本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『あなたの年齢は「意識」で決まる』(ディーパック・チョプラ)

 お薦めの本の紹介です。
 ディーパック・チョプラ博士の『あなたの年齢は「意識」で決まる』です。

 ディーパック・チョプラ(Deepak Chopra)博士は、米国の著名なスピリチュアルリーダーであり、医学博士です。
 代替医療のパイオニアで、心と体の医学、ウェルビーイング分野における世界的第一人者です。

ブレイクダウン―破壊―からブレイクスルー―突破―へ

 人間の体は、時間の経過とともに劣化し、最後には死んでしまう。
 ほとんどの人は、その事実から逃れることはできないと思い込んでいます。

 チョプラ博士は、それを否定し、「その思い込みこそが、病気を呼び込み、体を老いへ導くのだ」と強調します。

 鏡の中に映っている自分の姿からいったん目をそらしてみてください。もしあなたが火星人で、体が時間の経過とともにどのように老いて、衰えていくか見たことがなかったとしたら、まったく逆に、体は時間の経過とともにだんだんよくなっていくものだと信じるかもしれません。
 生物学的に見ると、体が不完全である理由などないのです。この観点からスタートしてみましょう。あなたの心から古い思い込みを消し去ってください。今あなたは、状況を完全に変化させるブレイクスルーや画期的な考えを自由に享受することができるのです。

 あなたの体に際限はありません。あなたは、宇宙全体のエネルギー・創造性、知性を受け取って伝えている存在です。

 今この瞬間、宇宙はあなたの耳を通して聞き、あなたの目を通して見、あなたの脳を通して経験しています。

 あなたがここにいる目的は、宇宙を進化させるためなのです。

 これらは決してとっぴな考えではありません。人類の体は、すでに宇宙の中で最も進化した実験の場なのです。
 あなたも私も、生命の最先端にいます。生き残りの最大のチャンスは、その事実を受け入れることです。地球上の他のどの生命体よりも急速な進化のおかげで、今日、私たちの健康はますます向上し、寿命は長くなり、創造性は溢れんばかりになり、科学はどんどん急速に進化するという可能性のビジョンを持てるようになったのです。
 私たちの肉体的進化は、20万年前に止まりました。あなたの肝臓、肺、心臓、腎臓(じんぞう)は、原始人たちのものと同じです。実に、人間の遺伝子は、その60%がバナナの遺伝子と同じです。そして、90%はネズミの遺伝子と同じで、99%がチンパンジーの遺伝子と同じなのです。
 言い換えれば、私たちを人間たらしめているその他すべてのものは、肉体的進化というよりは、はるかに非物質的進化によるものです。私たちは、自分自身を発明、発見し、その過程で肉体を一緒に連れてきたのです。

 『あなたの年齢は「意識」で決まる』 はじめに より ディーパック・チョプラ:著 渡邊愛子、水谷美紀子:訳 フォレスト出版:刊

 本書は、分断されている体と魂のつながりを復活させ、体を「再発見」するための方法をわかりやすくまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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あなたの物理的な体は「フィクション」である

