【書評】『自分を愛する技術』(加藤秀視)

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 お薦めの本の紹介です。
 加藤秀視さんの『自分を愛する技術』です。

 加藤秀視(かとう・しゅうし)さん(@shushi_kato)は、元暴走族の異端児教育評論家、人材育成アーティストです。

「自分を愛する」ことでしか、人生は変わらない


「人生を変えたい」

 そう望みながら、様々なことを学び、努力をしている人は大勢います。
 しかし、実際に変わることができる人は少数です。
 なぜでしょうか?

 加藤さんは、その理由を、いつも自分を責めているからだと指摘しています。

 自分を責めている人はどれだけ新しい知識を学ぼうとも、どれだけ効果的なテクニックを身につけようとも、人生は変わりません。
 いつも心の奥底で「自分にはできない」と思っているのでやる気も出ず、何をやってもうまくいかないのです。
 自分を責めるということは、一生を共にするパートナーである自分が「お前はできない」「お前は無能だ」「お前には価値がない」と24時間365日、常にアナタの耳元でささやき続けるということです。
(中略)
 では、人生を変えるためにはどうすればいいのか?
 それは「自分を愛すること」です。
 自分を愛することができれば、自分の才能や可能性がどんどん引き出されていきます。自信や、やる気がみなぎってきます。そうなってくれば、常識や世間体に惑わされず、心に正直に「自分が本当に望む人生」を歩むことができるようになります。
 一般的に世間に出回っている成功哲学は、目標設定や習慣形成、心理テクニック、マインドセットといった「アクション」や「マインド」の部分にしか触れておらず、自分を愛するという「セルフラブ」については語っていません。
 ですが、この「セルフラブ」の土台がなければ、どんなノウハウもスキルも結局実行に移されず、全てが無駄になってしまいます。だから、人生を変える第一歩は、「自分を愛すること」なのです。

 『自分を愛する技術』 まえがき より 加藤秀視:著 李白社:刊

 本書は、人生を変える「自分を愛する技術」を体得するための方法を、物語形式でまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「自己変容」の3段階


 人が変われない大きな原因の一つは、心の奥底に「幻想の想念」を抱いていることです。
 想念とは、無意識下に刷り込まれた『これはこういうものだ』という大前提や無自覚な決めつけのことです。

 よく、「思考は現実化する」といいますが、本当に現実化するのは表面上で意識される『思考』ではなく、無意識下で構築されている『想念』の方とのこと。

「この図(下図1を参照)は、人の自己変容の3段階を示したものだ。
 一番上がステージ1、総称して『アクション』と呼ばれる領域だ。行動全ての他に、目標設定や行動計画、優先順位管理、タイムマネジメント、金銭管理など、『体を使ってどう行動しているか?』というテーマのもの全てがここに入る。現実や結果を実際に形創る役割を担っている場所だ。
 二番目はステージ2、『マインド』と呼ばれる領域だ。さっき話した想念もここに入るね。『心で何を考えているか?』というテーマのものは全てここに入る。現実や結果の青写真、設計図としての役割を担っている部分だ。
 そして一番下がステージ3、『セルフラブ』と呼ばれる領域。純粋意識、純粋な自己肯定感、愛し愛される喜び、未来への期待やワクワク、使命感、幸福感など『魂がどう在るか?』というテーマのものが入る。
 この領域の最大の特徴は、無条件であるということ。何か出来事や結果を通して得られるのではなく、何もなくとも自分自身の中で感じられるものだという点だ。よく自信は成功体験の積み重ねだ、なんて言うが、本当の自信や期待は何もなくとも無条件で感じられるものなんだ。
 この感覚は言葉では非常に表現しづらい。体感するものだからだ。身近な体験で近いものをあげれば、ライブやチームスポーツでみんなが一体化したような高揚感や、大好きなことに夢中になって時間が経つのも忘れてしまうような感覚、心から愛する人とひとつになった瞬間の喜び、大きな愛を知って感謝の涙が止まらないような幸福感などがある。
 この図を見て分かるように、ステージ3では他の人ともつながっている。ここが人とのつながりやあたたかさ、幸福感を感じさせてくれるんだよ。この領域は、全てがつながった世界、愛で満たされた世界、時間や空間に制限されない世界、悟りの境地という風にも言える。ここは現実や結果を創るために無限のエネルギーを供給する役割を担っている。
 そして、この3つのステージはそれぞれが連動して私達の現実を創っている。ステージ3がエネルギーを供給し、ステージ2が設計図となり、ステージ1で行動として現実が形創られる」

 『自分を愛する技術』 第1章 より 加藤秀視:著 李白社:刊

自己変容の3段階 第1章P29

図1.人の自己変容の3段階 (『自分を愛する技術』 第1章 より抜粋)


