【書評】『望む人間関係の引き寄せ方』(奥平亜美衣)
お薦めの本の紹介です。
奥平亜美衣さんの『望む人間関係の引き寄せ方~他人のことで、もう一生悩まない!~』です。
奥平亜美衣(おくだいら・あみい)さんは、主婦であり、ブロガーです。
2012年に出会った一冊の本をきっかけに、「引き寄せの法則」を継続して実践したところ、現実が激変し、人生が変わり始めます。
その経験を伝えるために立ち上げたブログ「人生は思い通り」は、わかりやすい引き寄せブログとして評判となっています。
自分次第で、「幸せな人間関係」を手にできる!
悩みのほとんどは、「人間関係」に起因する。
そう言ってもいいほど、人間関係のトラブルは、私たちにとって頭痛の種です。
自分の意識を変えるだけで、そんな煩わしい人間関係が変わっていくのだとしたら、これほどうれしいことはありませんね。
奥平さんは、あなたの周りの人がどうであるか、というのは、実はあなたの幸せには全く関係がありません
と述べています。
あなたがどう思うのか、どうしたいのか、どのような視点を選択するのか、それだけが、あなたの人間関係を創り、そしてあなたの幸せを決め
ます。
つまり、自分次第で、幸せな人間関係を手にすることができる
ということです。
実際に、奥平さん自身も、「望む人間関係」を引き寄せる視点、考え方をみにつけることで、1年半の間に、劇的に変化したとのこと。
本書は、心から望む人間関係を引き寄せるための、具体的な方法をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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「周囲の他人」は、自分の思考の“鏡”
奥平さんは、あなたの人間関係は、あなたの思考と波動によって、あなたに引き寄せられてきて
いると述べています。
つまり、周囲の他人は、常に、あなたの思考の鏡
だということです。
あなたの周囲の人の性質とあなたのその人に対する思考、というのは常に一致しています。あなたの思考が現実化しているのです。
他にも、あなたの周囲の人で確認してみてください。もしあなたが、自分の夫をだらしない夫、と思っていれば、夫はそうなっているし、意地悪な義母だと思っていれば、義母はそうなっています。怒りっぽい上司、と思っていれば、その上司は怒りっぽい上司ですし、使えない部下だ、と思っていれば、その部下は使えない部下なのです。
これまでは、例えば、知人Bさんが自分勝手な人だから、自分がその人のことを自分勝手だと思っている、そう思っていたかもしれません。しかし、先ほども見てきた通り、知人Bさんは、別の人から見たら、優しい人かもしれません。
つまり、逆なのです。Bさんが自分勝手なのではなく、あなたが、Bさんを自分勝手だ、と思っているから、Bさんは自分勝手な人としてあなたの目に映るのです。
(中略)
あなたの周りに嫌な人、キツイ人、怒ってばかりいる人、批判ばかりしている人、そんな人がいたとしても、それが何を表しているのかを深読みする必要はありません。
「あの人は嫌な人だ」
「あの人はキツイ人だ」
「あの人は怒りっぽい人だ」
「あの人は批判的な人だ」
ただ、あなたがそう信じている、そう思っているということなのです。それ以上でもそれ以下でもありません。
考えてみれば、本当に当然のことですが、あなたの頭の中身と、目の前の人の性質、それは必ず一致しています。
あなたが、その人がどんな人なのかということを定義づけているのです。そして、あなたが定義づけていることは、その定義を変えていけば、目の前の人は変わっていく、ということなのです。『望む人間関係の引き寄せ方』 第1章 より 奥平亜美衣:著 大和書房:刊
奥平さんは、あなたが、その人がどんな人なのかということを定義づけている
と述べています。
どんな人でも、多くの一面を持っています。長所もあれば、短所もあります。
私たちは、相手を一方向からだけ見て、「この人はこういう人間だ」と判断してしまいがちです。
そして、その思い込みのまま、その人と接すると、相手は、こちらが信じ込んでいる一面だけを見せてくることになります。
望む「人間関係」を引き寄せる方法
望む人間関係を引き寄せる方法は、大きく二つあります。