 私たちの物質的な体は、自分でも常にそれが実在していると思いこんでいるのですが、本当のところはフィクションです。

 あなたの物質的な体とは、あなたの心が頑(かたく)なにしがみついている思考であるということがわかれば、とてつもないブレイクスルーが起こるでしょう。あなたはもう物資の塊の中に閉じ込められることはなくなります。とりわけ、自分の体について、ずっと好ましいとらえ方が自由にできるようになるでしょう。
 確かに、五感が私たちの物質としての存在を裏付けているように見えます。「温かく柔らかい肌に触れることはただの思考に過ぎない」と認識するのは不安なことかもしれません。しかし実際、それは思考に過ぎないのです。
 初期のキリスト教信者たちにとって、体とはスピリットから作られた肉体であり、肉体的な部分は幻想でした。温かい肌に触れることは、誘惑に触れることでした。
 ネイティブアメリカンのホピ族にとっては、全宇宙はエネルギーとスピリットの流れであり、体はその流れの中の一時的な現象です。温かい肌に触れることは、ひと筋の風に触れるようなものでした。
 仏教徒たちは「無常」と「幻影」というふたつの概念を結びつけました。仏教徒にとって体とは実態のない川のようなものであり、体に固執することがすべての苦しみの始まりでした。温かい肌に触れることは、幻想へと深く深く沈んでいくことでした。
 このような考え方は、あなたが「もの」としての物質的な体を持っていると思うのと同じくらいもっともなことであり、そして単純な事実を提示しています。つまり「人間が物質界に属しているように見える」ということについて、何らかの疑念が常に存在してきたということです。
 岩は物質ですが、感情を持ちません。樹(き)は物質ですが、意志を持ちません。どんな細胞も物質でできていますが、細胞は音楽を作ったり、芸術を生み出したりはしません。宇宙は、人類の進化を物質の次元から超越させたのです。
 たとえばあなたが「本」を単に物質的対象としてのみ扱うとしたら、それがどんなにおかしなことか考えてみてください。本を燃やして燃料にすることもできますし、もしくはドアストッパーにすることもできます。破ったページをくしゃくしゃに丸めて、くずカゴめがけてバスケットボールのように遊ぶこともできるでしょう。もし本が大きかったら、武器のように人に投げつけることもできます。
 しかしそのようにしてしまったら「本」というものの本質、まさにその存在意義が失われてしまうのは明らかです。本が「情報」「インスピレーション」「快楽」そして「美」の源でなかったら、いったい何だというのでしょう?
 このことは、あなたの体を物質的対象ととらえることと同じくらい間違っています。たとえ、体は食物を燃焼させたり、ゲームで遊んだり、殴り合いや戦争が始まったらいつでも武器に変わるとしても、です。

 『あなたの年齢は「意識」で決まる』 breakthrough #1 より ディーパック・チョプラ:著 渡邊愛子、水谷美紀子:訳 フォレスト出版:刊

 人間は、単なる物質以上の存在である。
 そのことは、誰もが知るところです。

 それどころか、人間の本質は、物質の次元から超越した部分、つまり「魂」です。
 物質的な体は、そのほんの一部分にすぎないということ。

 目に見える「体」ではなく、目に見えない「魂」が、“本当の自分”である。
 そう考えることから、ブレイクスルーが始まります。

あなたの本当の体はエネルギーである

 次のブレイクスルーは、あなたの体は純粋なエネルギーであるということです。

 私はどんな対象物でも――木の棒、マッチ、タングステン線などを――物質的な世界から消滅させることができます。
 どんな物理的な物体も、電子顕微鏡で観察することによって、固形ではなく、もやもやした霧や雲のようなものに変化するのですが、さらに拡大していくと、その霧が、純粋で目に見えない波動になって消えていくのです。
 そうした波動のエネルギーを解放することは、非常に有用なことです。
 だからこそ、木は燃やすことができ、マッチは火を移動することを可能にし、タングステン線は電気を通すと熱と光の両方を放射するということを私たち人類が発見したとき、そのエネルギーは世界を変えたのです。
 どんな場合においても、まだ利用されていないエネルギーは「目に見える世界」と「目に見えない世界」との接合部に存在しています。
 この接合部こそ、まさにこれまであなたの体について言い表してきたものなのです。
 木の切れ端は、何もせずに接合部に存在することで満足していますが、あなたの体はそうではありません。あなたの細胞は、内なる火をともしながら、常に境界線を越えて行ったり、戻って来たりしています。
 DNAがどうやってこのようなことを覚えたのかは謎(なぞ)に包まれています
 なせなら、それはまさに、外部の助けを得ずして、タングステン線が光ることを覚えたり、マッチが火花を散らしたりするようなものだからです。
 しかし奇跡は、それよりももっと深いところにあります。木が燃えると、灰になり、やがて火は消えますね。タングステンが白熱しても、いつかは燃え尽きてしまいます。
 しかしDNAは、エネルギーを放出するにつれ、成長し、増殖するのです。
 実際にDNAが行っている唯一のことは、未加工エネルギー(熱や電気的衝動)を無数の複雑なプロセスに変換することです。そしてDNAは、他の化学物質のようにそれ自体がエネルギーでできているため、あなたの体は、より多くのエネルギーを得ることによって自身を生かし続けている、エネルギーの塊のようなものなのです。
 このことをよりクローズアップして見ていくほど、謎の中にさらなる謎が潜んでいることがますます明白になってきます。

