【書評】『沖正弘がのこしてくれた治すヨガ!』(船瀬俊介)

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 お薦めの本の紹介です。
 船瀬俊介さんの『沖正弘がのこしてくれた治すヨガ!』です。

 船瀬俊介(ふなせ・しゅんすけ)さんは、食品・医療・環境問題に取り組まれているジャーナリスト・評論家です。

いま、このときを“よろこび”で生きる


 船瀬さんは、25歳でヨガの指導者として世界的に有名な、沖正弘(おき・まさひろ)先生と出逢います。
 沖先生と「ヨガ」との出逢いが、船瀬さんに生きる指針を与え、その後の人生を決定づけました。

 ヨガは約5000年以上前にインド地方で生まれたと伝えられます。
 それは、心身の調和を理想とする哲学であり科学です。その目的は「自分で自分の肉体や精神をコントロールする」ことです。言い換えれば「どんな過酷な環境に置かれたときでも、それに耐えられる肉体と精神をつくる」ことです。つまり「人間という生物の持つ能力を最大限に発揮する方法」なのです。
 ヨガという言葉は、古代サンスクリット語で「つなぐ」という意味です。
 いったい何と何をつなぐのでしょう?
 それは、「宇宙」と「人間」をつなぐのです。自分が大宇宙の一部であると体得する。そこから感謝と愛が湧き起こってきます。
 ヨガの基本の教えは2つあります。
「いつでも感謝し、いつでも笑える心を持ちなさい」
 この教えを体得できれば、あなたの命もいきいきとよみがえってくるでしょう。病だけではなく、暮らし・生活、さらには人生をなおすのがヨガの教えです。
 そうすることで、いま、このときを至福のよろこびで生きることができるのです。
 私の手元には、沖先生を著者の山があります。沖先生が残してくださった言葉は、私たちの健康観、人生観に数多くの気づきを与えてくれる宝の山でもあります。その中から、珠玉の知恵が凝縮した言葉を選び出し、解説させていただきます。
 私が先生との出会いによって生きる指針を得たように、きっとあなたの心と身体を良い方向へと導く標(しるべ)となるはずです。

 『沖正弘がのこしてくれた治すヨガ!』 プロローグ より 船瀬俊介:著 三五館:刊

 沖先生が残した多くの言葉は、私たちの健康観・人生観に数多くの気づきを与えてくれます。

 本書は、その“宝の山”から珠玉の知恵が凝縮した言葉を選び出し、わかりやすく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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命が喜ぶ“至上の幸福”


 5000年以上の歴史を誇る実践科学である「ヨガ」。
 その奥義は、『ファスティング(断食・少食・一日一食)は、万病を治す妙法である』です。

 ヨガの究極の目的は「生命が喜ぶ」ことです。ヨガが「食べない工夫」を説くのは、それが「生命が喜ぶ」ことに通じるからです。
 具体的に「食べない智慧」の恩恵をあげてみます。
(1)万病が治る:これは、万病の原因が“体毒”だからです。それは代謝能力を超えるほど食べたことで、身体に溜まります。断食すれば、“体毒“はすみやかに排泄され、身体はクリーンに自己浄化されます。病気の原因の毒素が排出されれば、病気が治るのは当たり前です。
(2)生命力が高まる:“体毒”が排泄され、自己浄化されれば、身体は宇宙からいただいた理想状態に戻ります。すると、自然治癒力、免疫力、身体能力、精神力、直感力、生殖力・・・・・あらゆる生命力が最高レベルに高まるのも当然です。
(3)精神が安定する:断食や一日一食の人たちに共通するのは、“怒らなくなった”“落ち込まなくなった”“許せるようになった”という心の変化です。
(4)仕事がはかどる:「食べなきゃ仕事にならんだろう」と思うかもしれません。しかし、逆なのです。心身能力が高まり、身体も頭も冴えて驚くほど仕事が進むのです。
(5)睡眠時間が短くなる:一日三食なら9時間、二食なら6時間、一食なら3時間の睡眠ですむようになります。食事、睡眠は3分の1、仕事、人生は3倍楽しめるのです。
(6)食費がかからない:これは、いうまでもないことです。さらに買い物や料理、後片付けの手間からも解放されます。食事時間も、より有意義な時間として使えます。
(7)子宝に恵まれる:ファスティングは男女ともSEX能力を高めます。ED、不感症などとは無縁になります。「生の喜び」は「性の喜び」なのです。
(8)若返る:長寿遺伝子(サーチュイン)の発見で証明されました。「食べないから若い」、「食べるから老ける」のです。
(9)感性が豊かに:直感力、感動力、創造力が高まるため、学問、芸術、創作活動などの能力が花開きます。ファスティングが普及した国は、文化大国となるでしょう。
(10)社会が平和に:「食べない」と心が平和になります。愛に満たされます。食糧危機とも無縁になります。少食の人が増えるだけで、地球は平和に満たされるでしょう。

