【書評】『38歳までに決めておきたいこと』(小倉広)

LINEで送る
Pocket

 お薦めの本の紹介です。
 小倉広さんの『38歳までに決めておきたいこと』です。

 小倉広(おぐら・ひろし)さん(@ogurahiroshi)は、経営コンサルタント、ビジネス書作家です。
 自ら「人間塾」を主宰(さい)し、人間力向上の啓蒙活動なども行なっていらっしゃいます。

「しょぼくれた」40代と「カッコイイ」40代の分岐点は?


 日本人の平均寿命を80歳とすると、40歳はちょうど半分。
 人生の折り返し地点にあたる節目の歳です。

 小倉さんは40歳になったとき、「好きなことしかやらないようにしよう」という決断をしました。

 好きな仕事しかしない、嫌いな仕事をしている暇はない。
 好きな人しか付き合わない。嫌いな人と付き合っている時間などない。
 好きな店でだけ食事をする。新規開拓をしている暇はない。

 一見すると、単なるわがままな生き方に見えるかもしれません。世の中はそんなに甘くないぞ、と思われるかもしれないでしょう。しかし、そうではありません。

 好きなことをやり遂げるためには、嫌いなことだってやらなければならないときがある。しかし、それはあくまでも好きなことをやる、という目的に付随する手段です。だから、どんなにツライことだって平気です。
 ですから、「好きなこと」しかしない、と決めてからの私にはツライことがなくなりました。24時間あらゆる活動が「好きなこと」のためにある。人生が劇的に変わった瞬間です。

 『38歳までに決めておくこと』 Chapter1 より 小倉広:著 日本実業出版社:刊

 小倉さんは、この「好きなことしか、しない生き方」を、あらゆることを自分で選んだ好きなことだと「決める」生き方、といえるかもしれないと述べています。

 あらゆることを自分の意志で「決める」決心を身につけられるかどうかが「しょぼくれた」40代と思われるか「カッコイイ」40代と思われるかの分岐点です。

 本書は、「カッコイイ40代を迎えるために、38歳までに決めておきたいこと」をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

スポンサーリンク

どんな艱難辛苦が訪れてもやめないこと


「決める」とは具体的にどのようなことをいうのか、小倉さんは以下のように説明しています。

 40代の「決める」は、「決断する」ということです。決断するということは、ただ決めるのではなく、「どんなに艱難辛苦(かんなんしんく)が訪れても」変えない、あきらめない、ということです。嵐が来たらやめてしまうのは決断ではないし、反対されたらやめてしまうのも決断ではありません。思いがけないトラブルや周囲からの大反対があっても、それをあらかじめ予想しておいた上で「それでもやっていくんだ」と決めておく。それが40代の「決める」ということなのです。
 僕は現在の会社を会長と二人で共同経営をしています。会長とは何回もケンカをしたし、もう一緒にやっていけない、と思うことが何度もありました。だけど僕たちは「何があっても一緒にやる」と決めて、会社をスタートしました。つまり、一緒にやっていく、という覚悟を決めたのです。だから、「うまくいけば続ける」、「そうでなければやめる」という選択肢はありません。一緒にやると決めた以上、他の選択肢はない、のです。
 しかし、多くの人は何も決めないまま、10年、20年と働いています。決めない人生を10年、20年歩むのは、さぞツライでしょう。
 ならば、その会社に残るなら残ると、いったん決めてみませんか。何でもいいから決めること。そして、決めたことに向かって一所懸命やっていくことです。

 『38歳までに決めておくこと』 Chapter1 より 小倉広:著 日本実業出版社:刊

 どんな艱難辛苦が訪れても「変えない」という決心。
 それだけの信念を持って決断することはなかなか大変です。

 逆にいうと、それだけの信念を持って決断したことならば、結果がどうであろうと後悔することは少ないです。

 小倉さんは、信念を持った決断であれば、それが「今の会社にしがみついていくこと」でも構わないと述べています。

「決めた内容」ではなく「決めること」それ自体が重要だということですね。

40代からは友達を大事にする


 小倉さんは、さびしい40代を過ごすのか、友達と豊かな時間を共有する40代を過ごすのか。それは40歳までに「友達を大事にすると決める」かどうかにかかっていると述べています。

 なぜ、40代に友達が大切か、という種明かしをすると、40歳を過ぎると仕事に少しゆとりが出てくるのです。たとえばお客様のところに訪問するにしても、以前だったら自分で作っていた資料や議事録を、20代、30代の部下に任せることができる。40代は、作業的な仕事がぐっと減り、より広い視野で仕事をさせてもらえるようになる。だから、それであいた時間を孤独に一人で過ごすか、友達と豊かに分け合うかで大きな差が出てくるのです。
 時間に少しゆとりが出る40代。だからこそ、友達を大事にする、友達との時間を優先して作ると決めてほしい。40代からは、そういう風にシフトを切り替えていってほしいな、と僕は思います。