 『あなたの年齢は「意識」で決まる』 breakthrough #2 より ディーパック・チョプラ:著 渡邊愛子、水谷美紀子:訳 フォレスト出版:刊

「目に見える世界」と「目に見えない世界」の接合部からエネルギーを得る。
 その鍵を握っているのが、DNAです。

 この世のあらゆる物質は、固有の波長(波動エネルギー)を持っています。
 もちろん、人間も例外ではありません。

 人間が、他と違うのは、発する波動エネルギーを変えられること。
 つまり、自分の意志で、強めることも、弱めることもできることです。

あなたの意識には「魔法の力」がある

 体に起こるすべての問題は、「歪んだエネルギー」が原因です。
 歪んだエネルギーを、通常に戻すために重要なのは、「意識」の力です。
 意識とは、意味が生じる場のこと。

 チョプラ博士は、意識は目に見えない力で、あなたの体の中で最もパワフルな力として作用すると述べています。

 全身のあらゆる細胞が、あなたの脳が考えていることや、あなたの気分がどう変わるか、あなたの心の奥にある信念が何か、わかっています。
 意識が変容するにつれ、あなたのエネルギーも変化し、そして体も変わるのです。
 こうした一連の事象は、次のような経路をたどり、目に見えない領域から目に見える領域へと移行していきます。

 意識  ▶  エネルギー  ▶  身体

 この図式はシンプルに見えますが、深遠なブレイクスルーをはっきりと描いています。なぜなら、これは、ともすれば神秘的ともいえる医学的発見について説明しているからです。
 たとえば、心臓発作を防ぐための研究プロジェクトの中でも最も有名なもののひとつであるヘルシンキ・ビジネスマン・スタディの結果(フィンランド症候群の名で知られる研究」)について誰もまだ理解できていません。
 心臓病リスクの高い中年フィンランド人男性をふたつのグループに分けた実験です。
 ひとつは年に数回病院へ行き、減量についての一般的なアドバイスを受け、食生活に気を付け、煙草(たばこ)を吸わないといったことぐらいの無頓着(むとんちゃく)なグループ。
 もうひとつは厳格にルールを守り、高血圧や高コレステロールといった、特に心臓発作のリスクとなるような要素を減らす特別なプログラムに参加するグループでした。
 研究の結果、厳格ではない無頓着なグループのほうが全体的に死亡率が少なかっただけでなく、心臓発作による死亡も少なかったことに研究者たちは驚きました。
 なぜこのようなことが起きたのでしょう?
 もしかしたら常に心臓のことを心配し、あまりに頻繁に病院に足を運んで、医師の不安な表情を見過ぎたことが、健康上のリスクになったのかもしれないとコメントした研究者もいました。
 意識のレベルから考えると、この説明は道理にかなっており、また多くの、さまざまな研究結果をも解明しています。
 若年性の心臓発作を防ぐためには、コレステロールの摂取を減らすよりも、20代で心理的な問題に直面しておくほうがより効果的であることも事実です。
 感情的に立ち直りの早い高齢者のほうが、感情的な立ち直りは遅いものの、ビタミンを摂って定期的に検診を受けている高齢者よりも、健康で長生きする可能性が高まります。
 このような発見は、体を構成するふたつの土台である意識とエネルギーを無視してしまったら、ただの神秘になりさがってしまいます。
 あまりに多くの人が、このつながりを見いだせないまま自分の体と闘うことになってしまっています。