 行動や心だけで変えようとしても、その努力は無駄に終わります。
 願望を叶えるには、魂のもっと奥深い部分、エネルギーの源とつながる必要があるということです。

愛する人に接するように、自分自身と接する


 加藤さんは、「自分を愛すること」の重要性を以下のように述べています。

 自分を愛するということは、自分と向き合い、全てを受け入れる、ということだ。長所やできる自分だけでなく、弱い自分もできない自分もダメな自分も全部ひっくるめて、『自分は唯一無二の価値ある存在だ』と知ることだ。
 キミは他の誰かになることはできないし、他の誰かがキミになることもできない。それを受け入れた上で自分の判断、選択を行なっていく、ということが自己愛のスタートなんだよ。
 純粋な自己愛には、なんの制限も条件もない。親が何もできない赤ちゃんに注ぐような無条件の愛だ。
 だが、多くの人はこれができない。『勉強ができなければダメだ』、『仕事ができれば愛するに値する』、『自分の中の弱点や短所は悪いものだ』。そういった想念によって、自分をまるごと愛することができない。いつも『◯◯ができたら』と条件付きでしか自分を愛することができないんだ。そういう人は、いつもできない自分や弱い自分を責めているんだよ。
 大事な人が落ち込んでいるときに、自分を責めているとき、苦しんでいるとき、キミはなんのためらいもなく励ましの言葉をかけるだろう? 自分にも同じように接しなさい。苦しいときや辛いときほど、自分を責めたり否定するのではなく、自分を受け入れてやるんだ」
「それは、とても難しい気がします。自分が落ち込んでいるときに、自分に対してそんな風に接することができるかどうか僕には自信がありません」
「最初は今まで持っていた想念の習慣が邪魔をするからね。そう感じるのも無理はないだろう。だが、これは慣れだ。最初は否定をやめるだけでも構わない。自分自身を責める声がたくさん聞こえてくるだろうが、そういったものは全部一旦脇に置いといて、ゆっくりと心身を休めたり誰か信頼できる人に話を聞いてもらったりすればいい。そのうち元気が戻ってきて、徐々に自分を受け入れられるようになっていく」
「それならなんとかできそうな気がします」
なんにせよ、最大のポイントはキミが愛する人に接するように自分自身にも接する、ということだ。体をいたわる、健康的な食事をとる、いつも励ましてやる、ネガティブな場には身を置かない、ご褒美をあげる、いつも清潔にしておく、考えればいくつでもアイデアは出てくるはずだ。
 ここをめんどうくさがってはいけない。恋人にプレゼントを贈られたとき、よくプレゼントそのもの以上に『自分のことを考えて時間をかけてくれたことが嬉しい』なんて言ったりするだろう? あれと全く同じだ。自分を愛する、ということには、自分と時間をかけて向き合っていくことが必要不可欠なんだよ」

 『自分を愛する技術』 第2章 より 加藤秀視:著 李白社:刊

 加藤さんは、愛という水を注ぐことは、今日から始められるが、自己愛の芽が出てくるまでには少し時間がかかると述べています。

 自己愛とは、「花」のようなものです。
 毎日辛抱強く、「愛の水」を自分自身に与えてあげることが自己愛を高めるのに最も重要です。

「願望実現」のメカニズム


 自分を愛することができるようになると、人は純粋性が高まり、どんどん純粋に還っていきます。
 それは、大人でありながら、子どものような心を持っているということ。

 子どもの頃は、みな、高い「純粋性」を持っています。
 しかし、大人になっていく過程で「幻想の想念」を刷り込まれ、純粋性が低下していきます。

 ステージ3の力を利用し、願望を実現するためには、この「純粋性」を高めることがカギとなります。

「この図(上図1を参照)は先週書いた『自己変容の3段階」の図の全体像だ。私達の深い部分、ステージ3の領域では他の人ともつながっているのが分かるかね?」
「はい」
「今日、宿題のところでも話したが、現代人が持っている夢や願望のほとんどは、メディアや企業、成功者によって創られた想念だ。つまり、『ステージ2の願望』ということだね」
 言いながらノートの図のステージ2の部分に黒丸を書いていく(下図2を参照)。
「これだとステージ3の力が活用できないので、ガソリン切れを起こすことが多い。いつもどこか苦しみや違和感を抱えながら頑張ることになるうえに、自分ひとりで頑張り続けなければならない」
「はい」
「だが、本当に誰かを純粋に愛する気持ちや、自分らしさ、魂のワクワクからくる『ステージ3の願望』は違う」
 今度は、図のステージ3の部分に黒丸を書き、矢印を書き足していく(下図2を参照)。

「本当に人や社会のためになる使命や、他人をもワクワクさせてしまう夢は、このステージ3の部分を通して他人へと伝わり、夢の実現を手助けしてくれる協力者を引き寄せる。この時点で夢の実現を願っているのはもはやキミひとりじゃない。多くの人の見えない力もそこには働いているんだ。そうやって次々と人を巻き込み、シンクロニシティがいくつも起こり、夢が現実へと変わっていく。
 そのプロセスを見て多くの人は『あの人は運がいい』とか『天に味方されている』という風に言うわけだ。それに、『ステージ3の願望』は無限のエネルギーがわいてくるため、ガソリン切れを起こすこともない」
「スゴい仕組みですね。奇跡や偶然がこんな風にして起きていたなんて、なんだか信じられないような話です」
「まず大前提として、この世で起きる一切のことに『偶然』というものは存在しない。意識的にしろ無意識的にしろ、全ての現実や結果は自分が創り出しているものだ。ただ、そのプロセスが分からないから偶然や奇跡という言葉で表しているだけに過ぎない。出来事そのものに意味はないが、自分の現実として目の前に現れた以上、そこにはなんらかの原因が存在するんだよ」

