かりにくい関係は、歴史の教科書や書籍でもあまり詳しく解説されていない。ところが、ChatGPTがこれらの問題に明確に答えてくれた。例えば、クリミア半島の帰属。ここは、もともとロシア共和国の一部だったのが、1954年にロシアからのウクライナに行政的移管されたなど、それまでよく知らなかったことを知った。
パレスチナ紛争の歴史的背景も複雑きわまりない。ChatGPTに尋ねたところ、ローマ帝国によるディアスポラ(離散)によって、すべてのユダヤ人がパレスチナ地域から追われたわけではないことを知った。また、1948年のイスラエル建国当時、すでに65万4000人のユダヤ人がパレスチナに住んでいたことも知った。
パレスチナ問題は、第二次世界大戦後のイスラエル建国によって始まったものではなく、2000年の長い歴史の中で、連綿と続いてきたものであることがよく理解できた。

『ChatGPT「超」勉強法』 第7章 より 野口悠紀雄:著 プレジデント社:刊

歴史には、大きな「流れ」があり、あたかも一つの大きな物語を作り出しています。
歴史を学ぶ際には、大まかにでも、その「流れ」をつかんでおかないと、完全に理解することができません。

野口流の「超・勉強法」では、自分の興味のある人物や出来事について深く学び、それをきっかけに芋づる式に知識を広げていきます。

ChatGPTは、膨大なインターネット上の情報から、必要な知識だけを取り出して、わかりやすくまとめてくれます。
歴史のように、細い糸がいくつも絡まって、大きな綱となっているような学問を学ぶには、まさに“最強の武器”となりますね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

最近、「リスキリング」という言葉が頻繁に使われるようになりました。
リスキンリングとは、時代に即したスキルを身につけることです。

それだけ、社会の変化が大きくなり、必要とされるスキルや知識が、次々と更新されているということ。
野口さんも、勉強は学齢期だけのものではなく、一生続けるものだという時代になったとおっしゃっています。

リスキリングにおける勉強の最大の特長は「自由度が大きい」ことです。
どんな分野を、どれくらい深く、どれくらいの期間で学ぶか。
それらを自分の裁量で自由に決められます。

独学でリスキリングをする際、大きなネックとなるのは「カリキュラム作り」です。
ChatGPTは、この「カリキュラム作り」で大きな力を発揮してくれます。

野口さんの「超」勉強法にChatGPTが加われば、まさに「鬼に金棒」です。

「人生100年時代」に、自分が本当に望む道を、自ら切り開く。
本書は、そのための心強い相棒になります。

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