 『38歳までに決めておくこと』 Chapter4 より 小倉広:著 日本実業出版社:刊

 平日は仕事場と家の往復のみ、休日は疲れて家でゴロゴロ・・・。
 それでは、人間関係は広がっていきません。

「家の外では、会社関係の人としか顔を合わせない」
 それでは、刺激が少なすぎますし、退職した後のことを考えても不安です。

「忙しいから」を言い訳をせず、積極的に友達を作る努力をしたいですね。

「感謝しています」は感謝ではない


 小倉さんは、行動を起こさずに気持ちだけ感謝している。これは、感謝していないのと同じことだと述べています。

 その理由は、行動と気持ちは表裏一体であるからです。

 僕は、感謝することは「愛すること」と同じだと思っています。愛することは、相手が大好きでドキドキする、会いたいという気持ちではなく、相手に喜んでもらう行動をすることだ、と言いました。感謝もそれと一緒で、「感謝しています」と心で思うのは、感謝していることにはならない。本当の感謝は、行動に表わすこと。行動に表わすとは、たとえば、大切な誰かのために自分の時間を使う。自分のお金を使う。自分の心を使うことです。
「ちょっと待ってよ。オレは行動していないのかもしれないけど、感謝の気持ちはしっかり持っているよ」。そう言う人には、「知行合一(ちこうごういつ)」という言葉を伝えたい。「知っていることと行なうことは一つである。知っているだけで実行していないことは、知っていることにはならない。それは知らないということだ」という意味です。
「感謝してるけど、行動を起こしていない」は、感謝の本当の意味を知らないから行動を起こさない、ということ。本当に感謝の意味を知っていれば、行動を起こしているはずなのです。
 自分の時間やお金、心を使って感謝する。「してあげる幸せ」を感じ始める40代からは、そんな転換があってもいいんじゃないか、と僕は思います。

 『38歳までに決めておくこと』 Chapter5 より 小倉広:著 日本実業出版社:刊

 思っているだけでは何も起こらないし、何も伝わらないものです。
「感謝すること」も行動に移してはじめて、「感謝」の本当の意味を知り、相手に伝えられます。

「知行合一」

 頭に刻み込んでおきたい言葉です。

「神様からのメッセージ」を読み解こう


 小倉さんは、哲学者の森信三先生の「最善観」という言葉を引用しています。
 この言葉の意味は、

「あらゆることが天が一番よい方向に定めている。
 だから起きたことにすべて意味があり、それはよいことである」


 つまり、自分の身に起きたことすべてを受け入れる、という発想から生まれた言葉です。

 なかなか受け入れることができないつらいこと、悲しいことは人生では起こり得ます。
 小倉さんは、そのような出来事を「神様からのメッセージ」という言葉に置き換えることを勧めます。

「神様からのメッセージ」には、二つの特徴があります。

 一つは、逃げても、逃げてもどこまでも追いかけてくるということ。
 もう一つは、逃げると問題がどんどん大きくなっていくということ。

 実は、日々起きている嫌なことの多くは、「神様からのメッセージ」を読み解かずに、逃げている自分に原因があるのです。逃げていると、自分自身は何も変わりません。だから問題はどんどん大きくなっていく。そして巨大な岩に押しつぶされ、骨を折ったり、命を失いそうになって初めて気づくのです。
 そしてあなたは後悔します。もっと早く生き方を改めていれば、こんな病気にならなかったのに。もっと早く奥さんのことをわかってあげられたら、やり直せたかもしれないのに。愚痴を言わずに頑張っていれば、クビにならなかったかもしれないのに、と。
 メッセージを放ったらかしにして逃げ続けていると、ついには最終局面を迎えることになってしまいます。だからこそ、よくないこと、嫌なことがあったらチャンスだと思わなければなりません。神様が最終局面になる前に気づくチャンスを与えてくれたのだ、と。

 40歳を迎えるにあたって、自分に言い訳をしたり、人のせいにしたり、逃げ続ける人生をやめる、と決意しませんか。
 どんなに受け入れがたいことが起きても、それを「神様からのメッセージ」であると受け止めるのです。そして、自分を変えていく。それができるようになれば、きっとあなたが迎える40代は素晴らしいものになるはずです。

 『38歳までに決めておくこと』 Chapter1 より 小倉広:著 日本実業出版社:刊

 どんな問題も、最初は小さく些細(ささい)なものです。
 それを何もせずに放っておくと、手に負えないほどの大トラブルになります。

 自分の問題に言い訳せず、人のせいにしない。
 自分の問題から逃げない。

「神様からのメッセージ」を受け止め、自分が成長するための力に変えたいですね。

スポンサーリンク

☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 20代・30代は、仕事が忙しく、なかなか自由な時間をとることができません。
 日々の生活をくり返すのが精一杯だという人も多いでしょう。

 だからこそ、どういう40代になりたいかを自分で思い描いて「決める」ことが重要になります。

 40年、50年なんて過ぎてしまえば、あっという間です。
 誰の人生でもない、自分の人生です。

「こうありたい」と決めて、悔いのない生き方をしていきたいですね。


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 15

フォローする

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA