【書評】『「私は私」で人間関係はうまくいく』(和田裕美)

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 お薦めの本の紹介です。
 和田裕美さんの『「私は私」で人間関係はうまくいく』です。

 和田 裕美(わだ・ひろみ)さん(@wadahiromi)は、作家、営業コンサルタントです。
 コミュニケーションやモチベーションアップのセミナーや講演等を中心に国内外でご活躍中です。

「いい人」が幸せになるために・・・・


「相手を傷つけたくない」
 そう考えて、言いたいこと言えずに自分を傷つけてしまう人。
 人のことを考えすぎて、決断できずに、前進も後退もできず身動きがとれなくなる人。
 いわゆる、「いい人」と呼ばれる人たちです。

 残念ながら、今の世の中は「いい人」ほど報われず、貧乏くじを引いてしまうこともしばしば。
 和田さんは、そんな彼らを見ていて、とても歯がゆく思っていました。

 自分を大事にするってことは、けっして、「わがまま」なんかじゃない
 ほんとうに幸せになりたいなら、自分という人間をないがしろにしちゃダメなんだ

 そう訴えます。

 いい人に足りないのは、「自己肯定感」です。
 自分がやりたいことができず、言いたいことが言えないのは、周りを気にしすぎるから。

『周りがどう思おうと「私は私」』

 そう思えるだけの、自分に対する信頼感、愛情が不足しているということです。
 和田さんは、あと少しだけ厚かましくなれたなら、「いい人が最後に笑う」世界が待っていると述べています。

 本書は、自分を大切にすることで人間関係を良好にする方法についてまとめた一冊です。
 大好きな「いい人」に幸せになってほしい、そんな和田さんの願いがこもっています。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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自分の空気なら変えられる!


 和田さんは、「空気を読む」とか「読まない」の前に、自分がどんな空気を出しているかを知るほうがずっと大事だと指摘しています。

 そうはいっても、いつも気分のいい状態でいるのは、至難の業です。
 ムカついたり、機嫌が悪くなってしまったときは、どう対処すればいいのでしょうか。

 まず、なんだかしんどいなと思うときは、「私の空気は今、どんな色?」と、自分に意識が向くようにしてみるといいです。そして、「私は今、重く暗い気配を漂わせている」とか、「私は今ぴりぴりした黒い空気を出してる」と気づくことができたら、それだけでもう大丈夫です。
 自分の気持ちに向き合って、「そうか、そうか、私、怒っているね」というだけで、魔法のように自分の気配が軽くなるのです。
 私はさらに、悪い感情はためないで出したほうがいいと思っているので、「げ〜〜」「うげ〜」などと擬音語にして、黒いものを吐き出しておきます。
 この擬音語っていうのが大事なんです。とくに、怒りの感情を持っているときなどは、「あんな人、消えたらいいのに!」といった、あまりにも否定的な言葉を使うと、それがブーメランのように自分に戻ってきてしまうからです(おお、こわっ!)。
 だから、擬音語で発散するのがもっとも安全なのです。それでもう、80%は自分の空気が軽くなっています。さらに、残っている重い空気を消すには、「私、今、トゲが出ているから、距離、置いててね。しばらくしたら直るから」と先にいってしまうことです。そうすると90%くらいは解消できますし、それを笑っていえたら、もう100%、楽しい空気を出せるようになります。
 このように、自分の発する空気なんて、声とか行動で一瞬にして変えることができるのです。周囲を気にするより、自分を整えることのほうが、ずっとずっと簡単です。

 『「私は私」で人間関係はうまくいく』 第1章 より  和田裕美:著  中経出版:刊

「自分が出している空気」を知るためには、自分の感情に気づくことが大事です。
 いつもイライラしている人は、自分がイライラしていることにも気がつきません。

 否定的な感情は、溜めこまない。
 ちょっとでも「イライラが溜まっているな」と自覚したなら、すぐに吐き出しておく。

 普段から、心を落ち着いた状態に保てるよう心掛けたいですね。

「私は私」でやっていこう!


 和田さんいう「私は私」というのは、人の気持ちがわかって、相手のために動けて、愛されている自由な人のことです。
 そのような人は、一緒にいてちっとも楽しくない人とのつきあいを一切やめる勇気を持っている人でもあります。

 場合によっては、その人が「お金持ちだから」「有名だから」「世間で評価が高いから」という理由で、我慢してつきあう人もいるし、「人脈が欲しい〜」という明確な目的で、もう誰でもいいやって感じで割り切ってしまうことも、ときに必要かもしれませんが、私はそれができないんです。
 商売がへたくそっていわれるゆえんがそれなんですが、生理的に(本能で)違和感を感じたらもうダメですね。お金くれるっていわれてもダメ。
 だから私、この点においては、過去からずっと「私は私」でやってきたんですよね。よく考えたら、人見知り度合いがでっかい状態って、これなんですよね。

「デビューさせてあげるから 私の女(男)になりなさい」といわれたら無理だけど、「もう、わたしはもう生きていけないと思うので、最後にキスをさせてください」と負傷した兵士に息も絶え絶えにいわれたら断れないという人は、そもそもが人間関係において打算的になれないのです。そういう選択をする自分が嫌だから・・・・・。
 でも、それでいいんです。

 人生の時間は限られているのですから、気分が悪くなるような人と過ごす時間はできるだけ減らし、気分が良くなる人と付き合ったほうがいい。打算的で、自分の本質を見てくれない人といるよりも、自分の本質を認めてくれる人と一緒にいたほうがいい。
 そう思い、それを貫くことが「私は私」ってことなんです。

 『「私は私」で人間関係はうまくいく』 第2章 より  和田裕美:著  中経出版:刊

「私は私」とは、決して自分勝手にふるまうことではありません。

 無理しないと付き合えない人とは、あえて付き合わない。
 無理しないとできないことは、あえてしない。

 割り切って、自分に正直に生きること。
 それが、自分を楽にし、結果的に人間関係をスムーズにしてくれます。

無理に上に伸びようとせずに下に掘り進んでみる


 好きなことを見つけて、それに夢中になって「私は私」を貫き通すのは難しいことです。
 多くの人がそれを達成できないのは、人に理解してもらえないだけでなく、挫折したり、あるいは、もっとできる人を見つけて、「私なんか・・・・」と凹んで自信をなくしたからです。

 料理が得意っていっても、もっとすごい人がいると、そんなのすぐに得意じゃなくなるんです。
 いつも、どこでも、上には上がいる。きりがないのです。

 それに対して、成功している人は、とことん突き詰めた「好き」か、これは誰にも負けないという「自信」のどちらかを持っています。
 とにかく「好き」だと、その他のことをすべて捨てても、三度の飯より、それに夢中になっちゃうくらいののめり込み感があって、程度の差はあれど、人に何をいわれても、人に評価されなくても、続けることができるんです。

 そして、「自信」があれば、いろいろな競合相手とかライバルが出てきても、「私のほうがきっとすごいんだ!」と思えるので、やっぱり続けることができるんです。
 ぜったいに成功してやるぞ! という感じじゃなくて、「まあ、好きだし楽しいし」「これは自信あるし、楽しいし」という思いがあるので、力みすぎないのです。

 自分を活かしたいのなら、あと10年かかるといわれても、「あっ、それ好きだから、ぜんぜん続けちゃいます!」って、たとえ70歳でも焦らずにいえるような感じが必要なんだと思います。

 それがない? だからこそ、もっともっと、それが好きで面白くなるまで掘り下げるんです。掘って掘って、掘るんです。
 上に伸びて花を咲かせたいのに、下に向かって掘るなんて、時間がかかりそうでかったるいですよね。
 でも、ひとつのことを継続して、ずっと輝き続けている人で、下に向かって掘ってない人なんていないんですよ。

 『「私は私」で人間関係はうまくいく』 第3章 より  和田裕美:著  中経出版:刊

 まさに、「継続は力なり」ですね。
 続けることで、自信がつきます。自信がつくとさらにやる気が出ます。
 その好循環をいかに作り出すかがポイントですね。

 他人の評価を気にしないこと。周りと比べないこと。
 そして、自分が本当に好きなことに没頭すること。

 まずは、何があっても倒れないようしっかりとした根を生やすことが大切です。
 掘って掘って、掘りまくりましょう。

悪口をいわれている人と自分の関係を大切に


 いつも他人の悪口ばかりいう人は、どこにでもいるものです。
 他人の悪口は、聞いていても気分が悪いし、それ同意しないといけない空気になると、辛い気持ちになりますね。

 和田さんは、そのようなとき、悪口を言っている人のことを考えるよりも、“悪口をいわれている人と、自分との関係がおかしくならないこと”に意識を向けることのほうが、すごく大事だと指摘しています。

 心という“畑”って、いいとか、悪いとかもなくて、なんでも聞いたことを、その大地に染み込ませてじんわりと吸収してしまうものなんです。
 とくに、そんなに深く話したことのない人、まったく会ったことのない人の話は、鵜呑みにしやすい。人は最初に聞いた情報を信じやすいからです。
「◯◯さんって実はわがままで、人の好き嫌いが激しいんですよ」と、信用おける人から聞けば、そうなのかな? と思ってしまいやすい。
 でも、それが危険! そういう先入観があると、どうしても、その人に近づこうとしなくなります。

 私の大事な友人が、ネットで知らない人に叩かれたりしているのを見ると、むかっとします。
「あなたは、あの人に会って話をしたことないよね? ほんとうにわかっているの? あの人がどれだけ陰で努力してるか! あの人はいろいろ見えない責任を抱えて、それでも、それをまわりの人に感じさせないように、真面目に明るくやっているんだよ。憶測でいわないでください」
 そう弁解したくなるし、実際に「こんなこと耳にしましたけど、どうなんですか?」と本人に聞いてみたら、すべて事実無根だったというケースがたくさんあるのを知っています。
 だからとにかく、悪口は鵜呑みにしない。そして聞きたくないことは、「そうなんですね」というあいづちで返し、「そう思います」とけっして同意しないスタンスを守り通すことです。

 『「私は私」で人間関係はうまくいく』 第4章 より  和田裕美:著  中経出版:刊

 人のうわさや、悪口は根拠のないものが多いので、そのまま鵜呑みにするのは、とても危険です。
 他人に対するネガティブな発言は、最終的には自分にそのまま跳ね返ってきます。
 自分が言ったことではなくても、同意してしまったら、自分が言ったのと同じですね。

 根拠のない話は、同意せずにそのまま流す。
 憶測でものごとを決めつけない。

 それが、つまらないトラブルから人間関係を守るコツですね。

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「幸せになるためには、自分を変えなければならない」

 そう考えている人は多いのではないでしょうか。
 しかし、本書を読めば、そうではないことに気付かされます。

 自分の言いたいことを素直に表現でき、やりたいことを思う存分にできる。
 そのような状態でいられることが、最高の自由であり、幸せだということですね。

 必要なのは、これまで外に向きすぎていた意識を、自分に向けてあげること。
 自分自身を見つめることは、最初は勇気がいることです。
 でも、それをしない限りは、本当の自分を生きることはできません。

「私は私」で生きていく。
 そういう強さとやさしさを、つねに持ち続けたいものですね。

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