【書評】『わたしが神さまから教わった成功するビジネスパーソンの新流儀』(井内由佳)
お薦めの本の紹介です。
井内由佳さんの『わたしが神さまから教わった成功するビジネスパーソンの新流儀』です。
井内由佳(いうち・ゆか)さんは、自動車販売会社の経営者です。
25歳のときに神さまからの“お告げ”が降りるようになり、以後、多くの人々の人生相談に応じられています。
神さまから教わった、成功するための考え方
井内さんは、これまで、数多くのビジネスパーソンの相談に乗ってきました。
わたしが、他人の人生に於(お)ける決断を下すことはありません。
わたしは、人が人生で悩んだとき、夢を叶えたいとき、岐路に立ったとき、どういう考え方に基づいて判断を下すのが一番いい結果を導き出せるのかを、神さまに教わりながらお答えしているのです。
その人の人生は、その人が築くもの。他人のわたしが築くものではありません。
人生を築いていくということは、いい決断を重ねていくということだからです。
わたしは、23年に亘(わた)り、ビジネスパーソンの相談に乗ってきて、成功する人には、共通の考え方や生き方があるということがわかったのです。
はじめの頃は、神さまのおことばだけを頼りに皆さんの悩みにお答えしていましたが、いまとなっては、これだけたくさんの方の相談に乗ってきたわけですから、成功する人、しない人の顕著な傾向があることがわかり、神さまのおことばのすごさが裏付けられたことを実感し、かなりの自信を持って相談に乗れるようになったのです。『わたしが神さまから教わった成功するビジネスパーソンの新流儀』 第一章 より 井内由佳:著 幻冬舎:刊
本書は、神さまからのアドバイスから得た、ビジネスで成功するための共通の考え方や生き方の流儀をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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仕事は「結果」がすべて
どんな仕事でも、そこにたどり着くまでの「過程」があります。
しかし、過程は手段に過ぎず、求められるのはあくまでも「結果」です。
井内さんは、ビジネスに於いては、全て結果次第
なのだと強調します。
結果がなかなか出せないという人に限って、それまでの過程をアピールすることが多いのです。そして、「こんなに頑張った」ことで評価を得ようとする甘えや、逃げの気持ちのある人が多いようです。
そして、「過程」を言い訳にして、責任を逃れようとする傾向が見られるのです。
わたしが相談に乗ってきたビジネスパーソンで、結果よりも過程に拘(こだわ)る人で、頭角を現し、エグゼクティブになった人はいません。
頭角を現したビジネスパーソンはみんな結果にとことん拘るのです。「結果が出なかった」ことに、反省や改善点を見つけられないまま、次に進むというようなことはしないのです。仮に一つのトライアルが失敗に終わったとしても、それを結果としないで「なぜ、成果が出なかったのか」をとことん分析し、そして次のトライアルで、この失敗を吸収してしまうほどの素晴らしい結果を出すのです。
そして、その結果も、誰もが同じ判断を下せる、客観的基準を持っての判断です。
数字(利益)に拘る人でなければ、数字(利益)は作れません。ただ、数字に拘っていなかったけれど、それなりの数字をあげたということもあるでしょう。しかし、それはだいたい一時的なことで終わります。安定的に続くことはありません。
成功者には、数字は作り出すもの、コントロールするものという強い意識があります。
神さまも、「仕事は、とことん結果に拘りなさい」とおっしゃいます。結果に拘るから、その仕事に集中し、また集中するからこそ、いいアイデアが浮かび、結果が出るということになっていくのです。『わたしが神さまから教わった成功するビジネスパーソンの新流儀』 第一章 より 井内由佳:著 幻冬舎:刊
私たちは、思ったような結果が出せないと、うまくいかなかった理由を自分以外に求めがちです。
精一杯頑張っても、結果に結びつかない。
それは、単純に実力が足りないか、努力の仕方が間違っているか、そのどちらかです。
失敗した時は、自分を見つめなおし、改善すべきは改善する。
そして、再チャレンジする。
その繰り返しが、成功の秘訣であり、人間として成長するための秘訣でもあります。
「贅沢」と「無駄遣い」の違いを知っている
井内さんは、成功者は、お金や時間の使い方にしっかりとした自分なりの考え方を持ち、有意義に有効に使おう
とすると述べています。
成功者たちは、時間やお金をきちんと管理しています。常に計画を立て、その計画に沿って動きを決めます。
時間やお金の使い方に無駄がないのです。
そして、時間やお金を「ここぞ」というところで、たっぷり使います。ただし無駄にだらだらと使うことはありません。
