【書評】『変える力。』(中谷彰宏)

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 お薦めの本の紹介です。
 中谷彰宏さんの『変える力。』です。

変えるべきは、問題そのものではなく、問題の解決方法


「変えられない」と嘆く人は、「自分に与えられた問題や壁を変えたい」と願っています。

 例えば、融通のきかない上司を変えたいと思って転職を繰り返す。
 これは、与えられた問題をすり替えようとしているだけで、根本的な解決にはなりません。
 よそへ行っても同じ問題が起こります。

 中谷さんは、このような場合、変えなければいけないのは問題そのものではなくて、問題の解決方法だと指摘します。

 一つのやり方にこだわって努力しても、なかなか問題は解決しません。
 違う角度から攻めてみることが大切です。

 本書は、「今までと違うやり方」問題を解決するアプローチの仕方のヒントをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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見たくないものにも、目を向ける。


 変えたいのに変えられない人は、「あれもこれも、変えよう」とする傾向があります。

 変えたいことが一度に2つ以上出てくるのが、変えられない人の共通点です。

 自分が見たくないもの、受け入れがたいものを「変えたい」と言えた時点で、その人は半分変えることができています。
「変えたいところがいっぱいあって、あれもこれも」と挙げれば挙げるほど、本当に変えたいものからどんどん目をそらしています。
 その部分を相手に気づかれないようにしながら、自分もその問題に触れたくなくて、別のことをたくさん挙げているのです。
 A・B・Cと挙げたもののうちのAを解決しても、まだBもCも挙げます。
 結果的に、一番変えたいことが出てこないのです。
 最も目をそらしている受け入れがたいことを1個変えると、AからZまで全部が変わります。
 これが根っこの問題です。
(中略)
 本当に自分が変えたいところは、あまり見たくないものです。
 誰かにSOSを出して解決策を聞きに行っても、自分が一番変えたいところに目を覆って、変えたいところとは関係ない話をします。
 これが変えられない原因になっているのです。

 変えるために大切なのは、自分が最も目をそらしている事態を、受け入れることなのです。

 『変える力。』  第1章 より 中谷彰宏:著 世界文化社:刊

 自分自身では、うすうす感づいているけれど、受け入れがたい「自分が本当に変えたいこと」。
 普段は、自分の奥底に閉じ込めているので、表面化することがありません。
 しかし、すべての問題の根本はそこから発生します。

 自分には、問題がいくもあり、どこから手をつけたらいいか分からない。
 そんな悩みを抱える人は、、共通する原因が自分の中にないか、注意深く探してみるのも一つの方法です。

失敗より、失敗の原因を考える


 変えられない人は、「あれで失敗した、これで失敗した」という「失敗」が頭にたくさん残ったままになっています。
 それらが邪魔をして、次の行動をなかなか起こせません。

 変えられる人は、失敗を全部忘れています。
 失敗を覚えておく必要はないのです。
 大切なのは、失敗の原因です。
 なぜ失敗したのか原因を考えることで、次の作戦が立てられます。
 失敗だけを覚えていても、反省になりません。
 反省とは、失敗の原因を考えて、失敗を忘れることです。
 失敗を忘れると言うと、いいかげんな人のように感じます。
 大切なのは、失敗にこだわらないことです。

 失敗を覚えていると、「前もこれで失敗した」と心配になります。
 変えられる人は、前に失敗したことを忘れています。
 改善点だけが残っているのです。
 成功も同じです。
「前にこれで成功した」という人は、状況も時代も変わっているのに同じやり方をします。
 10年前に成功したやり方では成功できないのです。
 昔の成功話をするオジサンは、成功例だけを覚えていて、失敗します。
 成功の事実は忘れていいのです。
 成功した原因を覚えておくことです。

 『変える力。』  第2章 より 中谷彰宏:著 世界文化社:刊

 失敗そのものは、忘れていい。
 覚えておくべきは失敗した原因だけ。

 失敗の経験を積み重ねるほど、人は学ぶことができ、賢くなれます。
 人が成長する方法は、突き詰めれば、この方法しかないのかもしれませんね。

 いくら頭でいいアイデアを考えついても、実行してみないと意味がありません。
 人生、すべて「トライ・アンド・エラーの繰り返し」です。

 一つひとつの失敗を忘れるくらい、たくさんのチャレンジをして、たくさんの失敗を繰り返す。
 それが、成功への近道です。

弱音を吐く集団に属さない。


 生まれ変われない集団は、つねにグチ・悪口・ウワサ話の弱音を吐いています。
 中谷さんは、自分が生まれ変わるためには、生まれ変われない集団から抜け出すことだと述べています。

 会社を辞めて独立したり、独立して成功すると、もといた会社の仲間からは絶対に悪口を言われます。
 これが成功し、成長して変化したあかしです。
 地獄から抜け出せない側は、頑張って地獄から抜け出した人間がうらやましくて悪口を言います。
 特に弱音を吐く集団は、自分たちが同じ仲間であることが唯一の救いです。
 その地獄から抜け出す人間が1人でもいると、「あいつだけ抜け出して、自分の不幸さ目立っちゃう」というので悪口を言うのです。
 そもそもグチ・悪口・ウワサ話の集団なので、これほどおいしい材料はありません。
 抜け出した人は、その時に寂しさを感じないことです。

 悪口を言われたからといって反論しないことです。
 反論した時点でドロ沼のほうへ戻ってしまいます。

 ドロ沼から抜け出せなくなります。
 悪口を言われることでドロ沼から抜け出せるのです。
 悪口を言われなければ、まだ抜け出せていません。
 そねみ・ねたみも受けて聞き流すことです。
 ドロ沼から抜け出せれば、それは届かなくなり、聞こえなくなります。
 聞こえているうちは、まだ距離が近いのです。
 悪口を叫んでいるのが聞こえなくなった時その人は初めて変われたのです。

 変わろうとした時に、変われない人間からは必ず悪口を言われるものなのです。

  『変える力。』  第4章 より 中谷彰宏:著 世界文化社:刊

「類は友を呼ぶ」と言います。
 周りに集まってくる人は、自分と同じレベルの意識の人たちです。

 意識の低い人ばかりが周りに集まってくる。
 それは、「運」でも「偶然」でもなく、自分の意識が低いからに他なりません。

 周囲の人の言うことに、いちいち腹を立てたり、むかついたりする。
 それは、結局、自分自身も彼らと同レベルだということです。

 周りにまどわされることなく、自分自身を高めることに集中しましょう。
 いずれ、雑音の届かなくなる高みまで上ることができる、と信じて。

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「変われない人」は、いずれ袋小路に追いつめられ、立ち往生します。
 そして、何らかの理由で「休養」を取らなければならない羽目になります。

 中谷さんは、成長するために大事なことは、バッターボックスに立ち続け、来た球を打ち続けることだとおっしゃっています。
 三振しても、ピッチャーゴロになってもいい、とにかく来たボールは見逃さずにバットを振り続けることだと重ねて強調されています。

 「全てのボールに食らいついていくんだ」

 そういう積極的な気持ちを持ち続けることが、「変える力」の原動力です。

 日頃から、いつでもどの場面でも、打席に立ってフルスイングできる。
 そのための準備は忘れずに心掛けておきたいですね。

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