 『沖正弘がのこしてくれた治すヨガ!』 第1章 より 船瀬俊介:著 三五館:刊

 ただ、食事の回数を減らすだけで、これだけの効果が期待できるのですね。

 誰でも簡単に、いつでも始められるファスティング。
 試してみる価値はありますね。

肛門を締め「丹田力」を高める


 ヘソからこぶし1個分ほど下に位置し、人体の中心の位置にあたる部分を「丹田」と呼びます(下図1を参照)。

丹田と呼吸を意識する 第1章 P39
図1.丹田と呼吸を意識する
(『沖先生がのこしてくれた治すヨガ!』 第1章 より抜粋)

 丹田は、物理的にも生理的にも、そして心理的にも、身体の中心点です。

 船瀬さんは、「丹田」に意識を集中すれば、それは重心に意識を集中していることになり、あらゆる動きに無駄がなくなると述べています。

「丹田」に意識を集中させることのメリットは、勉学や仕事も同じです。
 それは、物理的、生理的な安定に加えて、心理的な安定ももたらします。つまり、もっとも合理的に精神活動を行なえるのです。それゆえ、勉学や仕事が最高にはかどる。
 だから、“できる”人は、つねに「丹田」に意識が集中して、ものごとを進めています。
 逆にいえば“できない”人は、意識が他に行っている。
 わかりやすくいえば、“できる”人は「腹が据わった人」です。“できない“人は「腹が据わっていない」。つまり、意識(気)が上にあがっている。
 よく「上気する」といいますね。つまり「あがる」こと、文字どおり「気」が上がっているのです。すると、「気」は「丹田」よりはるか上にあがっていますから、身体はフラフラするし、頭はボーッとして、真っ白になる。脈拍や呼吸も乱れます。つまり、物理的、生理的、心理的にアンバランスとなってしまう。
「丹田」に意識を集中させることの大切さを、あらためて痛感するはずです。
(中略)
 沖先生は、「丹田」は鍛えることができる、といいます。それが「丹田力」です。
「ヨガでは、丹田に力を入れる方法を『クンバク』といいます。それは、肛門を締める方法です。肛門を締めると、自然に丹田に力がこもってきます。精神が安定するほど、背骨に力が入り、上半身の力が抜けるほど下半身に力が入り肛門の締まる力が強くなります」
 なんと簡単なことでしょう! 意識して、お尻を締める。それだけで、心身の中心点、「丹田力」を鍛えることができるのです。
「肛門を締めるには、足の親指に力を入れ、あごを引いて張り、腰をつき出して、骨盤を下げ、ひざの内側に力が入るようにします」「最高に肛門を締めるには深く強い呼吸をします。びっくりすると、肛門が開き、背骨の力も抜けます。肛門の閉まっているときは、目がイキイキとしています。笑うと自然に肛門が締まってきます」
 腹の据わった人間になる第一歩を始めてみませんか。

 『沖正弘がのこしてくれた治すヨガ!』 第2章 より 船瀬俊介:著 三五館:刊

 丹田に意識を集中させるだけで、体も心も落ち着き、最高の状態を保つことができます。
 いつも不安で、気持ちが落ち着かないのは、「気」が上がっているから。

 肛門を締めるだけで、丹田力を高めることができる「クンバク」。
 ぜひ、試してみたいですね。

「瞑想行」は人づくりの基本


 ヨガでは、『「冥想行は、人づくりの基本行法である」(沖先生)』と言われています。

 瞑想(メディテーション)とは、わかりやすくいえば「心」と「身体」と「呼吸」を鎮め、静かに時を過ごすことです。

(前略)すぐに思い出すのが、禅のお坊様たちの座禅でしょう。
 禅では「心を無にする」ことを勧めています。
 断食は、食を断つことで、身体を清浄にします。
 瞑想は、念を断つことで、心を清浄にします。
 座禅を組んでも、最初は雑念が湧いてくるでしょう。その雑念を振り払おうとすればするほど、雑念妄想は膨れあがります。まさに、凡人、凡夫の悔しさ、とホゾをかむ必要もないのです。雑念が湧けばまた、それでよし・・・・・という、焦りのない状態が、まず瞑想の第一段階といえます。
「釈迦は、ヨガの冥想行で、悟られた」(沖先生)
 それは、通常の健康法でもある「瞑想」(メディテーション)より、ステージがはるかに高いように思えます。
「ヨガの冥想行は、『統一、禅定(ぜんじょう)、三昧(ざんまい)』を一つにした行です」(沖先生)
 それは、瞑想よりは、さらに高みにある修行法だったのです。
「ヨガ冥想行法の真意は、自由に純粋に真実を把握(感知思考)実行できるために、もっとも望ましい心身生活の状態を、段階的に、意識的に、創造していく訓練です」(沖先生)
 つまり、「心」「身体」「呼吸」を整えて黙想する「瞑想」(メディテーション)は、「冥想行法」の第一ステップにすぎないのです。
 そして、冥想行法は、単なる精神統一や無念無想状態になることではありません。まさに高邁(こうまい)な心身の理想状態というべきでしょう。
「釈迦、キリストの行なわれた冥想行法を、別名『歓喜行法』といいますが、それは、すべてに神(尊さ)を認め、自他ともに救われる道を願っての冥想行という意味です」
 つまり、自分の健康のみを願っての瞑想は、まだまだ低いステージなのですね。しかし、すべての道は一歩から。釈迦やキリストの広遠な思想は、エベレストみたいな高峰です。まずは、自らの迷い、不健康を断つことから始めましょう。
 それには、第一段階の「黙想」からです。
 まずは、ゆったりと座ります。背筋を伸ばして肛門を締めます。意識を「丹田」に集中させましょう。両手は両ひざの上に軽くのせ、手の平は上に向けます。
 眼は閉じたほうが心は落ち着きます。半眼でもかまいません。
 テレビや雑音は、できるだけなくして、静かな部屋で瞑想し、心を落ち着けます。

『沖正弘がのこしてくれた治すヨガ!』 第3章 より 船瀬俊介:著 三五館:刊

 雑念は、振り払おうとすればするほど、湧いてくるものです。

 瞑想を行うときは、雑念が湧いてきても気にせずに続けること。
 心を落ち着けることに専念することが重要です。

 日々の習慣にしたいですね。

「近視」も治せる!


 沖先生によると、近視の原因は、「肉体的凝り、および精神的緊張」です。
 近視は、眼球および関連筋肉の収縮硬化による変形とうっ血であるから、この悪条件を除く行法を行えば、治すことができます。

 腰をかがめて長い時間作業をしていて、急に腰を伸ばす。すると、「あぁ、イタタ・・・・」と腰が痛くなります。かがんだ姿勢を身体は“正常”と誤認し、腰を伸ばした姿勢を“異常”と勘違いしているのです。
 近視も、これに似ています。近い場所ばかり集中してみていると、眼筋も眼球も、近い所に焦点を合わせ集中します。
 そのため、眼球の筋肉は凝り、レンズ(水晶体)を厚くしたり、薄くしたりする毛様体筋も固まって、今度は、遠くを見るときにうまく働かないのです。まさに、近視とは眼の筋肉の凝った状態なのです。
 それなら、その凝りをとってやれば、次第に遠くにもピントは合ってくるはずです。
(中略)
 先生の指導する「近視」の治し方は、じつに具体的です。
(1)断食:眼球周囲の筋肉や血管などに溜まった老廃物を取り除き、筋肉をくつろがせる。
(2)心の緊張:精神的緊張も近視の原因。それをとるために瞑想法をする。
(3)自己暗示:自己暗示法で意識的に肩、首、手の力を抜いていき、深呼吸を繰り返す。
(4)まばたき:まばたきを繰り返す。眼球を上下、左右、斜めと動かす。
(5)遠近訓練:近くを見たあと、急に遠方を見たりすることを繰り返す。
(6)冷水浴:眼を閉じ、顔を冷水に浸ける。次に目を閉じて日光浴。これを繰り返す。
(7)指圧:閉眼して、眼の周辺筋肉と首を指圧し、よく揉みほぐす。
(8)食事:過食や酸性食(砂糖、肉類)、便秘は避ける。ビタミンA、B、Cをとる。
(9)逆立ち:このポーズは、頭の疲れ、首の硬直を除き、眼・鼻の血行を改善する。
(10)体操:手、足、上体を、いろいろな角度で伸ばしたり、ねじったりする。
(11)ヨガポーズ:「アーチのポーズ」(下図2を参照)や「弓のポーズ」(下図3を参照)で背中の凝りをとる。
(12)ゆすぶり:静かに身体をゆすぶり、筋肉の緊張をほぐす。
−−結局、眼の異常も姿勢・神経・食事などの異常によるものであることがわかります。これらの行法を行なうと、眼だけでなく、その他の疾病も治っていくことでしょう。
 どれから始めたらいいのか迷う方にお勧めするのは、一にも二にも、ファスティングです。

『沖正弘がのこしてくれた治すヨガ!』 第4章 より 船瀬俊介:著 三五館:刊

アーチのポーズ 第5章 P180  弓のポーズ 第6章 P214
図2.アーチのポーズ           図3.弓のポーズ
(『沖先生がのこしてくれた 治すヨガ!』 第5〜6章 より抜粋)

 近視も、肩こりなどと同じ、血行不良による筋肉のこりが原因です。
 訓練次第で、治すことも可能だということです。
 近視にお悩みの方は、試してみて下さい。

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『健康にいい』として世間の注目を集める「断食(ファスティング)」や「瞑想(メディテーション)」や「呼吸法」。
 それらは、ヨガの世界ですでに5000年前から確立し、伝えられてきたことです。

 最新の科学をもってしても、まだまだ追いつけない神秘の学問。
 古くて新しい「ヨガ」の智慧からは、私たちも多くのことを学ぶことができます。
 本書は、ヨガを日常生活に取り入れ、健康に役立てるのに最適な入門書です。


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