例えば、時間の使い方。成功できない人たちが、平日の夜は毎晩、ビールを片手にテレビでスポーツ観戦したり、バラエティー番組を観て寛(くつろ)いでいる間、また、会社の同僚と居酒屋で愚痴のこぼし合いをしている間に、成功者たちは、本を読んだり、講演を聴きに行ったり、大切な人と過ごしたり、部下をねぎらう会食をして時間を有意義に、そして何か次のことに繋がるように使っています。もちろん、それを毎日しているとは言いませんが、少なくとも週の半分はそんな夜の過ごし方をしています。そして、夏と冬の休みに、仕事から離れて、思い切り家族や仲間とバケーションを楽しむのです。
お金についても、同じことが言えるのです。
成功者たちは、集中力がありますし、時間をきっちり使いこなすので、あまりコンビニなどに立ち寄りません。そして、だらだらとお金をつかうことはなく、そのかわり使うときに思い切り使うのですが、そうでない人たちは、一日に何度もコンビニに行き、つい、缶コーヒーやお菓子などを買って、月にしたら数万円になってしまうこともあるのです。
その数万円は、ただ無駄に消費したお金ですが、成功者たちが仕事に集中して使わなかった数万円は有意義な会食代に変わるのです。商社に勤めた後、貿易会社の立ち上げに成功したRさん。とても、太っ腹で、社員を三ツ星レストランに連れていったり、知人の新築祝いにも、すごい金額のお祝いをする豪快なお金の使い方をする人なのですが、ケアレスミスで、コピーを間違って数十枚の紙を無駄にした、請求書の宛名を間違って、送り直しの切手代が余分にかかる、などの出費に対してはとても厳しく社員に注意をします。
誰も喜ばない、誰の役にも立たないお金を使うことをとても嫌がるのです。お金は金額の大小ではなく、お金の中身なのです。
一方、成功できない人は、お金の中身でなく、大小に拘(こだわ)るのです。
ケアレスミスを頻発し、やり直し、送り直しについては、そんなに気には留めないのに、誰かと食事に行く、お祝いをするというときは、「気持ちはあるけど、お金はそんなに出せない」と言うのです。
彼らは、一度に大きなお金を使うことにとても抵抗があるのです。
成功者たちは、よいものを吟味して、納得すれば気持ちよくお金を使います。無駄遣いはしませんが、贅沢(ぜいたく)はするのです。
贅沢は敵だ、悪だと思い込んで、そうしている人を羨(うらや)ましく思いながらも批判する人ほど、無駄遣いが多くて、いつもお金に困っているのです。『わたしが神さまから教わった成功するビジネスパーソンの新流儀』 第二章 より 井内由佳:著 幻冬舎:刊
お金や時間は、言ってみれば、“無色透明”な資産です。
何にどれくらい使うのかは、その人の裁量次第。
お金や時間を自分にとって価値あることに使うこと。
つねに投資対効果を考えること。
エグゼクティブではなくても、大事なことです。
ビジネスでは利益を一番に考えない
優秀な経営者たちには、ある共通点があります。
それは、「ビジネスでは、利益を一番に考えない」ということです。
もちろん、優れた経営者は、利益が少ししか出ないような仕事ばかりはしませんが、優先順位の一番上にくるのが利益ではないということなのです。
どんなビジネスも利益を一番に考えてしまうと、なぜか大きな利益が出ないものなのです。
利益はお客さまを満足させたことが数字となって表れたものですから、お客さまをのこころを掴んだ人が多くの利益を得られるのです。
そのためにお客さまの困ったことや不便なことを、知る努力をし、それを解決するための「商品」を開発したり、見つけることに心血を注ぐのです。利益よりもいかに、お客さまに喜んでもらえるか、困ったことや不便を解決するかを優先するのです。健康食品メーカーのT社長は、お客さまに対して、「最小限のサプリメントを厳選して摂取しましょう」と提唱しています。利益を一番に考えるのであれば、たくさんの商品を購入してもらうほうがいいのですが、自分が用途に合わせて吟味して開発した商品を、必要としている人に、必要な分だけを購入して頂きたいという強い思いがあるのです。
それがメーカーへの信頼となり、根強いファンが増え続け、毎年増収増益という結果を出しています。
お客様のこころを掴む経営者は、自分が夢中になれることをビジネスにしていることが多いです。自分が夢中になれるビジネスだから、アイデアがどんどん湧くのです。そして、それがお客様のこころを掴み、ヒット商品を生んだり、セールスが伸びたりするのです。
ところが、利益を一番に考える経営者は、人のこころではなく、お金を掴むことばかり考えているので、結果的に利益が出ないのです。自分が好きなこと、夢中になれることというより、むしろ「儲かること」を仕事にしているのです。