 『あなたの年齢は「意識」で決まる』 breakthrough #3 より ディーパック・チョプラ:著 渡邊愛子、水谷美紀子:訳 フォレスト出版:刊

 身体と精神(意識)は、お互いに強く関連しあっている。

 その事実は、今では、多くの人が信じるところです。
 その関係をさらに深く探っていくと、身体上の問題は、すべて意識から始まっています。

「病は気から」
 昔から、そう言われていますが、まさにその通りですね。

あなたは遺伝子を「改善できる」

「生物は固定されて変化することのない、ひとそろいの遺伝子を持って生まれてくる」
 今でも、専門家をはじめ、多くの人々がそのように主張します。

 しかし、最近の研究から、「遺伝子は変化させ、改善させることができる」という事実が明らかにされています。

 生物学者たちの間で変化したのは、遺伝子はスイッチがオンになったときにのみ影響を与えるという認識です。
 遺伝子は、スイッチが入らないと、何の影響力も持ちません。
 双子がまったく同じであるのは生まれたときだけで、それぞれ独自の経験をしながら人生を歩んでいきます。そしてその経験が、ある遺伝子のスイッチをオンにし、ある遺伝子のスイッチをオフにします。
 人間の体とは、スイッチをオンにしたりオフにしたりするという一生涯続くプロセスの最終的産物なのです。
 この時点で、3つの可能性が考えられます。

  • 遺伝子は、決められた予定通りにスイッチがオンになったりオフになったりするのかもしれない
  • 遺伝子は、個人の行動や経験しだいで、スイッチがオンになったりオフになったりするのかもしれない
  • 遺伝子は、右のふたつが混ざりあった理由から、スイッチがオンになったりオフになったりするのかもしれない

 右の3つの可能性のうちふたつには、遺伝子スイッチのオンオフを自分で選ぶ余地が残されています。
 これはよい知らせです。なぜなら、何十年もの間、遺伝子は固定されているものだと思われていたからです。
 遺伝子は私たちに遺伝性の特徴を与え、体に起きること決定します。
 そこに選択の余地はほとんど残されてはいませんでした。
 しかし、同じような遺伝子の様相を持った70歳になるためには双子である必要はなく、それはあらゆる人に可能なことなのです。
 あなたには、同じ3つの可能性が作用しています。
 つまり、あなたの行動は、ある特定の遺伝子には影響を与えないけれど、他の遺伝子には強い影響を与え、そしてあなたの遺伝子の大多数にとって、自然な流れと育成的な行いがともに重要な役割を果たしているということなのです。

 『あなたの年齢は「意識」で決まる』 breakthrough #4 より ディーパック・チョプラ:著 渡邊愛子、水谷美紀子:訳 フォレスト出版:刊

 同じ遺伝子を持つ人間、例えば、一卵性双生児でも、育った環境や経験の違いで、まったく違う人間に育ちます。
 スイッチがオンになった遺伝子が違ってくるからです。

 もちろん、背の高さや髪の色、目の色など、先天的な部分もあるのでしょう。
 しかし、それら以外でも、自分の意志で変えることができる部分も多いということ。

「能力は生まれつき、決まっているもの」
 そのような常識を覆すのには、十分な事実ですね。

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 医学の進歩は、私たちに、より若々しく、長生きするための知恵を授けてくれます。
 神秘のヴェールに包まれてきた人体の秘密を解き明かしていく。
 すると、その先に科学では解明できない、“大きな何か”に突き当たります。
 それは、スピリチュアルな部分、つまり「魂」と言われるものです。

 これまで、多くの人が相容れないものと考えてきた、「科学」と「スピリチュアル」。
 突き詰めていくほど、この二つは切っても切れない関係であることがわかってきます。
 チョプラ博士は、これまでの医学・科学では説明しきれない現象を、スピリチュアルな観点から、論理的に見事にまとめています。

 意識を変えることにより、自分自身を「再発見」する。
 これまでの常識にとらわれない、新しい時代のアンチエイジング法。
 皆さんも、経験してみてください。

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