 『自分を愛する技術』 第2章 より 加藤秀視:著 李白社:刊

願望が実現する仕組み 第2章P78

図2.願望が実現するメカニズム (『自分を愛する技術』 第2章 より抜粋)


 願望が実現するか、しないか。
 それは、その願望が自分自身のためだけのものなのか、周りの人も巻き込んだものなのかで決まります。

 自分のワクワクが、周りの人のワクワクにつながる。
 願望をどんどん深く掘り下げて、共通化、普遍化させていくことがポイントですね。

「マイスナー効果」で無敵になる!


 人は、自分の純粋性を高めることで、相手の純粋性を引き上げることができます。
 全ての変化は、自分の純粋性を高め、偏見なく相手を見つめ、下心なく相手のことを思いやり、自分自身が純粋に自分らしく生きていくことで起きます。

 では、純粋性を極限まで高めていくと、どのようなことが起こるのでしょうか。

「人は、純粋性を高め続けると、やがては外から影響をほとんど受けなくなり、無敵状態になる。たとえ経済破綻が起きようとも天変地異が起きようとも、数々のシンクロニシティによって守られるようになる。
 たとえば、鉄のような金属は通常、磁石を接近させると磁界の影響を受けてしまう。しかし、鉄を絶対零度まで冷やして超電導体にすると、完全に純粋な状態となって電子が集合的に同調し、磁界の影響を一切受けないようになる。これを量子力学では、『マイスナー効果』と呼ぶ(下図3を参照)。
 実は人間にも同じことが起きる。純粋性を高めれば高めるほど外界からの影響を受けづらくなり、危機や問題の中でも通常では考えられないような偶然によって守られたりする。それは周りから見れば、天や運を味方につけているとしか思えないようなものだが、決して偶然ではなく高い純粋性が引き起こした現象なんだ。
 純粋性の高い人は、純粋に相手の可能性や才能を見つめるので、相手を敵視することがない。たとえ相手が否定したり、妬(ねた)んだり、敵視してきたとしても、それらの行為が相手の間違った想念や恐れから来ていることを知っているので、相手が本当は素晴らしい可能性を持った人だということを信じて疑わない。
 そういう人は決して敵を作らない。いくら相手が敵視したとしてもこちらが敵視しないので、決して『敵対』できないんだ。そんなキミを見て相手も拍子抜けしてしまう。
 だから、トラブルも人間関係の悩みも抱えない。そもそも全ての人間関係のトラブルは、『自分が正しい。相手は間違っている』という敵対関係から生じているからね。こういう人には敵がいないので、まさに『無敵』と呼べるだろう。
 そうやって、キミが高い純粋性によって無敵性を身につけ、様々な問題や危機から守られるようになっていくと、キミは相手から相談されることが多くなってくるはずだ。なぜなら、相手はキミほど純粋性が高くなく、悩みや問題を多く抱えているはずだからだ。そういうときは相手の可能性を引き出してやるチャンスだ。
 人は通常であれば、他人のアドバイスをそれほど深く自分の身に反映させないが、問題や悩みを抱えているときであれば、同じアドバイスでも大きな影響を受ける。自分から相談してくるということは、『よくなりたい』という想いが強くなってきている証に他ならないからだ。
 だから、キミの言葉も入りやすい。そういうときこそ、相手の間違った想念を解放してやり、相手が自分の可能性に気付けるような関わりをしてあげることだ」

 『自分を愛する技術』 第3章 より 加藤秀視:著 李白社:刊

マイスナー効果とは 第3章P115

図3.マイスナー効果とは? (『自分を愛する技術』 第3章 より抜粋)


 加藤さんは、高い純粋性を持ち、常にステージ3の領域で生きている人のことを、「パワーパーソン」と呼んでいます。

 世の中を変えるような偉業を成し遂げた人。
 ただ、近くにいるだけで、力と勇気が湧いてくるような人。

 そのような人たちは皆、パワーパーソンといってもいいでしょう。
 パワーパーソンには、「自己愛」と「純粋性」を高めていくことで、誰でもなることができます。

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 加藤さんは、究極の人を変える方法は、愛と夢を持って、貢献する姿と挑戦する生き様を示すことだとおっしゃっています。
 人は、力ずくで相手を変えることはできません。
 相手の心の中に、「変わりたい」という気持ちを起こすことが必要です。

「自己愛」は、心の中に燃える炎です。
「自分を愛すること」は、その炎を大きくすること。
 大きくなった心の炎は、やがて周りの人の心も暖め、湿った心を乾かし、火を付けます。

 どんな雨風に遭っても消えない大きな炎のような存在。
 私たちも、そんな「パワーパーソン」を目指したいですね。

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