わたしが知っているエグゼクティブたちは、仕事が楽しくてしょうがない、と日曜日の夜になるとわくわくするのです。明日、自分がのびのびとプレーできるフィールドに戻れるのが嬉しくてしょうがないのです。
逆に鳴かず飛ばずの経営者は、日曜日の夜が憂鬱(ゆううつ)なのです。彼らにとってビジネスは、生きていくための資金稼ぎに過ぎません。そこには、夢中になったり、高揚したりすることはないのです。『わたしが神さまから教わった成功するビジネスパーソンの新流儀』 第三章 より 井内由佳:著 幻冬舎:刊
自分たちの利益ではなく、お客さまの利益を重視したビジネスを心掛けること。
顧客満足度が上がることで、リピーターも増えますし、口コミから新たなお客さまも増えます。
「急がば回れ」
ビジネスに王道はありません。
地道な努力を重ねることが、ビジネスを長続きさせるポイントだということですね。
人の反応を想定しない
エグゼクティブな紳士は、ものごとを悲観的に考えたり、捉えたりしません。
それは、「人の反応を想定しない」ということに起因します。
どういうことか説明すると、人はどんなときに腹が立つかと言いますと、自分が想定していることと違う反応が返ってきたときなのです。
ものごとが起こる前に、相手の反応を想定してしまうこと。これは無意識にしてしまうことなので、本人は想定しているという意識はあまりないのです。考え方の癖の一つなのです。
「自分がこうしたら、相手はこう思ってこうしてくれるだろう」「自分がこう言ったら、相手はこう思い、こう言ってくれるだろう」と常に想定していますが、その通りの反応はあまり返ってこないものです。そんなときに、人は腹が立つのです。
「こうすれば、きっと喜んで『ありがとう』と言ってくれるだろう」と想定して、相手が喜んでもくれないし、ありがとうとも言ってくれないとき。また、「いま、自分は窮地だけど、前に助けてあげたから、今度は助けてくれるだろう」と想定して、助けてもらえなかったとき。
こんなときに、腹が立つのです。
でも、これは一般的なことです。これが悪いと言っているわけではありません。
ただ、往々にして想定することには、自分勝手な思い込みや期待が含まれていることが多いのです。
成功した人たちは、これをしないのです。
つまり、自分の考えに基づいて、相手に過剰な期待をしないということです。
人の数だけ価値観があり、人の考え方や受け止め方は、わかろうとしてもなかなかわかりきれるものではないということを心得ているのです。
仮に想定することがあるとしても、いろんなパターンを想定しているから、外れることが少なく、ましてや腹をたてることなどないのです。
これは、ものごとを悪く考えたり、悲観することに関しても同じことが言えます。
相手に期待をして、その通りにしてくれたら想定内で「当たり前」、してくれなかったら想定外で「不満」。そこには、ありがたいという感情が芽生える余地がないのです。
ところが、相手に何も期待をしていないときに何かしてくれたら想定外の「ありがたいこと」、してくれなかったら、何も期待していないので「当たり前」。そこに「不満」の感情が芽生える余地はないのです。
だから、相手の反応をシミュレーションしないことで、腹立たしいことが少なく、こころに不満が少なくいられるのです。
それは、精神衛生上とてもいいことなのです。『わたしが神さまから教わった成功するビジネスパーソンの新流儀』 第四章 より 井内由佳:著 幻冬舎:刊
どんなに親しい間柄の関係でも、相手の考えをすべて見通すことはできません。
いつもこちらが期待した反応が返ってくるわけではないことは、理屈では理解できます。
しかし、実際に想定外の反応か返ってくると、気分を害されるものです。
何ごとも「人の反応を想定しない」こと。
いつも見返りを求めずに、相手にしてあげること。
それが、いつも心穏やかに過ごすための秘訣ですね。
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神さまが、ビジネスのアドバイスをする。
少し意外な感じですが、書かれている内容は、理にかなった至極当然のことばかりです。
井内さん(と神さま)がもっとも大切にしておられるのが、「心の持ちよう」です。
自分のことでなく、お客さまのことを第一に考える。
時間やお金、人間関係をきっちりする。
言い訳をしない。約束を破らない。
このような、ちょっとしたことの積み重ねがすべてだということです。
この世界は、見えないところですべてつながっています。
誰かにしたことは、巡り巡って、結局、自分自身に返ってくる。
「因果応報の法則」ですね。
成功者たちは、この法則をしっかり理解しています。
私たちも、本書の内容を少しずつでも実践して、神さまから愛される、スーパービジネスパーソンを目指したいですね。
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