一つ目は、あなた自身が、今あなたの周囲にいる人たちを、楽しい人、陽気で明るい人、優しい人、誠実な人、正直な人、愛情深い人、温厚な人など、自分が、こういう人が周りにいたらいいな、と思うような特徴を持った人だという目線で見ていく
ことです。
望む人間関係を引き寄せる二つ目の方法は、あなた自身の波動を高めていくことです。波動を高めていく、というのは、できる限り、日常生活の中で、自分を以下のような状態に置いておく、ということです。
- ワクワク
- ルンルン
- ウキウキ
- 前向き
- 穏やか
- 感動
- 喜び
- 情熱
- 満足 等
いつもハイテンションでいなければいけない、ということではありません。自分の気分が、自分にとって心地よい状態であればOKです。
引き寄せの法則は、あなたの本心からの思考と、そこから感じているものと同調するものを自分に引き寄せます。例えば、「あれは良くないものだ」と決めつけている思考からは、嫌だなという感情が自動的に生まれてきます。その感情から出ているものが波動ですので、自分と同じ波動のものを引き寄せる、ということなのです。
あなたが、あなたの波動を高めていくと、その波動に見合った人があなたに引き寄せられるようになってきます。また、同じ人でも、あなたの前では、あなたの波動に見合った部分を見せてくれるようになってきます。
さらに波動を高めていけば、人間関係だけではなく、あなたに起こる出来事すべてが素晴らしいものになっていくでしょう。それは、同じことが起こってもあなたの感じ方が違う、ということもありますし、実際にこれまででは考えられなかったような素晴らしいことが起こる可能性もあります。『望む人間関係の引き寄せ方』 第1章 より 奥平亜美衣:著 大和書房:刊
「あの人といると、なんだか心が落ち着く」
「一緒にいるだけで楽しい」
そう感じるのは、相手が同じ波動を持っているからです。
「類は友を呼ぶ」といいますが、それは偶然ではなく必然です。
自分と同じ波動のものを引き寄せる
という「引き寄せの法則」の観点から考えれば、納得ですね。
「本当の自分」と「自分」を同調させること
人間関係における問題の解決で最初にすべきは、「自分と自分との関係を整える」ことです。
目に見えない魂、自分の本質の部分、「本当の自分」
と「自分」が同調するように考えていくことで、他人との人間関係も良くなっていきます。
「本当の自分」は、以下のような特徴を持っています。
- そもそもが素晴らしい存在
- 存在するだけで役立っている
- 前向きで愛と喜びに溢れている
- すべてのものごと、出来事、対人関係を受け入れている(いい面を見出そうとしている)
自分が素晴らしい、ということに、実は根拠も理由も要りません。そもそも、どんな人でも素晴らしいのです。
社会的には、能力があったら素晴らしい、お金があったら素晴らしい、容姿や性格が良ければ素晴らしい、とされてきたかもしれません。
でも、そうではなくて、そもそもが素晴らしいのです。
自分自身に何か不足しているものがあると思うのは錯覚です。自分に何か加えなければ価値がないと思うのも錯覚です。今の自分に足すものも引くものもありません。ただ、本当の自分を知っていくだけなのです。
そして、あなたがそれを思い出せば思い出すほど、「自分が素晴らしい」という証拠を現実の中に見ることになります。
(中略)
心の底では、誰でも、「自分は素晴らしい」ということを知っているのです。知っているからこそ、それに反することを見たり聞いたりすると、嫌な感情が湧き上がってくるのです。
「本当の素晴らしい自分」に気づくことは、とても大事です。
自分を自分で認められていない状態で、他人と素晴らしい関係を築こうとしても、それは無理な相談だからです。
もし、誰かに自分を否定されたとしたら、そんなときはただ、自分は自分の素晴らしさを知っていることを思い出してみてください。他人のそうした真実ではない見解に、自分の心をできるだけモヤモヤさせないようにしましょう。
それは、その人が真実を知らない、というだけなのですから、または、たまたま、その人の期待に沿わなかった、というだけのことなのですから。『望む人間関係の引き寄せ方』 第2章 より 奥平亜美衣:著 大和書房:刊
奥平さんは、現実というのは、いつでも自分の内面の反映
だと述べています。
つまり、「本当の自分」の特徴に自分を近づけていくほど、現実が輝いていくということです。
当然、人間関係もどんどん改善されていくわけですね。
人を傷つける上司とどう接したらいいか?
仕事場に、ほぼ毎日怒鳴ったり傷つける言葉を発する上司。
このような人たちとは、どのように向きあえばいいのでしょうか。
奥平さんは、以下のようなアドバイスを送っています。
もしかすると、その上司は、強い態度に出ることでしか自分を主張できないような環境で育ったのかもしれません
もしかすると、幼少時代に抑えられて育ち、親元を離れてから威張ることで発散しているのかもしれません。
もしかすると、家庭がうまくいっていなくて、そのイライラを別のところで解消しようとしているのかもしれません。上司がいるところでは、このように思えないかもしれませんが、家に帰ってからでも、ちょっと、こんなふうに思いを馳せてみてください。上司が怒鳴るのは、あなたが悪いせいでも、あなたに落ち度があるせいでもありません。今より少しでもいいので、気楽になりましょう。
もし、怒鳴る等の行為を、明らかに人を傷つける意図を持って行っているのだとしたら、それは、上司本人にとっても良い現実を引き寄せていないことになります。幸せではないから、このような行動をとってしまうのです。
ここで少し、この上司も幸せになったらいいな、と考えてみてください。
自分のために相手が変わるのを望んでも、相手は変わりませんが、その人の幸せという視点で考えてみましょう。
あなたが、その人の幸せという視点で見るようになると、その人の幸せな面を目にするようになります。すると、自然と、その人が怒鳴ったり、人を傷つけたりするような場面を見ることは減っていくでしょう。
これは、いつでも他人の幸せを祈れるようないい人、聖人のような人になってください、というわけではなく、自分がいい気分でいるために他人の幸せも祈る、ということで全くかまいません。いい人になる必要はないのです。あなたが次の職場に移るかどうか、というのは重要ではありません。どうしてもつらいのであれば、移っても全くかまわないと思います。
もし移るのであれば、あなたが本当にやりたいことが、少しでもやれる職場に移りましょう。そして、出会う人たちの評価できる点に、目を向けるようにしましょう。
そうして、自分自身が本当にやりたいことをやっている状態のとき、あなたは幸せの流れにつながります。そして、その状態であれば、あなたは周りにどんな人がいても、それほど気にならないという心の状態を手に入れているでしょう。『望む人間関係の引き寄せ方』 第3章 より 奥平亜美衣:著 大和書房:刊
自分が嫌いな人も含めて、出会ったすべての人の幸せを願うこと。
それが、結局は、自分のためにもなるということです。
どんな理不尽な振る舞いでも、本人には、そうせざるを得ない理由があります。
相手の表面的な部分だけではなく、その奥にある本質的な部分まで目を向けること。
それが、「望む人間関係」を手に入れる秘訣です。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
「人間関係」は、相手がいて初めて成立するものです。
望む人間関係なんて、自分の力だけで引き寄せることができるのか。
多くの人は、そう考えているかもしれません。
しかし実際には、人を引き寄せるのも、やはりモノや出来事と同じく、自分が発している「波動(エネルギー)」です。
同じ波動の人同士が引きつけ合うのは、「引き寄せの法則」に則った真理ですね。
あるがままの「本当の自分」を生きること。
ウキウキ、ワクワクするような前向きな気持ちを持ち続けること。
私たちも、本書の内容を日々実践して波動を高め、望む人間関係を引き寄せたいですね。
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